全日本モトクロス選手権 IA1
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA1に関する情報をお届けします。
Rd.07 7月17日 東北
RACE DATA
■大会名称:2005全日本モトクロス選手権 第7戦東北大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2005年7月17日(日)
■開催地:岩手県/藤沢スポーツランド
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れ
REPORT
小池田が2/5位でランキングトップをキープ
大河原は第2ヒートで今季最高の2位を獲得
全日本モトクロス選手権第7戦・東北大会が、7月16、17日、フジサワスポーツランド(岩手県)にて開催された。今回のレースでも焦点となったのは、北海道大会を経てさらに激化したランキング争い。特に、ランキング1位、ジュビロ・レーシング・チームの小池田猛と、わずか11ポイントに肉薄した高濱龍一郎(ホンダ)との戦いはもちろん、増田一将(ホンダ)、辻健二郎(ホンダ)、釘村太一、小島太久摩と徐々に絞られてきた上位陣が繰り広げる激戦に注目が集まった。
第1ヒート、ホールショットは小島。その後方に高濱、大河原功次、出原忍、小池田となるが、第3コーナーを抜けると、大河原、高濱、小島、小池田、そして加賀真一(スズキ)というオーダーとなる。そのなかで勢いのあったのは加賀。まず序盤で小島、小池田をかわして3番手に浮上すると、その後8周目にはトップを奪う。
一方小池田は一時5番手となるが、ペースの落ちてきた高濱をかわして4番手へ上がり、8周目には増田の転倒で再び3番手となり、加賀、大河原、小池田の三人がトップグループを形成しレースを展開していく。
そして11周目、加賀に食らいついていた大河原が転倒により順位を下げると、加賀、小池田の一騎打ちに。しかし後半になってもペースが落ちない加賀は、小池田を引き離してそのままファーストチェッカーを受けた。小池田は最終ラップに加賀に迫ったがそのまま2位。3位には8周目の転倒後に追い上げた増田が入った。
スタート後上位で走行していた小島は、一時は8番手までポジションを落としていたが、その後順位を上げ5位入賞。出原はスタート後7番手とするが、抜きつ抜かれつ繰り返しながら、最後まで順位をキープして7位。大河原は転倒して10番手となるも、再び盛り返して8位。また、釘村太一は、8番手を走行中に転倒し18番手となるもの、その後挽回して11位でゴールした。
第2ヒート、ホールショットを奪ったのは平塚雅樹(ホンダ)、それに続いて大河原、増田、釘村、加賀、高濱が好スタートを切る。そして混戦の1周目を制したのは高濱だったが、すぐに転倒し加賀がトップとなり、その後に増田、大河原が続き後方を引き離しながらレースを展開していく。
しかし、第1ヒートのように加賀の独走とはならず、増田、大河原が加賀に食らいつくと、8周目に加賀が転倒、増田がトップに立ちそのままファーストチェッカーを受けた。大河原は増田に離されてしまうものの、そのまま2番手を守りきり、今シーズン最上位となる2位表彰台を獲得。3位は戸田蔵人(スズキ)。
また加賀の転倒で3番手に上がった小池田は4番手の辻とのバトル中に接触し転倒。5番手に順位を落とすと、そのままのポジションでフィニッシュとなった。小島は、1周目を9番手で終えるが、その後6番手まで順を上げ、ポジションをキープ。しかし後半、田島久(ホンダ)にかわされ7番手となりそのまま7位。釘村は、スタートを4番手とするも、1周目で順位を落とし、最後は9位。出原は3周目で転倒し、マシントラブルを抱えながらも17位で完走した。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加賀 真一 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'32.937 |
2 | 小池田 猛 | Jubilo RT | Yamaha | 33'34.704 |
3 | 増田 一将 | TEAM HRC | Honda | 33'36.414 |
4 | 辻 健二郎 | TEAM HRC | Honda | 33'37.580 |
5 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 34'03.209 |
6 | 戸田 蔵人 | Team SRM | Suzuki | 34'05.074 |
7 | 出原 忍 | Jubilo RT | Yamaha | 34'08.000 |
8 | 大河原 功次 | 大河原レーシング | Yamaha | 34'10.005 |
9 | 平塚 雅樹 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'17.518 |
10 | 田中 教世 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'31.869 |
11 | 釘村 太一 | Jubilo RT | Yamaha | 34'33.476 |
12 | 勝谷 武史 | 世田谷レーシング | Suzuki | 34'38.894 |
13 | 高須 庸市 | Team SSC クロスポイント | Suzuki | 34'40.553 |
14 | 田島 久 | YOU SPORT&メテオール | Honda | 35'13.743 |
15 | 山本 堅一 | Team SSC With XP | Suzuki | 35'33.016 |
16 | 小田切 一剛 | Tea | Honda | 33'35.619 |
17 | 納屋 望 | Team SRF三重 | Suzuki | 33'45.045 |
18 | 沼田 誠司 | TEAM JUDGEMENT | Honda | 33'46.544 |
19 | 今井 隆充 | オーナメント・グラスライダース | Suzuki | 34'16.090 |
20 | 太田 真成 | Team Rabbit | Honda | 34'22.096 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 増田 一将 | TEAM HRC | Honda | 33'53.262 |
2 | 大河原 功次 | 大河原レーシング | Yamaha | 34'09.639 |
3 | 戸田 蔵人 | Team SRM | Suzuki | 34'29.519 |
4 | 辻 健二郎 | TEAM HRC | Honda | 34'35.719 |
5 | 小池田 猛 | Jubilo RT | Yamaha | 34'37.653 |
6 | 田島 久 | YOU SPORT&メテオール | Honda | 34'41.615 |
7 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 34'44.279 |
8 | 加賀 真一 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'46.306 |
9 | 釘村 太一 | Jubilo RT | Yamaha | 34'56.854 |
10 | 田中 教世 | Team SUZUKI | Suzuki | 35'01.275 |
11 | 平塚 雅樹 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 35'11.566 |
12 | 高濱 龍一郎 | Honda DEAM RT | Honda | 35'25.910 |
13 | 中山 裕 | セキソーレーシング | Suzuki | 35'28.349 |
14 | 納屋 望 | Team SRF三重 | Suzuki | 35'30.999 |
15 | 勝谷 武史 | 世田谷レーシング | Suzuki | 35'36.891 |
16 | 小田切 一剛 | Tea | Honda | 33'40.356 |
17 | 出原 忍 | Jubilo RT | Yamaha | 35'50.113 |
18 | 高須 庸市 | Team SSC クロスポイント | Suzuki | 35'51.588 |
19 | 山本 堅一 | Team SSC With XP | Suzuki | 36'07.936 |
20 | 河瀬 英明 | KRCカワセレーシング高山 | Honda | 35'23.531 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小池田 猛 | Yamaha | 275 |
2 | 増田 一将 | Honda | 259 |
3 | 高濱 龍一郎 | Honda | 235 |
3 | 辻 健二郎 | Honda | 235 |
5 | 小島 太久摩 | Yamaha | 201 |
6 | 釘村 太一 | Yamaha | 199 |
8 | 大河原 功次 | Yamaha | 176 |
9 | 出原 忍 | Yamaha | 173 |
22 | 中島 敬則 | Yamaha | 20 |
COMMENT
小池田猛選手談(2位/5位)
「第2ヒート中盤で3番手に上がった時、大河原さんとの差が開き過ぎていて、精神的にきつかった。それでリズムを崩し、辻選手に追いつかれてしまった。接触しての転倒は、お互いギリギリのところで走っているので仕方ないこと。スキを見せた自分が悪いが、その後5番手まで順位を落としたことは悔やまれる。今日は苦手意識のあるコースだったが、悪くても両ヒート表彰台という気持で走った。第1ヒートの2位は満足できたし、転倒で順位を落としての5位も、トータルで考えると良いとは言えないが、最悪という訳でもない。ポイントリーダーというプレッシャーはない訳ではないが、タイトルを獲得にプレッシャーは絶対に避けられないもの。無駄な転倒はしないように心掛けるが、ランキングを考えた守りの走りは絶対にしたくない。残り3戦はすべて得意なコースなので、一戦一戦自分のスタイルにこだわりながら、優勝を狙っていきたい」
小島太久摩選手談(5位/7位)
「藤沢は2サイクルには不利なコースだと言われているが、小池田さんが成績を出しているので、僕の成績ではまだまだ納得いかない。第1ヒートではホールショットだったが、ラインが悪く、序盤に抜かれてしまった。ただ、抜かれていくうちに自分のラインを修正することができて、後半は順位を挽回してなんとか5位でフィニッシュできた。第2ヒートはスタートを出遅れてしまったが、第1ヒートで見つけたラインを使って中盤までは順位を上げることができた。しかし後半になってそのラインが荒れて、その後は良いラインを見つけることができず、順位を落としてしまった。今回の順位は今の自分の持っている体力やスピード、技術の限界点だと思うし、自分には何が足りないかも分かっている。名阪までのインターバルでは、再度自分を追い込み、前半のような勢いではなく、実力で表彰台を奪えるようになりたいし、名阪は地元ということもあり、両ヒートで表彰台を狙っていきたい」
釘村太一選手談(11位/9位)
「事前テストでの感触が非常に良かっただけに、今回は意識して優勝を狙ってレースに臨んだが、残念な結果になり悔しい気持でいっぱいだ。特に今回のスタートは自信を持っていたが、第1ヒートはギアのつなぎがうまくいかずに中盤に埋もれてしまい、その後は転倒してリズムを失い、ラインも悪くレースにならなかった。第2ヒートのスタートはストレート区間では良かったが、コーナー進入の曲がるタイミングがずれて、アウトにはらんでしまい順位を落としてしまった。その後は、前半混戦だったので後半に勝負をかけようと思っていたら、トップグループには逃げられ、ラインも悪く、第1ヒートではかわすことができた選手にもかわされてしまうなど、まったくペースが掴めないままにレースを終えてしまった。このインターバルでは、AMAに参戦するためアメリカにいく予定になっている。そこでは新しい世界で新しい刺激を受けて戻ってきたいと思う。そして名阪では、表彰台はもちろんだが、両ヒート表彰台獲得を狙いたい。そうすればおのずと優勝も見えてくるだろう」
出原忍選手談(7位/17位)
「第2ヒートではリアが滑り転倒してしまった。その後は体にけがもなく、すぐに走ることはできたのだが、なぜかスピードが上がらず、不思議だと思っていたら、実は転倒したときにマフラーが損傷してスピードが出なかったようだ。第1ヒートはスタートもまずまずの位置につけることができたし、順位を上げることはできなかったが、ポジションはキープすることができた。しかし今回は6位以上を狙っていただけに、最後にひとがんばりできる体力をつけなければならない。このインターバルでは、ここ数戦の自分をもう一度振り返りながら悪い流れを克服し、第8戦では、前半で見せた勢いを取り戻して、上位進出と表彰台を目指したい」
大河原功次選手談(8位/2位)
「第1ヒートは転倒して順位を落とすこととなったが、スタートから上位につけ、終盤までトップに離されることなかったため、第2ヒートにつながる良いレースができたと思う。そして第2ヒートは、中盤で加賀選手、増田選手のペースについていくことに専念し、それをしっかりと実行できた。しかし加賀選手が転倒して2番手に上がってからは、中盤での消耗してしまっていたこともあり、増田選手のスピードにはついていくことができなかった。第2ヒートは優勝ではなく、2位という成績だったけれど、非常にうれしく感じているし、ホッとしている。なぜならここまで、ほとんど納得のいくレースがなく、自信を失いかけていたところで、この成績を出すことができたからだ。これを機にもう一度昨年のように自分に自信を持って、残り3戦を戦い、昨年のランキングに少しでも近付づきたい」
光安鉄美、ジュビロ・レーシング・チーム監督談
「九州もそうだったが、ここ藤沢も小池田選手にとっては相性の良くないコース。しかも4ストロークマシンが有利とされるなかで、2/5位は良しとすべきだろう。それに今回はランキングで競っていた高濱選手がポイントを落としたので、そういった意味でもきっちり表彰台に上がってくれたことは良かった。ただ、増田選手を中心としたライバルたちにからは、残り3戦はもっと厳しいプレッシャーをかけられるはず。しかし逆にいえば、小池田選手はアドバンテージを持っているのだから、気持ちに余裕を持って走れるようにチームとしてしっかりサポートしていきたいと思う。
小島選手は厳しいコンディションのなかで疲れが見えていたが、最後までしっかり戦う気持ちを持って走っていた。ただし、ここ数戦最初と最後での踏ん張りが足りないことが多い。しかしそこさえ克服すれば、コンスタントに表彰台を狙えるので、インターバルの間に、そこを意識したトレーニングを積んでほしいと思う。
釘村選手はランキングでは上位につけて、チームとして期待している結果は出している。しかし内容としては、上位で争えていないぶん、まだまだ物足りない。今回は第1ヒートでの転倒で体を痛めて自分の走りができていなかったようだが、次の名阪では、ファンの方々だけでなく、自分にとってもインパクトのあるレースをして、最後の追い上げを見せてほしい。
出原選手は毎戦、7・8番手あたりにとどまり、上位にとどまれない状況が続いているが、この壁を越えるには、それなりの努力が必要になってくる。そういったことを頭に入れて、このインターバルを過ごしてほしい」