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YRTは7/3-4に向けベースセッティングを完了、YARTはレースペースを向上

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6月18日・19日に鈴鹿サーキットで行われた8耐テストの2日目。この日も真夏の天候となり、鈴鹿8耐テストとしては本番を想定しながらの絶好のコンディションとなりました。

走行枠B組に入った#21 YAMAHA RACING TEAM(YRT)の中須賀克行選手、南本宗一郎選手、#7 Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(YART)のマービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手、ジェイソン・オハロラン選手、#15 IWATA RACING FAMILY(IRF)の遠藤晃慶選手、高居京平選手、服部亮我選手は午前9時30分から80分、午後2時から90分、合計170分間の走行を行い、決勝に向けたマシンセッティングを中心にハードワーク!

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午前のセッションでYRTは、中須賀選手がコースインするも、すぐに予定通りのピットイン。その後はテストライダーの南本選手が連続で走行し、何度かピットインを繰り返しながら、燃料の警告灯をはじめとした各部のチェックを実施。さらにピットインではピット作業を繰り返し、本番の環境の中でメカニック一人一人の精度を高めつつ、連携強化も図りました。南本選手は、タイムを狙ったセッションではありませんでしたが、マシンの完成度が高まっていることを証明するように、中須賀選手のアベレージに迫る2分7秒773を記録し、14番手となりました。

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午後のYRTは、中須賀選手と南本選手が走行。中須賀選手は6月11-12日、そしてこのテストの中でベースセッティングの向上に取り組んできた成果としてマシン全体のチェックを実施。南本選手は燃料系のチェックを継続し、2人で19周を走破。無事に2回目のテストを終了しました。ベストタイムは2分07秒040で、2日目の総合成績は13番手でした。

7月3-4日には、中須賀選手に加え、ジャック・ミラー選手、アンドレア・ロカテッリ選手というフルメンバーでのプライベートテストを実施。中須賀選手が作り込んできたYZF-R1をベースに、耐久の武器となる安定感や信頼感に磨きをかけています。

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YARTは、午前の80分の走行枠で4度のピットイン&アウトを繰り返しており、こちらもマシンチェックとともに、レースペースの向上を目指しさまざまなことにトライしながらセッションを終了。ベストタイムは2分07秒123で9番手も、鈴鹿8耐の経験値が少ないジェイソン選手を含めた3人が同等のペースで走れていることなど、タイム以上の成果を獲得しました。午後のセッションでYARTは、二台の車両でトータル47周を走り、ベストタイムは2分6秒913で9番手となりました。

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この後YARTは欧州へ戻り、ライダーとチームそれぞれが、本番に向けた準備を進め8月1-3日の決勝レースに臨みます。

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IRFは、今年の鈴鹿8耐決勝での目標周回数を昨年の206周を上回る208周に設定。これを達成するため、昨日から特にスティント中盤以降、ライダー・タイヤが厳しい状況なる中での扱いやすさや安定感を求め、車体はサスペンション、エンジンはIFを中心にセッティングを行ってきました。

そしてこの二つを合わせた車両を用い、午前と午後でロングランを実行。目標アベレージをライダーによって2分15秒台と2分17秒台とした上で、ラップタイムではそれぞれ、目標よりも速いタイムが見られるなど、総合的なセッティングの高まりを確認できる結果となりました。

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IRFのベストタイムは午前中のセッションでマークした2分13秒766で、19日の総合成績は65番手となりました。


#21YAMAHA RACING TEAM

中須賀克行選手

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「本番に近い環境でテストができたのは、本当にライダーとしてもスタッフとしても大きいですね。ピットワークもたくさんできたし、特にタイヤは決めるのが難しいのですが、路面温度が初日は63度まで上がってくれたのは本当にラッキーで、本番と同じコンディションになったので、タイヤも今回でほぼ決まりました。また、EWC用のミッション、ギアレシオも決まり、車両のベースを決めることができて、7月3-4日に来るジャックとロカにいい状態で渡せると思います。
タイムは2分7秒から涼しいと6秒台に入ったりという状況でした。この2日間では、路温に関係なく良いタイムを出しているライバルもいて、少しリードされているという感じもありますが、アベレージでは遜色ないしリスクなく走れているので、あとは3人で一緒に乗り込んでアベレージと安定感を上げていくだけだけと思います。一方で、6年ぶりの鈴鹿8耐ということで自分も体が慣れるのも大変でしたし、ブランクを感じた2日間になりましたね」

南本宗一郎選手

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「ファクトリー仕様のR1は初めてでした。全日本とは仕様は異なりますが、いろいろなことがわかったので自分にとってもプラスになりました。テストでは、燃料の警告灯のチェックやピットワークがありました。さらに、仕上がった車両でも走行しましたが、耐久仕様として乗りやすい、扱いやすい、気も良く乗れるバイクになっていることを確認することができました。実際、暑い時間帯に僕が乗っても中須賀選手の1秒落ちの2分7-8秒台で走ることができています。少ない時間の中で、バイクにアジャストができてチームにも協力でき、最低限の仕事はできたと思いますし、自分の成長も感じることができました」

吉川和多留監督

「コンディションが本番さながらとなってリセッティングし、燃料系の詰めもできたし、決勝に合わせたセッティングもできました。ジャック選手とロカテッリ選手も一度しかテストはできず、彼らの細かい要求に合わせる時間はない中で、皆が納得できるベースができたと思っています。これは中須賀、南本の両ライダーが頑張ってくれたおかげでとても順調でした。
その一方でライバルたちの力も確認できました。鈴鹿8耐にでてくる上位陣のレベルは6年前と比べると上がっています。これに対して我々は、ミスなく、ライダー、マシン、チーム、ピットワークなど、トータルで詰めて、総合力で戦っていく必要があると感じました。
7月3-4日のプライベートテストでは、それぞれ違うカテゴリのライダーなので、とにかく中須賀選手と作り上げてきたR1に乗ってもらってサーキットとマシンにアジャストしてもらいながら、3人トータルのアベレージを上げていきたいと思います」

#7 Yamalube YART Yamaha EWC Official Team

マービン・フリッツ選手

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「去年のレースと同じ暑いコンデイションでした。今回はたくさんのことを試しすぎましたが、全体的なペースはよく、最終的には3人ともほぼ同じラップタイムになったし、とても安定していると思います。タイムアタックはしておらず、まずはバイクの完璧なセッティングを見つけることに力を注いだのです。
最近の数週間が忙しくて、今回もSPAから直接、日本に来ました。そしてこれからすぐにドイツに戻って、MotoGPのコメンテーターの仕事があるほか、マニクールでのコーチの仕事があったり、トレーニングもするので結構忙しい日々が待っています。その中でもリラックスする時間もとって、完ぺきな準備をしたいと思います。
そしてもちろん、勝つため、表彰台に立つために鈴鹿8耐に臨みますが、一番大切なのはEWCのチャンピオン争いでライバルとなるチームの前でフィニッシュして、ポイント差を広げて、最終戦に挑むことです」

カレル・ハニカ選手

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「昨年のレースに近いコンディションでテストできたのはよかったです。この2日間でエンジニアと相談しバイクの向上を目指しました。テストは、よくなったり悪くなったり、違う方向を試すこともありますが、今回はいろんな変更を試して、良い評価ができたと思います。ただ、ベストタイムは今回の成果は反映されていませんが、アベレージのペースはとてもよかったのです。それでもレースに向けて向上しないといけない部分はありますね。
今、僕の頭の中には6週間後のレースのことしかありません。それについて毎日考えながらトレーニングをする予定です。8時間のレースですが、おそらく世界でもっともタフなレースだと思います。速いライダーがたくさんいて、ペースが速く、鈴鹿はとても大変なサーキットの一つだからです。
僕の想像では、決勝は上位で激しいバトルになるでしょう。ファクトリーマシン、いろんなカテゴリーの速いライダーがいて、本当に大変だと思いますが、僕たちは上位で戦うポテンシャルがあります。期待していてください!」

ジェイソン・オハロラン選手

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「YARTでは初めての鈴鹿8耐なったので、バイクや鈴鹿に慣れる必要がありました。3人ともレースに向けて課題はあると思うけど、僕としてはマービンとカレルに近いラップタイム出せたのはよかったです。あとバイクの向上したいポイントが3人が同じコメントだったので、それもまたよかったですね。
課題としてはグリップです。通常、R1はコーナーリングが優れているけど、今回は十分なグリップを得ることができていません。去年と今年のデータを比較して、それらを組み合わせながらセッティンングを進めてくことになります。 本番に向けてはこれまでと変わらず過ごしますが、僕は足を負傷していてベストではない状態ではないので、この6週間でしっかりケアして行くので、本番ではきっと今よりいい状態で戻って来れると思います」

マンディ・カインツ監督

「とても暑いテストになりました。こんな暑いテストは記憶にありません。我々は熱いコンディションだとちょっと苦労しますが、今回はレースのコンディションに近いことから、いろんなことを試すことができました。その結果として素晴らしいレースペースを実現しましたが、1ラップのタイムはもう一歩。でも必ずいい方向に行くと信じています。 昨日から課題のコーナーエントリーのグリップについてはベストな方向を探しましたが、まだ解決できていないので、レースウィークにトライすることになります。
本番まで6週間、とても忙しい日が続きますが、できれば決勝はウェットになって欲しいし気温が下がってくれると嬉しいですね(笑)。それは冗談として、我々はレーサーなのでどんな状況にあってもレースでは勝ちたいと思っています。鈴鹿8耐では完璧なレースをして、できるだけ多くのポイントを獲得します」

#15 IWATA RACING FAMILY

遠藤晃慶選手

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「昨日に車体とエンジンのFIマップの作り込みをして、本番に向けて形になったその車体とエンジンをあわえてロングランをやりました。高居選手と服部選手ともに、目標となるペースで走ることができているので、車両作りを含めて好感触を得ています。僕が走った3年間で、最も習熟していると思います。また昨日と今日は暑くなったので、本番を想定したデータ取りも十分にできたので、本番に向けたいいテストになりました。
あとは、自分が想定するアベレージペースに達していないので、それを挽回しないといけません。昨日も少し熱中症のような状態となったし作業での疲れもあるので、本番に向けては体調を整え、目標とする208周を達成したと思います。マシン自体は整ってきましたが、あとはストックパーツのなど物資やスタッフの手配などがまだなので、これからはそこに集中していきます」

高居京平選手

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「今回は大きな収穫が3つありました。一つは、周回数アップを狙ってFIの燃費調整が重要ですが、そのデータ取りがかなり進んだので目標の周回数に行けそうな手応えを見通しが立ちました。二つ目がサスペンションで、昨年からガラッと変えて、後半、タイヤがきつくなったところでの安心感とか乗りやすさを出せてきたこと。三つ目はライダーのところで、服部選手が人生初の鈴鹿8耐であり、先週からになりますが、スティントと同様に1時間のロングランを経験してペースなどを掴めてきたことはチームとして大きな収穫です。
自分は2分15秒をアベレージタイムとしていますが、すでにロングランでの確認では目標を達成できました。ただ、本番の3枠を走るにあたってライダーのフィジカル的な課題はあるので、残り1.5ヶ月で調整してパフォーマンスを発揮できるように準備します」

服部亮我選手

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「今回のテストでは、遠藤選手が車体、僕と高居選手でエンジン系のセッティングを担当しました。狙いはテスティントの終盤でも安定して走れる車両を作るためで、特にエンジンブレーキを細かく調整して3名が納得いく形になりました。
僕個人は、1000ccに乗って日が浅く、ロングラン、1時間走り続けることも初めてできました。体力は課題ではないことは確認できたのですが、マージンを持って走った後にタイムを戻せなくなったり、前のライダーに釣られて速くなってしまうなど、設定タイムをコントロールして出し続けることが難しく、ペース配分ができないところが課題だと感じています。あとは本番を迎えるのみとなりますが、鈴鹿のスポーツ走行が2回あるので、そこで予選を想定し、自分のベストタイムを更新できるように練習しておきたいと思います」

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