AMAモトクロス
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどAMAモトクロスに関する情報をお届けします。
Rd.08 10月4日 サンダーバレー
SUMMARY
コロラド州レイクウッドで開催されたAMAモトクロス選手権第8戦。450MXではMonster Energy Yamaha Factory Racing Teamのジャスティン・バーシアとブロック・ティックルが、ともにモト1を堅実に終えたが、残念ながらモト2は完走できず、トップ10圏外で大会を終えた。バーシアはモト1で力走を見せてトップ5フィニッシュを果たすが、モト2では完走できず、5/37位で総合12位となった。レース復帰を果たしたティックルは、モト1を10位でフィニッシュするが、モト2では序盤にテクニカルトラブルが発生して完走はならず、10/39位で総合17位に終わった。
MX250では、Monster Energy Star Yamaha Racingのジャスティン・クーパーが、両モトをそれぞれ2位、1位でフィニッシュし、今シーズン初となる総合優勝を果たした。250MXのポイントリーダー、ディラン・フェランディスは1/3位で総合2位となり、残り2戦となった選手権でランキングトップをキープ。上位の常連、シェーン・マクエラスは3/5位の総合4位となった。ルーキー、ジャレット・フライは9/10位でトップ10入りを果たし、自己ベストとなる総合9位。チームの新しいメンバーとなったネイト・スラッシャーは11/16位の総合13位と、プロデビュー戦で堅実な結果を残した。
RACE DATA
開催日:2020年10月3日(土)
開催地:コロラド州レイクウッド
会場:サンダーバレー
REPORT
450MX:Monster Energy Yamaha Factory Racing Teamがサンダーバレーで厳しい戦い
ハードパックのコースは絶えず変化し、ライダーにとっては終日チャレンジングな状況となった。バーシアはモト1で強気の走りを見せ、4番手でスタートするとトップグループにつけて走行する。5位でフィニッシュしたバーシアは、モト2でもトップ10圏内につけていたが、レースの折り返しを過ぎたところで転倒。走行を続けることができなかった。バーシアはモト2で37位にランクされ、総合12位で第8戦を終えた。
第6戦ミルビルで大クラッシュを喫したティックルは、1週休んでフロリダで過ごし、好結果をもたらすべくコロラドでチームに合流した。ティックルはモト1で堅実なスタートを見せて13番手につけると、トップ10に向けて順位を上げてゆく。トップ10入りを目指すティックルは、最終ラップに追い抜きを見せて10位でフィニッシュした。続くモト2で、素晴らしいスタートを見せたティックルはターン2に4番手で進入。1周目を終えて10番手で戻って来る。ところが、トップ10フィニッシュへの期待はテクニカルトラブルによってレース序盤にくじかれてしまう。ティックルは2周しただけでリタイヤを余儀なくされた。
250MX:クーバーがコロラドで今季初の総合優勝
コロラド州レイクウッドの標高は、サンダーバレーMXパークでライダーが克服しなければならない最大のハードルだ。だがキャリア2度目の総合優勝をここで飾ったクーパーには、空気の薄さは問題ないようだった。モト1で、クーパーはホールショットを奪える位置にいたが、オープニングラップを終えて4番手で戻って来る。すぐに3番手に上がったクーパーは、8周目にチームメイトのマクエラスを抜いて2番手に浮上。そのままフィニッシュした。モト2ではクーパーがホールショットを奪ってトップに立つと、30分プラス2周の全レースでポジションをキープ。最初のチェッカーフラッグを受け、総合優勝を果たした。
ポイントリーダーのフェランディスはモト1で圧倒的なパフォーマンスを示してこの日をスタートした。マクエラスを抜くのに時間を要したものの、トップに立つと独走でモト1を制した。だがモト2ではスタートで出遅れてトップ10圏外となり、苦戦を強いられる。フェランディスはハードパックのコースで前を行くライダーを狙い撃ちするが、転倒を喫してしまう。すぐに再走を果たし3位でフィニッシュ。総合2位となった。
マクエラスは見事なスタートを続け、モト1ではフェランディスに抜かれるまで、スタートから序盤の3周に渡ってレースをリードした。最終的に、マクエラスは3位でフィニッシュ。モト2でも再び見事なスタートを見せては2番手につける。ハイペースで走行を続けたマクエラスはそのスピードを維持し、5番手でフィニッシュラインを通過。総合4位となった。
過去2戦を堅実に終えたフライ。ヤマハパワーをレイクウッドの高地で活かす準備はできていた。シーズン自己ベストフィニッシュを決めて、フライはまさにそれを実行したと言える。モト1では1周目を9番手で終えると、レース全体を通してトップ10圏内をキープ。9位でフィニッシュラインを通過した。モト2ではチームメイトに伍してトップグループを走り、5番手につける。レース全体でプッシュを続けたフライは10位でフィニッシュ。総合9位に入った。
初参加のスラッシャーの目標は、無事に、そして確実にふたつのモトを終えることだった。スラッシャーはまさにそれを実行し、チャレンジングなコースでのデビュー戦をトップ15圏内で終えた。モト1で、15番手でスタートするとそこから順位を上げて11位でフィニッシュ。モト2では20番手でのスタートとなり、より厳しいレースを強いられる。それでもスラッシャーはレースを諦めることなく力走を続け、16位でモト2を終えて総合13位。17歳のライダーにとって素晴らしいスタートとなった。
AMAモトクロス選手権最終戦は、カルフォルニア州パーラのフォックスレースウエイで10月10日土曜日に開催される。
COMMENT
450MX
Monster Energy Yamaha Factory Racing Team
ジャスティン・バーシア選手談(5/37位:総合12位)
「走り出しは良かったのですが、終わりが良くなかった。モト1ではトップグループ内で走ることができて本当に満足でした。コースは厳しかったけど、良い結果を残すことができました。モト2はもっと厳しくなって転倒してしまい、走行を続けることができませんでした。シーズンを充実して終えるため、今週100パーセントの状態でレースに戻れるように取り組みます」
ブロック・ティックル選手談(10/39位:総合17位)
「全体として、自分にとってはポジティブな一日だったと思います。ミルビルでのあの大クラッシュで、WWランチを欠場しました。今日は、スタートがちょっと良かったですね。モト1のスタートは今までの自分のスタートより良かったですが、ライディングはベストではなかったと思います。中盤になってようやく流れを掴み、コースの状態が悪化する中でまずまずのタイムを刻むようになりました。結局10位でレースを終え、求めていた結果ではないものの、状況を考えれば、まあまあです。モト2に向けてコースの状態はさらに悪化していることはわかっていました。普通なら努力して、うまく乗り切るところです。そこに臨み、一年で一番というくらいのスタートをしました。1周目にトップ10に近づくことができましたけど、残念なことにメカニックスエリアに入らなければならず、そこでモト2を終えました。全体としては、さっきも言ったようにポジティブな一日でしたし、レースに復帰できたのは良かったのですが、ポイントを取りこぼしたのはちょっと残念です。次戦パーラでは、選手権でトップ10に戻れるように努力します」
250MX
Monster Energy Star Yamaha Racing
ジャスティン・クーパー選手談(2/1位:総合優勝)
「自分自身にとってもチームにとって良い週末でした。僕たちは勝利を成し遂げたし、それは気分がいいです!今日は一日楽に走れました。勝利を求めてここに来たので、優勝できてうれしいです。充実したシーズンを終えることに焦点を当てています。それ以上言うことはあまりありません。今日、すごく満足している、ということ以外にはね」
ディラン・フェランディス選手談(1/3位:総合2位)
「モト1は完璧で、好スタートを決めてレースも制しました。でもモト2ではまったく違うシナリオになりました。スタートが悪く、クラッシュして、後方から追い上げなければならなかった。コースはトリッキーでしたね。来週の最終戦を前に、今回総合2位で終えてポイントを得ることができて満足です」
シェーン・マクエラス選手談(3/5位:総合4位)
「今日は僕にとって全体としては良い一日でした。表彰台には届きませんでしたけど、大幅な改善ができました。ラフなコース向けにバイクを進化させ続けていることに興奮しています。最終戦にすべてを出し切るように準備を整えますよ!」
ジャレット・フライ選手談(9/10位で:総合9位)
「自分にとって良い週末でした。これまでの自己ベストリザルトを含め、たくさんのポジティブなことがありました。週を追うごとに良くなっていますが、来週末、シーズンを充実して終えることを楽しみにしています」
ネイト・スラッシャー選手談(11/16位:総合13位)
「初めてのプロナショナルレースで経験を積めたので充実した一日でした。終日、良いスピードで走れました。あとはいくつかの点を整理する必要があるだけです。もちろん、たくさんのことを学びました。後ろで支えてくれたチームに感謝しています。フォックスレースウェイでの最終戦に向けて全力を尽くします!」