モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月18日 イタリア
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第5戦イタリアGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2008年5月18日(日)
■会場:マントヴァ
■周回数:ヒート1=18周、ヒート2=18周
■天候:曇りときどき雨 ■観客数:29,000人
REPORT
カイローリ今季2勝目!
MX2世界チャンピオンのA・カイローリが、肋骨の骨折により不本意な結果に終わった前戦ブルガリアGPから一転、ウエットコンディションのマントヴァで開催された第5戦イタリアGPで今シーズン2勝目、地元イタリアGPでの2連勝を飾った。
カイローリは3戦連続となるポールポジションを奪い、幸先よくレースウイークエンドをスタートさせた。負傷が癒えず、土曜日と日曜日の両日ともに痛み止めの薬を必要としていたカイローリだったが、わだちもマントヴァのラフな砂も、カイローリの勢いを止めるものではなかった。
第1ヒートはドラマチックにスタートした。装備とヘルメットに独特のカラーリングを施しているカイローリは第2コーナーでE・エゲンス(スズキ)と絡み、転倒を喫してしまう。自身のYZ250Fに再び跨ったカイローリは、その後の35分と1周で20人以上のライダーを抜き去り4位でゴールして見せた。
カイローリにとってこのイタリアGPで優勝を飾るために残されたチャンスは第2ヒートを制すること。スタート直後から後続グループを引き離しにかかったカイローリは、そのまま今年4度目の優勝を果たした。
ヤマハ・リッチー・レーシングのN・オバンは第1ヒートでは見事なライディングで力走し、T・サール(KTM)を破って1位でゴールした。第1ヒートの1周目にトップに立ったオバンは、その後サールの先行を許す。サールの背後にピタリとつけるオバンは14周目にこれをかわしてトップに返り咲くとそのままポジションをキープしてゴールした。スピードに乗れなかった第2ヒートではトップ5以内に入れず6位でゴール。総合成績で4位となり、残念ながら今季初の表彰台とはならなかった。
今大会のトップ4が獲得したポイント数の差はわずか3ポイントしかなく、今シーズンで最も接戦となった。
チームメイトのD・グアルネリは土曜日に転倒し、右ひざのじん帯を切断。イタリアGP決勝参加を断念した。
デ・カルリのライダー、M・ボニーニは肩の脱臼から回復したものの、まだ本調子ではなく第1ヒートはポイント圏外となった。第2ヒートでは15位に入って6ポイントを得た。一方、同チームのA・ルピーノは両ヒートとも20位でフィニッシュし、今季初めて両ヒートでポイントを獲得した。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | N・オバン | FRA | Yamaha | 39'32.202 |
2 | T・サール | GBR | KTM | +0'0.972 |
3 | T・ラットレイ | RSA | KTM | +0'22.192 |
4 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | +0'40.411 |
5 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | +0'52.926 |
6 | S・ソード | GBR | Kawasaki | +1'16.135 |
7 | S・シンプソン | GBR | KTM | +1'20.448 |
8 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +1'24.259 |
9 | X・ブー | FRA | Suzuki | +1'30.111 |
10 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +1'31.529 |
11 | G・ポラン | FRA | Kawasaki | +1'39.228 |
12 | M・モンニ | ITA | Yamaha | +1'45.136 |
13 | M・ミュスカン | FRA | Honda | +1'45.719 |
14 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | +1'49.505 |
15 | J・タルー | FRA | KTM | +1'56.218 |
16 | A・ボワシエール | FRA | KTM | +1'56.758 |
17 | G・クレスティノーヴ | EST | KTM | +2'3.286 |
18 | K・ヴォンサナ | FRA | Kawasaki | +2'8.805 |
19 | C・ナン | GBR | Suzuki | +2'12.605 |
20 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 40'31.009 |
2 | T・ラットレイ | RSA | KTM | +0'18.667 |
3 | T・サール | GBR | KTM | +0'23.490 |
4 | S・シンプソン | GBR | KTM | +1'8.418 |
5 | S・フロサール | FRA | Kawasaki | +1'10.863 |
6 | N・オバン | FRA | Yamaha | +1'21.967 |
7 | J・ヴァン・オルベック | BEL | KTM | +1'36.613 |
8 | E・エゲンス | NED | Suzuki | +1'55.742 |
9 | G・ポラン | FRA | Kawasaki | +2'1.461 |
10 | C・ナン | GBR | Suzuki | +2'7.780 |
11 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | -1 Laps |
12 | M・モンニ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
13 | A・ボワシエール | FRA | KTM | -1 Laps |
14 | M・セイストーラ | FIN | Honda | -1 Laps |
15 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
16 | G・クレスティノーヴ | EST | KTM | -1 Laps |
17 | E・バンクス・ブラウン | GBR | Suzuki | -1 Laps |
18 | J・ドーガン | GBR | Suzuki | -1 Laps |
19 | J・タルー | FRA | KTM | -1 Laps |
20 | A・ルピーノ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | KTM | 199 |
2 | A・カイローリ | Yamaha | 196 |
3 | T・サーレ | KTM | 191 |
4 | N・オバン | Yamaha | 146 |
5 | R・ゴンカルブス | KTM | 132 |
6 | S・シンプソン | KTM | 124 |
10 | M・モンニ | Yamaha | 97 |
11 | D・グアルネリ | Yamaha | 97 |
23 | E・ボブリシェブ | Yamaha | 20 |
28 | M・ボニーニ | Yamaha | 12 |
29 | A・ルピーノ | Yamaha | 10 |
34 | R・ヴァン・ヴィフェイケン | Yamaha | 5 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 236 |
2 | KTM | 228 |
3 | Kawasaki | 147 |
4 | Suzuki | 138 |
5 | Honda | 67 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(4位/優勝:総合優勝)
「もちろん両ヒートとも勝ちたかったけど、第2コーナーは大問題だった。ゲートが開いて良いスタートを決めたが、トミーと接触した。第2コーナーで良いラインを取ろうとしたが、エゲンスが僕のイン側にいてアウト側に横切って来た。それで僕のフロントホイールにヒットしてしまった。
バイクを再スタートさせるのにタイムをロスしてしまったが、それからハードにプッシュした。このGPに勝つのはまだ可能だと思っていたので、全力を尽くしたよ。良いラップタイムを刻むことに集中して前を走るライダーを抜いていった。今までずいぶんウエットレースがあったけど、好きなコンディションではないね。今日はブルガリアほど滑りやすくはなかったけどね」
N・オバン選手談(優勝/6位:総合4位)
「第1ヒートにはとても満足している。トミーに抜かれた時の彼のアタックは激しかった。彼はとても速かったが後ろについていくことは可能だった。彼がレース全体を通してその速さを維持できないことはわかっていたので、彼にピタリとついてチャンスを待った。第2ヒートでは何が起こったのかわからない。思った通りのスタートができなかったが、それほどひどくはなかった。ただ第1ヒートと同じスピードで走ることができなかった。新たなラインを試してみたけど、うまくいかなかった。今日の勝利は明るい材料だが、今の自分の目標は両ヒートで良い成績を挙げることなんだ」
M・ボニーニ選手談(総合21位)
「自分にとって今年初のグランプリだったブルガリアの後の疲労が激しくて、この1週間うまくトレーニングをすることができなかった。第1ヒートはスタートが悪く、第2コーナーには問題が多かった。ハードにプッシュしてポジションを挽回したが、息切れしてしまってペースを落とさざるを得なかった。スタートも含めて第2ヒートでは状況は良くなったが、20分を経過して疲労を覚えてしまった。あとは可能な限り多くポイントを得ることを目指した。最終ラップにひとつ順位を上げたのは良かったけど、全体的にはフラストレーションが溜まった。冬の間にハードワークをしたのに、怪我をしてゼロからのスタートになってしまったからね。少なくとも良くなりつつあるけど」