世界耐久選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。
Rd.03 7月5日 日本
RACE DATA
■開催日:2026年7月5日
■大会名称:世界耐久選手権 第3戦日本
■開催地:日本/鈴鹿サーキット(5.821km)
REPORT
雨中を含め、188周にわたる激闘の末、2年連続で2位表彰台を獲得!
朝から雨が降り続いた7月5日の鈴鹿サーキット。8時30分からのウォームアップはフルウエットで、雨が見込まれる決勝レースに向けて重要なセッションとなりました。時間の経過とともに雨量が増す難しいコンディションに転倒車が続出する中、「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は少ない周回数ながらジャック・ミラー選手が快走し、総合2番手タイムをマーク。中須賀克行選手、アンドレア・ロカテッリ選手ともにコンスタントに走り切り、ウエットでの順調な仕上がりをアピールしました。
例年通り、11時30分にスタートした決勝レース。終始雨が弱まったり強まったりする天候なうえ、気温も例年の鈴鹿8耐より大幅に低い22度前後。波乱を予感させるコンディションでしたが、「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は3名のライダーが力強いライディングを披露しました。
スタートライダーを務めたのは、ジャック・ミラー選手。5番手グリッドから一時は3番手までジャンプアップしましたが、徐々にペースを落とします。12時4分には1回目のセーフティーカーが入りましたが、6番手でアンドレア・ロカテッリ選手にバトンを渡しました。
ロカテッリ選手に交代して7分後に2回目のセーフティーカーが入り、雨足も強くなりましたが、ロカテッリ選手は落ち着いて自身1回目のスティントをこなし、中須賀選手に「YZF-R1」を預けます。
中須賀選手が安定した走りでスティントを終えると、ミラー選手が2スティント目に"覚醒"します。「YZF-R1」でのウエットの経験がほとんどなかったミラー選手は、周回を重ねるたびにペースアップ。場所によって雨の強さが異なるコンディションの中、チームベストの1分16秒台を連発しながら「#76 AutoRace Ube Racing Team」をパス。2番手に上がると、さらにトップを走る「#30 Honda HRC」に迫りました。
以降、16時23分にロカテッリ選手、17時27分にミラー選手とつなぎ、18時38分、ロカテッリ選手が最後のスティントに臨みます。一時は首位の「#30 Honda HRC」に10数秒差まで肉薄しましたが、3回目のセーフティーカーが間に入ったことでタイム差が約1分40秒にまで拡大。19時30分、セーフティカーランのまま8時間を迎え、「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は昨年に引き続き2位表彰台を獲得しました。表彰台ではジャック選手、ロカテッリ選手が中須賀選手を担ぎ上げ、これまでの栄光の軌跡をファンとともに称えました。
YART、雨に見舞われた鈴鹿8耐で4位に入り、貴重なポイントを獲得
Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(YART)のマービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手、レアンドロ・メルカド選手は、雨に見舞われた鈴鹿8耐を戦い抜き、4位でフィニッシュしました。この結果、21ポイントを獲得し、世界耐久選手権(EWC)のランキングでは、19ポイントのリードのまま、日本を後にしました。
YARTはチャンピオンシップで22ポイントのリードを保った状態でレースに臨み、土曜日のトップ10トライアルが雨と安全上の懸念により中止となったため、金曜日の総合予選結果がグリッド順を決定することとなり、YARTは平均タイム2分5秒169で4位とし、貴重な2ポイントを獲得して、日曜日の決勝レースに臨みました。
レースは、直前のウォームアップで雨が降ったため、ウエットコンディションでスタート。8時間のレース中は、雨は時折弱まったものの完全にドライになることはなく、雨量が多い時には危険なコンディションという判断でセーフティカーが導入され、安定した走りや、ピットストップの正確さが勝敗を分ける鍵となりました。
YARTは、YZF-R1で堅実なスタートを切り、オープニングラップ終了時点で6番手につけた後、序盤にトップ5入りを果たしたが、視界が悪くグリップレベルも刻々と変化する中、チームはトラブルを避け上位争いに留まることに注力しました。
レース開始から1時間余りが経過したところで最初のセーフティカー導入があり、YARTはトップ6圏内にとどまると、さらにセーフティカーが導入されたが、その後もトップ5とトップ4の間を行き来しながら、依然として上位争いに加わり続けた。
レースが折り返しを迎える中、3名のライダーはウェットコンディションでも競争力のあるペースを維持し、YARTのピットワークも引き続き速さを保ってチームは表彰台争いを継続。特にレースが後半戦に入ると、EWCでのライバルとなるBMW Motorrad World Endurance Teamと激しい争いを繰り広げ、シーズン最終戦に向け1ポイント重要な状況下でチームは過酷なコンディションが続く中、マシンを無事にゴールに導くことに集中し続けました。
そして残り30分強となった時点で、コンディションの悪化により再びセーフティカーが導入され、レースはセーフティカーが入ったまま終了し、YARTは188周を走り切り、4位でフィニッシュ。表彰台には一歩届きませんでしたが、予選で2ポイントを獲得、さらにレースで19ポイントを獲得し、19ポイントのリードで2年連続となるシリーズチャンピオンを目指し、シーズン最終戦となるボル・ドール24時間レースに挑みます。
KM99も、序盤のトラブルに見舞われながらもゴールを目指し、フロリアン・マリノ選手、ランディ・ド・ピュニエ選手、アレッサンドロ・デルビアンコ選手は、173周を走り切り、総合30位でフィニッシュしました。
RESULT
COMMENT
#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM:188周 2位
中須賀克行選手
「このレースウィークでジャック(ミラー選手)やロカ(アンドレア・ロカテッリ選手)と1年ぶりに合流して、毎セッション毎セッション彼らから熱い思いを感じて、走る勇気をもらいました。そのおかげですべてのセッションを自分なりに走り切ることができましたし、自分の役割をしっかりと果たせたと思っています。決勝では1スティントしか走れなかったのは非常に残念ですし、正直、悔しさもあります。でも、ファクトリーチームとしての決定を尊重します。ジャックやロカと組めて本当によかったと思うし、チームスタッフもミスなくすべてをこなしてくれて、最高の鈴鹿8耐になりました。結果としては2位でしたが、みんなで勝ち獲ったものだと誇りに思っています。これまで鈴鹿8耐ではMotoGPライダーやスーパーバイク世界選手権のライダーたちと一緒に走ってきましたが、彼らはみんな僕に対してリスペクトを持って接してくれました。それこそが、今まで自分がやってきたことへの答えだったんだな、と、改めて思っています。この後の全日本ロードレースでは、彼らのリスペクトに恥じない走りをするつもりです」
ジャック・ミラー選手
「僕たちはマキシマムで鈴鹿8耐を戦い切ったよ! ロカは素晴らしかったし、中須賀さんも見事だった。僕たちライダーやチームの努力を誇りに思っている。100%出し切ったという点では、自分の仕事にも満足しているよ。最初のスティントはリヤに問題があってかなり苦しんだ。生き残るのに精一杯だったよ。2スティント目以降はまったく問題なく、全力でプッシュできたし、トップを走っているホンダとの差を縮めることができた。彼らの背中は少しずつ近付いたけど、今日の僕たちは追い詰めるには十分ではなかったね。僕は世界耐久選手権自体が素晴らしいと思っているし、その1戦である鈴鹿8耐も大好きだ。そして僕はMotoGPの代表としてこのレースに参戦できたことを非常に光栄に思っている。常にマキシマムな姿勢が伝わったのならうれしい。そして改めて中須賀さんについて言いたい。彼は本当にレジェンドと呼ぶにふさわしい存在だよ! どんなに難しい状況でも常にコンスタントで力強い。彼と一緒のピットで過ごせることは、僕にとって大きな喜びだった」
アンドレア・ロカテッリ選手
「本当に鈴鹿8耐はクレイジーなレースだよ! 僕は大好きだ(笑)。昨年は暑さにやられたし、今年は雨だからね。特に雨は予測できないことばかり起こるから難しいけど、タイヤが素晴らしく機能してくれたし、YZF-R1のフィーリングもよかったので、限界までプッシュできた。2位という結果は僕たちの力強いパフォーマンスの成果として、誇るべきものだと思っている。まるで勝ったみたいにそう思えるのは、僕たち全員が全力を尽くしたからだ。僕は来年もスーパーバイク世界選手権でヤマハと契約しているから、鈴鹿8耐もぜひ......と思ってるよ(笑)。中須賀さんと同じチームで走れた僕は、本当に幸せ者だよ。昨年も今年も、彼は僕を迎え入れることに1度も不平を言わず、敬意を持って接してくれたんだ。MotoGPでも表彰台に立ったことがあるライダーと一緒に仕事ができるなんて、最高の経験だよ。しかも44歳でしょう? 僕が44歳だったらこんなタフなレースには出ずに、ビーチに寝そべって太陽を浴びながらドリンクを楽しんでいたいからね(笑)。中須賀さんは本当に素晴らしい才能と決意の持ち主だと思う。"ナカスガチーム"の一員にしてくれたことに、心から感謝している」
吉川和多留監督
「終盤にはライバルを追い詰められましたし、昨年よりは差を縮めることもできました。それでもまだ足りないところが多々あったというのが、昨年に引き続いての2位という結果ですね。正直なところとても悔しいですし、課題もたくさん感じています。チームとしては、ライダーたちやスタッフみんなの最高のパフォーマンスを成果に結びつけることができず、申し訳なく思っています。ジャックとロカからは、改めて世界でトップを狙うライダーたちの素晴らしさを教わりました。彼らは優れたライディングスキルを備えていることはもちろん、勝利に対してとことん貪欲です。細かい点まで決して見逃さず、提案もたくさんしてくれました。私と中須賀選手は長く一緒に組んでいますが、ふたりとも彼らから大いに刺激を受けました。チームとしては、明日からすぐに次に備えるつもりです。ライダーたちも、2位続きでは面白くないでしょう。私たちは勝つためにレースをしていますからね」
Yamalube YART Yamaha EWC Official Team:188周 4位
マービン・フリッツ選手
「できるだけ多くのポイントを獲得するために来たが、まさにそれができた。21ポイントを獲得し、19ポイントのリードで帰路につくことができ、素晴らしい結果だ。昨年は、鈴鹿をノーポイントで去ることとなり、BMWに対するリードもわずか1ポイントだったから、昨年よりはるかに良い状況だ。我々のペースは素晴らしく、チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、ピットストップも順調だった。だから、ここ日本での結果には満足している。応援してくれた日本のファンの皆さん、素晴らしい仕事と努力をしてくれたチーム全員、そしていつも温かく迎えてくれるヤマハ・に心から感謝したい。鈴鹿でのレースはいつだって素晴らしいものだ」
カレル・ハニカ選手
「正直、複雑な気持ちだ。表彰台を目指していたからね。でも、この状況の中で、今日は自分たちにできる最大限の走りができたと思う。ライダー全員が素晴らしい仕事をした。全員が速くて安定していたし、トップ5の中で3名のライダーを均等に起用したのは自分たちのチームだけだった。そのことが次のレースへの自信になるし、何よりも(最終戦の)ボルドールに向けてチャンピオンシップでしっかりとリードをキープできたことが一番重要なことです。レースはめちゃくちゃタフで、最初のスティントは、ウェットコンディションの中で1時間半、セーフティーカーの導入も長かったから本当に難しかった。それでも最初のスティント、そして2回目のスティントでもBMWを引き離すことができた。だけど、その後に向こうが違う戦略をとってきたんだ。それでも、良いポイントが取れたし、素晴らしいチームワークだった。マービン、タティ、そしてチーム全員が本当にいい仕事をしてくれた。ピットストップはいつも通り最高だったし、バイクもすべてのコンディションで力強さを感じられた。去年の鈴鹿の後に比べたら、はるかに多くのポイントを獲得できているから、ポジティブに捉える必要があり、4位という結果はベストではないけれど、気持ちは次のレースに向いているよ」
レアンドロ・メルカド選手
「このコンディションだから決して簡単なレースではなかったけれど、良い仕事ができたと思う。チーム、そしてチームメイトたちも素晴らしい走りをしてくれた。ミスはなかったし、ペースも本当に強力だった。チャンピオンシップに向けて確実に良いポイントを獲得できたんだ。鈴鹿で表彰台に立つのは特別なことだから、もちろん表彰台には上がりたかった。でも、全体を見れば本当に素晴らしい結果だと思う。これでBMWに19ポイントの差ができたからね。俺たちには強いペースがあったし、ノーミスで本当にクリーンなレースができた。ピットストップもめちゃくちゃ速くて完璧だった。自分自身のパフォーマンスにも満足している。YARTのメンバーとしてここに来たのは初めてだったけれど、すごくフィーリングが良かった。さあ、次はボルドールだ!」
マンディ・カインツ監督
「難しいコンディションの中で本当にタフなレースだったけれど、マービン、カレル、タティ、そしてチーム全員が素晴らしい仕事をしてくれた。もちろん、表彰台を目指してここに来たから、4位という結果は望んでいたものではないけど、チャンピオンシップを考えれば、これは非常に重要な結果だ。ミスはなかったし、ライダーたちは速く、そして安定していた。ピットストップも完璧だったから、このレースの戦い方には満足していいと思う。去年の鈴鹿はノーポイントで終わってしまい苦しいものだったからこそ、今回はこの週末で21ポイントを獲得し、チャンピオンシップで19ポイントのリードで最終戦を迎えられるのはポジティブなことだ。今日はBMWが強かったけれど、自分たちのレースに集中し、非常にトリッキーなコンディションの中でしっかりとバイクをチェッカーまで運んだ。ここからは気持ちをボルドールに切り替えて、タイトルの防衛に向けてすべてを出し切る!」

















