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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.09 11月11-12日 MFJGP SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:2023全日本モトクロス選手権第9戦第61回MFJ-GPモトクロス大会
■開催日:2023年11月11-12日(土日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO九州
■レース時間:IA1(25分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(25分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1

ヒート1:ジェイが21勝目、復帰3戦目の渡辺が3位とし表彰台に復帰

2023年シーズンの最終戦MFJ-GPが11月11-12日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催。予選では2023年のIA1チャンピオン#27 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM)がトップ。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1富田俊樹が2番手、そして地元の#3渡辺祐介が5番手と、それぞれ好感触を持って決勝を迎えた。YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#16町田旺郷は怪我により今大会も欠場となった。

レースは富田の鮮やかなホールショットからスタート。ジェイは1コーナーでは遅れていたが、すぐにポジションを上げて富田の背後に迫ると1周目の内にトップ交代。この結果、1周目を終えての順位はジェイ、富田、大城魁之輔(ホンダ)、内田篤基(カワサキ)、渡辺、能塚智寛(カワサキ)となった。

2周目に入ると、いつも通りジェイがプッシュし2番手以下との差を一気に10秒程度まで拡大すると、その後はペースをコントロール。ライバルを寄せ付けることなくファーストチェッカーを受け、今季21勝目をあげた。なお、2位には大城が入った。

一方、5番手からスタートとした渡辺は、序盤に内田の転倒で4番手。チームメイトの富田の転倒で3番手。その後は後方に能塚が控えていたが、これを寄せ付けることなく3番手をキープしつつ、前をいく大城をターゲットにプッシュしたが届かず3位でチェッカー。開幕戦での怪我から長い治療とリハビリを経て第6戦で復帰。それから3戦目となる今日、開幕戦以来の表彰台獲得となった。

ライバルを抑えてホールショットを獲得した富田は、オープニングラップでジェイにかわされ2番手で1周目を終えると、2周目には大城に先行を許して3番手に後退した。さらに5周目に入ってから転倒し5番手となったが、その後は順位の変動はなく5位でチェッカーとなった。

ヒート2:ジェイが22勝目をあげてシーズンを終了

2023年全日本モトクロス選手権、最終のレースとなったIA1ヒート2。好スタートを切ったのは大城、これに対してヤマハ勢は星野が2番手、ジェイが6番手、7番手に渡辺、9番手に富田が続いた。続く2周目にジェイがハイペースで大きく挽回し3番手に浮上。さらに3周目もプッシュは続き、星野、さらに大城もかわして早々にトップに浮上した。しかしここでジェイのプッシュは終わらない。勝負をつけるべくさらにプッシュを続け、大城以下との差を大きく広げると、その後はペースをコントロールしてラップを重ね、今季22勝目をあげ総合優勝という形でシーズンを締め括った。2位には大城、3位には能塚が入った。

渡辺と富田は、星野、大倉、能塚といったトップライダー5人による3位争いに加わった。9番手で1周目を終えた富田は序盤の内に挽回し、3位争いの最後尾7番手につけると、渡辺がミスで後退したことで6番手。順位を落とした星野を捉えて5番手。さらに大倉を攻略して4番手とすると、5秒程度前をいく能塚をターゲットにハイペースでプッシュ。最終ラップにはその背後に迫りながら届かずシーズン最終レースを4位、総合では5位でシーズンを終えた。

渡辺は序盤で5番手とすると、その勢いのままに前を行く大倉にプレッシャーをかけていった。ところが、そこでミスがあり7番手まで後退してしまう。しかし最後まで渡辺は諦めることなく、星野をかわし6番手とすると、さらに順位を落として5番手となった大倉に迫り、抜き差しの激しいバトルを繰り広げ5番手を確保するとそのままポジションを守り5位。怪我に苦しんだシーズンだったが、最後は復活を印象づける総合4位でシーズンを終えた。

IA2

ヒート1:ビクトルが今季9勝目をあげチャンピオンを決定

この最終戦でチャンピオンが決定するIA2。ポイントリーダーはYZ250Fを駆る#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers)で288ポイント。2番手につける横澤拓夢(ホンダ)が260ポイントと、その差は28ポイント。ビクトルが十分なリードを持ってこのMFJ-GPに臨んだ。

予選はライバルの横澤が総合トップと好調。一方で総合2番手はYZ250Fを駆る#4中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)、ビクトルは総合4番手で決勝に臨んだ。なお、#2浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)は第8戦での怪我のため欠場となった。

レースは、ランキング2位につける横澤が好スタートからリード。これに中島、池田凌(カワサキ)、福村謙(スズキ)が続き、ビクトルはその後方5番手で1周目を終えた。序盤はこの順位で進んだが、4周目にレースが動く。ポジションを上げてきた福村と2番手の中島が接触し、これで中島が転倒して順位を落とし、自動的にビクトルは4番手に浮上した。

さらにビクトルは池田をかわして3番手に浮上すると、2番手の福村とともにトップの横澤に迫り三つ巴のバトルへと持ち込んだ。そして福村を捉えて2番手、さらに横澤の背後に迫ってプレッシャーをかけると11周目にこれをかわしてトップに立った。しかし、地元の横澤もチャンピオンを決めさせまいと懸命にプッシュ。ラストラップにそのテールに迫られたが、ビクトルはこれを最後まで抑えてファーストチェッカー。この瞬間、IA2でのデビューイヤーというビクトルのチャンピオンが決定した。

ヤマハ勢日本人のトップは#12渡辺陵(チームピットイン)の5位、序盤に転倒があった中島はその後リタイアとなった。なお、2位は横澤、3位は福村が入っている。

ヒート2:ビクトルが連勝でシーズン10勝目をゲット

ホールショットを奪ったのは中島、これに横澤が迫り1周目の最終コーナーで横澤がトップに浮上した。この結果、横澤、中島、ビクトル、福村、渡辺、柳瀬大河(ホンダ)という順位で2周目に入った。

ビクトルは中島をかわして2番手に浮上すると、ヒート1と同様に横澤とのマッチレースに持ち込んでいった。そして横澤の背後にピタリと張り付き、プレッシャーをかけると、7周目にトップに浮上。その直後は横澤からのプレシャーを受けたが、着実にそのギャップを開いて終盤は単独走行へ。チャンピオンにふさわしい強さを見せ、今季10回目の勝利とともに総合優勝でシーズンを締め括った。なお、2位にはヒート1に続き横澤が入った。

もう一つのハイライトは日本人同士による3位表彰台争い。その最有力は中島かと思われたが、その中島をかわして3番手に躍り出たのが渡辺だった。7周目に逆転して3番手に立った渡辺はその後、トップ2と差もあり順位はあげられなかったものの、最後まで順位をキープして3位でチェッカーを受け、国際A級昇格から6シーズン目にして初の表彰台を獲得した。また総合成績でも3位を獲得。シーズン最高位で2023年を終えた。

中島は序盤で4番手までポジションを落としたが、その後も2つ順位を落として6番手まで後退。そこからは最後までポジションを守り6位でフィニッシュとなった。

レディース:本田がランキング2位、チャンピオンには一歩及ばす

ここまでランキングを争ってきたYZ85LWを駆る#4本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド)と川井麻央(ホンダ)がチャンピオンをかけた大一番に臨んだ。ポイント差は、本田が川井を3ポイント差で追う状況。決勝を占う予選では川井がトップを獲得したのに対し、本田はスタートで出遅れ3番手。2番手はYZ85LWを駆る#7川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面)が入った。

決勝、本田はスタートで遅れ1周目走行中は10番前後。しかしすぐさまハイペースで挽回し1周目を川井、箕浦未夢(ホンダ)に続く3番手とし2周目に入った。

本田は3周目はトップに約4秒差とすると、4周目は箕浦をかわして2番手に浮上し川井の追撃に入った。しかし、その差は縮まることなく、逆に徐々に離されてしまう。その後も本田は最後まで諦めることなくプッシュし続けたが届かず、最終的に2位でチェッカーを受けた。この結果、2019年以来となるチャンピオンには届かなかったがランキング2位でシーズンを締め括った。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

COMMENT

IA1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM

渡辺祐介選手談(IA1:3位/5位:総合4位)

「ライバルがとても速く、簡単ではない戦いでしたが、その中でヒート1は、最低限ではありますが、表彰台に立つことができました。気持ちとしては複雑で、戻って来れて良かったと思う反面、久々に上位を走ったことで腕上がりになってしまったことなど、もっといけたという悔しさもあります。ヒート2はスタートでミスがありましたが最終戦ということで、早くパスしようとプッシュしていた時に、ミスして失速して順位を落としました。でも地元でコースサイドから応援してくれる方がたくさんおり、それを励みにしながら最後まで攻めて走ることができ5位を獲得できました。
今年はシーズンオフから調子が良く自信を持って開幕戦に臨んだのですが、そこで怪我をして半年間バイクに乗ることができませんでした。正直、苦しかったですが、チーム、ファンの皆さん、家族に支えてもらいまたこうして全日本に戻ってくることができ、表彰台に立つことができました。本当に感謝の一年です。ありがとうございました」

富田俊樹選手談(IA1:5位/4位:総合5位)

「ヒート1はスタートが決まったのですが、序盤は攻めきれずにポジションを落としてしまいました。その後、転倒があってリズムを崩し、さらに怪我をしていた手の痛みも気になってきて5位が精一杯でした。ヒート2はスタートを大失敗してしまったのですが、結果はどうであれ、これまで16年間やってきたことを全部出し切ろうという気持ちで走りました。その結果、リラックスして100%を出しきれたので、4位という結果でしたが満足しています。今年は最高峰クラスのゼッケン1で初めて迎えたシーズンでしたが、その重みも感じつつ、ステップアップしたジェイ選手に勝ちたという気持ちもありました。でも実際は歯がたたずに悔しさもあったし、シーズンを通して成績にムラもあって苦しみました。その苦しい中で最後に納得の走りができたのはよかったです。1年間応援してくださったファンの皆さまには感謝しています。ありがとうございました」

白柳弘監督談

「今シーズンは、他メーカーのライバルに加え、ジェイ選手という強力なライダーがYAMAHA FACTORY RACING TEAMの前に立ちはだかりました。その中で渡辺選手が開幕戦の怪我で早々に離脱。その後は富田選手が一人で踏ん張ってくれる状況でしたが、その富田選手も後半に入り苦しい状況になり、チームとしてのサポートが十分ではなかったと感じています。今回はチームにとってシーズン最後の大会となりました。それぞれ心身ともに完璧な状態ではありませんでしが、もてる力を存分に発揮してくれたと思います。最後にここまでチームを支えてくれたファン、スポンサーに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました」

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手兼監督談(IA1:優勝/優勝:総合優勝)

「まず、体調が良かったところもありましたし、2つの勝利を獲得でき良い週末になりました。一方で今シーズンは初めてYZ450Fで走ったシーズンで、レースに加えてテストや移動もあり体への負担も大きかったのは確かです。特にシーズン中には怪我もあって体の疲労がピークにありました。それでもたくさんのことを学ことができて感謝しなければなりません。また今年は22勝をあげましたが、23連勝したかったのが正直なところ。昨年も一つ落としていますからね。もし来年もチャンスをもらえるのであれば、ぜひ挑戦したいと思います。そして、日本人ライダーのレーシングスキルは着実に上がっていると思います。これはとてもうれしいことで、大きな成果です。さらにこの2年間、言葉の壁もあり、最初は私とファンの間に緊張した空気もありましたが、徐々に打ち解けたくさんのファンができました。またモトクロスを好きになってくれた人が増えたことを実感し、とても素晴らしいシーズンになったと思います。1年間、本当にありがとうございました」

IA2

Auto Brothers
ビクトル・アロンソ選手談(IA2:優勝/優勝:総合優勝)

「本当にものすごくたくさんのいろいろなことがあったシーズンでした。もちろん、多くの勝利を獲得することができたのは、本当にうれしいことです。その一方で第6戦の近畿・奈良大会や第7戦の九州・熊本大会では僕のミスもありましたし、第8戦の関東・埼玉ではフィニッシュ直前でのトラブルなど、たくさんの不運にも見舞われました。そうした厳しい結果のレースも含め、すべてレースを受け入れて乗り越えてきたし、日本のライダーたちとのバトルも楽しいものでした。もちろん一緒に戦ったYZ250Fも素晴らしい働きをしてくれました。こうして獲得したチャンピオンは、本当に最高としか言いようがありません。家族、チームスタッフ、ファンに感謝します。"ARIGATO GOZAIMASHITA"」

チームピットイン
渡辺 陵選手談(IA2:5位/3位:総合3位)

「ヒート1はスタートがとても悪く、ビリぐらいだったのですが、そこから追い上げて5位。ファステストラップもとれていたので、ヒート2ではスタートを決めて、絶対に勝ってやろうという気持ちで臨みました。そのスタートでは集中して臨みましたが、ヒート1よりも多少良かったもののまた失敗。ただ、1周目のこなしが良かったことで5番手で戻って来れました。福村選手をかわしたあと、中島選手の攻略には手こずりましたが、自分なりに冷静に組み立てて抜くことができました。ラスト2周は表彰台が見えており、意識をしてしまったのことから、全然集中できなくなり、転びそうにもなりましたが最後まで走り切ることができました。この最終戦で表彰台に立つという目標もあったので、それを達成できて良かったです。IAに昇格して6年、本当に長かったし、今日の25分もとても長く感じました」

レディース

bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド
本田七海選手談(レディース:2位)

「土曜日から緊張して、まったく乗れていませんでした。そうした自分にチームが叱咤激励をくれ、ふきっれたし、決勝では自分の持っているもの、やってきたことをすべて出し切ろうとグリッドに立ちました。でもたくさん練習してきたスタートが決まらず、やはり緊張していたんだと思います。レースではライバルがトップだったので追い上げるしかなかったし、最後まで諦めずに走ることでチャンスが来るかもしれないと考えながら走りました。終盤、離されていることはわかっていたのですが、私自身もいっぱいいっぱいだったので、ミスをしないよう集中して走りましたが届きませんでした。昨年シーズンが終わって、次はチャンピオンという気持ちでやってきたので、悔しいということしか言えません」

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