MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.04 4月13日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦カタールGP
■開催日:2025年4月12日(土)予選・スプリント
■開催地:ロサイル/カタール(5.380km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:32度/路面温度:47度
■スプリント 気温:29度/路面温度:33度
■周回数:11周(59.18km)
■PP:M・マルケス(1分50秒499/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分52秒093)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:34度
■PP:M・ゴンザレス(1分56秒301/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoG
クアルタラロ選手がスプリントで5位獲得、リンス選手は12位
第4戦カタールGPウイーク2日目、Monster Energy Yamaha MotoGPの F・クアルタラロ選手とA・リンス選手が予選セッションでそれぞれ3番手と9番手を獲得。クアルタラロ選手は3位争いを展開したあと5位でゴールし、リンス選手はスタートで出遅れたものの12位まで挽回してチェッカーを受けた。
クアルタラロ選手はQ2で3番手を獲得し、スプリントをフロントローからスタートした。3位争いを展開し、最終ラップの最終コーナーまで果敢に攻めたが最終的に僅差の5位となった。一方のリンス選手はQ1で2番手を獲得してQ2へ進出。Q2でも9番手と健闘し、スプリントではグリッド3列目に並んだ。しかし序盤で遅れて15番手まで後退し、その後、挽回して12位でチェッカーを受けた。
クアルタラロ選手はオープニングラップで3番手をキープするも、2ラップ目のストレートでスリップストリームを抜け出たF・モルビデリ選手(ドゥカティ)に先行を許して4番手へ後退。その後は後方から2台が激しく追い上げプレッシャーをかけてきたため、一方でこれを抑えながら、もう一方ではトップとの距離が開かないよう懸命に攻め続ける展開となった。残り4ラップの時点で前方を行くモルビデリ選手との差は0.7秒。3番手奪還を目指して急速に距離を縮めていったが、F・アルデゲル選手とF・ディ・ジャンアントニオ選手(共にドゥカティ)もスピードを上げて近づいており、最終ラップでは4台の混戦となった。全力で攻め続けたクアルタラロ選手はついに最終コーナーでモルビデリ選手に仕掛けるも、わずかに振られる間に5番手へ後退。4番手に約コンマ2秒差、トップから4.593秒差でチェッカーを受けた。
一方のリンス選手は9番グリッドからスタート後、序盤で15番手まで後退してしまう。しかしここから挽回を図り、4ラップ目にJ・マルティン選手(アプリリア)、6ラップ目にB・ビンダー選手(KTM)をパスして13番手。さらに次のラップでJ・ザルコ選手(ホンダ)が転倒したため12番手に浮上した。終盤はP・アコスタ選手(KTM)を追っていったがコンマ5秒届かず12位でチェッカー。トップとの差は14.273秒だった。
この結果、クアルタラロ選手は合計21ポイントでランキング9位へ浮上、リンス選手は合計10ポイントでランキング15位を維持した。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計31ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計33ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
Q2進出ならずスプリントも厳しい展開
前日のプラクティスでQ2進出を逃したPrima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とA・フェルナンデス選手はQ1からの復活を目指したが、それぞれ6番手と9番手に留まり、スプリントはグリッド6列目と7列目からスタートすることとなった。
好成績獲得のためにはすべての要素を完璧にそろえることが重要で、ここロサイル・インターナショナル・サーキットにおいてはペース面の明らかな優位性、好スタート、好リズムが不可欠となる。ミラー選手とフェルナンデス選手は後方グリッドからのスタート後、混戦のなかで思うようにポジションを挽回することができず、最終的にフェルナンデス選手が18位、ミラー選手が19位でゴールした。
チームにとっては非常に厳しい展開となったが、同じくYZR-M1に乗るMonster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロ選手が予選3位、スプリント5位と健闘し、ヤマハの総合的な競争力の高さを証明したことを明るい材料ととらえている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、予選で苦戦
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手がQ1に臨んだ。Q2進出を目指していたが、路面のグリップ・レベルが高いロサイル・サーキットで前日に続きチャタリングの問題に悩まされ、充分にペースを上げることができなかった。その結果、日曜日の決勝はそれぞれ22番グリッド、26番グリッドからスタートすることとなった。
チームはフリープラクティス第2セッションと予選セッションのなかで懸命に問題解決に取り組んだが、セッティング面で効果的な改善は見られなかった。チャタリングはシーズン開幕前のヘレス・テストですでに発生しており、とくにアルボリーノ選手への影響が顕著だった。今回のカタールではゲバラ選手にも同様の問題が起きており、ふたりとも良好なベース・セッティングを築けないまま苦戦を強いられている。
アルボリーノ選手は最初のアタックで1分57秒601を記録。しかしその後はタイムを更新することができず、Q1で8番手、総合順位で22番手となった。ゲバラ選手も最初のアタックで記録した1分58秒130がベストラップとなり、Q1で12番手、総合26番手に留まった。この順位は2週間前のアメリカGPと同様で、そこでは見事な挽回を見せて最終的に5位を獲得している。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoG
F・クアルタラロ選手(5位)
「本当に素晴らしいレースでした! 予選では好タイムを出せると思っていましたが、ここまでとは想像していませんでした。あのラップはひとつもミスがなく、自分でも速さを実感していました。マシンがこのコースに合っていると思うので、それを有効に活用しなければなりません。そして私自身はすべての力を投入しなければなりません。スプリントではベストを尽くしましたが、残念ながら最終ラップで3回もフロントを振られてしまいました。どうしても表彰台が欲しかったのです。そして最終コーナーではフロントを完全に失いフェルミン(アルデゲル)に抜かれてしまいました。でも今日のことは本当に喜んでいいと思っています。スプリントのなかで多くを学びました。明日の決勝ではプッシュできるところとタイヤをセーブしなければならないところがあります。今日はいい仕事ができたので、データをよく分析して、明日も好スタートを決めていいペースをつかみたいと思っています」
A・リンス選手(12位)
「スタートで大きく出遅れてしまいました。原因を確認しなければなりません。それを除けば、今日はいい一日でしたえ。Q1からQ2へ進み、Q2では単独走行中に好タイムが出たのでとても満足しています。でもスプリントでは、スタートでの問題のあと、あまり良いところがありませんでした。ベゼッキ、マルティン、ビンダーの後ろにつかまってしまいました。ソフトタイヤを履いていて、私にとっては正しいチョイスでしたが、最後の数ラップで限界ぎりぎりの走りになってしまいました。明日はミディアムを選択します」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「チームにとっては素晴らしい土曜日になりました。ファビオ(クアルタラロ)の予選3位獲得は、我々の進歩と方向性の正しさを証明してくれました。アレックス(リンス)もまたQ1を通過して9番グリッド獲得と素晴らしい仕事をしてくれました。昨日も言いましたが、グリッド前方からのスタートが大きな差を生むのです。ファビオは好スタートを決めて表彰台争いに絡むポジションを確保しました。そして最終コーナーの最終ラップで僅差まで近づきました。アレックスはグリッド3列目の恩恵を十分に生かせなかったので、明日は改善したいと思っていますが、走り自体は素晴らしく、リアのソフトタイヤをしっかりコントロールしていました。今日のスプリントを通じて、タイヤの消耗が鍵になることがわかりました。アレックスもファビオもグリップが低下したあともハイペースをキープできたことが、明日に向けての安心材料になります」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
A・フェルナンデス選手(18位)
「私にとっては決して悪くない展開でした。依然として後れを取っていますが、スピードもペースも上がってきていて、前との差を縮めてポジションを挽回し始めています。長い時間がかかっていますが、マシンのフィーリングが少しずつ向上し、決勝でのペースも上がってきています。今日はテストライダーというよりも本当のレーシング・ライダーのような気持ちになりました。セッティングを調整し、マシンを自分のライディング・スタイルに合わせて作り上げてきました。これは私だけでなくヤマハにとっても大切なことで、マシンの性能を最大限に引き出すために役立っていると思います。明日の決勝に向けて、いくつかのアイディアがあります。どんな展開になるか楽しみです」
J・ミラー選手(19位)
「今日はリアにソフトタイヤを選択しました。コイントスのような大きな賭けでしたが、結果的にうまくいきませんでした。8~9ラップ目くらいで苦しくなるだろうと思っていましたが、実際は4ラップ目ですでに問題が出たので正直なところ少し驚きました。気温が低かったせいかコース上の砂埃、あるいはその他の何らかの原因があったのだと思います。もちろんもっと良い結果を望んでいましたが、それでもなお試してみる価値はありました。スタートはうまくいったのですが、第1コーナー進入で慎重になり、集団に飲み込まれてポジションを上げることができませんでした。マリーニ、小椋、あとおそらくペッコ(バニャイア)も含めてカオス状態になっていたのです。なんとか自分のリズムをつかんで差を縮めていきましたが、マリーニをパスしてすぐ、コーナー進入で問題が始まりました。最初は最終コーナーで、そのあと至る所で苦戦するようになってしまいました。明日の決勝ではミディアム・タイヤに戻す予定です。スタートがうまくいけば挽回できると思います」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「チャレンジングな戦いになりました。そしてこのカタールGPは全体的に、非常に興味深いイベントになっていると思います。ひとつには、昨日のジャック(ミラー)の転倒で明らかになったように、私たちにはまだ改善の余地が多く残っているということです。そしてもうひとつはクアルタラロ選手が最後まで激しい表彰台を繰り広げ、ヤマハの大幅な進化を証明したことです。データによると、ジャックもアウグスト(フェルナンデス)も素晴らしいポテンシャルを発揮しています。それを結果に結びつけるのも時間の問題だと考えています。これからもヤマハとともにハードワークに取り組んでいきます。必ず結果につながると確信しています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(22番手/1分57秒601)
「タフな一日でした。でもQ1のなかでこれまでで最高のフィーリングを得ることができました。わずかながら進歩しているということなのでポジティブに受け留めていますし、それはチームが決してあきらめることなくハードワークを続けてきたおかげだと感じています。この状況でも依然として良いレースができると確信しています。必ずベストを尽くし、スタートでポジションを挽回し、安定したリズムを追求していきます」
I・ゲバラ選手(26番手/1分58秒130)
「過剰なほどのグリップと闘っています。とくにコーナー立ち上がりで苦戦しています。チャタリングが一層、激しくなっていて、コーナーで外側へ押し出そうとしてくるので、マシンを旋回させるのに時間がかかってしまうのです。決勝での挽回はいつも以上に厳しくなると思うので、取り組み方をよく考えたいと思います。昨日と今日のデータを注意深く分析し、一歩でも前進できるよう努力します。大変なチャレンジになりますが、ポジティブな気持ちを維持してポイント圏内を集中的に目指していきます」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「予選セッションは期待通りにはいきませんでした。当然、ポジションには満足していませんが、最大の困難を引き起こす特定のコンディションを把握できたことがせめてもの救いです。高いグリップ・レベルが激しいチャタリングの原因になっていて、そのせいでふたりはプッシュすることができません。それでもトニー(アルボリーノ)もイサン(ゲバラ)も懸命に努力を続け、チームとともに休むことなく問題解決に取り組み、少しずつ理想のセッティングに近づけてきました。明日の決勝は厳しい戦いになりますが、全員で100%の力を投入し、少しでも上のポジションを目指していきます」