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YRTとYART、鈴鹿8時間耐久ロードレース事前テストで好調な走りを披露

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鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦するヤマハのファクトリーチーム、YAMAHA RACING TEAM(YRT)と、FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦するヤマハのトップチーム、YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)が、7月30日に行われた事前テストで好調な滑り出しを見せました。両チームはこのテストセッションを通して競争力の高いパフォーマンスを発揮し、総合2位と3位を獲得。金曜日から始まるレースウィークを前に、好調なスタートを切りました。

ヤマハの鈴鹿におけるファクトリー活動は、1984年に始まりました。2002年以前は、国際的なラインナップを擁し4度の優勝(1987年、1988年、1990年、1996年)を獲得。2003年からは全日本参戦ライダーを中核とするチームと、EWCにフル参戦するレギュラーチームを支援する形で参戦を続けてきました。

そして2015年、ヤマハは創立60周年と新型YZF-R1の発売に合わせてファクトリーチームを復活。この復帰戦で19年ぶり通算5度目の優勝を果たし、その後も圧倒的な強さを見せて2016年、2017年、2018年とさらに3度の優勝(ヤマハの通算優勝回数は8回)を達成しました。

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世界的なパンデミックの影響で2020年と2021年のレースが中止となり、ファクトリーチームも2022年から活動を中止していたファクトリーチームは今年、ヤマハ発動機にとって創立70周年を記念して復活。YZF-R1は伝統のナンバー21と、1999年型YZF-R7(現YRTの吉川和多留監督が1999年の鈴鹿8耐に参戦し、同年全日本ロードレース・スーパーバイク選手権でタイトルを獲得した際に使用したマシン)をモチーフにした白と赤のカラーリング&デザインが特徴です。

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2025年、鈴鹿8耐公式テストデーは、セッション1(9:00~10:30)、セッション2(10:45~12:00)、セッション3(13:30~14:30)、セッション4(14:45~16:15)、セッション5(16:30~18:00)の5セッションで行われました。ヤマハライダーたちは猛暑の中、過酷なスケジュールに挑み、レースウィークエンドに向けて準備を進めました。

プライベートテストから1ヵ月、鈴鹿サーキットに戻ってきたYRTは、MotoGPライダーであるジャック・ミラー選手、スーパーバイク世界選手権に参戦するアンドレア・ロカテッリ選手、そして鈴鹿8耐とク全日本ロードレース選手権のレジェンド、中須賀克行選手が再び集結。

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セッション1では、YRTが2分7秒143を記録し5番手。セッション2では2分7秒062を記録し、EWCカテゴリーで4位に入った。セッション3では2分7秒258とEWCで3番手のタイム。セッション4と5では2分5秒981と2分6秒716を記録して、それぞれ2・3番手を獲得した。セッション4で記録したこの日のベストラップタイムは、総合2位となり、総合トップから0.336秒差でした。

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YARTは開幕戦のル・マン24時間で優勝、さらに激戦となったスパ8時間で3位として6戦連続の表彰台を獲得。2番手に18ポイントをリードしランキングトップで鈴鹿8耐に挑みます。しかし、鈴鹿では35ポイント、9月のボルドールでは65ポイント獲得可能なため、タイトル争いは依然として混戦状態であり、チームは今大会でさらなるリードの拡大を目指します。

鈴鹿はYARTにとってチャレンジング思い出深いサーキットで、特に2024年は、2012・2013年以来となるポールポジションを獲得。どちらのポールポジションも、この大会のためにYARTの一員となって走った中須賀選手が獲得したものです。そしてこの年のYARTは、トップとともに鈴鹿8耐最多周回数となる220周を周回。トップにわずか7.86秒差の2位として鈴鹿での初表彰台を獲得しました。

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YARTは今年6月にも鈴鹿でテストを行っており、本日のテストは、サーキットの習熟とコンディションへの適応を目指し、マービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手、ジェイソン・オハロラン選手はすぐにリズムを取り戻しました。YARTはセッション1で2'06.630をマークしトップ。セッション2では2'07.340を記録し、EWCカテゴリー6番手。セッション3では2'07.550でEWCカテゴリー5番手のタイムを記録しました。セッション4と5ではそれぞれ2'06.959と2'06.489を記録しそれぞれ5番手と2番手。総合成績ではトップチームに0.844秒差の総合3位でした。

YAMAHA RACING TEAM

中須賀克行選手

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「いよいよレースウィークに突入しました。今日のセッションは午前9時から午後6時までと長時間の走行となりました。暑いコンディションの中で安定したライディングができたし、高温下でのバイクの挙動について貴重な知見を得ることができました。前回のテストと同様に、とても有意義な一日でした。個人的には前回のテストでクラッシュしてしまい、バイクに乗る時間が限られてしまいました。そのため、今日は体調の確認とリズムを取り戻すことに集中しました。その両方が確認できたことはとても大きな前進でした。チームメイトもとても良い走りを見せてくれたので、大きな自信につながっています。レースウィークではベースラップタイムをさらに向上させることに全力を尽くし、チームと全力で戦い抜きたいと思っています。最終的には、決勝で良い結果を残し、チーム一丸となって頂点を目指すことが私たちの目標です。そのために、チーム一丸となって準備を進めていきます。」

ジャック・ミラー選手

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「慣れてきたと思っていたのですがYZR-M1で走った後にYZF-R1に戻ると、まったく未知のマシンに感じました。でも、感覚を取り戻すことができ僕たちにとってはポジティブな一日になりました。皆順調に走っていて、全体的にペースもかなり良いと思います。
路面コンディションはまずまずでした。今は、コース上に多くの車両が走っている中での走行にも慣れてきましたが、これも鈴鹿8耐の一部です。もっといろいろなことに慣れていく必要があります」

アンドレア・ロカテッリ選手

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「日本に戻りまたバイクに乗れてとても満足しています。今日は良い仕事ができました。テストとは異なり、今回はコース上の多くのバイクに対応する必要がありましたが、良い経験と準備の機会となりました。良いラップタイムも記録できたので、すべてに満足しています。今のところはすべてが順調に進んでいるし、自分たちを信じて決勝ではもっと速く走って優勝を狙い、鈴鹿での特別な夏を満喫したいと思います」

吉川和多留監督

「本日は決勝日を想定した厳しいコンディションの中での走行を行いました。幸いにもトラブルはなく、3名のライダー全員がスムーズにセッションを終えることができました。3人揃ってのテストは今回で2回目となります。前回のテストで得られた課題とジャックのフィードバックに基づき、いくつかの改善策を実施し、バイクのセッティングをうまく調整できました。レッドフラッグが複数回提示され、正直なところ、バイクに慣れるためにもっと時間があれば良かったのですが、それでも大きな進歩を遂げることができたし、決勝に向けて想定していたシナリオをいくつか確認できました。予選、そして決勝に向けては、ラップタイムをさらに向上させる必要があります。ライダーは高いスキルがあり、彼らは十分な自信を持っているので、チーム側でも良いラップタイムを出せるよう引き続き努力していきます」


YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team

マービン・フリッツ選手

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「良い一日でした。正直なところ、6月に行ったテストの後は少し混乱していましたが、今日は一歩一歩が正しい方向に進んでいて、とてもポジティブでした。そして、最後にはレースペースもかなり良くなりました。最高は2分6秒8で、これまでで一番速いタイムだったと思います。残りのラップはすべて2分7秒台でした。もちろん、午後に赤旗が出たのは残念でした。しかし、全体的には他のチームのようにタイムアタックではなく、レースペースに集中しました。もちろん、最大の目標はライバルに勝つことです。今日の走行を終えて、とても自信と満足感を感じています。金曜日からのレースウィークもこの調子でスタートできることが重要だと考えています」

カレル・ハニカ選手

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「全体的に良い一日だったと思います。かなり周回を重ね、6月に行ったテストと比較してみました。フィーリングが良くなり確実に前進できたので、とても満足しています。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。今日は赤旗が何度も出ましたが。ロングランができて、レースペースもまずまずだったので、とても満足しています。もちろん、金、土、そして日のレースに向けてまだ改善すべき点はいくつかありますが、ペースとパフォーマンスは目標からそれほど遠くはありません。決勝が今から楽しみです」

ジェイソン・オハロラン選手

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「良いテストになり、バイクのフィーリングとラップタイムが向上しました。最後のランも本当に良かったです。ここでのファステストラップは2分6秒4。かなり良いタイムで、とても楽しめました。木曜日は"オフ"で、その後戻ってきてレースウィークがはじまります。良い状態で、3人ともかなり速いです。レースウィークが楽しみです!」

マンディ・カインツ監督

「今日は何度も赤旗が出ましたが、とてもポジティブな一日でした。予定通りのプログラムをすべてこなすことができ、全ライダーがロングランを実施。バイクの正しい方向性を見つけ、タイヤもより良い選択ができました。一日中問題はありませんでした。なかでもレースペースに集中し、とても良い方向を見つけることができたと思います。ライダーたちもとても満足していて、モチベーションも高いと思います。決勝に向けて準備は万端です」

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