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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.03 6月3-4日 SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2023第3戦 SUGO大会
■開催日:2023年6月4日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■レース時間:IA1(15分+1周)×3ヒート
■レース時間:IA2(30分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが7連勝、富田は転倒も4位を獲得

開幕戦から3大会連続の3ヒート制(15分+1周)で行われたSUGO大会。金曜日に雨が降るも、土曜日は午後に晴れたことからベストコンディションで予選が行われた。その予選では#27ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの)がトップを走行中に転倒。これでYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1富田俊樹が逆転しトップ通過。ジェイは2番手。さらにジェイのチームメイト、#16町田旺郷が7番手と、揃ってトップ10内で予選を突破した。なお、開幕戦での転倒で怪我を負った#3渡辺祐介は、今大会も欠場となった。

好天の中でスタートしたヒート1、ホールショットを奪ったのは昨年のチャンピオン富田。これにジェイが続き1周目の内に逆転してトップに立って1周目を終えた。その序盤はジェイと富田がバトルを展開したが、ここでジェイが主導権を握り、富田が僅差で続くこととなった。中盤に入ると、ジェイと富田の差が徐々に拡大し、ジェイが単独走行になると、後半はペースをコントロールして優勝。開幕からの7連勝を達成した。

一方の2番手をキープしていた富田は、終盤に入ると3番手の内田篤基(カワサキ)に迫られてしまう。そしてラストラップに富田と内田が転倒。これで4番手の大倉由揮(ホンダ)が2番手へ、転倒から内田が先に復帰したことから3番手、富田は4番手となり、大倉、内田、富田の順位でフィニッシュとなった。

また町田は、1周目を7番手とするが、すぐに5番手に上がると、後続を引き離して単独走行となり、昨年記録した自己ベストに並ぶ5位入賞を果たした。

ヒート2:ジェイが8連勝、富田は再び4位

強風が吹き荒れる難しいコンディションとなったヒート2。ジェイは若干出遅れてしまったが、それでも1周目で挽回し大城魁之輔(ホンダ)の後方2番手。富田は集団に埋もれ1周目を7番手と出遅れてしまう。

15分+1周のスプリント。ジェイといえども日本のトップライダーに先行を許せば、簡単には逆転できないが、トップの大城が2周目、フープス後のコーナーで転倒。これでジェイがトップに立つ。大城もすぐリスタートしたため、当初はその差を拡大できなかったが、徐々にギャップを拡大してチェッカーを受け開幕8連勝を飾った。

富田は、序盤からペースが上がらず苦戦しながら序盤で6番手を確保。しかしその後は、上位にトップライダーがずらりと揃い厳しい追い上げとなったが、道脇右京(ホンダ)と大倉に転倒があり4番手とし、そのまま4位でチェッカーとなった。

ヒート3:ジェイが大会3連勝、富田は2位表彰台

最終ヒートは、富田の好スタートで開幕。ジェイは4番手となったが、1周目に3番手とし、富田、大城、ジェイという順位で2周目に入った。レースは序盤から動き、3周目にジェイが大城を捉えて2番手に浮上すると、その勢いのまま富田に迫り、4周目に逆転してトップに立った。

ジェイはすぐに富田を突き放すかと思われたが、差を広げることができないまま周回を重ねた。終盤に入ってもその状況は変わらずジェイが優勝して開幕から9連勝を達成した。一方の富田は今大会一つ目の2位表彰台を獲得し、総合成績でもジェイが優勝、富田は大倉に続き3位でレースを終えた。

ここまで2ヒート、5位、8位とシングルフィニッシュを決めた町田は、この3ヒート目も好調。序盤は7番手につけると道脇の後方でレースを進め5周目に逆転して6番手とし、その後もポジションを守って6位でフィニッシュ。3ヒート連続でシングルフィニッシュを決め、総合成績でも6位を獲得した。

IA2
ヒート1:ビクトルが優勝、中島が2位

第2戦と同様、30分+1周の2ヒート制で行われたIA2。予選では#4中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)が総合6番手、#2浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)が総合9番手で予選を突破し、決勝を迎えた。

ヒート1、好スタート切ったのは、YZ250Fを駆る若手ライダー#17田中淳也(YSP浜松 BOSS RACING)。そしてこれに続いたのが、#4中島。さらに3連勝中の#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers)が5番手につけ、YZ250Fを駆るヤマハライダーたちが好スタートをきった。そしてこのオープニングラップで中島がトップに浮上。後方に田中を従えて周回を重ねていった。

レースを動かしたのはビクトル。ハイペースでラップを重ね序盤の内に3番手に浮上すると、田中の背後について5周目の最終コーナーで2番手に浮上。さらに約3-4秒前をいく中島をロックオン。徐々にその差を詰め9周目に逆転してトップに立つと、そのまま中島とのギャップを広げて優勝。開幕戦のヒート3から4連勝を決めた。

2番手となった中島は、最後まで諦めることなくビクトルを追走。その背後にはつけなかったものの、ポジションを守って2位とし、今季3度目の表彰台を獲得した。また3番手を走っていた田中は、7周目に横澤 拓夢(ホンダ)にかわされ4番手へ。そこから粘り強く追撃を続けたが、攻略には至らず4位。浅井は1周目に転倒があり、そこから追い上げて13位でフィニッシュした。

ヒート2:ビクトルが5連勝を達成

レースは西條悠人(カワサキ)がホールショットを奪うが、2番手につけたビクトルが4周目に逆転。これでビクトル、西條、そして#12渡辺陵(チームピットイン)が3番手。ヒート1で2位の中島は7番手、さらに8番手に浅井がつけて序盤を終えた。

その後は、4周目に渡辺が転倒して後退し、ビクトルが独走状態を築いたが、2番手以下のラップタイムはほぼ変わらない状態となってレースはこう着状態に。ポジションチャンジはほどんどないままラップが重ねられたが、その中で変化をつけたのが6番手の中島。全体的にタイムが落ちる中でタイムをキープし、5番手につけて3位争いを展開する池田凌(カワサキ)のテールに迫ったものの攻略できず、さらに12周目に転倒し8番手に後退してしまう。

これでビクトルに続くヤマハ勢最上位は6番手の浅井となったが、序盤に転倒で順位を落としていた渡辺が挽回し浅井をかわして6番手でフィニッシュ。浅井は7位、中島は8位。ビクトルはこのレースでも勝利し、5連勝を達成した。

レディース:本田と川上が2・3位でダブルポディウム

好スタートを切ったのは川井麻央(ホンダ)、これに続き#4本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド)が3番手でスタートしすぐさま2番手に上がって川井を追う展開。一方の#7川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面)は4番手とし、3番手の瀬尾柚姫(ホンダ)の背後につけ、初表彰台を狙った。

川井と本田のトップ争いは数秒の僅差。ミスできない状況ながら、ともに高い技術で大きなミスのないまま最終ラップを迎えたが、本田はアタックすることができず2位でフィニッシュとなり、今季初優勝はお預けとなった。

瀬尾と川上による3位争いもレース前半は膠着状態が続いた。しかし後半に入ると川上が徐々にその差を詰め、バックマーカーが出現し始めた5周目に逆転に成功すると、そのまま瀬尾を突き放して単独走行とし3位でチェッカー。自身初となる表彰台を獲得した。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RESULT Heat.3

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

IA1

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:4位/4位/2位:総合3位)

「ヒート1とヒート2は、結果はもちろんですが、内容が自分の理想とかけ離れた走りをしてしまいました。ヒート1は、ジェイ選手を追うのに必死になり、プッシュしすぎてミスが続き腕が上がって追いつかれ、転倒してしまいました。ヒート2 はスタートでジェイ選手とぶつかって、その後もコーナーの処理もうまくいかず、後方からの追い上げになりました。また水が撒かれている部分と、ハードパックが混在するコンディションに苦しんだ感じです。ただ、ヒート3はスタートが決まり、ジェイ選手に抜かれた時はミスがあったものの、集中しフィーリング良く走ることができました。ただ、優勝はできていませんので、ジェイ選手との差は明確なので、まだまだやることはたくさんあります。次はやっと30分のレースになりますが、ライバルは皆速いので、今大会のヒート3のような走りを続けていくことで、ファンの皆さんに良い報告をしたいと思います」

白柳弘監督談

「ヒート1はスタートは出ることができましたが、ジェイ選手についていくためにプッシュしたことで腕上がりの症状もあり、後半、ライバルに追い上げられてしまいました。ヒート2はペースが掴めず苦労したのですが、ヒート3では特に気持ちの部分、リラックスした状態でレースに入ることができたこともあり2位と結果がついてきました。チームとしては表彰台圏内が最低限の目標となるので、特にヒート2のようなレースにはならないように、バイクもライダーの気持ちの作り方もしっかりとサポートしていかなければならないと感じています。一方、今回はスタートで手応えを掴みつつあり、スタートが鍵になることが明白なので、チームとしては車体のテコ入れも進めていますが、しっかりと良いバイクを作って、優勝を目指したいと思います」

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM

ジェイ・ウィルソン選手兼監督談(IA1:優勝/優勝/優勝:総合優勝)

「昨日転倒があり、少しばかり肩を痛めました。しかしとても幸運なことに、チームにトレーナーが帯同してくれていたおかげで、その晩にしっかりケアしてもらうことができて、今日のレースを良い状態で迎えることができたのです。ただ、今回の各ヒートではあまり良いスタートができずに苦労しました。ゲートのポジションも変えてみたのですが...また、過去2戦はメッシュスタートでしたが、今回はシーズン初のダートスタートとなりました。次回の広島もそうだと思いますが、この変化にあわしきれなかったことが、ケガと合わせて今大会を難しくした要素でした。 それでも今回3ヒートで勝てたのは、チームでマシンや体のケアなど、しっかりとサポートしてくれたことで精神的にも安定して戦えたことだと思います。次回もチームと一緒に勝利を目指します」

町田旺郷選手談(IA1:5位/8位/6位:総合6位)

「ここまでシングルフィニッシュが、コンスタントに取れていなったこと、そして今年からチームが変わり、マシンも変わった中で入賞することが目標だったので、総合6位に入れたことはホッとしています。レースではスタートこそイマイチでしたが、序盤のコーナーでのこなしがうまくいって前にできることができているので、それが上位進出につながっているのだと思います。ただ、開発チームではありますが、ヤマハ発動機のチームでレースに出場している以上は、ジェイ監督らトップのライダーにもっと近づけるように上を目指したいと思います。EPSの開発に関しては課題を見つけることができ、ハイスピードな場所での優位性も見出せてたくさんの収穫もあり、多くのデータを獲得しながら、確実に前進できました」

IA2

Auto Brothers

ビクトル・アロンソ選手談(IA2:優勝/優勝:総合優勝)

「今回も両ヒートで優勝することができて、とてもうれしいですね。しっかりトレーニングを積んできた成果が出ています。もちろん勝ち続けることはとても大きなプレッシャーがありますが、それを私だけでなくチーム全員で乗り越えることが大切です。ここまで5連勝できているのもチームの力だと思います。次戦に関しても、しっかりとトレーニンを続けて、勝ち続けたいですね。ただ初めてのサーキットなので、少し心配しています」

bLU cRU レーシングチーム鷹

中島漱也選手談(IA2:2位/8位:総合3位)

「ヒート1はスタートこそうまくいかなかったのですが、1・2コーナーでうまく前に出て、1周目の内にトップに浮上しました。1周目で前に出てトップに立つというのは、今までにない展開で、緊張もありましたが、ビクトル選手が来ている時も後ろを気にすることなく、自分の走りに集中しました。2番手になってからは、ビクトル選手について行こうと思ったのですが、ラインを真似したりしながらついて行こうと思ったのですが、少し疲れもあり難しかったですね。ヒート2は、リカバリーできないままに迎えて、みんなも疲れがたまる後半勝負と決めていました。それがうまくハマって、勝負したのですが、バトルの中でギア抜けがあり、転倒してしまいました。両ヒートでの表彰台が目標だったので残念ですが、総合では3位を獲得できたので成長も感じています。次こそは両ヒートで表彰台、ビクトル選手を倒して優勝も狙いたいと思います」

レディース

bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド

本田七海選手談(レディース:2位)

「まだ足りない部分はありますが、今回はスタートを出れて、トップ争いという形でレースもできたので、良いウィークになりました。前半、ライバルの細かなミスが見えて、自分もラインを変えながら、ペースがいいなと感じるところがあり、差も縮まっていたので、勝負できると思っていました。でも、後半に入りバックマーカーが出てきたことで、ギャップが広がることがあり、そこからもう一度、プッシュして近づけなかった自分の弱さ、それによりライバルにプレッシャーをかけることができなかったのが敗因だと思います。次は久々の広島になりますが良い印象があり、2ヒートなので両方で勝ってランキングでもトップに迫りたいと思います」

bLU cRU YSP大阪箕面

川上真花選手談(レディース:3位)

「決勝は4番手でスタートとなりました。いつもは、序盤で順位を上げようと焦って転倒してしまうことが多いので、前半は自分のペースでコースに慣れ、後半でペースを上げて前を走る瀬尾選手をかわそうと考えていました。瀬尾選手はとても速いライダーですが、前半でついていけたことから"行ける"となり、かわすことができて3位となりました。実は、13歳の内に表彰台に立つことを目標にこれまで取り組んできました。その誕生日が6月7日で、このSUGO大会がラストチャンスだったのですが、本当に目標を達成でき"うれしい!"という言葉しか思い浮かびませんでした。これで一つ目の目標を達成できたので、今後のシーズンでは表彰台に立ち続けることが目標となります。次の広島はこの勢いのまま表彰台に立てるよう、全力を尽くします」

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