MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.06 5月11日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦フランスGP
■開催日:2025年5月10日(土)予選・スプリント
■開催地:ル・マン/フランス(4.185km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:18度/路面温度:23度
■スプリント 気温:22度/路面温度:35度
■周回数:13周(54.405km)
■PP:F・クアルタラロ(1分29秒324/ヤマハ)
■FL:F・アルデゲル(1分30秒752/ドゥカティ)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:33度
■PP:M・ゴンザレス(1分34秒315/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手が2戦連続ポール、スプリントは4位
第6戦フランスGPのウイーク2日目、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手がQ2でル・マン・サーキットのラップレコードを更新して2戦連続となるポールポジションを獲得。母国ファンの大声援を受けて臨んだスプリントでは激しいバトルの末に4位でゴールした。チームメイトのA・リンス選手は予選14番手から8位まで挽回。スプリントで今季初めてのポイントを獲得した。
クアルタラロ選手は絶好のスタートからホールショットを奪い、第1セクターで早くも0.7秒のアドバンテージを構築。しかし4ラップ目にM・マルケス選手(ドゥカティ)が追いつき、6ラップ目には最初のアタックを受けた。このときはすぐさま抜き返したが、2度目のアタックには反応できず2番手に後退。さらにA・マルケス選手(ドゥカティ)が加わったことでディフェンシブな走りも選択肢のひとつとなり、8ラップ目に3番手に後退した。1ラップ後、後方から追い上げたF・アルデゲル選手(ドゥカティ)と熾烈なバトルを展開。YZR-M1を自在に操りながら表彰台の最後のポジションを守ろうとするも10ラップ目に先行を許して4番手となった。その後も多くのライバルが次々に迫ったが、追撃を振り切り4位でチェッカーを受けた。トップとの差は2.840秒だった。
一方のリンス選手はQ1で4番手を獲得して14番グリッドを確保。順調にスタートし、安定した走りで着実にポジションを上げて4ラップ目には8番手まで浮上した。その後は多くの時間帯でJ・ザルコ選手(ホンダ)に追走するもオーバーテイクはならず、一方で、背後に迫りチャンスを窺うF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)を懸命に抑えていたが、残り2ラップで先行された。しかし最終ラップにP・アコスタ選手(KTM)が転倒したためリンス選手は8位でゴールした。トップとの差は8.930秒。
この結果、クアルタラロ選手は合計56ポイントでランキング6位、リンス選手は合計19ポイントでランキング16位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計75ポイントでチーム・ランキング4位、ヤマハは合計68ポイントでコンストラクターズ・ランキング2位につけている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手11位、オリベイラ選手20位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手はQ2で8番手を獲得。スプリントでも序盤で好位置につけていたが、2ラップ目に他車に接触されて14番手まで後退した。その後11位まで挽回したもののポイントには届かなかった。チームメイトのM・オリベイラ選手は、約2か月ぶりに実現した復帰戦を20位で終えた。
ミラー選手はスタート直後の混乱のなかで始めは少し順位を下げたものの、すぐさま挽回して9番手。しかし2ラップ目の第8コーナーでE・バスティアニーニ選手(KTM)に接触されて大きく後退してしまった。バスティアニーニ選手には2ポジション・ダウンのペナルティが課されている。
一方のオリベイラ選手は第2戦アルゼンチンGP以来、約2カ月ぶりのMotoGP出場。筋力は未だ回復途上にあり、ハード・ブレーキングやマシンの向き替えでは苦労するところもあったが、着実な進歩とミスの回避に集中し、20位で完走を果たして目標を達成した。
明日の決勝では、新しくメインパートナーとなったAlpine(アルピーヌ)の70周年を記念するスペシャル・カラーのマシンで参戦する。ヤマハはF・クアルタラロ選手の2戦連続のポールポジションに代表されるように確実に進化を続けており、Prima Pramac Yamaha MotoGPにとっても好成績獲得への基盤が築かれている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は予選で苦戦
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手は予選で実力を発揮しきれず、それぞれ11番手と15番手に留まった。
ふたりは前日のプラクティス(PR)でトップ14に入り、揃ってQ2に進出。Q2でも順調に走行していたが、アルボリーニ選手は終盤のアタック中、イエローフラッグの影響でベストラップがキャンセルされて11番手で終えた。これにより決勝グリッドは4列目となり、アグレッシブな挽回が求められると同時にタイヤへの配慮もより重要になった。
一方のゲバラ選手もQ2で苦戦。フロントエンドのフィーリングが十分に得られず15番手に留まった。アルボリーノ選手と同様、決勝用セッティングでは速さを見せており、グリッド5列目からの挽回が期待される。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(4位)
「スプリントの4位にがっかりするのは実はとてもいいことです。改善が続いていることの証明だからです。もちろん表彰台に上りたかったですが、今日はトップ3の速さを受け入れて賢明なレース運びをすることが重要でした。そしてそれをエンジョイできました。最初の数ラップでトップを走り、激しい接近戦を展開して素晴らしいショーをお見せできたと思います。明日はもう少しタイヤの消耗を抑えたいですが、今日と同じような走りが求められると思うので、インテリジェントなレース運びを心掛け、可能な限り上のポジションを目指していきます。ファンのみなさんに伝えられるとしたら"私を応援して!素晴らしいショーをお見せするため今日と同様、全力で頑張ります。結果を楽しみにしてください"ということです」
A・リンス選手(8位)
「スプリントは悪くなかったと思います。絶好のスタートを切ってヨハン(ザルコ)について行きました。なんとかパスしたかったのですが、彼は順調に走っていましたし、ペースが私とほぼ同じでした。また終盤にはディ・ジャンアントニオに抜かれてしまいました。それでも全体的にはとても良かったと思っています。Q1も非常に好調で、Q2進出に0.025秒差でした。このような僅差で逃したのは悔しかったですが、そのあとスプリントでは好スタートを決め、いいレースができました。明日も楽しみです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「表彰台に上ることはできませんでしたが、一日を通して得た成果を誇りに思っています。チームは朝からとても順調で、FP2でいい仕事ができたことでライダーたちは予選で力を発揮できました。ファビオ(クアルタラロ)が1分29秒324を記録し、ポールポジション獲得が決まった瞬間はサーキットがファンの大声援に包まれました。彼らも大喜びしてくれたのです。2戦連続のポールとラップレコード更新は非常に素晴らしい成果であり祝福に値します。彼はもちろん、母国ファンの前で表彰台に上ることを何より望んでおり、そのために全力を尽くしました。スタートは完璧でしたし、そのあとも懸命に戦いました。結局、今日は実現しませんでしたが、明日もチャンスがあり、私たちは必ず最高の走りをお見せします。アレックス(リンス)はQ1でトップに0.056秒差まで迫りましたが、全体のタイムが接近していたため14番グリッドとなりました。それでも彼自身のフィーリングは昨日よりずっと良くなっていて、スプリントで今季初のポイントを持ち返ってくれました。ハードワークを続けてきた彼とそのクルーたちにとって、とてもうれしいご褒美になりました。明日もいいレースを期待します。ドライ・コンディションが続くことを願っています」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(11位)
「予選はとても順調でした。すべてがうまくいっていたのです。スプリント・レースも好スタートを切っていい位置につけましたが、第1コーナー進入で大勢が密集したため誰もホールショット・デバイスを解除できない状態でした。第3コーナーでアウトからインへ切りこもうとしたら"オレンジ色の大集団"がいたので、衝突を避けるために急ブレーキをかけなければなりませんでした。まるで高速道路で突然、渋滞に遭遇したときのような感覚でした。そのあと2ラップは順調だったのですが、第8コーナーでエネア(バスティアニーニ)がアグレッシブに仕掛けてきて、ふたり揃ってコースアウトしてしまいました。そのときに5台に抜かれ、私の戦いはほぼ終わってしまいました。マシンは悪くありませんでした。気温が上がったためグリップは少し落ちていましたが、依然として十分な力を保っていました。明日はミディアム・コンパウンドで走ります。今週はずっと順調ですが、このコースは前のライダーがミスでもしない限りオーバーテイクはかなり難しいです」
M・オリベイラ選手(20位)
「体調がまだ万全ではないので、今回は苦戦と忍耐を強いられると覚悟していました。このマシンは、わずか数週間、離れただけでも復帰が難しいものなのです。怪我の痛みはありませんが、筋力が十分に戻っていないため肩と腕への負担が大きく、とくにマシンの向き替えはとても大変です。数ラップはハイペースを維持できるのですが、そのあとはどうしても落ちてきてしまいます。でもそれもわかっていたことなので、焦らずにいきます」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「期待していた結果は得られませんでした。でもジャック(ミラー)のペースや最高速の不足が原因ではありません。バスティアニーニとの接触で順位を下げ、チャンスを失ってしまったのです。グリッド8番手ですから、6位は手に届くところにあったと思っています。でも明日もう一度チャンスがあるので、この美しいアルピーヌ・カラーで挽回を目指していきます。もちろん、まだ細かい調整は必要ですが、私たちを含めたヤマハ全体の成長は明らかです。またミゲール(オリベイラ)にとっては自信とリズムを取り戻すための大会で、彼はまさにそれを実行しています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(11番手/1分34秒919)
「グリッド・ポジション以外は全体的にポジティブな一日でした。継続的な改善が見られていますし、テストを通じて気に入らないところを排除し、より明確な方向に進めています。決勝用のセッティングにはとても満足していて、好成績獲得の条件はすべて揃っていると確信しています。決勝では好スタートを決め、堅実なレースを展開し、最大限の成績を持ち返ることが重要です」
I・ゲバラ選手(15番手/1分35秒221)
「もっと上へ行けると思っていましたが、フロントエンドに限界があった気がしました。以前、他の大会でも同じようなことを感じたことがあります。明日は天気が鍵を握ることになるでしょう。まだ改善の余地はありますが、ペースは悪くありません。好スタートがとても重要で、そのあとは着実な走りを心掛けます」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「納得の速さというわけにはいきませんでしたが、一方で、ふたりが過去数戦と比べて、より競争力を高めていることは疑いようのない事実です。ですから一日の最後に、コップには水が半分入っていると考えます。つまり伸びしろが残っているのです。明日は雨の可能性があって、誰もが第3戦オースティンのウエット・レースを思い出しています。でもトニー(アルボリーノ)はドライ・コンディションでも素晴らしいポテンシャルを発揮するでしょう。イサン(ゲバラ)はフロントエンドに問題があり、限界までプッシュすることができい状態です。でも技術者たちが、明日までに必ず直してくれるでしょう」