モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月10日 チェコ
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第12戦チェコGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2008年8月10日(日)
■会場:ロケット
■周回数:ヒート1=21周、ヒート2=21周
■天候:晴れ ■観客数:28,000人
REPORT
オバンが4位
ヤマハ・リッチ・レーシングのN・オバンが4位に入った。3位とわずか1ポイントという僅差で表彰台を逃した。オバンは昨年ここチェコでグランプリ初勝利を挙げている。
ハードなため高速で走れるロケット・サーキットの泥は、ライダーにとってライバルに差をつけるのが非常に難しく、ごく小さなミスが致命的となる。
オバンは胃の病気による体調不良にも関わらず、土曜日の予選ヒートで2位に入った。第1ヒートでまずまずのスタートを切ったオバンはその後、バトルを展開しながら後続を引き離すT・ラットレイ(KTM)とT・サール(KTM)に続く3位まで順位を上げ、そのままゴールした。
ラットレイとサールは第2ヒートでもトップ争いを見せる。一方、オバンはS・フロサール(カワサキ)とA・ボワシエール(KTM)とトップ5を巡る争いを展開。結局、腹痛を押してのライディングを強いられたオバンは6位でゴールするのが精一杯だった。
ヤマハ勢で2番手となったのは3C RacingのM・モンニ。2008年イタリアMX2チャンピオンのモンニは両ヒートをそれぞれ11位と8位でフィニッシュし、総合8位に入った。第1ヒート、モンニはレッドブル・デ・カルリのA・ルピーノと長時間にわたるバトルを展開。ティーンエイジャーでキャリアの浅いルピーノは、モンニに続き、自身のベストリザルトとなる12位でフィニッシュした。第2ヒートではルピーノは苦戦して17位となり、総合結果では13位となった。
オバンのチームメイト、D・グアネリは総合12位。第1ヒートはリタイアに終わったにも関わらず、第2ヒートで7位に入り、14ポイントを得た。第1ヒートで11位を巡る争いを展開していたグアネリは、ゴール3周前に転倒。大きく後退したグアネリはピットロードへと向かった。第2ヒートでのトップ10内フィニッシュは今季8度目。グアネリは右ひざのじん帯を痛めており、適切な手術を受け、冬の間にリハビリを行って2009年に向けて万全の体調とする選択を目下検討中である。
驚異の18歳、アメリカ人ライダーのZ・オズボーンにとって、深いサンドコースでの世界選手権デビューとなった先週のベルギー・グランプリと比較して、ここロケットはやや楽なコースとなった。Utag Yamaha.comに所属するオズボーンは、ラップタイムはトップ10内でフィニッシュできるだけの速さがあったが、第1ヒートではメカニカルトラブルに見舞われてしまう。一方、第2ヒートでは4コーナーで転倒してしまい、最後尾からの再走を強いられ、16位まで追い上げたところでゴールとなった。
Yamaha Van BeersのE・ボブリシェブは、前戦ベルギーGPを欠場し、ロシアのMX1シリーズ最終戦に参加。YZ450Fを駆って優勝を飾った。このグランプリから世界選手権に復帰したボブリシェブは、第1ヒートではポイントを逃し、第2ヒートでは急な下り坂で激しく転倒してしまう。幸い、ボブリシェブは自力で歩行している。
選手権ランキング4位につけるS・シンプソン(KTM)は土曜日のプラクティスで鎖骨を骨折し、決勝を欠場した。これに続くオバンとのポイント差は3ポイントとなった。T・カイローリはここ2戦を欠場しているにも関わらず、依然3位に位置している。モンニは10位。
アイルランド(ダブリン)、オランダ(リエロープ)、そしてイタリア(ファエンツァ)と続く3連戦が、3週間のブレークの後に展開される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 40'20.524 |
2 | T・サール | GBR | KTM | +0'04.493 |
3 | N・オバン | FRA | Yamaha | +0'09.888 |
4 | S・ソード | GBR | Kawasaki | +0'11.828 |
5 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +0'13.149 |
6 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'14.178 |
7 | J・ロエランツ | BEL | KTM | +0'14.995 |
8 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +0'15.974 |
9 | J・タルー | FRA | KTM | +0'17.119 |
10 | X・ブー | FRA | Suzuki | +0'36.511 |
11 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +0'39.144 |
12 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | +0'42.322 |
13 | J・ニコルス | GBR | Suzuki | +0'49.717 |
14 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +0'52.567 |
15 | J・ドーガン | GBR | Suzuki | +0'54.891 |
16 | C・ナン | GBR | Suzuki | +0'56.787 |
17 | G・クレスティノーヴ | EST | KTM | +1'02.672 |
18 | L・ロンボウ | FRA | Kawasaki | +1'05.522 |
19 | G・シュミッドリンガー | AUT | Honda | +1'08.845 |
20 | P・スミトカ | CZE | Yamaha | +1'13.475 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・サール | GBR | KTM | 40'44.956 |
2 | T・ラットレイ | RSA | KTM | +0'11.162 |
3 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +0'14.520 |
4 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'19.897 |
5 | S・ソード | GBR | Kawasaki | +0'23.158 |
6 | N・オバン | FRA | Yamaha | +0'26.136 |
7 | D・グアネリ | ITA | Yamaha | +0'28.266 |
8 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +0'28.909 |
9 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +0'31.683 |
10 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +0'34.397 |
11 | X・ブー | FRA | Suzuki | +0'43.388 |
12 | J・タルー | FRA | KTM | +0'47.232 |
13 | M・セイストーラ | FIN | Honda | +0'48.062 |
14 | C・ナン | GBR | Suzuki | +0'50.107 |
15 | E・バンクス・ブラウン | GBR | Suzuki | +0'52.827 |
16 | Z・オズボーン | USA | Yamaha | +0'53.855 |
17 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | +0'59.025 |
18 | G・クレスティノーヴ | EST | KTM | +1'01.139 |
19 | L・ロンボウ | FRA | Kawasaki | +1'08.502 |
20 | J・ロエランツ | BEL | KTM | +1'09.492 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | KTM | 499 |
2 | T・サール | KTM | 479 |
3 | A・カイローリ | Yamaha | 357 |
4 | S・シンプソン | KTM | 312 |
5 | N・オバン | Yamaha | 309 |
6 | R・ゴンカルブス | KTM | 303 |
10 | M・モンニ | Yamaha | 226 |
14 | D・グアルネリ | Yamaha | 167 |
25 | A・ルピーノ | Yamaha | 45 |
26 | E・ボブリシェブ | Yamaha | 42 |
29 | M・ボンニ | Yamaha | 25 |
33 | Z・オズボーン | Yamaha | 18 |
34 | D・ヴェルブルゲン | Yamaha | 16 |
40 | R・ヴァン・ヴィフェイケン | Yamaha | 9 |
43 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 7 |
57 | C・スーベイラ | Yamaha | 1 |
58 | P・スミトカ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 569 |
2 | Yamaha | 520 |
3 | Kawasaki | 371 |
4 | Suzuki | 296 |
5 | Honda | 234 |
COMMENT
N・オバン選手談(3位/6位:総合4位)
「今日は胃が痛んで自分の速さに間違いなく影響したので、ちょっと期待外れだった。厳しいグランプリになることは事前にわかっていた。第1ヒートはスタートが悪かったが、3位まで上がり、それからトミー(サール)を捕らえようとした。痛みが始まり、最後は楽に行くしかなかった。第2ヒートでも同じことが起ったけど、今度は数ラップした後で、他のライダーのグループと争っている時だった。抱えた問題を考えると総合4位は悪くない結果だし、次のアイルランドまでに数週間ある。今シーズン、良いライディングをしていたので、シャウン(シンプソン)がこのグランプリを欠場したのは不運だった。でもコース上でまた戦えることを、そしてともに選手権3位に向けてトライできることを期待している」
D・グアルネリ選手談(DNF/7位:総合12位)
「最後のヒートまで不運なウイークエンドだったよ! 土曜日はうまくライディングできなかった。緊張し過ぎていて、予選ヒートレースのスタートが悪かった。第1ヒートでもスタートが悪くて、スピードも良くなかった。他のライダーに押し出された。再スタートした時には時間が経ち過ぎていたので、ストップした。第2ヒートは腹立たしかった。可能な限りプッシュして7位まで上がった。これはかなり良い。これが僕の最後のレースになるはずだ。アイルランドには行ったとしても、ドクターはここ数週間以内に手術をすることはできないんだ」
A・ルピーノ選手談(12位/17位:総合13位)
「今日は2度、好スタートを決めた。これは非常に重要なことで、このことと、それからトップグループとあまり変わらない良いラップタイムを記録できたことを非常によろこんでいる。モンニとのバトルは楽しかったし、まるでイタリア選手権のレースのようだったよ! 17ラップに渡って彼の前を走ったのは非常にハードで、これには満足できるものがあった。チームはタフな時間を過ごしていたので、チームに小さな結果をプレゼントできたこと、初シーズンに進歩を見せられたことに満足している」
Z・オズボーン選手談(DNF/16位:総合22位)
「今日はあまり運に恵まれなかった、と言うのはかなり控え目な表現だ。トップ5内に入れるラップタイムを出していたので少々がっかりしている。でもスタートをうまくやれたので良い経験になった。これから米国に戻ってサウスウイックで450に乗り、それからアイルランドに備えることにしている」