モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月1日 イギリス
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第6戦イギリスGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2008年6月1日(日)
■会場:マロリーパーク
■周回数:ヒート1=19周、ヒート2=19周
■天候:曇り ■観客数:41,000人
REPORT
カイローリ2連勝!
MX2クラスの世界チャンピオン、A・カイローリが選手権第6戦イギリスGPで前戦に続く2戦連続の勝利を挙げ、集まった41,000人のファンを唸らせた。会場となったマロリーパークはラフでトリッキーな新しいコース。曇り空のもと、カイローリは輝くような走りを披露した。
マロリーパークはロードレースを開催するサーキットとして歴史にその名を刻んできたが、モトクロスGPの舞台ともなった。コースには今年これまでで最大のジャンプがあり、またダートは深いわだちができやすく、多くの場所で走行ラインは1本のみとなり、追い抜きが難しいサーキットとなっている。
カイローリは今大会を好調にスタート。4戦連続となるポールポジションを獲得して予選も制した。第1ヒートではスタートでゲートの落ちるタイミングに合わすことができず4番手になる。すぐに3番手に上がってさらにペースを上げるカイローリは、前を行くT・サール(KTM)を捉える。サールはカイローリを抑えようと試みるが、その動きを読めずに先行を許し転倒。終盤、カイローリはレースをリードするT・ラットレイ(KTM)との差を詰めるが、最終ラップで周回遅れのマシンにつかまり、そのまま2位でゴールした。
第2ヒートではゲートが落ちるタイミングをうまく見極めたカイローリは、1周目にトップに立つと以後そのポジションをキープ。これにサールが食い下がろうとするが、カイローリを脅かすには至らず、今季12ヒート中5ヒート目の勝利を挙げた。これによりカイローリはレッドプレートを手にし、さらに選手権マニュファクチャー部門でのヤマハのリードを8ポイントとした。
ヤマハ勢で2番手となったのはM・モンニ。今季ベストリザルトタイとなる8位でグランプリを終えた。第1ヒートでは、初表彰台に立った雨のスペインGPに次ぐ7位の好位置でゴール。第2ヒートではスタート時の多重転倒事故に巻き込まれ、さらにその後も転倒を喫したが、13位でゴールした。N・オバンは、マロリーパーク・サーキットでスピードに乗ることもペースをつかむこともできず、苦しい週末を過ごすことになった。懸命なライディングを試みるオバンだったが、そのスピードはトップ5に入るには充分ではなかった。転倒により順位を落とすが、その後追い上げて9位でフィニッシュした。第2ヒートではメカニカルトラブルに見舞われてリタイアした。
カイローリのチームメイト、M・ボニーニは第1ヒートを8位と、今季最高位で終えた。第2ヒートではモンニと同じくスタート時の多重転倒事故に巻き込まれてしまった。フロントブレーキにダメージを受けてしまい、ポイント圏内でのゴールを目指したボニーニだったが、果たせなかった。総合結果は15位となった。
Utag Yamaha.comのM・バーは、鎖骨の骨折から復帰したが、レースを走る体力が未だ充分ではなく、ポイント圏内でゴールすることはできなかった。
ヤマハ・リッチー・レーシングのD・グアルネリは先週、吉報を受けていた。右膝のじん帯損傷により当初はシーズン大半の欠場を余儀なくされると見られたが、さらに検査したところ、2本のじん帯を痛めているものの、2週間後のフランスGPへのエントリーが可能ということがわかった。
カイローリはラットレイと1ポイント差で選手権ランキングのトップに立った。オバンはトップ3と75ポイント差の4位に就けている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 39'19.9 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'20.4 |
3 | T・サール | GBR | KTM | 40'01.8 |
4 | S・シンプソン | GBR | KTM | 40'13.8 |
5 | A・ボワシエール | FRA | KTM | 40'18.5 |
6 | S・ソード | GBR | Kawasaki | 40':24.1 |
7 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 40'32.6 |
8 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | 40'36.8 |
9 | N・オバン | FRA | Yamaha | 40'43.3 |
10 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 40'45.5 |
11 | W・エイヴィス | RSA | Honda | 40'46.8 |
12 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 40'47.6 |
13 | M・ミュスカン | FRA | Honda | 40'50.4 |
14 | S・テレブランシュ | RSA | Suzuki | 40'52.1 |
15 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | 40'52.2 |
16 | X・ブー | FRA | Suzuki | 40'53.6 |
17 | J・ロエランツ | BEL | KTM | 40'56.4 |
18 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | 40'57.4 |
19 | E・バンクス・ブラウン | GBR | Suzuki | 42'19.2 |
20 | D・ヴェルブルゲン | BEL | Yamaha | 39'29.1 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 40'04.8 |
2 | T・サール | GBR | KTM | 40'10.4 |
3 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | 40'42.7 |
4 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 40'55.6 |
5 | S・ソード | GBR | Kawasaki | 40'56.9 |
6 | X・ブー | FRA | Suzuki | 41'05.2 |
7 | S・シンプソン | GBR | KTM | 41'07.3 |
8 | J・タルー | FRA | KTM | 41'07.9 |
9 | A・ボワシエール | FRA | KTM | 41'17.5 |
10 | M・ミュスカン | FRA | Honda | 41'18.6 |
11 | J・ロエランツ | BEL | KTM | 41'19.8 |
12 | G・ポラン | FRA | Kawasaki | 41'36.7 |
13 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 41'39.1 |
14 | J・ヴァニ | FRA | KTM | 41:44.5 |
15 | C・ナン | GBR | Suzuki | 41'46.0 |
16 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 41'47.1 |
17 | G・アラナダ | FRA | Kawasaki | 41'52.8 |
18 | G・クリスティノーヴ | EST | KTM | 41'54.7 |
19 | N・ブラッドショー | GBR | Honda | 42'00.6 |
20 | W・エイヴィス | RSA | Honda | 40'15.3 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 243 |
2 | T・ラットレイ | KTM | 242 |
3 | T・サール | KTM | 233 |
4 | N・オバン | Yamaha | 158 |
5 | S・シンプソン | KTM | 156 |
6 | R・ゴンカルブス | KTM | 148 |
8 | M・モンニ | Yamaha | 119 |
11 | D・グアルネリ | Yamaha | 97 |
23 | M・ボニーニ | Yamaha | 25 |
25 | E・ボブリシェブ | Yamaha | 20 |
29 | A・ルピーノ | Yamaha | 13 |
36 | R・ヴァン・ヴィフェイケン | Yamaha | 5 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 283 |
2 | KTM | 275 |
3 | Kawasaki | 182 |
4 | Suzuki | 160 |
5 | Honda | 100 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(2位/優勝:総合優勝)
「良い週末だった。スタートに若干問題があるから今後の課題だよ。第1ヒートはラッキーだった。というのも、第1コーナーで集団の中にスペースを見つけ、7位から4位に上がることができたからだ。ショーン(シンプソン)が転倒した時、僕はトミー(サール)をパスしようと激しくプッシュしていた。それからティラ(ラットレイ)を捉えた。ライディングは良かったが、ラップ遅れのライダーに捕まってしまった。もちろん入り込む隙間があったから僕はトミーをかわしたんだけど、彼は僕が抜くのを見ていなかった。それで僕らは接触して彼は転倒した。決して故意に彼にぶつかったのではない。第2ヒートはすごく良かった。あのような好スタートを決めることができて自信を持てた。今、選手権はすごく僅差の争いになっているし、これから厳しいシーズンになるが、僕はそれを楽しんでいる」
N・オバン選手談(9位/リタイヤ:総合15位)
「昨日より良い感じだったし、バイクはすごく良かったがいくつかの原因でうまくいかなかった。2ヒートともスタートは良かったが、第1ヒートの序盤は遅すぎた。それから転倒して12位まで後退。8位まで追い上げてゴールした。良いとは言えないが自分にできるベストだった。第2ヒートではスピードは上がり、ラインも良いと感じたが、プッシュし始めるとバイクとエキゾーストに若干問題が出た。これは間違いだったのでがっかりだが、こういうことも起こり得る。ハードにトレーニングをしたが、今、疲労を感じているので今週ベルギーで血液検査を受けるつもりだ。チームはハードワークをしてくれているのに、僕はチームのために結果を残していないからね」
M・ボニーニ選手談(総合15位)
「第1ヒートのスタートは悪かったがその後はすごく良いペースで走った。8位というのは悪くない結果だ。第2ヒートではスタート時に転倒してしまって、バイクを立て直して再スタートするのに大幅にタイムをロスしてしまった。フロントブレーキが壊れ、速く走るのは難しかったので、ポイントを獲得することを目指したが、果たせなかった。このコースでは僕は速いのでがっかりだが、グランプリ毎に自分のレベルが上がっているのを感じている」
M・モンニ選手談(7位/13位:総合8位)
結果にはかなり満足しているし今日のコースは良かった。第2ヒートで、ラットレイが僕のラインをカットして来て転倒したんだ。僕の前で多くの選手が一団となって止まっていた時もストップしたよ。それから13位まで挽回した。第1ヒートはかなり良くてポイントを多く獲得できた」