MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.06 5月11日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦フランスGP
■開催日:2025年5月9日(金)プラクテイス
■開催地:ル・マン/フランス(4.185km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:29度
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度 ■路面温度:27度
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手がプラクティス2番手でQ2進出決定、リンス選手は17番手
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手は第6戦フランスGPウイークを順調にスタート。プラクティス・セッションではともにトップ10を目指し、クアルタラロ選手が2番手につけて早々にQ2進出を決定。リンス選手は運に恵まれず17番手に留まった。
ホームGPでの活躍に意欲を燃やすクアルタラロ選手は、フリープラクティス第1セッション(FP1)からスペシャル・カラーを施したヘルメットを着用。セッションを6番手で終え、好調のまま午後からのプラクティス(PR)に臨んだ。マシン・セッティングに集中しながら後半は3番手をキープ。残り15分で最初のタイムアタックが始まると一旦10番手に後退したが、すぐさま反応し、20ラップ目に1分30秒222を記録してトップに浮上した。2度目のアタック中にはイエローフラッグの影響もあり一時4番手に下げたが、全26ラップ中25ラップ目に1分30秒032に更新して2番手を獲得した。トップとの差は0.177秒だった。
リンス選手は先週のヘレス・テストの検証を目的のひとつとしていたが、FP1で転倒して17番手。PRでは順調にペースを上げ、18ラップ目には1分31秒254を記録して午前中のタイムを0.9秒短縮した。しかしセッション終盤でマシントラブルがあり、それ以上のタイム更新ができないまま全20ラップで走行を終了。トップから1.399秒差の17番手に留まりQ2進出を決めることはできなかった。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手が6番手でQ2進出、オリベイラ選手は21番手
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手がプラクティスで6番手につけてQ2進出を決定。一方、第2戦アルゼンチンGP以来、長期にわたり欠場が続いていたチームメイトのM・オリベイラ選手にとってはレースの勘を再構築するための一日となった。
ル・マン・サーキットには大勢の熱狂的レースファンが詰めかけ、絶大な人気を誇るミラー選手はもちろん、怪我を克服して復帰を果たしたM・オリベイラ選手にも温かいエールを送った。ヤマハはニューエンジンをはじめとする技術革新を通じてYZR-M1の戦闘力を強化しており、ミラー選手はPRでトップに0.4秒差と迫る1分32秒077を記録して6番手と好調。また決勝用セッティングでも安定的なペースを披露した。
一方、未だ万全の状態とは言えないオリベイラ選手は復帰プロセスのなかで苦労するところもあり、FP1で1分34秒131、PRでは1分32秒325に更新したものの21番手に留まっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーニ選手、ゲバラ選手ともにQ2進出
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は第6戦フランスGPを順調にスタートした。プラクティス(PR)ではT・アルボリーノ選手が10番手、I・ゲバラ選手は14番手でともにQ2進出を決定した。
ふたりはカタール、スペインと続いたチャタリングの問題をついに克服した。アルボリーノ選手は午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)で3番手と絶好調。PRでは1分35秒401を記録して10番手につけた。一方、ゲバラ選手は前回のスペインGPで左足を負傷して未だ万全の状態ではないものの、FP1で14番手。PRでは序盤で1分35秒545を記録したあと、終盤はイエローフラッグに阻まれてタイムを更新できなかったが、14番手をキープしてQ2進出を決めた。
MotoGP PRACTICE RESULT
Moto2 PRACTICE RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(2番手/1分30秒032)
「とても順調でした。1ラップのタイムもロングランのペースも非常にポジティブなものでした。満足できる結果だと思いますし、明日はさらに一歩前進できるはずです。前回のヘレスと比べても格段に良くなっていて、あのときは驚きがあったのですが、今回はより自然な感じがしています。始めからいいペースで走ることができ、タイムアタックのスピードも十分でした。ポールポジションは難しいことですが、不可能ではありません。とくにこのコースでは何も考えずに1周できるのです。そのくらいの自信を持って走れる状況がうれしいです。でも現実的な目標は予選でフロントロー、スプリントで4~5位に入ることです」
A・リンス選手(17番手/1分31秒254)
「全体的には順調だったのですが、何回かアップダウンがありました。午前中に第3コーナーで転倒して少し自信をなくしてしまい、午後のセッションではもう一度マシンに慣れるための時間が必要でした。また午前中は第1セクターが好調で4番手のタイムが出ていたのですが、午後はあまりハードなブレーキングができなくなっていました。そのため2度目の走行で別のものを試したら技術的なトラブルが出てしまい、タイムアタックを完遂することができませんでした。明日は今日の分も前進したいと思います」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「明暗が分かれる結果になりました。ファビオ(クアルタラロ)は今回もとても順調で、ヘレスでの好成績が偶然ではなかったことを証明しました。観客たちは彼の味方で、それが大きな力になっていることは間違いありません。もちろん本人の努力も素晴らしく、マシンに好感触を持って、目標としていたQ2進出を決めることができました。アレックス(リンス)もいい仕事をしていますが、今日は少し不運なところがありました。FP1の終盤で転倒し、怪我がなかったのは幸いでしたが、自信を取り戻すための時間が必要になりました。またPRの終盤でマシントラブルが出てしまい、タイムアタックを完璧にこなすことができませんでした。チームは明日までに問題をすべて解決し、Q1からQ2復活を目指します」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(5番手/1分30秒277)
「直接Q2に進めることになり、とても順調な一日でした。午前中の最初の走行からフィーリングが良かったのです。ヘレス・テストはまさに絶好のタイミングで、いや実際はあと数日前のほうが良かったかもしれませんが、マシンのシェイクダウンができ、またマレーシアやタイとはタイプの異なるコースで新しいこともいろいろ試せました。ここまでの取り組み方がとてもうまくいっていて、マシンのフィーリングも素晴らしく、さらに日に日に上がってきています。ル・マンは難しいコースですが、ラップタイムに満足していますしペースも悪くありません。それでもまだ伸ばせるところが残っています。第9コーナーや第10コーナー、そして最終セクターももう少し改善できると思います」
M・オリベイラ選手(21番手/1分32秒325)
「最初の走行を終えてほっとしました。これほど長く休んだあとで、どのように感じるか、また本当に乗れるのかどうかさえわからない状態だったので、まさにこの表現が適切だと思います。何度もミスをしましたし、驚くほど早く疲れてしまいました。やるべきことをすべてこなそうとしてがんばり過ぎてしまったのです。また振り出しに戻り、ゼロからのスタートです。マシンのフィーリングを取り戻し始めたばかりで、パフォーマンスはそのあとについてきます。明日以降も苦労することになるでしょう。全力で完走を目指しますが、簡単なことではないと思っています」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「素晴らしい一日になりました。ジャック(ミラー)はラップタイムで高順位を獲得しただけでなく、ペース自体がはじめからとても良かったのです。もちろんまだ課題は残っていますが、ウイーク初日として素晴らしいスタートを切ることができました。クアルタラロ選手のパフォーマンスからもわかるようにヤマハは上り調子にあり、ニューエンジンを含めヘレスでテストしたさまざまなことが実を結び始めています。ミゲール(オリベイラ)については以前もお話ししたように、今回が彼の本当の開幕戦になります。今重要なのは、焦らず一歩一歩進むことです。彼が戻ってきたこと、そして不快感なく走れたことをうれしく思います。成績に関してはもう少し時間が必要です」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(10番手/1分35秒401)
「速く走れることを確認し、とても重要な一日になりました。プラクティスでは十分なクリアラップがとれなかったにもかかわらず、Q2進出を決めることができました。大きな自信になり、明日以降に向けて安心感が得られました。明日の午前中で最終調整を行い、予選では前2列を狙っていきます」
I・ゲバラ選手(14番手/1分35秒545)
「建設的で実りある一日でした。はじめからマシンのフィーリングが良く、ヘレスで痛めた足も、持ち上げるときに少し違和感がある程度です。計画通りに進め、直接Q2に進出できたことに満足しています。この方向性を維持していきます」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「いろいろな意味でポジティブな成果が得られ、大きな励みになりました。まず、いつもと同様にライダーの健康が第一です。イサン(ゲバラ)は昨日、サーキットに到着したときに少し足を引きずっていましたが、概ね良い状態で、今日はそのことを確信させてくれました。シフトチェンジに問題がないと聞いてうれしく思っています。ウイークのなかでは歯を食いしばらなければならない場面もあるかもしれませんが、ラップタイムからもわかるようにベストの状態で乗れています。トニー(アルボリーノ)もとても好調で、自然にいいペースが出ています。でもプラクティスのベストラップでは2台をパスしなければならず、少しタイムをロスしてしまいました。クリーンラップができていれば、もっと短縮できていたでしょう。イサンも同様で、終盤はイエローフラッグの影響でペースを上げられませんでした。でも、こうしてふたり揃って直接Q2に進めたのは今季初めてで、チームにとっては非常にうれしい出来事です。ソフト・タイヤでもハード・タイヤでも速く走れているので、タイヤ戦略の面でも自信を持って臨めます」