世界耐久選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。
Rd.04 9月19日 フランス
RACE DATA
■開催日:2026年9月19-20日
■大会名称:世界耐久選手権 第4戦ボルドール24時間耐久レース
■開催地:フランス/ポール・リカール・サーキット(5.673km)
REPORT
YARTが3位を獲得、ランキングでは4ポイント差の2位でシーズンを終了
世界耐久選手権のシーズン最終戦ボルドール24時間耐久レースが開催され、ヤマハが3年連続でコンストラクターズ・タイトルを獲得した。Yamalube YART Yamaha EWC Official Teamは3位表彰台と健闘したが、チーム・タイトルにはわずか4ポイント届かなかった。
YARTは24時間を走り抜き3位でチェッカーを受けた。チャンピオン争いのライバルが優勝し、YARTは2位に入ればタイトルを手中できる状況だったが、わずか4ポイント差の合計154ポイントでランキング2位となった。一方でコンストラクターズ・ランキングではヤマハが合計179ポイントでライバルに12ポイント差をつけ、3年連続となるタイトルを獲得した。
YARTは今シーズン、ル・マン24時間で優勝、スパ・フランコルシャン8時間で2位、鈴鹿8時間で4位と安定的に好成績をあげており、第3戦終了時点で合計112ポイントを獲得し、ランキングでは19ポイントのアドバンテージを築いていた。今大会ではライバル・チームがポールポジションを獲得して5ポイントを加算。一方でYARTは予選7位にとどまりポイントを得られず、この時点でアドバンテージは14ポイントに縮まっていた。
チームは非常に厳しい戦いを強いられた。ハニカ選手が火曜日のプライベート・テス中、多重クラッシュに巻き込まれて打撲と手首を負傷、さらに予選セッションでもオイルに乗って転倒した。フリッツ選手もフリープラクティス・セッションで転倒、メルカド選手も同セッションで、コース上に残されたオイルに乗り転倒してしまった。2日間で合計4回の転倒を喫し、作業に大きな負荷がかかったが、チームはマシンを修復し、タイトル防衛を誓って決勝に臨んだ。
フリッツ選手がグリッド7番手から伝統的なル・マンスタイルのスタート。序盤の混乱を安全に乗り切るため慎重な走りを心掛け、最初の数コーナーでは16番手となったが、その後ペースを上げ、30分経過後には3位まで挽回した。スティントを通じてトップ争いを続けたフリッツ選手が4番手でメルカド選手にバトンタッチ。メルカド選手はそのポジションをキープして2時間目にハニカ選手と交代した。
各チームでピットストップが継続的に展開されるなか、ハニカ選手はコース復帰時点で6番手となっていたが、すぐさま挽回を目指していった。ミストラル・ストレートではライバル・チームに差をつけられるも、コーナーで取返して3位に浮上し、2時間半後には後方をさらに引き離してフリッツ選手に引き継いだ。
序盤戦で終始トップグループを確保したYART。ライダー全員が力強く安定したペースを維持し、3~4位をキープし続けた。燃料補給の作戦の違いにより、ピットストップの間に順位がさまざまに変化したが、チームは当初のレースプランを確実に実行し、タイトル争いのチャンスを引き寄せ続けた。
スタートから8時間後と16時間後のチェックポイントでいずれも4位を走行し、7ポイントずつ加算。タイトル争いのライバルは両ステージで10ポイントずつ加算したため、YARTのアドバンテージは14ポイントから8ポイントに縮小した。チームは夜間走行中もひたすらクリーンかつコンスタントなパフォーマンスを続けたが、この頃、その背後にはグリッド9番手からスタートしたElf Marc VDS Racing Team/KM99 Yamahaも迫りつつあった。
夜が明けると、ハニカ選手がそれまで以上の果敢な走りを披露。この時点でトップとの差は2ラップ。ハニカ選手は怪我の痛みと闘いながらもトップから離されまいと懸命にスティントを走り切りフリッツ選手に交代した。
3名はそれぞれのスティントで全力を尽くし、3位との差を着実に縮めていく。すると残り4時間で3位走行中のチームが転倒、YARTはついに表彰台圏内に浮上した。ライバル・チームが依然としてトップをキープするなか、タイトル獲得には2位以上の結果が求められる状況。チームは2位獲得を目指して最後のチャージをかけていった。
フリッツ選手がハードプッシュを続け、トップとの差を縮めてメルカド選手にバトンを託す。トップ3台が最後まで優勝争いを展開することとなったが、その後、大きな変化は起きず、メルカド選手が合計740ラップを走り終えて3位でチェッカーを受けた。
YARTは8時間後と16時間後にそれぞれ7ポイント、決勝3位で28ポイントを獲得し、今大会を通じて合計42ポイントを加算した。この結果、シーズン合計で154ポイントとなり、ライバルの158ポイントに4ポイント届かなかった。チームとして4度目となるタイトルを僅差で逃したものの、今回の3位表彰台により、ヤマハは3年連続となるコンストラクターズ・チャンピオンに輝いた。チームは今シーズン、ル・マン24時間の優勝を含む合計3回の表彰台獲得と健闘し、2027シーズンに向けて確かな基盤を築いた。
RESULT
TEAM RANKING
COMMENT
Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(3位)
M・フリッツ選手
「望んでいた結果ではなく、とてもがっかりしていますが、チームのみんなに心から感謝しています。今回は楽な戦いではありませんでした。そのなかで彼らは朝早くから夜中まで懸命に作業を続けてくれました。チームメイトたちもシーズンを通じて素晴らしい仕事をしました。ル・マン24時間の2年連続優勝は見事な成績ですし、4戦中3回の表彰台獲得も私たちの強さを表すものだと思います。来年に向けて改善すべき点はわかっていて、それによってさらに強くなれるはずです。早くも2027シーズンを待ち望んでいます」
K・ハニカ選手
「とてもタフな1週間でした。私は火曜日と木曜日に大転倒。このコースではここ3~4年なかったクラッシュを私たちは合計4回も経験してしまいました。マシンの損傷は激しく、私自身も身体にダメージを受けました。金曜日はかなり辛い状態で、出場できるかどうかも定かではありませんでした。レース序盤は困難もあったのですが、物理療法士の適切なケアにより、着実にコンディションが回復していきました。そして終盤に向かうにつれ、実際に身体の感覚が良くなっていったのです。もしも私が万全の状態だったとしても結果が変わっていたとは思いません。この3位を喜ぶべきでしょう。マービンとメルカド、マンディ、物理療法士、メカニックたち、ウイークを通じて私をサポートし、決してあきらめなかったチームメンバー全員に感謝しています」
L・メルカド選手
「今大会では大きなクラッシュが4回もあり、チームは非常に多くの仕事を強いられました。本当に大変な戦いでした。火曜日や木曜日を振り返ってみると、とても厳しい状況だったのですが、その流れを変え、力強いレースができました。全力を尽くし、毎スティント、毎ラップでプッシュし、着実に挽回して表彰台にたどり着きました。当然ながらチャンピオンを目指していましたが、YARTで最初のシーズンに表彰台3回とル・マンでの優勝、そしてタイトル獲得のチャンスを残して最終戦に臨むという素晴らしい経験をさせてもらいました。このようなチャンスをくれたチームメイトやチームの全員に感謝しています。未来に思いを馳せ、私たちはさらに強くなってまたチャレンジします」
M・カインツ、チーム・マネジャー
「私たちは全力を尽くしました。ライダーやチームにこれ以上を求めることはできません。4回の転倒とマシン修復のためのさまざまな作業のあと、この24時間は転倒も技術的トラブルもなく走り終え、表彰台を獲得できたという事実が、このチームの素晴らしさを物語っています。カレルは痛みを抱えながらも懸命に走行し、マービンとメルカドも毎ラップでプッシュし続けました。タイトルをわずか4ポイント差で逃したことは残念ですが、ル・マンでの優勝と4戦中3回の表彰台、そして最終ラップまで戦い続けたことを誇りに思います。改善できるところを分析し、今シーズンの戦いのなかから学び、2027年はより強くなって戻って来ます」















