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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.15 9月7日 カタルニア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第15戦カタルニアGP
■開催日:2025年9月7日(日)決勝
■開催地:カタルニア/スペイン(4.657km)

MotoGP
■周回数:24周(111.768 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:41度
■PP:A・マルケス(1分37秒536/ドゥカティ)
■FL:A・マルケス(1分39秒886/ドゥカティ)

Moto2
■周回数:21周(97.797 km)
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:27度/路面温度:33度
■PP:D・ホルガド(1分41秒549/カレックス)
■FL:D・ムニョス(1分42秒355/カレックス)

REPORT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手5位獲得、リンス選手は転倒リタイア

タイヤ・コントロールが重要な鍵を握ることとなった全24ラップの決勝レースで、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手はハード・プッシュとタイヤの温存を絶妙にバランスさせて5位獲得と健闘。チームメイトのA・リンス選手もタイヤの耐久性に注意を払いながらバトルを続けていたが、15ラップ目の第12コーナーで転倒し、今季初のリタイアとなった。

2番グリッドからスタートしたクアルタラロ選手は4番手でオープニングラップを終了。ハイペースでトップ3を追跡していたが、その背後ではE・バスティアニーニ選手(KTM)がプレッシャーをかけ続けており、3ラップ目に先行を許して5番手に後退した。上位のペースについていけず徐々に差が広がるなか、レース中盤は後方から追い上げてきたL・マリーニ選手やJ・ザルコ選手(ともにホンダ)との5位争いに集中。激しいバトルを展開しながら懸命に抑えていたが、9ラップ目の第1~第2コーナーでザルコ選手に抜かれ、1ラップ後にはマリーニ選手にも先行されて7番手まで後退した。しかしここであきらめることなくリベンジを開始する。2ラップ後にザルコ選手の転倒により6位、さらにマリーニ選手を追い続けると、22ラップ目で抜き返して5番手に復活した。残り2ラップはポジションを守って走り切り、トップから14.409秒差の5位でチェッカーを受けた。

リンス選手は19番グリッドからスタート後、コーナーではらんで22番手まで後退したが、懸命に巻き返して18番手でオープニングラップを終了。F・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)とM・ベッツェッキ選手(アプリリア)の転倒によりさらにふたつ上げ、中盤は10位争いの集団に加わっていった。ライバルたちのペナルティーや転倒により一時13番手に浮上するも、J・ミル選手(ホンダ)、F・アルデゲル選手(ドゥカティ)に抜かれて15番手に後退。11ラップ目のザルコ選手の転倒でひとつ上げたが、4ラップ後にはF・モルビデリ選手(ドゥカティ)に抜かれてまた後退した。タイヤの消耗をコントロールしながら挽回のチャンスを狙っていたが、その直後の第12コーナーで転倒し、そのままリタイアとなった。

この結果、クアルタラロ選手は合計129ポイントでランキング8位、リンス選手は合計45ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計174ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計160ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

第16戦サンマリノGPは1週間後の9月12~14日、ミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで開催される。

Prima Pramac Yamaha MotoGP
オリベイラ選手9位、ミラー選手は14位

Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手が今季最高の9位獲得と健闘。J・ミラー選手はオープニングラップで最後尾まで後退したあと14位まで挽回し、ともに貴重なポイントを手中にした。

YZR-M1への信頼を高め、相乗効果を発揮したオリベイラ選手。とくにこのコースで重要となるタイヤ・マネジメントのスキルが光り、前日のスプリント10位に続き決勝レースでも粘り強い走りを見せた。16番グリッドから着実に追い上げ、今季最高となる9位でチェッカーを受けた。

ミラー選手はオープニングラップの第4コーナーでB・ビンダー選手(KTM)と接触。大きくはらんで最後尾の24番手まで後退し、約8秒間のロスを負ってしまった。しかしここから懸命の挽回を見せ、計10台をとらえて残り3ラップで14番手へ浮上、貴重な2ポイントを持ち返った。

この結果、ミラー選手は合計54ポイントでランキング17位、オリベイラ選手は合計17ポイントでランキング21位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計74ポイントでチーム・ランキング11位となっている。

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手が5位獲得 アルボリーノ選手は20位

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手が大活躍を見せた。グリッド4列目から絶好のスタートを切り、熾烈なバトルを繰り広げ、全21ラップをハードに走り切って今季最高の5位でチェッカーを受けた。チームメイトのT・アルボリーノ選手は難しい展開を強いられ、20位で終えている。

タイヤ・マネジメントが重要な鍵を握るこのコースで、ゲバラ選手はアグレッシブさと冷静さを融合させた。着実な成長を証明し、このところは安定的にボスコスクーロ勢の上位を維持している。A・アレナス選手とB・バルタス選手(ともにカレックス)にペナルテイーが与えられた影響で、スターティング・グリッドは14番手から12番手へ昇格。ここからシグナル・グリーンとともに完璧な飛び出しを見せ、第1コーナー進入のアグレッシブなブレーキングで4番手に浮上した。

2ラップ目にはチャンピオンシップ・リーダーのM・ゴンザレス選手(カレックス)をパスして一時3番手に上がったが、1ラップ後にD・ムニョス選手(カレックス)に抜かれて4番手。このあとはゴンザレス選手と長く、緊張感あふれる激しい抜き差しを展開することとなった。テール・トゥ・ノーズのバトルが残り4ラップまで続いたが、ついにはゴンザレス選手が強さを見せた。ゲバラ選手は5位を守って走り切った。

アルボリーノ選手はペナルテイーによりグリッドが降格となり28番手からのスタート。厳しい状況のなかで懸命に挽回し、20でチェッカーを受けた。

この結果、ゲバラ選手は合計73ポイントでランキング15位、アルボリーノ選手は合計46ポイントでランキング18位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計119ポイントでチーム・ランキング9位となっている。

MotoGP RACE RESULT

MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT

MotoGP RIDERS RANKING

MotoGP CONSTRUCTORS RANKING

Moto2 RIDERS RANKING

COMMENT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(5位)

「昨日のスプリントは心からバトルをエンジョイできましたが、今日は少し足りませんでした。序盤は激しい競り合いだったのですが、そのなかでも十分にタイヤを温存できていました。その一方でルカ(マリーニ)はタイヤを使い過ぎていたので、終盤でこの差が出て、彼を抜き返すことができました。ディフェンシブに走ることが良い経験になりましたし、ブレーキングやそのほかいろいろなことも...そうですね、そう考えれば悪くなかったかもしれません。ウイーク初日は非常に厳しい状況でしたが、このように良い形で締めくくることができました。今日の結果が私たちの"本当の順位"であり、トップにもっと近づきたいのは当然ですが、予想通りのポジションということです。天候や路面などのコンディションがパフォーマンスにどのように影響するのか、今後さらに理解を深めていきたいと思っています」

A・リンス選手(DNF)

「フロントから転倒して壁にぶつかってしまいました。走り自体は決して悪くなかっただけに不運な出来事でした。昨日よりも着実に良くなっていました。チームメイトのデータを見せてもらって、そのおかげでラインを変えたりブレーキングを遅らせたりすることができるようになっていました。あの瞬間もうまく乗れていたのですが、2~3ラップ前からフロント周りの動きが少し気になっていました。気温の影響か、あるいは私がプッシュし過ぎたせいかもしれません。冷静に対応し、タイヤが熱くなり過ぎないようにしていたつもりですが、第12コーナーでとうとう転倒してしまいました」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「厳しいレースを予想していました。そしてその通りになりました。ファビオ(クアルタラロ)は戦略を的確に実行しました。つまり序盤で上位に近い位置につけ、効果的にポジションをキープし、24ラップにわたりタイヤの消耗をコントロールし続けました。昨日のスプリントほどダイナミックではありませんでしたが、予選セッションでの見事な巻き返しに続き、円熟の走りでウイークを力強く締めくくりました。アレックス(リンス)は厳しい戦いを強いられました。FP2での転倒がグリッドポジションだけでなく、その後のすべての展開に影響を及ぼしました。19番グリッドから前方のバトルに加わり、昨日よりもマシンに良い感触を得られたことは大きな収穫です。1週間後に次戦が迫っているので、安定性の確立とさらなる進化に集中していきます」

Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(9位)

「とても堅実なレースができたと思います。昨日のスプリントでポイント圏内にあとひとつと迫り、今日はトップ10を実現し、ペース良くノーミスで、何度かオーバーテイクもできました。結果にも満足しています。スタート直後はカオスの状態でした。外側に回ろうとしましたが、1台がマシンを起こし、他のライダーと接触したことでドミノが始まりました。第2~第3コーナーで勢いが落ちてしまい、ポジションを上げることができませんでした。そのあとは自分のレースと冷静さを保つことに集中し、最終的にはそれが功を奏する結果となりました。タイヤを温存し、終盤ではトップ5との差を詰めていくこともできたのですが、追いつきパスするには遅過ぎました」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「Prima Pramac Yamaha MotoGPにとって、全体的にはとても良い週末になりました。ふたりのライダーが揃って素晴らしい仕事をしてくれました。ミゲール(オリベイラ)はスプリントで10位を獲得したことで自分自身の成長とM1との絆を確認し、今日の決勝レースでは9位という素晴らしい成績を持ち返って来てくれました。本当にうれしいです。ジャック(ミラー)についても同様に満足しています。1周目にビンダー選手と接触し、大きく押し出されてしまったことがレースを台無しにしてしまいました。このアクシデントがなければ彼もトップ10を目指して戦っていたでしょう。今回の私たちは、全体を通してとてもいい仕事ができたと思っています。またクアルタラロ選手とそのクルーたちも本当に素晴らしく、ヤマハの進化を証明してくれました」

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(5位)

「今回はウイークを通じていい仕事ができました。今日は昨日までより湿度が上がり非常にタフなレースになりましたが、フィーリングは好調で、1ラップ目で6つくらいはポジションを挽回できる自信がありました。結果は予想以上のもので、第1コーナーを4番手で立ち上がりました。これで3回目の5位となりました。次の目標は表彰台です。また一歩前進し、その成果が今日の成績につながりました。どんどんトップに近づいています」

T・アルボリーノ選手(20位)

「非常に複雑な一週間になってしまいました。さまざまなことを試しましたが、結局、何も得られませんでした。ずっと同じ問題が続いていて、今日もそれが影響しました。自分のポテンシャルを表現できず、コースのどの部分でもいい走りができず、スターティング・グリッドの問題もあってこのような結果になってしまいました」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「とても感動的です。イサン(ゲバラ)の今日のレースには、このことばがぴったりです。シーズンのなかでとても重要な時期を迎えていることを、今日また証明してくれました。前の2戦は手の怪我を抱えながらも素晴らしいパフォーマンスを見せていたわけですが、今回は怪我が完治し、真の実力が発揮されました。ライダー、チーム、マシンのすべてが見事に機能しています。この勢いが続くことを願っています。トニー(アルボリーノ)については残念な結果になりました。初日は悪くなかったのですが、そのあとは思い通りの展開にはなりませんでした。グリッドを大きく下げられてしまったことで状況はさらに厳しくなり、気持ちも落ち込んでいたため、私たちが望むようなレースにはなりませんでした。今回はただ調子が悪かっただけで、次回ミサノでは持ち前の強い決意と自信を取り戻してくれることを期待しています」

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