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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.07 10月8日 九州・熊本

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2023 第7戦HSR九州大会
■開催日:2023年10月8日(日)
■会場:熊本県・HSR九州
■レース時間:IA1(20分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(20分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA-OPEN 15分+1周

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが16連勝で、チャンピオンに王手

第7戦熊本・HSR九州大会が10月8日のワンデーで開催され、IA1とIA2がそれぞれ20分+1周の2ヒートを行い、かつ各クラスの2ヒートの総合15位が混走する15分+1周のIA OPENを行う初のレースフォーマットが採用された。なお、今大会はYAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#16町田旺郷が怪我により欠場となった。

今大会は、YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#27 ジェイ・ウィルソンにとってチャンピオン獲得がかかった大一番。ところが、雨によりマディとなった朝のタイムアタック予選でクラッシュ。不幸中の幸い大事には至らず、ジェイはそのままスターティンググリッドに並んだ。

そしてレースは降り続く雨により難しいコンディションの中で行われたが、その中でジェイはホールショットこそ逃したが好スタートを決めると、1周目からトップに立った。後方につけたのは大城魁之輔(ホンダ)、能塚智寛(カワサキ)、内田篤基(カワサキ)といった日本のトップライダーたちであったが、YZ450FMを駆るジェイは彼らとの差を序盤のうちに拡大。レース中盤には2番手の大城に約10秒と独走状態を作った。

レースはその後、大きな動きはなく、ジェイは予選での転倒の影響を感じさせない走りでトップチェッカー。開幕から16連勝を達成し、ついにチャンピオンに王手をかけた。なお、2位は大城、3位には能塚が入った。

YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1富田俊樹はスタートで出遅れ1周目を終え7番手。その後は大きな順位の変動はなかったが、後半に入り前をいく池谷優太(ホンダ)を捉えて6番手に浮上。その後は順位を上げることができず6位でチェッカーとなった。

今シーズンの開幕戦、このHSR九州のヒート3で転倒し負傷。その後、手術、治療、そしてリハビリを長期間にわたって実施してきたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#3渡辺祐介が復帰した。ところが、朝のタイムアタック予選中にマシントラブルが発生。ここからリカバリーを行ったが、ヒート1までに十分な時間がなかったことから、ヒート1のグリッドに並んだものの、走行することなくリタイアを選択した。

ヒート2:ジェイが開幕17連勝でチャンピオンを獲得

ジェイが、開幕から一度も負けることなくYZ450FMと連勝記録を17に伸ばし、昨年のIA2に続き2年連続でチャンピオンを獲得した。

そのレースではホールショットを逃し、1周目のトップを小方誠(ホンダ)に譲ることとなったが、2周目にはトップへ浮上した。ここから後方の小方を引き離したいところだったが、すぐにはギャップを広げることができず、そのまま周回を重ねていった。そして後半に入り、徐々にその差を広げてチェッカーを受けると、この瞬間、開幕から17連勝とともに、2022年のIA2に続き、今年は国内最高峰のIA1でチャンピオンを決定した。

YAMAHA FACTORY RACING TEAMの富田は9番手で1周目を終えると、3周目に8番手とした後はポジションキープの走行となり、8位でフィニッシュ。渡辺は10番手で2周目に入り、一時9番手に上がったが、前半に10番手へと後退。その後は順位に変動はなく10位でフィニッシュとなった。なお、2位は小方、3位には能塚が入っている。

IA2
ヒート1:中島が開幕戦以来となるヒート優勝を達成

IA1に続きマディでのレースとなったIA2のヒート1は、IA1と同様に20分+1周で行われた。好スタートを切ったのは、前回の名阪で初優勝を遂げた#9鴨田翔(カワサキ)、これに#4中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)、鈴村英喜(ホンダ)、横澤拓夢(ホンダ)らが続いた。

その序盤、素早く動いたのが中島。難しいコンディションの中、鴨田に逃げられらいよう1周目からプッシュして3周目に逆転しトップへ。その後は常にリスクがつきまとうコンディションの中で安定した速さを披露。鴨田とのギャップを徐々に広げて、開幕戦HSR九州のヒート2以来となる、今季2勝目を獲得した。

また、#2浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)は1周目を10番手とし、前半に一時8番手に浮上するも、再び 10番手に後退してそのままフィニッシュ。ランキングトップに立つ#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers)は、マディのコンディションに苦戦しながらも6位でフィニッシュしている。なお、2位には鴨田、3位には池田凌(カワサキ)が入った。

ヒート2:中島が2位表彰台、田中が3位に入りダブルポディウム

このレースで好スタート切り、ホールショットを奪ったのが#17田中淳也(YSP浜松 BOSS RACING)、これに池田、横澤拓夢(ホンダ)、そして中島が4番手につけた。

トップ争いはレース序盤から激しい展開。序盤の内に田中が2番手に後退。一方で中島が横澤を捉えて3番手、さらに中盤に入って田中を捉え2番手にまでポジションを上げた。しかしこの時点で、池田は独走状態であったため中島は届かず、2位でチェッカーを受けた。

また、序盤で3番手までポジションを下げた田中は、後方から浅井が追い上げてきたが、最後までポジションを守り切り表彰台を獲得した。

IA OPEN:ジェイがライバルを寄せ付けず今大会3連勝

今シーズン初めて開催されたIAOPENは、先に開催されたIA1とIA2、それぞれ2ヒートの総合15位までが出場できるレース。IA1はジェイ、富田、渡辺、IA2には、中島、浅井、田中など、各クラスのヤマハトップライダーたちも出場した。

レースはIA1が主導権を握る展開となった。ジェイが好スタートから1周目のうちにトップに浮上。その後方につけた大倉由揮(ホンダ)、小方、能塚だったが、彼らを突き放しトップをガッチリと掴んだ。ここからはいつも通りレースをコントロールしてライバルにアタックされることなく、トップチェッカーを受け開幕18連勝を達成した。

渡辺は好スタートを切ったが、1周目に後退し12番手で2周目に入った。しかしここから挽回を開始、じわじわと順位を上げて最後は7位でフィニッシュ。富田は1周目を終えて5番手、しかし転倒がありポジションを落としてしまったが、最後は12位でフィニッシュとなった。

ヤマハ勢で2番手となったのはIA2でYZ250Fを駆る浅井。序盤に8番手につけるとその後は前方にいた中島を捉え、このバトルを制して5番手まで浮上。終盤には4番手につけるIA1の大倉の背後につけたが届かず。それでも、IA2ではトップチェッカーとなる5位を獲得した。

中島は序盤IA2のトップ5番手につけてレースを進めていたが、浅井にかわされ6番手に後退。その後は単独走行を続けてそのまま6位でフィニッシュとなった。

この結果、IA1の総合成績ではジェイがトップ、富田が8位、渡辺が10位。IA2は中島が総合優勝、浅井が総合4位を獲得した。なおIA OPENのリザルトは、IA1のヒート3として公開しています。

次回の第8戦埼玉トヨペットCUPは10月28-29日、オフロードヴィレッジにて開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RESULT Heat.3

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

IA1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:6位/8位/12位:総合8位)

「今回は雨が降り、コンディションがマディとなりました。これに僕自身がまったく対応することができませんでした。転倒することなく走るのに必死な状態でした。ヒート1こそ転倒はなく6位となりましたが、ヒート2は2回、ヒート3は1回、転倒してしまい、それぞれ8位と12位という結果に終わりました。今回、ジェイ選手がIA1のチャンピオンを獲得しましたが、僕自身は最後まで出し切ってシーズンを終えたいと思います」

渡辺祐介選手談(IA1:DNF/10位/7位:総合10位)

「4月以来の実戦、本調子ではありませんが、チームのサポートもあり復帰することができました。僕の中ではラスト2戦での復帰を考えていたのですが、残り2戦を戦っていく上で、自分の立ち位置やレース感を取り戻す上で大きな一歩になりました。本来の走りができない現実を知る苦しさもありましたが、走り切ったうれしさもあるという難しい感情です。ヒート1はトラブルでキャンセル。ヒート2はタイムアタックからコンディションの変化に対応し切れず10位。ヒート3は1周目にラインを外しコース内の泥にハマってポジションを落としましたが、今のコンディションを考えればしっかり走れた感触を掴めました。残りは2戦ですが、ジェイ選手の連勝を止められるようがんばります」

白柳弘監督談

「まずは、YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMのジェイ選手がチャンピオンを獲得しました。たくさんの応援をいただきましたファンの皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。一方でYAMAHA FACTORY RACING TEAMは、厳しい結果となりました。富田選手は、特にサスセッティングでコンディションに対応できず最後まで合わせ込むことができないまま終わってしまいました。渡辺選手は今大会からの復帰とあってレースを感を取り戻してもらうことが重要でした。ヒート1は、ライダーやファンの皆さまには申し訳ありませんでしたが、予選のトラブルをリカバリーできずリタイア。しかし残りの2ヒートでは、レース感を取り戻し、自身の現在地を確認することができたということで、大きな一歩を踏み出すことができました」

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM

ジェイ・ウィルソン選手兼監督談(IA1:優勝/優勝/優勝:総合優勝)

「ヒート1は、いつもの通り好スタートを決めることが大切で、まずはそれができました。あとはこれまでと同様に、メカニックとピットボードを通じて状況把握しながら、走るだけでした。ヒート2はチャンピオンがかかったレースでしたが、ヒート1と同じことを繰り返しただけでした。その一方でヒート3は、チャンピオンを獲得し、もう一度、集中するという意味でもっとも難しいレースでしたが、勝ち続けることができました。チャンピオンについては、やはり最高の瞬間でしたし、同時にオーストラリアから私と一緒に来てくれた家族にとっても素晴らしい勝利になったと思います。チャンピオンは決定しましたが、まだシーズンは終わっていません。残りも勝ち続けるべく、チームとともにこれからもベストをつくすのみです」

IA2
bLU cRU レーシングチーム鷹

中島漱也選手談(IA2:優勝/2位/6位:総合優勝)

「今年の開幕戦で優勝している相性のよいコース。さらにマディという得意なコンディションでのレースだったので、自信を持って臨みました。ヒート1はスタートが決まって、自信もあったし調子も良かったので3周目にはトップへ。その後も自分の走りに集中し、後方との差を確認しながらレースをコントロール、理想的な形で勝利できました。ヒート2はスタートでミスがありましたが、すぐに4番手まで上がり2位。スタートが決まっていれば優勝も視野に入っていたので残念でしたが、追い上げる力があることも確認できたので納得の2位です。混走のIA OPENは、スタートなど不利な状況でも、一桁台に収まって一時はIA2トップに立ちました。少し総合優勝を意識して守りに入り、浅井選手に抜かれIA2では2番手となりましたが、総合も取れたので、今大会は十分な結果だと思います。次回はホームレース、前だけをみて走ります」

YSP浜松 BOSS RACING

田中 淳也選手談(IA2:16位/3位/19位:総合9位)

「今大会ですべきことは、絶対に表彰台に立つことでしたが、それはできたので一つ目標はクリアできました。しかし、もう一つの目標である両ヒートで成績をまとめることについてはできていません。今回もヒート2のようにスタートが決まれば上位のスピードで走れますが、出遅れた時にペースをあげることができませんでした。これを毎戦、実感していますが、出遅れた時にどうやってペースを上げるのかが大事になってくると思いますので、引き続き、そこにフォーカスしてやっていくしかないと思っています。次の大会はチームの地元でもあるので、自信を持ってスタートから3ヒートともに前に出ます」

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