AMAモトクロス
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Rd.06 7月17日 スプリングクリーク
SUMMARY
450MXでは、Monster Energy Star Yamaha Racingのディラン・フェランディスが、ミネソタ州ミルビルで開催された第6戦スプリングクリーク・ナショナルで総合3位に入り、連続表彰台獲得記録を伸ばした。チームメイトのクリスチャン・クレイグとアーロン・プレシンジャーはそれぞれ総合5位と6位に入り、ともにトップ10入りを果たした。
250MXでは、Monster Energy Star Yamaha Racingのジェレミー・マーティンが地元の観衆の前で勢いづき、今シーズン初となる総合優勝を飾った。チームメイトのジャスティン・クーパーは総合3位となり、ランキングトップを維持。コルト・ニコルズは総合6位とトップ10フィニッシュ。ジャレット・フライはモト1でトップ10入りを果たしたが、モト2では玉突き事故に巻き込まれて総合14位。ネイト・スラッシャーは残念ながらモト1のオープニングラップにクラッシュを喫し、その後の走行を断念した。
RACE DATA
開催日:2021年7月17日(土)
開催地:ミネソタ州ミルビル
会場:スプリングクリークMXパーク
REPORT
450MX:フェランディスが総合3位でランキングトップをキープ
フェランディスはモト1で好スタートを決めて4番手につけるが、他のライダーとの僅差の争いの中で5番手に後退。クレイグに続いていたフェランディスは、自身の流れを再び見いだすと、猛チャージを開始し、先ず他のライバルを抜き去ると、6周目までにチームメイトをパス。そしてその数周後、2番手を走行していたライダーがクラッシュしたため、フェランディスが2番手に浮上。トップを行くライダーの追撃を開始し、追い抜きにかかるが、残り約5分となったところで他のライダーがこの争いに加わり、バトルはヒートアップ。それでもフェランディスは冷静さを保ち、トップを狙いつつも後ろから攻めるライバルを巧みに抑える。結局、フェランディスは2位でフィニッシュした。
荒れた展開となったモト1を終えて、フェランディスはモト1同様の好スタートを繰り返すべく狙っていたが、モト2では不運にもハンドルバーが他のライダーのハンドルバーと当たり、中団まで後退してしまう。そしてその後、ダウンヒルセクションを過ぎたところで転倒を喫し、オープニングラップを24番手で戻って来る。フェランディスはすぐに追い上げを開始し、数周後には13番手まで順位を上げるが、その後再び転倒してしまう。だが勢いに乗るフェランディスはプッシュを続け、残り4周となったところでトップ5圏内に入るとそのまま5位でフィニッシュ。総合成績で3位となった。
このレースを終えて、フェランディスはAMAモトクロス450MX選手権ランキングで2位との差を32ポイントに拡大した。
クレイグもモト1で素晴らしいスタートを見せてトップ10圏内につける。2周目にチームメイト、フェランディスをパスすると猛チャージを維持。5周目には3番手のライダーをパスするが、次の周にはフェランディスがクレイグを抜き返す。その後もクレイグは堅実な周回を重ね、今シーズンこれまでで最高の4位でフィニッシュした。
モト2ではスタート直後に10番手につけると、追い上げを見せ、レースの折り返し点に達する数周前には6番手まで順位を上げる。残り3周となったところで追い抜きを見せたクレイグは5番手に上がり、そのままフィニッシュ。総合5位でミネソタを後にした。
プレシンジャーにとってスプリングクリークMXパークでの一日は厳しいものとなった。モト1では思うようなスタートが切れず、1周目を12番手で終える。2周目終了までに9番手に上がると、さらにその1周後には6番手まで浮上。最終的には5番手でフィニッシュした。
モト2では不運にもオープニングラップにフェランディスが目の前で転倒。行き場をなくしたプレシンジャーも転倒を喫し、33番手まで後退して再走。大胆なライディングで果敢に追い上げるプレシンジャーは、30分プラス2周のレース終了までに9番手まで順位を上げてフィニッシュ。総合6位となった。
250MX:マーティンが両モト優勝し、今シーズン初総合優勝。クーパーはランキングトップをキープ
モト1ではチーム全体が素晴らしいスタートを決め、5人のライダー全員がトップ10圏内につけた。その中で、今回予選で最速ラップタイムを記録したクーパーが今シーズン5回目となるホールショットを獲得。トップに立ったクーパーは、後続とのギャップを築くが、レースが進むにつれてクーパーのライディングが苦しくなり、マーティンが迫って来る。未だ感触が100%ではないマーティンは慎重に走行。レース後半になってチームメイトをダウンヒルでパス。そこからクーパーは、2番手をキープする自身のレースを走り、チームに1‐2フィニッシュをもたらした。
マーティンはモト2でも格上のパフォーマンスを見せた。ホールショットを奪うと、そのままレースをリード。以後一度もトップの座を譲ることなく、2位以下に9秒以上の大差をつけて圧勝した。自身37回目となるこの勝利の結果、マーティンは選手権ランキングでトップ5圏内に返り咲いた。
クーパーはスタート直後、チームメイトのすぐ後ろに続いたが、チャレンジングなコースに自身の流れをつかむのに苦労し、レースが折り返し点に到達するまでに3番手まで後退。そのまま3位でフィニッシュして総合成績でも3位となり、連続表彰台か黒くの流れを維持。2位と6ポイント差のランキングトップにつけている。
ニコルズはモト1で堅実にトップ10入りを果たす。着実な走りで4周目までに8番手から6番手に順位を上げるが、最終的に7位でフィニッシュした。モト2でも再びスタート直後に8番手につけたニコルズは、すぐに5番手に上がるが、残り3周となったところで7番手に後退。そのままフィニッシュし、総合6位で第6戦を終えた。
フライは進歩を続け、モト1では素晴らしいスタートを見せてチームメイト、マーティンに続く4番手につけた。その後、順位を落とすも、10番手に踏みとどまり、そのままフィニッシュ。今シーズンベスト・モト・リザルトとなった。モト2ではスタート直後に13番手につけるが、不運にも2周目に発生した多重玉突き事故に巻き込まれてしまう。フライはメカニックスエリアに向かった後、周回遅れでレースに復帰し、29位でフィニッシュした。
残念ながらスラッシャーにとってはさらに不運な1日となった。モト1で素晴らしいスタートを見せて2番手を走行していたが、オープニングラップに他のライダーに絡まれて、肩を負傷してしまう。その後の走行を断念。週明けに診断を受けることになる。
Monster Energy Star Yamaha Racingチームはこの後、ワシントン州に向かい、7月24日にワシューガルMXパークで開催されるAMAモトクロス選手権第7戦ワシューガル・ナショナルに臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
ディラン・フェランディス選手談(2/5位:総合3位)
「ミルビルでの一日は自分にとって最高の一日とはなりませんでした。プラクティスで感触が良くなかった。その後モト1では好スタートを決めて、優勝を目指して争っていたのですが、(ジャスティン)バーシアを抜くことができず、2位でフィニッシュしました。モト2ではスタートが悪く、1周目にダウンヒルの先でクラッシュ、さらに2周目にもクラッシュしてしまいました。それから5番手まで挽回して、どうにか総合3位で終えることができました。選手権ポイントについては良い一日だったのですが、自分自身についてはあまり満足していません。来週はトレーニングに戻り、ワシューガルに備えます」
クリスチャン・クレイグ選手談(4/6位:総合5位)
「ミルビルでの一日はかなり良くて、自分らしいライディングができて、トップを目指して走ることができました。両モトともに良いバトルをして、総合5位になりました。ワシューガルに向けて、この勢いを保つことにワクワクしていますよ!」
アーロン・プレシンジャー選手談(5/9位:総合6位)
「今日はかなり苦戦しました。自分のスタートができず、思うようにプッシュすることができませんでした。モト2ではディランとクラッシュして、9位で完走するのが精いっぱいでした。コースは自分が慣れ親しんだミルビルではありませんでした。まったく深さがなかったし、かなり滑らかでした。これから戻ってワシューガルの準備を進めます」
250MX
Monster Energy Star Yamaha Racing
ジェレミー・マーティン選手談(1/1位:総合優勝)
「地元の人たちの前で勝利を収めることは常に特別なことです。手首と指の骨折のため、いくつかのモトを欠場していたので、最初のモトはスタートから約20分は、もちろん痛かったですよ。僕もモト2では疲れましたけど、ファンはとても素晴らしかった。彼らは本当に僕を奮い立たせ続けました。今年は僕自身、つらい経験をしましたが、そこから学んだことのひとつは、配られるカードは必ずしも常に理想的とはならないものの、プッシュし通さなければならないということです。この優勝は本当に気分がいいです!」
ジャスティン・クーパー選手談(2/3位:総合3位)
「コースは超トリッキーで、良い流れをつかむのが大変でしたけど、今日は楽しめたし、自分たちにできることをしました。僕らにとってはもちろん厳しかったし、バイクにもちょっと手こずりましたけど、好ポイントを挙げて、レッドプレートと共にここを離れることができます。毎週、毎週良改善するように、ハードワークを続けてゆきますよ」
コルト・ニコルズ選手談(7/7位:総合6位)
「キツイ一日でした。難しいコースでしたけど、ライディングはすごく楽しかったですよ。速さはあったと感じていたけど、両モトとも元気を使い果たしてしまいました。これにはちょっとがっかりですけど、コツコツ努力を重ねて、落ち着いてゆくつもりです!」
ジャレット・フライ選手談(10/-位:総合14位)
「ミルビルに来て、良い一日を過ごしました。11位で予選を通過して、モト1では好スタートを決めて10位でフィニッシュ。モト2ではあの玉突き事故に巻き込まれてしまい、それがすべてでした。前向きにとらえて、ワシューガルに向かいます」
ネイト・スラッシャー選手談(DNF/DNS)
「すごくがっかりしています。ととても良いスタートを決めたのに、不運な目に遭ったし、肩を痛めてしまいました。前向きに、いつ復帰できるのかを確認して、今まで以上に強くなって戻って来たいですね」