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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.04 6月24-25日 中国・広島

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2023第4戦 中国大会
■開催日:2023年6月25日(日)
■会場:広島県・世羅グリーンパーク弘楽園
■レース時間:IA1(30分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(30分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが開幕10連勝、富田が2位でワンツーフィニッシュ

今シーズン、IA1にとっては初となる30分+1周のレース。ここまでの15分+1周のスプリントとは異なる展開も予想されが、#27ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM)の強さは変わらなかった。

好スタートから1周目にトップに浮上すると、序盤のスプリント力で、後方につけた大倉由揮(ホンダ)、内田篤基(カワサキ)、大城魁之輔(ホンダ)、チームメイトの#16町田旺郷、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1富田俊樹といった国内のトップライダーたちとの差を拡大していった。

中盤に入ると5秒以上の差となっていたことから、ペースをコントロール。後方とのマージンをキープし続け、後半、富田が2番手に上がり接近してきた際にはペースを上げるなど冷静な対応でポジションをキープしてそのままチェッカー。開幕から10連勝を達成した。

富田はスタートで若干出遅れ1周目を町田の後方6番手で終えたが、ここから30分を使ってライバルたちを攻略していった。まず4周目に大城をかわすと、続いて3番手の大倉の背後に迫り7周目に前に出る。さらにここから内田とは2-3秒差があったがじわじわと近づいて、12周目にテールに迫り一気にかわし2番手に上がった。

この時点でジェイとは約6-7秒という差があったものの、その差を縮めるべくプッシュしたが、ジェイもそれに反応してペースを上げたことで勝負はできず。それでも30分のレースでは、その強さを発揮して2位表彰台を獲得した。なお、3位には内田が入っている。

町田は好スタートで1周目を5番手するも、序盤で転倒を重ねた後、マシントラブルで3周目にリタイアとなった。

ヒート2:ジェイが11連勝、富田は3位表彰台

ヒート1に続き、ジェイがライバルを圧倒したレースとなった。スタートは、今回も完璧ではなったが、1周目の内にトップを奪取。ここから後方に、内田、富田、大倉を従えることとなったが、日本人トップ3を寄せ付けることなく、ここまでと同様、序盤のスプリント力でギャップを築いてトップを快走した。

その後は2番手につける内田との差を確認しながらペースをコントロールしてチェッカー。開幕から負けなしの11連勝を達成した。

富田はヒート1の印象をベースに制御マップを変えるなど車両に手を入れて改善を図りヒート2に挑んだ。スタートでは、その変更が功を奏し期待通りの好スタートで飛び出して、1周目を終えて3番手。さらに2番手の内田選手にアタックして前に出るも、完全にかわすことができずミスもあって離されてしまった。

その後は後方の大倉とバトルとなったが、その大倉が転倒したことで単独走行となり3位でチェッカー。ヒート1に、続いて連続表彰台で、ジェイとともにダブルポディウムを飾った。町田は、ヒート1に続き序盤に転倒して、そのままリタイアとなった。

総合優勝は4戦連続でジェイ、富田は2位と同ポイントながら、ヒート2の順位が優先されるため総合3位となっている。次戦はIAのみで行われる北海道大会で、7月30日に決勝が行われる。

IA2
ヒート1:田中が3位で、開幕以来となる表彰台

30分+1周の2ヒート制で行われたIA2。そのヒート1で好スタート切ったのは#17田中淳也(YSP浜松 BOSS RACING)。3番手で1周目を終えると、これに#2浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィン サイセイ)も4番手につけて、表彰台圏内でレースをスタートする。

しかし、レースは30分、簡単にはいかない。後方から#5横澤拓夢(ホンダ)による猛追を受けて、3周目に浅井、4周目に田中がともに、ポジションを落とすこととなってしまう。しかし、ここから2人は粘りの走りで上位陣のペースにくらいつき、3位争いに絡んでいった。

特に若手の田中は、30分という長丁場ながら中盤のこう着状態を乗り切り、終盤になってペースアップ。3番手に後退していた阿久根芳仁(カワサキ)の背後について16周目に逆転、さらに2番手の横澤拓夢(ホンダ)を追っていったが、及ばす3位。それでも開幕戦以来となる表彰台を獲得した。また、浅井も阿久根を捉えて順位を上げ4位でチェッカーとなった。

ランキングトップの#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers)は1周目に転倒があり最後尾からの挽回で7位。ランキング2位の#4中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)も序盤の転倒が響いて18位でチェッカーを受けている。

ヒート2:ビクトルが独走で優勝、浅井が2位で日本人最上位

ヒート1で転倒があり7位に終わったビクトルが本領を発揮。スタートでは遅れ、浅井、池田、阿久根、柳瀬大河(ホンダ)、中島に続く7番手と出遅れたものの、3周目には中島、柳瀬という力のある二人をオーバーテイクして5番手に上がると、さらに阿久根選手もかわし4番手とする。

その後、5周目には横澤を攻略し、2番手につけていた池田が転倒したことで、浅井の背後2番手に上がった。そして8周目に浅井を捉えてトップに立つと、その後は一人旅。後方を突き放して独走体制を築いて今季6勝目をあげた。

浅井は、完璧なホールショットから序盤はトップをキープ。ヒート1で初優勝を決めた勢いのある池田に対してもマージンを築いて、アタックの隙を与えることなくトップを快走した。しかし、ビクトルが徐々に接近、8周目にリードを許してしまったが、そこからしばらく追撃するも離されてしまった。終盤に入るとエンストのミスもあり3番手の横澤の追撃を許したが、2位を守ってフィニッシュし、第2戦以来となる表彰台を獲得した。

総合成績では、ビクトルが3位、浅井が4位、田中が7位を獲得した。次戦はIA1とともに北海道大会に臨む。

レディース
ヒート1:本田が今季初優勝でランキングトップへ

2ヒート制で行われたレディース。そのヒート1は土曜日に行われ、予選トップで決勝を迎えた#4本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド)は、決して良いスタートではなかったが、ランキングリーダーの川井麻央(ホンダ)や、#7川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面)といったライバルたちが1周目のマルチクラッシュもあり1周目を6番手で終えた。

その後は、レディーストップライダーとして実力を発揮。まずは5番手の楠本菜月(ホンダ)を序盤で攻略。その後はトップの箕浦未夢(ホンダ)を先頭に、5台が約3秒差のパックに。この中で本田はヤマハYZを駆る#14赤松樹愛の背後についてプッシュし3周目に逆転して3番手へ。さらに4周目にトップの箕浦が転倒したため、本田は2番手に立ち、トップの濵村いぶき(ホンダ)を追撃。5周目にこれをかわしてトップに立つと、そのまま後続を引き離し、今シーズン初優勝を飾り、同時に川井が5位となったことでランキングトップに浮上した。

ヒート2:本田が2位表彰台

土曜日のヒート2に続き、日曜日に行われたヒート2は、速いラップタイムを刻みながらもスタートの遅れが響いてしまった。

レースは川井を先頭に、濵村、瀬尾柚姫(ホンダ)、赤松が続き、本田はその後方5番手につけたが、この時点で川井との差は6-7秒程度。スタートの遅れにより厳しい状況になってしまった。

しかし本田は諦めることなく、マシンをプッシュしていく。2周目に4番手、3周目に3番手、4周目には2番手と素早く挽回。それでも川井との差は5-6秒程度と、状況は変わらなかったが、ここから本田はさらにギアを上げてアタック。ファステストラップを連発しながら徐々にトップの川井に近づいていくと、2-3秒差でラストラップに突入。ここでも本田は1分59秒台のファステストを刻んで迫ったが及ばず2位でフィニッシュし、2ヒート連続での表彰台登壇で総合優勝を果たした。

レディースは北海道大会に設定がないため、ここから長期のインターバルに入り、次戦は9月9-10日、奈良県にて開催される第5戦近畿大会となる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

IA1

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:2位/3位:総合3位)

「今季初の30分+1周のレース。ヒート1はスタートで遅れ、トップグループと離れてしまったのですが、30分という時間を使って組み立て、後半にもペースを上げて2位。スタートで遅れたことを考えれば、最低限の仕事ができたと思います。ヒート2はマシンでカバーしてもらってスタートが改善したおかげで3番手からスタート。しかし、1周目からバトルとなってリズムが作れず、硬い路面に対して思い切って攻めることができないなど、コース攻略にも手こずりました。序盤、内田選手との2番手争いは瞬間的に前に出たのですが、その後、ラインを試す中でミスがあったり、大倉選手とのバトルに集中することになって離されてしまいました。大倉選手が転倒してからは、路面コンディションや前との距離を鑑みて3位を確実に掴む走りに切り替えました。北海道はすでに何度か走っているコースですが、合宿を行い自分のスキルを上げ、スピードをつけて、ジェイ選手に照準を合わせて準備し臨みます」

白柳弘監督談

「ヒート1は、少し後方からのスタートだったのですが、タイムも悪くなく安定しており、レースをマネージメントできていたので2位というのは順当な結果です。ヒート2についてはマシン、具体的にはマップの修正によってスタートは改善できたのですが、本人のコメントにもあるように、序盤にリズムを作れず、ハードパックのコンディションに適応しきれなかったため、確実に3位を取る走りに切り替えました。本来であればジェイ選手とのワンツーフィニッシュが理想でしたが、最低限の仕事はできたと思います。北海道に向けては時間もあるため、ライダーが楽に乗れる方向感で、課題を解決し、ライバルに対して優位な状況を作っていきたいと考えています」

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM

ジェイ・ウィルソン選手兼監督談(IA1:優勝/優勝:総合優勝)

「このコースはとてもペースが速くスタート直後のポジションが重要でした。しかしこの週末はスタートは十分ではありませんでした。ただ、ヒート1・2ともに序盤のパッシングがうまくいき、ポジションを上げることができました。トップに立ってからは3周までのスプリントで後方とのギャプを作りました。その後は、メカニックとのサインボードで、ラップタイムと後方とのギャップを確認しながら、ペースをコントロールしました。例えばヒート1の後半では、富田選手が近づいてきた時にペースをあげましたが、これはヒート2も同様です。11連勝は非常にうれしいことで、今後も勝利数を伸ばしていくため各ヒートに集中することが大切だと思っています。
町田選手については、今大会に向けてもしっかりと練習を重ねてきたことを知っているので、本人だけでなくチームにとっても残念な結果でした。常に学びながらのシーズンなので今回の経験も糧にしてさらに、前進してほしいと思っています。次回は北海道、初めてのコースであり今からとてもワクワクしています。ぜひ、多くの方に応援してほしいと思います」

町田旺郷選手談(IA1:DNF/DNF)

「30分+1周に苦手意識はないので、後半でしっかり勝負できるようなタイヤ選択をするなど、自分に期待して臨みました。ヒート1では5番手と理想通りで、リラックスしていたし、序盤の混戦にも対応できていたのですがハイスピードコーナーで転倒。再スタート後にも転倒を重ねてしまいマシントラブルでリタイアとなりました。ヒート2は追い上げの展開でしたが、序盤でコースアウトしそこで転倒してリタイアとなりました。ジェイ選手に見てもらっているし、前回のSUGOが良くその一回だけではないことを証明しようと意気込んでいただけにとても悔しい結果となりました。次回の北海道も、やるべきことをやって臨みます」

IA2

Auto Brothers
ビクトル・アロンソ選手談(IA2:7位/優勝:総合3位)

「今回のコースは初めてとなりましたが、とても良い感覚で走ることができ、気に入りました。ただ。ヒート1は、1周目にライバルとともにクラッシュしてしまいました。痛みもありましたが表彰台を目指してベストを尽くして追い上げて7位まで挽回してフィニッシュとなりました。ヒート2もスタートは遅れてしまいましたが、今回はライバルたちを攻略してトップでゴールできました。次のコースは北海道ですが、もちろん初めてになります。当然ですが、ベストを尽くし優勝を狙うだけです」

bLU cRU フライングドルフィン サイセイ
浅井 亮太選手談(IA2:4位/2位:総合4位)

「ヒート2は完璧なスタート。久々のホールショットでした。このコースではアロンソ選手を除いて、大きな差がないことがヒート1でわかっていたので、よりスタートが大切だと思っていたところでのこのスタートだったので、気持ちとしてもは最高でした。レースは前半、池田選手にプッシュされていましたが、自分のペースを大切にして、1ラップごと少しでも速く走ることだけを考えることができ、トップながらも走りに集中しトップをキープ。でもアロンソ選手の方が2秒くらい速かったので来ることは予想しており、抜かれた際は、後ろについて学んでやろう考えていましたし、実際に違いがあることも感じました。終盤にはエンストがあり、後ろから迫られることもあったのですが、ここでも集中して2位を守ることができました。次回の北海道は初めてのコースなので事前にしっかりと乗り込み、準備して臨みます」

YSP浜松 BOSS RACING
田中 淳也選手談(IA2:3位/23位:総合7位)

「スタートが最も大切だと思っていましたが、ヒート1ではスタート直後は2番手、1周目を3番手としました。そこから中盤まではペースが悪く、横澤選手には簡単に抜かれました。さらに浅井選手にもプレッシャーをかけられ、ずっと我慢の状態でした。でも後半に入って3番手の阿久根選手との差が縮まってきたところから、表彰台に届くかもしれないとスイッチが入りペースアップ。これで浅井選手にギャップを築き、前との差も詰めてラスト3周で3位と今季2度目の表彰台となりました。ヒート2はスタートで遅れ、転倒も重なり順位を揃えられなかったのはとても残念です。次の北海道では両ヒートを上位でまとめ、後半戦につながるレースをしたいと思います」

レディース

bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド
本田七海選手談(レディース:優勝/2位:総合優勝)

「前回のSUGOで悔しい思いをして、今回は両ヒート優勝を目指して練習に打ち込んできました。ヒート1はスタートで遅れ、追い上げにあたっても硬さがあり走り自体は良くなったのですが、ライバルの川井選手が転倒していることがわかっていたので、優勝するんだということで15分を使い切って全員を抜こうという戦略で走り、それを完璧にこなせた感じです。ヒート2はスタートでやってしまいました。その後のコーナーにおけるこなしも悪く遅れてしまいました。そこから着実に前に行けましたが、2番手に上がってからは、プッシュしながらも冷静だったし、前回のSUGOではラスト3周で気持ち的に負けたという感じがあったので、自分を奮い立たせたのですが、あと一歩及びませんでした。ランキングでは五分五分なので、ここからが勝負。次回は走り込んでいる地元の名阪なので、ここから流れを持って来れるよう、勝ちに行きます」

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