AMAモトクロス
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Rd.12 9月11日 ハングタウン
SUMMARY
最終戦を待たずにAMAモトクロス450MXのチャンピオンを獲得したディラン・フェランディスが、カリフォルニア州ランチョ・コルドバで開催されたハングタウン・ナショナルの両モトでそれぞれ1位、3位に入り、輝かしいシーズンを総合優勝で締めくくった。チームメイトのクリスチャン・クレイグもこの最終戦で今シーズンベストとなる総合4位(5位/4位)に入った。
250MXでは、Monster Energy Star Yamaha Racingのジャスティン・クーパーが、今シーズン初となる1位/1位で総合優勝。チャンピオン獲得には届かなかったものの、今シーズンの全大会で表彰台に立つという、堂々たる成果を残した。ルーキーのリーヴィ・キッチンは6位/12位で総合9位となり、今シーズン3度目となるトップ10フィニッシュを果たした。ジャレット・フライは、両モトを9位と10位で終えく総合11位で最終戦を終えた。
RACE DATA
開催日:2021年9月11日(土)
開催地:カリフォルニア州サクラメント
会場:ハングタウン
REPORT
450MX
フェランディスが総合優勝で有終の美飾る
フェランディスは予選で好走して4番手とすると、モト1では好スタートを決める。最初の数ターンで発生した混乱を避けようとしたフェランディスを、クレイグが先行したが、オープニングラップを終えるまでにフェランディスが先行して2番手で1周目を終えた。周回が進むと、フェランディスはトップに狙いを定め、レースが中間点に差しかかるまでにその背後に迫った。レース終了まで残り7分となったところでこれをパスしてトップに立つと、その後は後続とのギャップを拡げ、2位に12秒の大差をつけてシーズン8度目のモト優勝のチェッカーフラッグを受けた。
モト2は、フェランディスがこの一年の集大成となるレースになった。第1ターンで他のライダーと絡んでトップ30圏外からの追い上げを強いられることになった。総合優勝は難しいと思われたが、フェランディスは挽回を続け、3番手まで浮上してフィニッシュ。総合優勝を果たし、シーズンを締めくくった。
チームメイトのクレイグは、モト1で好スタートを見せて1周目を3番手とすると、好ペースをキープし5位でフィニッシュした。モト2でもモト1の好スタートを再現し、数ターン後にはトップに立った。4周に渡ってレースをリードしたクレイグだったが、その後3番手に後退。モト2の大半で表彰台圏内をキープしていたが、猛チャージで追い上げて来たチームメイトに終盤にパスされてひとつ順位を落とし、4番手でチェッカーフラッグを受けた。総合成績でも今シーズン450クラスで自己ベストとなる4位に入った。
ハングタウン・ナショナルでの最終戦は、チームにとって最上級クラスでの素晴らしい一年を、最高のかたちで締めくくることとなった。450MXに加え、Yamaha Motor Corporation, U.S.A.はマニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、Monster Energy Star Yamaha Racing Teamはチーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。また、ジェレミー・コッカ―はチームマネージャー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、450メカニック・オブ・ザ・イヤーがフェランディスのメカニック、アレックス・キャンベルに贈られた。
250MX
クーパー、ハングタウン圧勝でシーズンを締めくくる
今シーズンの全12戦でなんと9回目となる予選最速ライダーとなったクーパーは、ベストを尽くし、モト1でホールショットを奪った。後続とのギャップを拡げるクーパーは、全体を通してハイペースを維持。クーパーを捕らえようと追いすがる後続のライダーを尻目に、最終的に2位と3.5秒差でモト1を制した。続くモト2のゲートが降りると、わずかの差でホールショットを逃すが、YZ250Fを駆るクーパーは2周目までにトップに立った。その後も首位を堅持したクーパーは、自身キャリア初となるパーフェクトな1-1での総合優勝を果たした。
キッチンは、このシーズン最終戦で、ルーキーシーズンに自分がどれだけ学んだかを証明することになった。2021年ニッキー・ハイデンAMAモトクロス・ホライズン・アワード受賞のキッチンは、モト1のオープニングラップで9番手につける。上位グループのライダーの脱落によって順位を上げたキッチンは、6位でフィニッシュラインを通過した。続くモト2でもモト1同様のスタートを見せるが、3周目に転倒を喫して14番手まで後退してしまう。それでも厳しいコースの中でプッシュし続け、12位まで挽回したところでフィニッシュした。
フライはシーズン後半になって速さを示すようになり、ハングタウンでは両モトとも堅実なライディングを見せた。モト1はトップ10圏外でスタートして9位でフィニッシュライン。モト2では12番手から順位を上げて10位でフィニッシュし総合11位となった。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
ディラン・フェランディス選手談(優勝/3位:総合優勝)
「ハングタウンの一日は、すごい一日でした! 週末に入り、僕はチャンピオンシップのプレッシャーから解放されフレッシュでリラックスした気分で今大会を迎えました。今回が今年最後だとわかっていたので、持っているものをすべて出し切るのだと自分に言い聞かせました。モト1で勝って、モト2のスタートではちょっと問題がありましたけど、どうにか3位でフィニッシュして総合1位になりました。自分の後ろには最高のチームが居ます。このようにシーズンを終えられるのは最高です!」
クリスチャン・クレイグ選手談(5位/4位:総合4位)
「今大会は充実していました。上位を走ることができたし、モト2では数周にわたってレースをリードしました。2レースとも堅実に走り切って、総合4位になりました。シーズンを充実したカタチで締めくくることができて満足していますし、この勢いを2022年も維持したいと思います」
250MX
Monster Energy Star Yamaha Racing
ジャスティン・クーパー選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「今日、できることはすべてやりました。ワシューガルでのクラッシュで親指を骨折したのですが、今日はかなり良い感触になっていましたし、チームが荒れたコースでも楽に走れるように良い仕事をしてくれました。素晴らしいシーズンでしたし、毎週末に表彰台に上がったことは、自分にとって大きな成果でした。今日、両モトで勝てたのは良かったのですが、最後に一歩及ばなかったことがちょっと悔しいですね。全員が懸命に取り組んできましたが、自分自身とチームを誇りに思っています」
レビ・キッチン選手談(6位/12位:総合9位)
「この数戦をチームとともに走ったことは、素晴らしい経験になりました。チームが教えてくれたことすべてにとても感謝していますし、まさしく最高の経験だったと感じています。来シーズンが楽しみです」
ジャレット・フライ選手談(9位/10位:総合11位)
「全体にかなり良い一日で、厳しいコースでの最終戦を9位、10位で終えました。自分の持てるものをすべて出し切りましたので、それについては満足しています」