MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.16 9月14日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦サンマリノGP
■開催日:2025年9月13日(土)予選/スプリント結果
■開催地:サンマリノ/イタリア(4.226km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:27度/路面温度:31度
■スプリント 気温:27度/路面温度:38度
■周回数:13周(54.938 km)
■PP:M・ベッツェッキ(1分30秒134/アプリリア)
■FL:M・ベッツェッキ(1分30秒970)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:37度
■PP:D・ホルガド(1分34秒216/Kalex)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
リンス選手17位 クアルタラロ選手は4位走行中に転倒リタイア
第16戦サンマリノGPのスプリントでMonster Energy Yamaha MotoGPのA・リンス選手が17位。F・クアルタラロ選手は4位走行中に転倒してリタイアとなった。
リンス選手は18番グリッド、6列目からのスタート。直後に20番手まで後退したが挽回し、オープニングラップを19番手で終えた。5ラップ目にはチームメイトの転倒により一時18番手に上がるも、すぐにM・ビニャーレス選手(KTM)に抜かれて再び後退。その後はPrima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手の後ろにつけて安定して走行を続け、M・マルケス選手(ドゥカティ)の転倒とB・ビンダー選手(KTM)のマシン・トラブルにより17位となった。トップとの差は18.716秒だった。
クアルタラロ選手はQ1でトップタイムを記録してQ2に進出。Q2では3番手となり、一週間前のカタルニアGPに続きフロントローを確保した。スプリントでは好スタートから4番手につけ、多くのライバルの追撃を抑えてオープニングラップを終了。その後はF・ディ・ジャンアントニオ選手やF・モルビデリ選手(ともにドゥカティ)と競り合いながら懸命にプッシュを続けていたが、5ラップ目の第2コーナーで転倒してリタイアとなった。怪我はなく、決勝でのリベンジに意欲を燃やしている。
この結果、クアルタラロ選手は合計129ポイントでランキング9位、リンス選手は合計45ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計174ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計160ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手14位、オリベイラ選手16位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手は20番グリッドから挽回して14位、M・オリベイラ選手は13番グリッドからスタート後にオープニングラップの混乱で大きく後退し、16位で終えた。
ミラー選手はQ1で11番手にとどまり最後列からスタートとなったが、オープニングラップで数台をパスして17番手。6ラップ目には14番手に浮上し、その後はポジションを守って走り切った。オリベイラ選手はQ1で健闘するも、わずか0.092秒差で3番手となりQ2に進むことができなかった。スプリントではオープニングラップで小椋藍選手(アプリリア)と接触するなどで後退し、最終的に16位でチェッカーを受けた。
Yamaha Factory Racing Team
フェルナンデス選手がV4マシンで初めてのスプリントを完走
Yamaha Factory Racing TeamはV4エンジン搭載プロトタイプ・マシンのテストプログラムを継続。ワイルドカード参戦のA・フェルナンデス選手は完璧なコンディションのなかで全13ラップを走り切り、貴重なデータを収集した。
フェルナンデス選手は21番グリッドからスタート。オープニングラップでM・ビニャーレス選手と競り合い、一旦前に出たあと再び後退した。周回が進むにつれて前方グループからは少しずつ水をあけられたが、S・チャントラ選手(ホンダ)を最後まで抑えきり、他のライダーの転倒などもあり最終的に18位でゴール。トップとの差は27.893秒だった。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーニ選手が予選8番手と健闘 ゲバラ選手は13番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手がQ1でトップタイムを記録してQ2へ進出。Q2では8番手につけ、グリッド3列目を確保した。チームメイトのI・ゲバラ選手はパーフェクト・ラップがとれず13番手にとどまった。
ホームGPの雰囲気がアルボリーノ選手のファイティング・スピリットに火をつけた。前日のプラクティス(PR)では19番手と苦戦したが、Q1で1分34秒530のラップレコードを記録してトップに立ち、Q2ではさらに1分34秒420に更新した。しかし2回目のタイムアタックはイエローフラッグや混雑に阻まれ、トップから0.2秒差の8番手で終えた。
一方、PRで8番手のゲバラ選手はQ2でペースが上がらず13番手。決勝では持ち前のスタート・ダッシュで挽回を目指す。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP Team
A・リンス選手(17位)
「ソフト・タイヤに苦戦しました。コース全体で十分なグリップが得られませんでした。他のサーキットでも何度か同じような問題が出ていました。私はこれ以上ブレーキングを遅らせることができませんでしたが、ファビオ(クアルタラロ)は他のヤマハ勢に比べて20メートルも遅く、それが違いを生み出しました。17番グリッドからの挽回は非常に難しく、オーバーテイクのチャンスはあまりありませんでした。とにかく懸命に作業を続けるしかありません。明日はミディアム・タイヤを履くので、安定性の面で少し楽になることを期待しています」
F・クアルタラロ選手(DNF)
「リアのフィーリングに違和感がありました。第2コーナー進入でタイヤが振動し、転倒してしまいました。リアもフロントも失ってしまいました。再スタートしたかったのですが、それは明らかに不可能でした。昨日は非常に苦戦したので、予選でここまで挽回できるとは思っていませんでした。でもそれができたのです。予選3位はとても良い結果だと思います。明日の決勝ではタイヤが通常通りに機能し、いいレースができるよう期待しています。ペースではトップ5を狙っていけるはずです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「金曜日に苦戦したあと、ファビオは見事な巻き返しで今季8度目のフロントローを獲得しました。彼の予選での頑張りが、私たちのパフォーマンスを支え続けています。しかしスプリントではリアに激しい振動が発生し、第2コーナーで転倒してしまいました。素晴らしいペースで走っていたのだけにとても残念です。明日の決勝で同じことが起こらないよう、現在、原因を調査しています。アレックス(リンス)はいつもと同じ問題に直面しました。前との差を詰めていくのですが、オーバーテイクに苦戦してしまうのです。今日のデータを深く掘り下げ、問題を特定して解決策を探します。集中力を維持し、前向きに準備を進めていきます」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(14位)
「予選はひどい結果でしたが、スプリントで少し挽回することができました。Q2進出の可能性を十分に感じていたのですが、その前のFP2でのアクシデントが響いてしまいました。第11コーナー進入で縁石に乗り、マシンが激しく振られて次のコーナーでコースアウト。グラベル上を走り、結局、壁に突っ込んでしまいました。幸いマシンに大きなダメージはありませんでしたが、Q1はセッティングの異なる2台目のマシンで走らなければなりませんでした。それでもスプリントでは好スタートを切り、集団の間をすり抜けて少し挽回することができました。マシンの振動は激しく、リアから始まってマシン全体に伝わり、コーナースピードは上がりませんでしたが何とか良いリズムをキープしました。明日はミディアム・タイヤが後押ししてくれることを期待しています」
M・オリベイラ選手(16位)
「スタートが非常に困難でした。第1コーナーでは私と同じラインを選んだマルティン選手(アプリリア)に抜かれ、第2コーナーに向かうところで大きく遅れてしまいました。そのあと第14コーナーで小さなミスをして2台に抜かれ、次のラップの第10コーナーでは小椋選手と接触してフロントの空力パーツを破損してしまいました。そのあとはすべてが難しい状況になりました。ペースではトップ10からそれほど離されていませんが、序盤の数ラップが大きく響いてしまいました。明日の決勝ではグリッドの優位性をうまく生かしたいと思います」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「明らかに厳しい状況です。転倒の影響も大きいです。そのなかでジャック(ミラー)はグリッド後方から挽回して良い結果を見せてくれました。彼にとってはここまでが精一杯でしたが、それ以上に重要なのはペースが非常に安定していたことです。一方でミゲール(オリベイラ)は前の方からスタートしたあと小椋選手と接触して大きく後退してしまいました。その影響でマシンのバランスが崩れ、予選で見られたような激しいプッシュができなくなりました。明日は一歩前進を目指します。私にとっては500回目のGPを祝う特別な日になるのです。まるで昨日のことのように感じますが、振り返ってみれば、本当に長い年月が経ちました。でもここまで情熱を持ち続け、人生を楽しんでいられるので幸せです。その意味で私は本当に幸運です」
Yamaha Factory Racing Team
A・フェルナンデス選手(18位)
「マシン・バランスの最適化に取り組んでいます。新しいプロトタイプなので、M1のデータはV4マシンに活かされませんが、先入観を持たずにあらゆる数字を試していくことが重要です。昨日の午後をベースとして、その上にさらに築き上げていくつもりでしたが、今日は少し変更を加えたら逆に遅くなってしまいました。とくにこのコースで重要となるフロントについては何らかの解決策を見出さなければなりません。スプリントでは少し振動もありました。このマシンで初めてのことなので、十分な分析が必要です」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(8番手/1分34秒420)
「わずか数分間しか続きませんでしたが、ミサノのラップレコードを保持できたことはとてもうれしいです。昨日の苦戦と比較し、今日はマシンのフィーリングが良く、とくに予選では今年一番の素晴らしい感覚がありました。もちろん、自国でのレースが大きな助けになってくれています。レースペースに不安はありませんが、今後に向けて1ラップの速さの向上が求められます。ここミサノで勝利を目指すなら1列目か2列目からのスタートが必要ですが、私はそのひとつ後ろなので、何か答を見つけてチャンスをつかみたいと思います」
I・ゲバラ選手(13番手/1分34秒632)
「予選はここまでで最も難しいセッションになってしまいました。でもフィーリングは上々で力強い走りができています。グリッド13番は前回よりひとつ上ですが、厳しい状況に変わりはなく、大幅な改善が必要です。午前中まではリズムもスピードもとても良かったので、チャンスはあると思っています。決勝では1周目に全力でポジションアップを目指します。このコースは技術的にも体力的にもかなり厳しいので、簡単な道のりではないでしょう」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「途中までは完璧な一日になると確信していました。トニー(アルボリーノ)がラップレコードを更新して難なくQ2に進出し、最初のアタックでさらに更新したときにはとても興奮しました。最終的に3列目となりましたが、ポールとの差はわずか0.2秒という接近戦です。昨日の状況を考えれば、僅差で後方にとどまったことを悔しがるとしたら、それはむしろ非常にポジティブなサインだと言えるでしょう。イサン(ゲバラ)については、予選でのパフォーマンスが彼のポテンシャルの100%でないことを私たちは知っています。彼はいつでも、決勝ペースの走りが予選結果を上回るのです。明日は素晴らしい挽回を見せてくれると確信しています」