全日本モトクロス選手権 IA1
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA1に関する情報をお届けします。
Rd.09 10月2日 中国
RACE DATA
■大会名称:2005全日本モトクロス選手権第9戦中国大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2005年10月2日(日)
■会場:広島県・世羅グリーンパーク弘楽園
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れ
REPORT
小池田総合3位でランキングトップをキープ!!
全日本モトクロス選手権第9戦・中国大会が、10月1、2日、世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)にて開催された。
第1ヒート、ホールショットは釘村太一、しかし戸田蔵人(スズキ)、辻、大河原功次らがクラッシュし、レッドフラッグにより再スタートとなる。このクラッシュにより、戸田、辻がリタイヤとなった。
仕切りなおしのスタート。ホールショットを奪ったのはクラッシュに巻き込まれた大河原、以下小池田、増田、釘村、小島太久摩が続く。順位が動いたのは4周目、まず小池田がトップに、2番手大河原、3番手増田、そして4番手の釘村が転倒し、5番手の高濱がトップグループに入る。その後2番手の大河原が順位を落として、小池田、増田、高濱と、ランキングトップ3による争いへ。そして7周目に小池田を増田がかわしトップに立つと、後方を引き離しながらラップを重ね、そのままフィニッシュ。一方2番手は小池田が高濱を抑えていたが、11周目に高濱が2番手へ上がり、そのまま2位高濱、3位小池田となった。
出原忍は、スタートで出遅れ1周目を終えた時点で10番手だったが、ジリジリと順位を上げ、7周目に小島をかわし5番手へ、さらに大河原もかわして4番手に上がりフィニッシュ。小島は5番手に落ちた大河原をかわして5位、大河原は6位。渡辺学は14位、釘村太一は転倒によりリタイヤとなった。
レースインターバル中に雨が降り、ドライから一転マディコンディションでのレースとなった第2ヒート。ホールショットを奪ったのは増田、2番手には釘村、3番手大河原と続く。しかし釘村は1コーナー後の最初のジャンプセクションで転倒し大きく順位を下げる。2周目に入っての順位は、増田、大河原、加賀真一(スズキ)、高濱、小島、小池田。トップの増田は、マディのなか快調なペースで後続を引き離しトップを独走。一方の2番手以下は、2周目に小島が転倒し、上位グループから脱落。そして加賀が大河原をかわし2番手上がるが、それ以外は大きな変化を見せないまま淡々とレースが展開される。
しかし残り3周となった12周目、トップの増田が転倒、走り出したもののピットインで順位を下げると、加賀がトップに立ち、そのままファーストチェッカーを受けた。大河原は終盤に高濱に追いつかれるも、ポジションを守って2位、続いて高濱が3位でゴールした。
小池田は、小島の転倒で4番手に上がると、その後は安定した走りでミスもなく4位。出原は序盤8番手だったが5位でチェッカー。1周目に転倒した釘村は15位、小島は18位、渡辺も転倒があり20位となった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 増田 一将 | TEAM HRC | Honda | 32'00.100 |
2 | 高濱 龍一郎 | Honda DEAM RT | Honda | 32'07.256 |
3 | 小池田 猛 | Jubilo RT | Yamaha | 32'18.813 |
4 | 出原 忍 | Jubilo RT | Yamaha | 32'28.131 |
5 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 32'33.857 |
6 | 平塚 雅樹 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 32'34.466 |
7 | 大河原 功次 | 大河原レーシング | Yamaha | 32'35.082 |
8 | 加賀 真一 | Team SUZUKI | Suzuki | 32'36.520 |
9 | 田中 教世 | Team SUZUKI | Suzuki | 32'46.657 |
10 | 田島 久 | YOU SPORT&メテオール | Honda | 32'49.699 |
11 | 中山 裕 | セキソーレーシング | Suzuki | 32'51.654 |
12 | 高須 庸市 | Team SSC クロスポイント | Suzuki | 32'51.932 |
13 | 納屋 望 | Team SRF三重 | Suzuki | 32'55.971 |
14 | 渡辺 学 | Jubilo RT | Yamaha | 32'59.665 |
15 | 山本 堅市 | Team SSC with XP | Suzuki | 33'08.920 |
16 | 大藪 逸人 | グリーンクラブ&パーク神戸 | Kawasaki | 33'09.041 |
17 | 深田 卓哉 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'21.286 |
18 | 小川 裕紀 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 33'42.064 |
19 | 沼田 誠司 | Team JUDGEMENT | Honda | 33'59.561 |
20 | 今井 隆充 | オーナメント・グラスライダース | Suzuki | 32'16.376 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加賀 真一 | Team SUZUKI | Suzuki | 32'27.840 |
2 | 大河原 功次 | 大河原レーシング | Yamaha | 32'51.001 |
3 | 高濱 龍一郎 | Honda DEAM RT | Honda | 32'51.543 |
4 | 小池田 猛 | Jubilo RT | Yamaha | 33'34.553 |
5 | 出原 忍 | Jubilo RT | Yamaha | 33'55.069 |
6 | 田島 久 | YOU SPORT&メテオール | Honda | 34'02.713 |
7 | 田中 教世 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'27.877 |
8 | 小川 裕紀 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 34'38.882 |
9 | 釘村 太一 | Jubilo RT | Yamaha | 32'32.878 |
10 | 小田切 一剛 | Te SPORTS | Honda | 32'34.760 |
11 | 高須 庸市 | Team SSC クロスポイント | Suzuki | 32'37.376 |
12 | 深田 卓哉 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 32'56.251 |
13 | 中山 裕 | セキソーレーシング | Suzuki | 33'15.247 |
14 | 河瀬 英明 | KRC-カワセレーシング&高山短大 | Honda | 33'20.434 |
15 | 大藪 逸人 | グリーンクラブ&パーク神戸 | Kawasaki | 33'39.181 |
16 | 段上 高洋 | Team SSC クロスポイント | Suzuki | 33'50.525 |
17 | 池田 孝宏 | Red clubうず潮RC福山 | Honda | 34'24.546 |
18 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 34'38.317 |
19 | 鈴木 恵一 | 茨城土浦レーシング | Yamaha | 35'34.934 |
20 | 渡辺 学 | Jubilo RT | Yamaha | 32'59.756 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小池田 猛 | Yamaha | 348 |
2 | 高濱 龍一郎 | Honda | 317 |
3 | 増田 一将 | Honda | 310 |
4 | 辻 健二郎 | Honda | 266 |
5 | 小島 太久摩 | Yamaha | 260 |
6 | 加賀 真一 | Suzuki | 256 |
7 | 大河原 功次 | Yamaha | 248 |
8 | 出原 忍 | Yamaha | 244 |
9 | 釘村 太一 | Yamaha | 235 |
24 | 渡辺 学 | Yamaha | 24 |
25 | 中島 敬則 | Yamaha | 21 |
COMMENT
小池田猛選手談(3位/4位)
「第1ヒートはスタート後の1コーナーで転倒、さらに2コーナーでも転倒して、正直"ダメだ"と思った。だから、赤旗を見たときは本当にホッとした。2回目のスタートは、ホールショットではなく、とにかく転倒しないことだけを考えグリッドについたが、逆に落ち着いて良いスタートを切ることができた。トップに立った後はリズムが悪く、増田選手や高濱選手にかわされてしまったが、その後は無理することなく3番手キープに切り替えた。第2ヒートはスタートで遅れたので最初はガンガン攻めていたが、上位を含め転倒が続出していたので、中盤以降はリスクを減らすため安定走行に切り替えて走った。今回は第1ヒートの再スタートや上位陣の転倒など、非常に運のあったレースだった。また自分はあまり緊張するタイプではないが、やはりここまでくると緊張している。最終戦は今回の結果を無駄にしないよう、また、ここまで積み重ねをすべて出し切り、自分が納得できる走りでチャンピオンを掴み取りたい」
出原忍選手談(4位/5位)
「前戦での優勝を獲得していたので、スタートで上位に入れば表彰台は十分に狙える自信があったが、今回は両ヒートともうまくいかなかった。第1ヒートは最初が10番手だったのでトップまでいくことは難しいと思ったが、勝負できるラインを何本も持っていたので、順位を上げることができた。第2ヒートはマディとなり、自分にとってもリスキーな条件だったので、思いきっては攻めることができなかったが、8番手から5番手まで挽回できたことは自信につながった。ここに来て調子が上向いているのは、乗れていることもあるが、IA1のスピードや厳しさに慣れてきたのが大きいと思う。残念なことに次回が最終戦になるが、最後にもう一度表彰台に立って、自分をしっかりアピーできればと思う」
小島太久摩選手談(5位/18位)
「第1ヒートは再スタート後のジャンプ着地で上から乗られるように他者と接触し、動揺してしまった。体もマシンもダメージはなかったものの、気持の切り替えができず、前半は波に乗れなかった。最後は体力的きつかったが粘って大河原さんを抜くことができた。第2ヒートはスタートこそ悪くなかったが、ラムソンジャンプの着地でぬかるみにはまって、前転するように吹っ飛んだ。このためリアブレーキが壊れ、その後も転倒を繰り返してまったく自分の走りができなかった。自分が本来の力を出すには常に上を目指す走りを意識することが必要。最終戦の前にこれに気づけたのはプラスになると思う。ランキングを意識するのは良いが、やはり自分の走りをしたい。それができれば順位もランキングもついてくるはず。最終戦は良い時の自分をイメージして、もう一度表彰台に立って終わりたいと思う」
釘村太一選手談(リタイヤ/9位)
「第1ヒートは、上位の三人を後方から客観的に見てバタバタしている印象があり、自分の方が落ち着いていると感じたし、スピードも決して劣っていなかった。しかしそれが油断を生み、ウォッシュボードでスピードを出し過ぎて前方のライダーに接触してしまった。順位を落とした後は、最後まで自分のペースを取り戻すことができず、中盤に転倒。体に痛みがあったので大事をとってリタイヤした。第2ヒートは、痛みはあったけれど集中すれば感じない程度のものだったので出場を決めた。サイティングラップでラインは1本という感じだったので、スタートさえ出れば上位はいけると考えていた。そのスタートは2番手としながら、最初のジャンプでぬかるみに突っ込み転倒してしまった。とにかく今回は、自分の思うような展開になりながら空回りが多く思うようなレースができなかった。最終戦は海外のライダーも参戦し、厳しいレースになると思うが、来年に繋げられるよう、満足できる走りで終わりたい」
渡辺学選手談(14位/20位)
「第1ヒートの成績は満足できるものではないが、いろいろなライダーと抜いたり抜かれたりのバトルができて楽しかったし、レース感を取り戻すことができた。ただ、走るラインがたくさんあったのに、どのラインがベストかの見極めができなかったためこの順位になった。第2ヒートはもっと攻めるつもりでいたが、コンディションが変わり、サスのセッティングを合わせることができず、自分の走りがまったくできない恥ずかしいレースをしてしまった。合わないなら合わないなりの走りができたと思うし、もっとリズム良く走らないといけない。今の自分にはもっとマシンに慣れることが必要。SUGOまでのインターバルを利用して、乗り込みを行い、10位以内でレースができるように準備したい」
大河原功次選手談(7位/2位)
「第1ヒートのクラッシュは、1コーナー後のジャンプで起ったが、気付いた時には、辻選手と戸田選手が目の前で真横になっている状態で、自分はそこに突っ込み、その後のことはよく覚えていない。意識がはっきりした時に後は、トレーナーの鳥屋先生がすぐにケアしてくれたおかげで、再スタートのグリッドに立つことができた。レース終盤に順位を落としてしまったが、これは体力的な問題ではなく、クラッシュの影響により精神的な踏ん張りが効かなかったことが原因だ。第2ヒートはスタートまでのインターバルで体のケアに専念しグリッドにも立つことができた。レースもいつもと変わらずに走ることができ、得意なマディだったこともあって、レース中はミスを少なくすることを心がけ、2位を獲得できた。今日のような状況でこの成績を挙げることができたことには非常に満足している。最後のSUGOも気を抜かず、上位に入れるように頑張りたい」
光安鉄美、ジュビロ・レーシング・チーム監督談
「第1ヒートの赤旗再スタートやライバルたちのノーポイントなど、小池田選手は今日の結果でチャンピオン獲得に大きく前進できた。しかし走りだけをみれば、ポイントを詰められてもおかしくない内容だったが、小池田選手が安定した走りで確実にポイントをとっていることがライバルたちに見えないプレッシャーを与えたのだろう。最終戦はチャンピオン獲得を目前に控え、本人が意識してしまうだろうが、チームとしてはシーズン最後のレースを楽しんでもらえるような環境を作って、レースに送りだしたいと思う」