公式テスト、YRTが総合4位、YARTは総合6位で初日を終了
鈴鹿8耐本番まで約1か月半となり、2回目となる公式テストが6月18日から2日間でスタートしました。今回は#21 YAMAHA RACING TEAM(YRT)に加え、#7 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)が参加。さらにヤマハ発動機の社内チームの#15磐田レーシングファミリー(IRF)も、前回に続いて参加。初日は気温は30度を超え、本番さながらの暑さの中で、ナイトセッションを含めた4セッション、約4時間の走行を行いました。
YRTは、中須賀克行選手に加え、ジャック・ミラー選手、アンドレア・ロカテッリ選手の参戦を発表していますが、今回も中須賀選手とテストライダーの南本宗一郎選手がエントリー。YARTはレギュラーメンバーのマービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手、ジェイソン・オハロラン選手が来日。IRFは遠藤晃慶選手、高居京平選手に、鈴鹿8耐に初出場となる服部亮我選手を加えた新体制でテストに臨みました。※3チームはそれぞれB組で走行
YRTは前回、新型R1になって初の走行となり、そこで得たデータを活用しマップや車体の改善を行って臨みました。しかし、前回のテストから大きくコンディションが変更。一時路温は60度を超え本番さながらの暑さとなったことで、大きな進化を確認することはできなかったものの、切り替えて決勝を見据えたセッティングに専念しました。またピット作業も回数をこなし、ミスなく安定した作業ができるようそれぞれのパートで精度を向上させました。
YRTは1回目に16周を走破。序盤は南本選手が走行し2分9秒台で周回。その後、中須賀選手にバトンタッチし、最後はトップに0.398秒差の2分7秒434でB組6番手としてセッションを終了。2回目の走行では2台のマシンを乗り比べながらセッティングを推し進め、2分7秒342でB組の5番手。さらに3本目では2分6秒522でB組4番手とベースアップを進め、ナイトセッションを除く3つのセッションでAB組総合ではトップに0.5秒差の4位で初日を終了しました。
明日は、全ライダーが揃う7月3-4日のプライベートテストを円滑に行うべく、前回のテストに続き、ライダー3名がマシンを信頼して走り出せるベースセッティングの追求を重点に、テストを実施します。
YARTは、2位表彰台を獲得した昨年の鈴鹿8耐以来の鈴鹿サーキットということで、慣熟走行からスタート。特に経験の少ないジェイソン選手は、鈴鹿のレイアウト、路面コンディション、そして鈴鹿でのR1に慣れることに励みました。
一方、鈴鹿での経験値をもつマービン選手とカレル選手は、マシンのセッティングに集中。特に、昨年の鈴鹿8耐でも苦労したフロントのフィーリング、コーナーエントリーのグリップ向上に取り組みました。しかし、今日の時点では100%の状況にはいたらず、明日も継続して作業に取り組む予定です。
タイムは、1回目のベストタイムが2分7秒782でB組の9番手。続く2本目ではYRTを上回る2分7秒253でB組3番手。そして3本目には6秒台に入る2分6秒611でB組6番手と着実にタイムをアップ。最後のナイトセッションでも6秒台をマークし、そのナイトセッションを除く3回のセッションのAB組総合ではトップに0.589秒差の6位となりました。さらに2回目のテストとなるYRTの中須賀選手と近いタイムを出していることも好材料となっていますが、明日は懸案となっているコーナーエントリーのグリップ向上を目指しさらなる進化を目指します。
6月11-12日のテストから2回目の参加となったIRF。このテストでは、遠藤選手が車体、高居選手と服部選手がエンジンのセッティンを担当。車体ではサスペンションのセッティングをメインとして、昨年の鈴鹿8耐からのアップデートを目指し、スティント終盤になっても乗りやすく、安定して走ることができる方向性で作り込み、高居選手と服部選手も確認してそれそれが納得する車体に仕上げることができました。
エンジンでは、疲れのでるスティント中盤から終盤に開けやすく、疲れにくい特性を目指し、FI、エンジンブレーキ、電子スロットルのセッティングを進めてきました。さらにこの車体とエンジンを合わせて3名がロングランを実施。明日はそれぞれのコメントを擦り合わせて、車両トータルでの完成度を上げていく作業を行います。なお、ナイトセッションを除く3回のセッションを終え、 AB組の総合成績は2分15秒304で74位でした。
明日は、9時30分にB組からセッション5がスタート。80分と90分の2本のセッションで終了します。