MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.18 10月5日 インドネシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦インドネシアGP
■開催日:2025年10月4日(土)予選/スプリント結果
■開催地:マンダリカ/インドネシア(4.301km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:29度/路面温度:53度
■スプリント 気温:29度/路面温度:52度
■PP:M・ベッツェッキ(1分28秒832/アプリリア)
■FL:M・ベッツェッキ(1分29秒638/アプリリア)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:30度/路面温度:55度
■PP:D・モレイラ(1分32秒341/カレックス)
REPORT
MotoGP
リンス選手12位、クアルタラロ選手は転倒リタイア
第18戦インドネシアGPのスプリントは序盤から波瀾の展開となり、Monster Energy Yamaha MotoGPのA・リンス選手とF・クアルタラロ選手はオープニングラップで大きく順位を下げた。しかしともに懸命に挽回を図り、リンス選手は19番手から13位まで上げてゴール。クアルタラロ選手はスタート直後に最後尾まで後退あと12位まで挽回していたが、最終ラップで転倒してリタイアとなった。レース終了後にL・マリーニ選手(ホンダ)に8秒ペナルティが課され、リンス選手の順位は12位に修正されている。
リンス選手はQ2で4番手を獲得し、グリッド2列目からスタート。その直後は5番手につけていたが、オープニングラップの混乱のなかでM・マルケス選手(ドゥカティ)と接触してコースアウトを強いられた。これにより一時、最後尾まで後退するも、あきらめずに挽回を続けて15位へ浮上。中盤はJ・ミラー選手、クアルタラロ選手とバトルする展開となり、最終ラップでクアルタラロ選手が転倒したためリンス選手は13位でゴールした。トップとの差は16.226秒だった。
クアルタラロ選手はQ2で8番手となり、グリッド3列目からスタートしたが、オープニングラップで最後尾まで後退してしまう。序盤でE・バスティアニーニ選手(KTM)とF・バニャイア選手(ドゥカティ)をパスし、5ラップ目にはP・アコスタ選手(KTM)が転倒したことで14位まで挽回。中盤では後方から追い上げてきたリンス選手とバトルしながら前方グループに迫り、7ラップにミラー選手、9ラップ目にJ・ザルコ選手(ホンダ)をパスして12位に浮上した。さらにポジションアップを目指すクアルタラロ選手は5台で形成された7位争いに挑んでいったが、最終ラップの第2コーナーで転倒してリタイアとなった。
この結果、クアルタラロ選手は合計149ポイントでランキング9位、リンス選手は合計45ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計194ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計181ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
オリベイラ選手がスプリントで1ポイント獲得、ミラー選手は11位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手がスプリントで9位を獲得し、1ポイントを加算した。チームメイトのJ・ミラー選手は序盤でフロント・デバイスの解除に手間取り11位にとどまった。
今季初めて直接Q2へ進出したオリベイラ選手は、Q2で10番手となりグリッド4列目を確保。ここから順調にスタートして何度か順位を入れ替えたあと10位でゴールした。しかし前方を走っていたL・マリーニ選手(ホンダ)にタイヤ圧に関するペナルティが課されていたため、オリベイラ選手の順位は9位に修正された。
ミラー選手は14番グリッドからスタート後、フロント・デバイスの解除に手間取り後退したが、最終的には11位まで挽回してチェッカーを受けた。
第17戦終了時点でミラー選手は合計58ポイントでランキング18位、オリベイラ選手は合計34ポイントでランキング20位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計88ポイントでチーム・ランキング10位となっている。
Moto2
ゲバラ選手がフロントロー獲得 アルボリーノ選手は12番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手がQ1で3番手を獲得してQ2へ進出。Q2でも3番手と健闘し、Moto2で自身初となるフロントローを確保した。決勝ではD・モレイラ選手、D・アロンソ選手の後ろ、そして現チャンピオンシップリーダーであるM・ゴンザレス選手の前となる3番グリッドから、何度も近づきながら未だ届いていない表彰台を目指す。
チームメイトのT・アルボリーノ選手はQ2でパーフェクト・ラップを実現できず12番手。決勝ペースでの強みを活かし、グリッド4列目から好成績を狙う。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
A・リンス選手談(12位)
「予選で素晴らしい走りができました。このような感覚は久しぶりなので本当にうれしいです。前回のもてぎでも前進がありましたが、今は最高のフィーリングです。マンダリカは高速コーナーと低速コーナーがミックスされていて、ライダーにとってはかなりテクニカルなコースです。でも私はいい走りができていますしラップタイムも良く、ライディングをエンジョイできています。
スプリントのスタートも絶好調で、上位につけることができました。マルク(マルケス)との出来事は初めは腹が立ちましたが、あとで映像を見ると、マリーニが彼の前にいたためマシンを止められなかっただけかもしれないと思いました。今回は私にこのようなことが起こりましたが、次は彼の番かもしれません。レースはこういうものなのです。明日はまた新しいチャンスが巡ってきます。ミディアム・タイヤを暖めるのに時間がかかるので今日以上に難しい戦いになると思いますが、私たちの決勝ペースは悪くありません。いずれにていても今日のところはとても満足しています」
F・クアルタラロ選手(DNF)
「スタートでクラッチを滑らせてしまい、バスティアニーニ選手と接触して最後尾まで後退してしまいました。そのあとは全力で挽回を目指しましたが、今回はマシンのフィーリングがベストの状態ではなく、いつものような走りができません。タイヤとのコンビネーションの影響でマシンの挙動がつかみづらい状態です。明日までになんとか解決し、ペースをつかんで良いレースをしたいと思っています」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「もっと上の順位を狙っていました。アレックス(リンス)はここまで非常に順調で、予選4番手と今季最高のポジションを確保しました。スプリントではオープニングラップで他のライダーに押し出されて上位争いのチャンスを失ってしまいましたが、その後もファイティング・スピリットを見せてくれました。ファビオ(クアルタラロ)も同じように大きく後退してしまいましたが、素早く挽回していました。最終ラップの転倒はとても残念ですが、怪我がなかったことが重要です。明日は運が味方してくれることを期待しています。この暑さのなかでの27ラップにはライダーの持久力が試されます。厳しい戦いに挑む彼らを後押しするため、チームも全力で取り組みます」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(9位)
「絶好のスタートを切りましたが、前のライダーたちとライン取りや走り方が違いすぎて最初の数ラップはあまり近づくことができませんでした。フロントタイヤの挙動が大きく、オーバーテイクはほとんど不可能でしたし、スピードも不十分で苦しい戦いになりました。明日はタンクが重くなるのでフロントの扱いがさらに難しくなるでしょう。ソフト・タイヤに賭け、最大限まで頑張ります」
J・ミラー選手(11位)
「スタートはとても良かったのですが、第1コーナーでフロント・デバイスを解除することができませんでした。第2コーナーから第3コーナーの間でも、第4コーナーの立ち上がりから第5コーナーの間でもトライしましたがリリースできず、そのたびに順位を下げてしまいました。第10コーナーでようやく解除できたのですが、すでに遅すぎました。リズムをつかんだあとも、長時間にわたりミル選手の後ろにつかまってしまいました。マルケス選手がロングラップ・ペナルティを履行後に私の前に入って来たのですが、彼もまたミル選手をなかなか抜けず、そのうちに前の集団との差が縮まっていきました。明日も今日と同様の好スタートを目指します。でも第1コーナーでデバイスを素早く確実にオフにするためハードブレーキングに集中していきます」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ミゲール(オリベイラ)の今週の取り組みは非常にポジティブで興味深く、彼が実力者のひとりであることを改めて証明しています。前回に続きトップ10入りできてうれしいですし、私たちにとっては素晴らしい成績です。彼のライディング・スタイルであれば、明日も同様のパフォーマンスを再現できると確信しています。ジャック(ミラー)はスタート・ポジションが後方だったため挽回は簡単ではありませんでした。明日はフロントタイヤのコントロールが鍵となり、今日以上にタフなレースになりそうです。直線スピードが不十分でオーバーテイクは難しい状況ですが、コーナーではスピードもハンドリングもライバルたちと互角だと思っています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(3番手/1分32秒516)
「フロントローを獲得でき最高にハッピーです。昨日の状況を考えればなおさらです。BLU CRU Pramac Yamahaの変わらぬサポートと献身に感謝します。今日の結果はチームの全員にとって大きな意味があります。私自身、非常にいいペースで走れていますが、手ごわいライバルがたくさんいるので、明日の決勝に向けて集中力を高く維持することが重要です」
T・アルボリーノ選手(12番手/1分32秒945)
「ネガティブなフィーリングがまったくなく、全体的に順調です。タイムアタックではやや苦戦してグリッド4列目になってしまったので、思い通りとはいきませんでした。スタートは非常に重要です。明日に期待します」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「ついにイサン(ゲバラ)がフロントローを獲得しました。彼自身とチーム、両方のポテンシャルが完璧に示されました。これまでに何度も近づきながら届かなかった場所ですが、今回は決勝に向けた準備と同時に1ラップの速さにも本当に力を尽くして取り組んできました。そして見事に成し遂げたのです。トニー(アルボリーノ)についても心配はしていません。もちろん、前の方からスタートするに越したことはありませんが、今回はユーズド・タイヤでの走行に力を入れ、いいリズムをつかんでいます。明日の決勝で活躍する力は十分です。最後に、素晴らしい仕事を続けているチームのみんなに感謝の気持ちを伝えたいです。ひとりひとりを誇りに思います」