モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月6日 スウェーデン
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第9戦スウェーデンGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2008年7月6日(日)
■会場:ウッデバラ ■コース長:1.750km
■周回数:ヒート1=21周、ヒート2=21周
■天候:雨 ■観客数:25,000人
REPORT
カイローリ、今季4勝目を飾る
ウエットコンディションとなったウッデバラ・サーキットで見事なライディングを披露したYamaha Red Bull De Carli TeamのA・カイローリは、両ヒートをそれぞれ2位、1位でゴールし、今季4度目の勝利を挙げた。
土曜日の予選は晴天で高気温の中で行われた。ここでカイローリは7度目となる予選ヒートを制した。日曜日は小雨模様となり、気温も下がったが、25,000人の観客が詰めかけた。速いレーシングラインが1本しかないため追い抜きが非常に難しいコースは、滑りやすく、テクニカルとなった。
第1ヒート、先ずS・シンプソン(KTM)がリードするが、T・ラットレイ(KTM)がやがてこれをかわしてトップに立つ。カイローリは、T・サール(KTM)と3位争いのバトルを見せるが、サールは転倒を喫してしまう。その後もカイローリは追い上げを続け、シンプソンを抜いてラットレイに続く2位でゴールした。
第2ヒート、カイローリはサールとの争いの後、スピーディなライディングと巧みな戦略を披露。ラットレイ、次いでシンプソンと攻略し、今季7度目のヒート優勝、4度目の総合優勝を果たした。
スウェーデンGPで2連勝を果たしたカイローリは、選手権ポイントランキングで首位のラットレイと14ポイント差の2位に上がった(ラットレイは今GPで2位、シンプソンが3位)。
ヤマハ・リッチー・レーシングのN・オバンは、土曜日の予選では不運に見舞われ、他のライダーの影響を受けて転倒。ラストチャンス・ヒートへの参加を強いられた。ここで最速ラップをマークしたオバンは、ゲート25番手からレースへのスタートを認められることになった。
第1ヒートでまずまずの走りを見せ5位に入ったオバンだったが、第2ヒートではスタートで出遅れ、ゴーグルの問題からピットインを強いられてしまった。タイムをロスしたオバンは20位でゴールするにとどまり、総合成績は11位となった。
チームメイトのD・グアルネリは、膝の負傷が癒えないままのライディングを強いられた。晴天で気温も上昇した土曜日に見事な走りを披露し、最初のヒートで3位に入ったが、日曜日の第1ヒートは10位で終え、第2ヒートでは疲労し、激しい転倒を喫してしまう。再走したものの17位でゴールするにとどまり、総合結果では13位となった。
3CレーシングのM・モンニは両ヒートをそれぞれ11位と16位で終えて総合12位となった。カイローリのチームメイト、M・ボニーニは左手の掌骨に骨折が見つかり、今グランプリには参加しなかった。
今年唯一ヨーロッパ外で行われる第10戦、南アフリカ・グランプリは、2週間後に開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 39'20.658 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | +0'08.094 |
3 | S・シンプソン | GBR | KTM | +0'09.872 |
4 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'14.416 |
5 | N・オバン | FRA | Yamaha | +0'22.044 |
6 | T・サール | GBR | KTM | +0'24.014 |
7 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +0'56.202 |
8 | M・セイストーラ | FIN | Honda | +1'00.788 |
9 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +1'06.988 |
10 | D・グアルネリ | ITA | Yamaha | +1'11.844 |
11 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +1'12.287 |
12 | X・ブー | FRA | Suzuki | +1'19.940 |
13 | J・タルー | FRA | KTM | +1'21.990 |
14 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +1'27.184 |
15 | J・ドーガン | GBR | Suzuki | +1'34.802 |
16 | F・スレッソン | SWE | Suzuki | +1'37.915 |
17 | Y・ティレツキィ | BGR | Suzuki | +1'43.262 |
18 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +1'44.200 |
19 | J・ニコルズ | GBR | Suzuki | +1'45.455 |
20 | C・ナン | GBR | Suzuki | +1'45.942 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'11.405 |
2 | S・シンプソン | GBR | KTM | +0'02.757 |
3 | T・ラットレイ | RSA | KTM | +0'03.980 |
4 | T・サール | GBR | KTM | +0'07.080 |
5 | J・タルー | FRA | KTM | +0'40.019 |
6 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +0'40.785 |
7 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +0'48.751 |
8 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +0'57.949 |
9 | W・エイビス | RSA | Honda | +0'59.507 |
10 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | +1'03.677 |
11 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +1'07.621 |
12 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +1'21.783 |
13 | M・セイストーラ | FIN | Honda | +1'22.825 |
14 | C・ナン | GBR | Suzuki | +1'25.188 |
15 | J・ロエランツ | BEL | KTM | +1'27.331 |
16 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +1'30.692 |
17 | D・グアルネリ | ITA | Yamaha | +1'31.503 |
18 | E・ボブリシェブ | RUS | Yamaha | +1'41.615 |
19 | J・ドーガン | GBR | Suzuki | +1'52.714 |
20 | N・オバン | FRA | Yamaha | +2'09.143 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | KTM | 371 |
2 | A・カイローリ | Yamaha | 357 |
3 | T・サール | KTM | 348 |
4 | S・シンプソン | KTM | 251 |
5 | R・ゴンカルブス | KTM | 227 |
6 | N・オバン | Yamaha | 205 |
8 | M・モンニ | Yamaha | 172 |
15 | D・グアルネリ | Yamaha | 114 |
22 | E・ボブリシェブ | Yamaha | 42 |
26 | M・ボニーニ | Yamaha | 25 |
28 | A・ルピーノ | Yamaha | 19 |
36 | D・ヴェルブルゲン | Yamaha | 9 |
40 | R・ヴァン・ヴィフェイケン | Yamaha | 5 |
48 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 2 |
50 | C・スーベイラ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 419 |
2 | Yamaha | 413 |
3 | Kawasaki | 280 |
4 | Suzuki | 230 |
5 | Honda | 167 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(2位/優勝:総合優勝)
「このレースにとても満足している。第1ヒートのスタートは良くなくて、何人かのライダーをパスしなければならなかったが、コースはとても滑りやすくミスしないように注意しなければならなかったから、2位ならまずまずだった。第2ヒートは変なレースだった。4人のライダーで僅差のトップ争いをしたが、トミー(サール)が僕のフロントホイールを捉えようとしてちょっと驚いた。トミーとレースをするのは好きだし、彼はすごく良いライダーで、彼はもっとやれると僕は思っている。この選手権は非常にハードで、大きなチャレンジだけど、勝ったときにはそれ以上のものがある。バイクのフィーリングは素晴らしく、KTM勢と戦いたい。もうミスはしたくないし、僕の今の目標は、ティラ(ラットレイ)にプレッシャーを与えて彼を捉えることだ」
N・オバン選手談(5位/20位:総合11位)
「僕の決勝でのスタート位置が、今日はタフなレースになることを意味していた。第1ヒートのスタートはうまく行って、すぐに6位まで上がった。サーレが後退して来たので5位に上がったけど、前のライダーははるかに先行していた。自分に自信がつくレースになった。特に前のドイツGPのことがあったので、その点では良かった。第2ヒートはスタートが悪くて、2周目までにゴーグルを捨てなければならなくなってしまい、他のライダーについて行くのは不可能だったし、実際、何も見えなかった。その後、ピットインして新しいゴーグルをつけた。僕にとっては良いグランプリではなかったけど、スピードは戻って来たし、先週よりはハッピーだ」
D・グアルネリ選手談(10位/17位:総合13位)
「先週より少しは良かった。土曜日は良い感じだったし、速かったので3位に入った。今日のスタートはあまり良くなくて、恐らくこれが今、自分が集中しなければならないことだろう。第1ヒートはトップ10からはるか圏外だったが、10位まで上がり、結構速く走れた。少なくとも今までよりは。第2ヒートでは12位につけていたが、20分を経過した頃から疲労を覚え、膝にちょっと痛みも感じた。コーナーでコントロールを失い、かなり激しく転倒してしまった。それで17位でゴールするのが精一杯だった。今日は低得点に終わったが、自分のスピードが上がっているのを感じているし、南アフリカで自分にできることを見るつもりだ」