モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月20日 南アフリカ
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第10戦南アフリカGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2008年7月20日(日)
■会場:ネルスプライ
■周回数/ヒート1=20周、ヒート2=20周
■天候:晴れ ■観客数:20,000人
REPORT
オバンが初表彰台、カイローリはリタイヤ
ヤマハ・リッチー・レーシングのN・オバンが今季初表彰台に立った。オバンは3位に入ったが、A・カイローリは左ひざを負傷し、2004年のイギリス・グランプリ以来、65レースぶりの無得点に終わった。
新たに世界選手権のサーキットとなったヨハネスブルグから300km以上北東に位置するネルスプライ・サーキットは、ダートが場所によってソフトでわだちのできやすい部分と、ハードで滑りやすい部分があり、少々予測し難いものの、回り込むようなコーナーと数多くのジャンプで、上々の評価を得ている。カイローリは、2008年に導入される3つの新しいコースの2つ目となるここネルスプライでもすぐに好走し、予選第2ヒートレースを制して8戦連続となるラブマイタイム予選賞を受賞した。これによりカイローリは、日曜日のレースでゲート2番手の位置からスタートすることになった。
第1ヒート、カイローリはわずか数周したのみで、第4コーナー付近で転倒。左脚をねじり、ひざを負傷してしまった。再走したカイローリだったが、痛みからピットイン。レースのインターバルの間に診察と処置を受けたカイローリは、第2ヒートへの出走を試み、2番手の位置からスタートしたカイローリだったが、小さなミスが事態を悪化させ、結局リタイヤを強いられることになった。
カイローリは今週、損傷の疑いのある半月板の精密な検査と手術が予定されている。処置はそれほど複雑ではなく、カイローリは2週間後のベルギー・グランプリにも復帰することができるかもしれない。
オバンは第1ヒートで最高のスタートを決め、2位でゴール。YZ250Fでの表彰台を維持した。
第2ヒート、オバンは5位でスタートし、周回遅れのライダーをかわしながら単独走行。4位のS・シンプソン(KTM)との差を詰めるべくプッシュしたが5位でゴールした。
オバンは今季グランプリの表彰台に立った4人目のヤマハ・ライダーとなった。
リッチー・レーシングのチームメイト、D・グアルネリは右ひざにハンデを負っているにもかかわらず力走。両ヒートをそれぞれ8位と15位で終え、総合11位に入った。第2ヒートでは2度に渡って路面に足を打ちつけてスローダウン。トップ10以内でのフィニッシュはならなかった。
3CレーシングのM・モンニは総合13位で選手権ポイントランキング10位。チームメイトのD・フィリッパエルツは今季2度目となるポイント獲得を果たした。
カイローリは現在、残り5戦となった選手権のポイントランキングで1位のT・ラットレイ(KTM)と59ポイント差となっている。オバンは4位シンプソンとの差を若干詰め、1位と44ポイント差の5位につけている。
選手権第11戦ベルギー・グランプリは2週間後に開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・サール | GBR | KTM | 41'04.235 |
2 | N・オバン | FRA | Yamaha | +0'11.221 |
3 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 0'22.991 |
4 | S・シンプソン | GBR | KTM | +0'30.016 |
5 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'35.741 |
6 | X・ブー | FRA | Suzuki | +1'12.541 |
7 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +1'17.182 |
8 | D・グアルネリ | ITA | Yamaha | +1'21.285 |
9 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +1'22.814 |
10 | S・ソード | GBR | Kawasaki | +1'27.042 |
11 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +1'29.102 |
12 | P・ルレ | FRA | Suzuki | +1'47.438 |
13 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +1'57.773 |
14 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | +2'01.662 |
15 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | +2'19.984 |
16 | J・ニコルス | GBR | Suzuki | -1 Laps |
17 | J・タルー | FRA | KTM | -1 Laps |
18 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
19 | M・コック | RSA | KTM | -1 Laps |
20 | E・バンクス・ブラウン | GBR | Suzuki | -2 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 41'04.739 |
2 | T・サール | GBR | KTM | +0'04.871 |
3 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'32.461 |
4 | S・シンプソン | GBR | KTM | +0'37.751 |
5 | N・オバン | FRA | Yamaha | +0'43.469 |
6 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +0'53.101 |
7 | X・ブー | FRA | Suzuki | +1'03.031 |
8 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +1'05.999 |
9 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +1'07.014 |
10 | P・ルレ | FRA | Suzuki | +1'08.334 |
11 | J・ニコルス | GBR | Suzuki | +1'13.750 |
12 | J・タルー | FRA | KTM | +1'14.422 |
13 | S・ソード | GBR | Kawasaki | +1'22.643 |
14 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +1'26.306 |
15 | D・グアルネリ | ITA | Yamaha | +1'48.709 |
16 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | +1'52.516 |
17 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +2'16.563 |
18 | M・コック | RSA | KTM | -1 Laps |
19 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
20 | R・ブランチ | RSA | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | KTM | 416 |
2 | T・サール | KTM | 395 |
3 | A・カイローリ | Yamaha | 357 |
4 | S・シンプソン | KTM | 287 |
5 | N・オバン | Yamaha | 243 |
6 | R・ゴンカルブス | KTM | 241 |
10 | M・モンニ | Yamaha | 187 |
15 | D・グアルネリ | Yamaha | 133 |
22 | E・ボブリシェブ | Yamaha | 42 |
27 | A・ルピーノ | Yamaha | 30 |
28 | M・ボンニ | Yamaha | 25 |
37 | D・ヴェルブルゲン | Yamaha | 9 |
41 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 7 |
44 | R・ヴァン・ヴィフェイケン | Yamaha | 5 |
52 | C・スーベイラ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 469 |
2 | Yamaha | 451 |
3 | Kawasaki | 316 |
4 | Suzuki | 259 |
5 | Honda | 194 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(DNF)
「本当にがっかりしている。コースを気に入っていたし、昨日は悪くない速さで走れた。第1ヒートのスタートは良くなくて、序盤に何人かのライダーをパスしようとしたんだが、コースは水がまかれていて滑りやすく、簡単には抜けなかった。ティラ(ラットレイ)とトミー(サール)は前を走っていたので、早く追いつかなければならないことはわかっていた。グアルネリをパスしたのだが、彼がコーナーでふくらみ、僕のラインをカットして来た。バイクはコースサイドに落ち、何かがひざを引っ張るような感じがした。ひどい痛みを感じてストップせざるを得なかった。インターバルの間にドクターがすごく良い仕事をしてくれて、第2ヒートのスタートにトライすることにした。それで2番手でゲートを出たんだ。ひざは炎症を起こしていなかったし、痛みも耐えられないほどではなかったが、コースには慣れていないし、ひどい打ち付け方をしてひざが反応するのを感じた。トミーが僕を抜いて行き、彼を追い始めたんだが、ジャンプした後に痛みを感じた。これで僕のレースが終わったんだ。
今の予定では今週、手術をすることになるが、ロンメルでカムバックしたいとすごく望んでいる。ドクターはじん帯はOKだと見ていて、恐らく少々伸ばしたのだろう、と言っている。でも半月板はたぶん損傷している。予定している手術をすれば、1週間後には走れるだろうということだ。選手権は厳しい状況になって、トミーとティラがタイトルに向けてハードワークをしている。カムバックして勝ちたいし、できる限り早くそうしたい」
N・オバン選手談(2位/5位:総合3位)
「ハッピーだけど、初表彰台に立つまでに10グランプリも待たなければならなかったことは残念に思っている。スピードに乗るのに自分自身、ちょっと問題があったけど、このグランプリに向けて頭を落ち着かせるのに2週間あったので、バイクに良い感じで乗ることができた。コースはすごく良くて、グラウンドもジャンプも楽しむことができた。第1ヒートではすごく良いスタートを決めて、プッシュしたが、ティラとトミーがすごく速くて、レースをリードできた時間はあまりなかったし、最後までペースを維持することができなかった。今日の結果は悪くないし、前回のGPからは大きな進歩だ。これが自分にとって始まりであると望みたいし、次はロンメルに行くが、僕はサンドコースが好きなんだ。ロケトに行く前にロンメルで5位以内に入りたい。自分の自信のためにもチームのためにも良い位置でシーズンを終えたい」
D・グアルネリ選手談(8位/15位:総合11位)
「土曜日は速く走れていたのに今日は良い位置につけなかったので腹立たしく思っている。全体に、自分にとっては体力的にきついグランプリだった。第1ヒートのスタートは良かったが、コースは僕にとっては難しかった。コーナーにたくさんのわだちがあり、僕のひざには厳しかった。プッシュしようとしたけど、レース中ほとんど6位にとどまっていた。あまり長い時間バイク上に立ち上がることができないので、終盤にかけて疲労を感じた。第2ヒートのスタートはOKで、10位に向かって走っていたが2度に渡って脚を路面に激しく打ちつけ、痛みでスローダウンした。アントニオ(カイローリ)に何が起こったのかわからない。第4コーナーにたくさんのライダーがいて、僕はイン側のラインに向かったが、アウト側に行ってしまった。彼が目に入らなくて、彼のバイクに当ってしまった」