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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.05 7月30日 北海道

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2023第5戦 北海道大会
■開催日:2023年7月30日(日)
■会場:北海道・新千歳モーターランド ダート・モトクロスコース
■レース時間:IA1(25分+1周、15分+1周)
■レース時間:IA2(25分+1周、15分+1周)

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイと富田がワンツーフィニッシュ

7月30日(日)、新千歳モーターランド ダート・モトクロスコースで2013年以来となる北海道大会が行われた。今回は1 dayでの開催ということもあり、IA1とIA2が全道選手権とともにスケジュールに組み込まれた。

そのためレースフォーマットも独特で、予選はそれぞれ20分間のタイムアタック方式が採用され、決勝はヒート1が25分+1周、ヒート2が15分+1周の変則2ヒートで行われた。

午前中に行われた予選では#27 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM)が2番手、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1富田俊樹が6番手とし決勝に駒を進めた。なお今大会はYAMAHA FACTORY RACING TEAMの渡辺祐介と、YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの町田旺郷が、それぞれ怪我により欠場した。

ヒート1は、ジェイと富田がともに好スタートを決めジェイが1周目をトップ。富田は能塚智寛(カワサキ) と道脇右京(ホンダ)に続く4番手で1周目を終えた。しかし2周目に入ってすぐにジェイが転倒。これでポジションがシャッフルされ、能塚、道脇、富田、内田となり、ジェイは5番手で3周目に入る。

その3周目には、ジェイが4番手にポジションアップ。4周目にはジェイ、富田が2・3番手に上がると、さらにジェイが猛プッシュしてトップの能塚に迫り5周目に逆転、わずか数周でトップに返り咲いた。

その後方につけた富田もすぐに能塚に迫ると、6周目にはこれを逆転して2番手に浮上。ここからジェイの追撃といきたいところだったが、ジェイが富田との差を4秒、4.5秒、5秒と開き、その後はタイムをコントロールしてトップでチェッカー。転倒を乗り越え開幕から12連勝を達成した。

富田はレース終盤に入り内田の猛追を受けたが、ラスト2周となったところでしっかりとギャップを築いて2位でフィニッシュし、YZ450FMがワンツーフィニッシュを飾った。

ヒート2:ジェイがホールショットから13連勝、富田は3位表彰台

15分+1周のスプリントレースとして行われたヒート2。今回もジェイが完璧なスタートからホールショットを奪い1周目からレースをリードした。後方には怪我から復帰した小方誠(ホンダ)が2番手、これに大倉由揮(ホンダ)、能塚、そして富田はスタートで遅れて5番手で1周目を終えた。

レースはこれまでのようにジェイが前半で勝負を決めるかと思われたが、後方の小方と大倉がほぼ同等のペースで食らいつく。その差は2秒程度。それでも周回が進むにつれてその差を拡大、小方と大倉の順位が入れ替わりもあり、レース中盤には4.3秒差となったが、ここから大倉が2.3秒までその差を縮める。

これを確認したジェイはペースアップしてギャップを拡大し最後は4秒以上の差としてチェッカーを受け、開幕から5戦13ヒート連続優勝で、シーズン後半戦を迎えることとなった。

1周目を5番手で終えた富田選手は、全体のペースが速い序盤こそポジションを上げることはできなかったが、5周目に能塚をパスして4番手。さらに3番手の小方に迫り、8周目にこれをかわして表彰台圏内に入ると、そのままフィニッシュ。ヒート1に続いて表彰台を獲得し、ジェイとともに再びダブルポディウムを達成した。

この結果、ジェイが総合優勝、富田が総合2位を獲得。ランキングでも1・2位をキープして後半戦を迎えることとなった。

IA2
ヒート1:ビクトルが独走で今季7勝目

10年ぶりとなる北海道だったが、ランキング4位につける#4中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)が残念ながら怪我で欠場。そしてヒート1でも、ランキング上位につけるヤマハライダーにアクシデントが降りかかった。

スタート直後、2コーナーでマルチクラッシュが発生。ここで、ランキング3位につける#2浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)と、ランキング10位につける#17田中淳也(YSP浜松 BOSS RACING)の二人も転倒。表彰台争いから早々に脱落してしまう。

レースは#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers)が1周目からトップに立つと、序盤の内に後続を引き離して独走。一時は2番手につける#3柳瀬大河(ホンダ)におよそ14秒程度のギャップを作った。そして後半に入るとペースコントロールして着々と周回を重ねトップでチェッカー、今季7勝目をあげた。

また、日本人ヤマハライダーの最高位は#12渡辺陵(チームピットイン)の7位。9位には#14佐々木麗(Y'sRACING with 麗BRAND)。そして1周目に転倒した浅井と田中はそれぞれ追い上げて12位と15位としポイントを獲得した。

ヒート2:ビクトルが2位、浅井が4位を獲得

ヒート1から10分短い15分+1周で行われたヒート2。1周目にトップに立ったのは横澤拓夢(ホンダ)。ヤマハ勢ではアロンソが5番手、8番手に浅井、9番手に田中がつけた。

混戦の中で順位を上げていったアロンソに対して、クリアラップを走った横澤。アロンソが2番手に上がった4周目の時点で、トップの横澤はおよそ10秒のギャップを作ることとなった。残り時間はまだ半分以上あったことから、アロンソは逆転を目指してマシンをプッシュ。徐々にその差は縮まっていったものの最後まで横澤に迫ることができず2位。連勝とはならなかったものの総合優勝を獲得し、ランキングでもリードを拡大した。

8番手でスタートした浅井は、序盤の混戦の中で2周目に9番手に後退。しかし、ここから挽回に転じ3周目に2人をかわして7番手、4周目に3人をかわして4番手に浮上した。しかし、ここから3番手の鴨田翔(カワサキ)とはおよそ10秒程度の差があったにもかかわらず表彰台を目指したプッシュ。確実にその差を縮めたが最終的には届かず4位でフィニッシュとなった。また、ヤマハ勢では7位に田中、8位には渡辺が入った。

次戦は9月9-10日、奈良県の名阪スポーツランドにて開催される第5戦近畿大会となる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

IA1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:2位/3位:総合2位)

「今大会に向け新しいアイテムを投入してもらったおかげで、バイクに対しての自信や安心感も増して、さらに良い方向へと進み、思い通りに扱えるようになりました。そしてこのコースは、昨年、一昨年の合宿やそれ以前も走ったことがあり、さらに今大会に向けて乗り込んできたので、ライバルに対して有意な状態であったと思います。タイムアタックはうまくタイムにつなげられなかったのですが、整理して臨んだヒート 1ではペースが上がり2位と、自分なりに納得できたレースでした。しかし、ジェイ選手との走りを比較すると、まだ違いがあったので、ヒート2ではそれを取り入れて走ろうと臨みました。ところが、グリッドの地ならしをミスしてスタートで遅れてしまい、トップ争いには加われませんでしたが、自分の持っているものをすべて出して走った結果、3位に入ることができました。次回の名阪は、昨年、下田選手と大きな差をつけられましたが、そこで得たものもあるし、自分のライディングをしっかりと研究して、ジェイ選手と勝負したいと思います」

白柳弘監督談

「今大会向けては、富田選手に合わせる形のフレームを投入して、そのバイクで北海道での合宿を行ってもらいました。乗り味としてもさらに改善されたと好印象のコメントがあり、期待を持って臨んだレースですが、両ヒートともにスタートでジェイ選手を含めライバルに先に出られたことが、負の要因になりました。その中でもラップタイムは良かったので、両ヒートで表彰台という結果につながったのだと思います。たらればですが、スタートを決めていれば、ジェイ選手を捉えるところまで行けたかもしれません。今後は、よりライダーへの最適化を求め、YZの開発チームにも協力してもらいながら、再来週にはテストを実施し、新しいアイテムの投入も予定しています。後半に向けてはジェイ選手にさらに肉薄して、初優勝をターゲットにしつつ、ヤマハとしてモトクロスを盛り上げていきたいと思います」

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM

ジェイ・ウィルソン選手兼監督談(IA1:優勝/優勝:総合優勝)

「正直に言えば、今日のフィーリングはあまり良くありませんでした。それに加えてヒート1では転倒があり、追い上げのレースとなってエネルギーを使ってしまいました。この結果、ヒート2はさらにパワーダウンしていたし、コンディションもラフな状態でリスクもあったので、転倒しないようにセーブして走りました。結果的には2ヒートともに勝利し、自分の仕事はきっちりとやり遂げることができてよかったです。次戦までは、バイクのセットアップやEPSなどの開発を進めていきたいと考えていますが、富田選手をはじめ日本人ライダーの多くが調子を上げているし、夏休みの期間にさらに向上してくると思うので、自分も負けないようにレベルアップを続け、次の名阪に戻ってきたいと思います」

IA2
Auto Brothers

ビクトル・アロンソ選手談(IA2:優勝/2位:総合優勝)

「北海道のコースはとても印象的ないいコースですが、難しかったですね。そのコースでヒート1は良いスタートができて、ファーストラップからリードしました。その後も完璧で、後半はペースをコントロールしながら走ることができました。ヒート2はスタートが良くなったことと、ライバルがとても速かったということが重なって2位という結果に終わりましたが、優勝した横澤選手には"おめでとう"と伝えたいです。そして次戦も勝利を目指すだけです。引き続き、応援をお願いします」

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