MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.18 10月5日 インドネシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦インドネシアGP
■開催日:2025年10月5日(日)決勝結果
■開催地:マンダリカ/インドネシア(4.301km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度/路面温度:55度
■周回数:27周(116.127km)
■PP:M・ベッツェッキ(1分28秒832/アプリリア)
■FL:F・アルデゲル(1分30秒499/ドゥカティ)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:30度/路面温度:60度
■PP:D・モレイラ(1分32秒341/カレックス)
■FL:D・ホルガド(1分33秒104/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手7位、リンス選手10位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手はフロントタイヤにハード・コンパウンド、リアにソフトを選んで好成績を勝ち取った。酷暑のなかでタイヤをいたわり、最後まで巧みにコントロールして7位でゴールした。チームメイトのA・リンス選手も何度もオーバーテイクを披露する好調ぶり。終盤まで2番手を走行していたが、残り5ラップで急激にタイヤ・グリップが低下して10位に後退した。
クアルタラロ選手は好スタートを切って8番手を確保。オープニングラップでM・マルケス選手(ドゥカティ)とM・ベッツェッキ選手(アプリリア)の転倒があり6番手に浮上した。10ラップ目にA・マルケス選手(ドゥカティ)に先行されたものの遅れずについて行き、そのまま2位争いのグループを追い続けた。そして15ラップ目にはL・マリーニ選手(ホンダ)をパスしたが、5ラップ後にB・ビンダー選手(KTM)に抜かれて再び7番手。終盤は遅れ始めたリンス選手の後方に11台の大集団が迫り、次々に順位が入れ替わるなか、クアルタラロ選手は冷静に走り切り7位でチェッカーを受けた。トップとの差は9.894秒だった。
リンス選手は絶好の飛び出しを見せて4番手でオープニングラップを終了。3ラップ目にR・フェルナンデス選手(アプリリア)に先行を許したあともハイペースを維持して懸命に食らいついて行った。そして14ラップ目にフェルナンデス選手とL・マリーニ選手が接触する間に2台を抜いて3位へ浮上。さらに19ラップ目にP・アコスタ選手(KTM)をとらえて2番手へと上がった。このあと2位争いは大集団に膨れ上がり、大勢の追撃を受けながらも4ラップにわたりポジションをキープ。しかし終盤でソフト・タイヤのグリップが急激に落ち始め、わずか2ラップの間に一気に10位まで後退した。トップとの差は13.223秒だった。
この結果、クアルタラロ選手は合計158ポイントでランキング9位、リンス選手は合計51ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計209ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計190ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
オリベイラ選手11位、ミラー選手14位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手とJ・ミラー選手は、それぞれ11位と14位。オリベイラ選手はスタートでやや出遅れたものの、すぐさま挽回して3ラップ目には10番手に浮上。多くの時間帯でポジションをキープしたあと、終盤はマレーシアの蒸し暑さの影響でペースを上げられなくなり11位でゴールした。ミラー選手は9位走行中に残り4ラップで転倒、再スタートして14位となった。
この結果、ミラー選手は合計61ポイントでランキング18位、オリベイラ選手は合計32ポイントでランキング21位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計95ポイントでチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手が2位獲得、アルボリーノ選手は16位
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手が第18戦インドネシアGPで2位を獲得し、今季初、Moto2で2回目となる表彰台に上った。チームメイトのT・アルボリーノ選手は、オープニングラップで他車との接触を避けて大きくポジションダウン。その後、挽回を図るも16位にとどまった。
何度も近づきながら届かなかった表彰台がついに実現した。ゲバラ選手は3番グリッド、フロントローから完璧なスタートダッシュを決め、ホールショットを奪って第1コーナーへ。2ラップ目にD・モレイラ選手とD・ホルガド選手に抜かれたあとは、後方に迫るM・ゴンザレス選手と熾烈なバトルを展開した。
7ラップ目にホルガド選手が転倒したことで、それぞれ2番手と3番手へ浮上。翌8ラップ目にはゴンザレス選手に先行を許し、徐々に離されたが、最後まで安定した走りを維持し、モレイラ選手、ゴンザレス選手に続く3番手でチェッカーを受けた。しかしレース後、ゴンザレス選手が未承認のソフトウエアを使用していたとして失格となり、ゲバラ選手が2位に繰り上げられた。
アルボリーノ選手は12番グリッドからスタート後、すり抜けるスペースが見つからず集団に飲み込まれ、オープニングラップで目の前の転倒車を避ける間にほぼ最後尾まで後退してしまった。ここから懸命に挽回を図り、最終的には17位でチェッカー。ゴンザレス選手の失格により16位となった。
この結果、ゲバラ選手は合計99ポイントでランキング11位。アルボリーノ選手は合計63ポイントでランキング18位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計162ポイントでチーム・ランキング9位となっている。
MotoGP RACE RESULT
MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT
MotoGP RIDERS RANKING
MotoGP CONSTRUCTORS RANKING
Moto2 RIDERS RANKING
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP Team
F・クアルタラロ選手(7位)
「とても暑かったです!タイヤはフロントにハード、リアにソフトを選びました。ほとんど誰も使っていませんでしたが、私にとっては唯一、良い感触を得られるものでした。難しいレースでしたが、かなりうまく乗れていたと思いますし、リアタイヤもしっかりコントロールできました。すべてにおいて奇妙なウイークでした。表彰台にこれほど近づけるとは思っていませんでしたが、終わってみれば3位に2秒差でした。今回はフィーリングが良くありませんでしたが、アレックス(リンス)がとても速く、データを共有できて良かったです」
A・リンス選手(10位)
「みなさんがレースを楽しんでくれたことを願っています。私にとってはかなりタフでしたが、今は本当にハッピーです。決勝だけでなく、ウイーク全体についてそう感じています。非常にうまく乗れていて、ポジションを守り、オーバーテイクにも成功しました。素晴らしい週末でした。終盤でソフト・タイヤに苦戦することはわかっていました。リアタイヤをコントロールしながら、グリップが落ち始める残り5ラップまで好位置をキープしました。自分を信じ続け、きっとできると思っていました。ウイークを大いにエンジョイし、このような走りができたことに満足しています。でもこれはひとつの週末に過ぎません。次のオーストラリアにも期待し、ベストを尽くします」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「今回はタフであると同時にポジティブでもありました。アレックスが本来いるべき位置で戦うのを見てとてもうれしくなりました。ソフト・タイヤが最後の5ラップを持ちこたえられず残念でしたが、このような走りができただけで、すでに大きな進歩です。こうしたことが自信につながり、チームのモチベーションをより一層、高めてくれます。ファビオ(クアルタラロ)はウイークを通じてミディアム・タイヤに苦戦しました。今日はフロントにハード・コンパウンド、リアにソフトを選び、終始良い走りを維持して最終的に7位を獲得できました。ふたりがトップ10を獲得し、続くオーストラリアとマレーシアに向けて弾みが付きました」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(11位)
「スタート自体はそれほど悪くなかったのですが、そのあとマシンのフィーリングがかなりナーバスになりました。リアにはソフト・タイヤを選択していました。ギャンブルというわけではなく、これが唯一、フィーリングが良く、うまくコントロールできると思えるものだったからです。でも終盤になると非常に難しい状況になってしまいました。この暑さでかなり体力も奪われ、最後の8~9ラップは身体が熱くなって、ペースを落としても呼吸や体温を下げることができませんでした。今回もポイントを獲得できたのは良かったと思いますが、もう少し上を目指していました」
J・ミラー選手(14位)
「今日は少し調子が上がり、フィーリングも良く、集団の0.2~0.3秒後ろを順調に走っていました。というのも、彼らに近づいていくとフロントタイヤがチューインガムのようになってしまうのです。残り3ラップの第11~12コーナーでモルビデリが仕掛けてきました。彼のマシンがイン側に入る音が聞こえ、スロットルを閉じ、わずかにラインを外れた次の瞬間にはもう転倒していました。今日はポテンシャルがあり、集団のなかでバトルもできました。終始、彼らと競り合えたのは良かったです。でも転倒は残念ですし、チームに申し訳なく思っています」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ヤマハ勢全員が途中までとてもいい走りを見せ、私たちの進化を証明できました。しかしミラー選手は最後に転倒し、オリベイラ選手は体力を消耗して最後まで全力で戦うことができませんでした。それでも彼の今回のパフォーマンスには満足しています。いいレースでしたし、表彰台との距離も決して大きくはありませんでした。次はジャック(ミラー)のホームGPなので、成績においても新たなスタートになるよう願っています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(2位)
「ついに成し遂げました。とてもうれしいです。この瞬間のためにずっと頑張ってきましたし、それはチームも同様でした。シーズン序盤は厳しいものでしたが、私たちは決してあきらめませんでした。そして少しずつ表彰台が近づいてきたのです。私を信じてくれたBLU CRU Pramac Yamahaに感謝し、今はこのひとときを楽しみます。いつも土曜日の予選で速さを出し切れないことが問題でしたが、ここ3戦は予選の走りが良くなってきていました。チームは私のポテンシャルを信じ続けてくれました。そしてこうして結果を出すことができたのです」
T・アルボリーノ選手(16位)
「スタート直後のアクシデントで大きく遅れてしまい、非常に残念です。またセッティング変更もトライしていたのですが、残念ながら間違った方向へ進んでしまいました。でもみんなで決めたことなので仕方ありません。悔しい結果ですが、チームには感謝しています。ウイークを通じてともに懸命に頑張ってきました」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「イサン(ゲバラ)にとって集大成とも言える素晴らしい一日になりました。今日の彼は、速さだけでなく成熟ぶりも見せてくれました。トップ2がペースで勝ることに気づいたあとは、タイヤをしっかり管理しながら追い上げてくる集団を抑え、差が縮まるとまたプッシュしました。まさに表彰台にふさわしい見事な走りでした。トニー(アルボリーノ)は残念ながら、目の前で発生したクラッシュに巻き込まれ、グリッド中段からのスタートという不利な状況の代償を払わされました。本来なら、表彰台までは届かないとしても、もっと良い成績を獲得できたはずです。それでも今日のレースは、チームがここまでに積み重ねてきた進歩を証明できるものになったと思います。この調子でさらに前進を目指します」