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YRTはロカテッリ選手が2分4秒316で2番グリッドを獲得、YARTは6番グリッド

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ワールドクラスのライディングが、鈴鹿サーキットを魅了しました。鈴鹿8耐のフリープラクティスとTOP10トライアルが行われた8月2日、MotoGPライダーのジャック・ミラー選手とスーパーバイク世界選手権ライダーのアンドレア・ロカテッリ選手のライディングにより、ホワイト&レッドのYZF-R1が鮮烈な印象を残しました。

14時15分から始まったフリープラクティス。YAMAHA RACING TEAMはミラー選手から走行を開始。TOP 10トライアルに向けて変更したセッティングが功を奏し、2分4秒720をマーク。事前のプライベートテストからこのレースウィークにかけての自身最速タイムに、ピットのスタッフからは大きな拍手が沸き起こりました。

続けてYZF-R1を受け取ったロカテッリ選手も、セッション終盤にタイムアタック。2分4秒909の好タイムでチームの好調さをアピールしました。

昨日の予選結果の上位10チーム、計20名のライダーが単独で走行するタイムアタック合戦、「TOP10トライアル」は鈴鹿8耐の注目セッションです。さまざまなコンディションの変化に対応しながらロングランする決勝とは異なり、たった1周だけの純粋なタイム競争は、各ライダーの全力の走りを見ることがでいます。

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ここで鮮やかなライディングを披露したのが、ミラー選手でした。自身のポテンシャルを解き放つ走りで誰よりも速く鈴鹿サーキットを駆け、それまでのトップタイムを大幅に塗り替えるスーパーハイペースで会場を沸かせます。

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しかし最後のシケインで惜しくも転倒。すぐにマシンを起こして再び走行したミラー選手でしたが、記録は2分16秒236。MotoGPライダーのレベルの高さを見せつけながらも、好記録を残すことはできませんでした。

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ミラー選手の転倒を受けて、ロカテッリ選手には気合いが入ります。「初めての経験だから、どうなるか自分でも分からなかった」と振り返ったロカテッリ選手は、アタックラップに入って最初の1コーナーでわずかにミスをしたものの、見事にリカバリー。2分4秒316をマークし、この時点ではトップタイムとなりましたが、最終的には2番手となりました。

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ピットに戻ってきたロカテッリ選手を、チームメイトとチームスタッフが大きな拍手とたくさんのハグで迎え入れます。ポールポジションこそ逃したものの、チームの士気が一気に高まり、明日の決勝に向けては充実のTOP10トライアルとなりました。

8月3日11時30分、YAMAHA RACING TEAMは2番グリッドから鈴鹿8耐の決勝レースに臨みます。

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ランキングトップを守るという強い決意を胸に、TOP10トライアルに臨んだYAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)。カレル・ハニカ選手とマービン・フリッツ選手が出走し、猛暑の中で行われた熾烈なTOP10トライアルで全力を尽くして、最終的に決勝を6番グリッドからスタートすることとなりました。

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最初の出走したハニカ選手は、2分4〜5秒台を狙っていましたが、わずかに及ばす2分6秒132を記録し、1〜5位の最初のライダーたちが周回を終えた時点で暫定4位となりました。

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次にフリッツ選手が登場し最終セクターでタイムを巻き返して2分5秒729を記録しました。これにより、YARTは最終セッションの前に一時4位に浮上。その後、順位を落とすこととなりましたが、フリッツ選手のチームベストによってル・マン式スタートで行われる決勝を6ばんグリッドからからスタートすることになります。

TOP10トライアルでYARTはポイントを獲得できませんでしたが、チームは明日のレースを前にランキングで18ポイントのアドバンテージを持っています。フリッツ選手、ハニカ選手、そしてチームメイトのジェイソン・オハロラン選手は、EWCのレギュラーチームに対してのリードをさらに広げるべく決勝に挑みます。

YAMAHA RACING TEAM:総合2位(2分4秒316)

中須賀克行選手

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「TOP10トライアルをピットで見る経験は今まであまりなかったんですが(笑)、各ライダーのハイレベルな走りには大いに刺激を受けました。特に最後のタイムアタック合戦は手に汗握る展開で、いちバイクレースファンとして楽しませてもらいました。そんな中、僕たちの予選結果としては惜しくもポールポジションを逃して2位になりましたが、ロカもジャックも素晴らしい走りを見せてくれました。2位までチームを押し上げてくれたことに、感謝しています。ジャックが転倒した時は"あと少しだったのに!"と思わず声をあげてしまいましたが、攻め切ってのことですし、本人にケガもなく、"気合い入り過ぎちゃったよ"とすっかり気持ちを切り替えていたので、何の心配もしていません。明日はこの素晴らしいチームの一員として自分の仕事をしっかりこなし、チームメイトにたすきを渡して、8時間を戦い抜きたいですね。レースウィークを通して、ここまで非常にいい流れで来ています。日を重ねるごとにチームワークは高いレベルに達していますし、ライダー3人それぞれがしっかりと役割を認識している。さらにチームスタッフのみんなもピットワークのレベルがどんどん向上しています。自分たちのポテンシャルを出し切れば、1番高い所を狙えるはずです」

ジャック・ミラー選手

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「今日はフリープラクティスでサスペンションセッティングを変えてもらい、ポーンとタイムが良くなったんだ。でも、記者会見ではみんなにTOP10トライアルでの転倒について聞かれて参ったよ(笑)。正直なところ、序盤はちょっと緊張したんだ。だって、1周だけのアタックだからね......。でもあの1周は、最後のシケインまではほとんどパーフェクトだった。シケインでの向き変え(Change direction)と寝かし込みが少し早すぎて、転倒してしまったんだ。僕としてはベストを尽くした結果。TOP10トライアルは自分の持てる力をすべて発揮する場だからね。残念だけど、後悔はしてないよ! 明日の目標は、ずばり勝つこと。このウィークを通して、ロカも中須賀さんも僕もみんな速くて強い。ライバルたちに比べて総合力で勝っていることは間違いないから、3人で力を合わせて勝利に向かってすべてを出し切るよ」

アンドレア・ロカテッリ選手

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「TOP 10トライアルはミラー選手の転倒があり、チームとしてはタイムがないような状態だったので、正直なところちょっとプレッシャーはあったよ。しかも、かなり高いレベルのラップタイムが求められているのも分かっていたしね。だけど、TOP 10トライアルのようなタイムアタックは初めての経験。すごくエキサイティングだったけど、僕自身もどうなるか分からなかったよ(笑)。ポジションやセッティングなど、完全に自分仕様のマシンってわけじゃないしね。1コーナーはミスして、大きくはらんでしまった。その後はうまくまとめることができて、ポールポジションこそ逃したものの、すごくいいラップタイムを刻めたと思う。2番手というポジションも、決勝に向けては十分いい順位。僕もジャックも中須賀さんも明日への準備は万全だ。8時間のレースは想像もしたくないぐらい長いと思うし、考えなくてはならないこと、気を付けなければならないことはたくさんあるけど(笑)、ミスなく走り切ってこの素晴らしいチームでぜひ勝ちたい!」

吉川和多留監督

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「ミラー選手とロカテッリ選手が出場したTOP10トライアルは、さすが世界のライディングでしたね。私も見ていてワクワクしたし、元レーシングライダーの血が騒ぎましたよ(笑)。限界まで攻め切るあたり、ライダーのポテンシャルの高さを見せつけてくれました。中須賀選手にもいい刺激になったと思います。強いライバルがひしめき合う中、2番手という結果も上出来だと思います。昨日、そして今日とミラー選手の転倒がありましたが、幸いまったく負傷もなく、全体的には非常に順調です。転倒があったことでライダー同士の話し合いのレベルがひときわ高まった、という面もあり、"より強いチームになってきたな"という手応えがあります。明日の決勝はまた別のストーリー。各ライダーが自分の役目や果たすべきことをしっかり認識してくれているので、必ずいいレースができると確信しています。ここまでのところの状況を判断しても、総合力で優勝を狙える位置にいることは間違いありません。ただ、私たちには6年のブランクがあることも事実。緊張感を持って決勝レースに臨みます」


YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team:総合6位(2分5秒729)

マービン・フリッツ選手

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「TOP10トライアルはまずまずでしたね。昨年は予選とTOP10トライアルで2分5秒1を記録できたけど、今年はそれに匹敵するタイムを残せなかった。もしかしたら、ライムアタック絵のセットアップが理想的ではなかったのかもしれない。でもレースに向けては良い感触はあり、ペースは非常に良いので、明日は今日以上に自信を持って臨めるんだ。この暑さの中では確かに非常に厳しい戦いになるが、それは誰にとっても同じこと。しっかりと準備を整えているから、良い結果を残せると確信しているよ」

カレル・ハニカ選手

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「TOP10トライアルの結果には満足できないね。昨年はクラッシュしたけど2分4秒台は出せたと思うし、今年は1秒以上遅い。バイクは主にレースを重視してセッティングしているので、最終的にはうまくいくと期待しているけど、1周のパフォーマンスは不足していたんだ。普段ならもっと速く走れることは分かっているけどね。この暑さの中では、明日も長い一日になり全員にとって非常に厳しいものになるはず。良い結果が出せることを願って全力を尽くす」

ジェイソン・オハロラン選手

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「明日のレースが楽しみ。テストとこのウィークでたくさんのライディングを行ってきたけど、レースペースはかなり良くて3人とも似たような状態なので、熱い戦いになりそうだし、体力的にも厳しい一日になりそうだね。それでも最後にどんな結果になるか、本当に楽しみだね」

マンディ・カインツ監督

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「現在のバイクのセットアップで最大限のパフォーマンスを発揮することができたし、クラッシュもなかったので十分な結果。それだけ。明日の決勝は、ペースが良いので自信を持って臨めます。TOP10ではタイム差で苦戦することは覚悟していたけど、他のEWCのライバルとはそれほど差がなかったので、問題はないよ!」

Top 10 Trial

Pos.No.TeamMachineBest lap
130Honda HRCHonda02:004.290
221YAMAHA RACING TEAMYamaha02:04.316
376AutoRace Ube Racing TeamBMW02:05.001
473SDG Team HARC-PRO. HondaHonda02:05.477
537BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW02:05.508
67YART - YAMAHAYamaha02:05.729
71YOSHIMURA SERT MOTULSuzuki02:06.247
83SDG-DUCATI Team KAGAYAMADucati02:06.323
940TeamATJ with docomo BusinessHonda02:06.331
1017Astemo Pro Honda SI RacingHonda02:06.581
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