MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.04 4月13日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦カタールGP
■開催日:2025年4月11日(金)プラクテイス
■開催地:ロサイル/カタール(5.380km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:32度
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:34度
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手が6番手でQ2進出決定、リンス選手は11番手
第4戦カタールGPのプラクティス(PR)でMonster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手が6番手を獲得し、早々にQ2進出を決定した。チームメイトのA・リンス選手もトップ10をキープしていたが、チェッカーフラッグが振られたあとに他車が上回り11番手となった。
クアルタラロ選手とリンス選手はフリープラクティス第1セッション(FP1)でそれぞれ11番手と13番手。PRでも着実に前進し、ふたり揃ってのトップ10入りへ向けて順調にセッションを進めていた。最終的にクアルタラロ選手は6番手を獲得してQ2進出を決定。リンス選手は0.03秒差で11番手となり、Q1からの復活を目指すこととなった。
クアルタラロ選手は、より激しい競争が予想されるPRで1ラップのパフォーマンス向上を目標に定めていた。1時間のセッションのなかで着実に計画を実行し、M1のセッティング調整を行ったあと、その成果を試すべくタイムアタックに臨んだ。そして全21ラップ中19ラップ目に1分51秒293へと更新し、トップから0.463秒差の6番手を獲得した。
一方のリンス選手は、日没により路面温度が下がったコースの状況を確認するため多くの周回を走行。残り15分でタイムアタックを行い、全22ラップ中の18ラップ目で1分51秒666を記録して10番手につけた。しかし残り時間0秒の表示が出たあと11番手に後退し、Q2進出のチャンスを逃している。トップとの差は0.8369秒だった。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手とフェルナンデス選手が転倒でQ2進出を逃す
Prima Pramac Yamaha MotoGPはプラクティス(PR)で厳しい展開を強いられた。J・ミラー選手はベストラップのペースで走行中に転倒し、その後タイムを伸ばせず17番手。一方のA・フェルナンデス選手もセッション中盤で転倒があり21番手に留まった。ふたりは予選セッションでQ1に出場し、Q2への復活を目指す。また怪我で欠場中のM・オリベイラ選手がピットで見守った。
ミラー選手はPR終了間際に第7コーナーで転倒した。同ラップの第1セクターで自己ベストを更新していただけに好タイムが期待されたが、チャンスを逸し、Q2進出を決めることができなかった。FP1でも転倒があったほか、食中毒にも悩まされており体調は最悪の状況にあるが、予選での速さで知られるミラー選手はQ1でトップ2獲得を狙う。
一方、怪我の治療が続いているオリベイラ選手に代わり出場しているヤマハ・テストライダーのフェルナンデス選手はPR中盤の第4コーナーで転倒して21番手。オリベイラ選手は今回、ロサイル・サーキットのピットのなかでチームをサポートしており、次のように語っている。
「家にいてソファに座ってレースを見るのはかなり辛いです。だからドクターに渡航が可能か尋ね、許可をもらいました。最初の3週間はまったく動けなかったのですが、その後、順調に回復していて、今は理学療法が始まり少しでも早い復帰を目指しているところです。月曜日にもう一度MRI検査を受けることになっています。当初考えたよりもずっと深刻で珍しい怪我だったようです。鎖骨を骨折しただけだと思い、手術を受けて3週間で戻れると考えていました。ところが実際にはそれよりずっと長くなってしまいました。復帰の時期? それは私もまだわかりません。自分で決められるのならすぐにでも乗りたいですが、次のヘレスは100%だとか50%の可能性だとかは言えない状況です。焦りたくはありません。すべてを適切に、ひとつずつ進めています。私が復帰するのは完全に治ったときです」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、チャタリングに苦戦
第4戦カタールGP初日、BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手とT・アルボリーノ選手はチャタリングの問題に悩まされ、思うようにペースを上げることができなかった。プラクティス(PR)でそれぞれ19番手と25番手に留まり、予選セッションはQ1へ進むこととなった。
第3戦アメリカGPで活躍し、今回さらなる飛躍を目指していたふたりにとっては非常に悔しい結果となった。グリップ・レベルの高いロサイル・サーキットでは、ボスコスクーロに乗る多くのライダーがチャタリングに悩まされ、スピード、リズムともに実力を出し切れずに終わっている。
夜間照明のもとで行われたPRでゲバラ選手は1分57秒964の19番手。Q2進出の条件となる14番手にコンマ2秒届かなかった。アルボリーノ選手はフリープラクティス第1セッション(FP1)から苦戦が続き、1分58秒451の25番手に留まった。チームはFP2およびQ1に備え、夜を徹して改善を目指す。
MotoGP PRACTICE RESULT
Moto2 PRACTICE RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(6番手/1分51秒293)
「2回目のアタックのほうがうまくいきました。限界までプッシュしなければならないことはわかっていましたが、正直に言うと、あのタイムは想像以上のものでした。あのスピードで好感触を得られたのは素晴らしいことです。第2セクターと第3セクターではまだ改善の余地があるので、明日はそこに集中して取り組みます。1ラップのタイムには満足しており、今日は良い結果を得ることができました。あとはペースについて考えていきます」
A・リンス選手(11番手/1分51秒666)
「わずか0.03秒差とは! でもベストを尽くし、マシンを最大限までプッシュした結果です。今日はいつもの金曜日とは違うシャシーを使用しました。以前にセパンで投入され、その後進化したものです。序盤から好調で、非常に気持ちよく走ることができました。またタイヤについても100%の力を入れています。このコースではレースの最後までタイヤをコントロールしなければなりません。グリップ低下が激しいので、スプリントでソフト・コンパウンドを使用するかはまだわかりません」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「チーム一丸となって初めからハードプッシュしていきました。例年はもっと早い時期に行われていたため気温が低かったのですが、今回驚かされたのは、暑くて埃もあるのにグリップが非常に高かったことです。そのなかで全体的には順調にウイークをスタートすることができたと思います。ファビオ(クアルタラロ)は最後のタイムアタックが素晴らしく、両ライダーの目標としているQ2進出を成し遂げました。アレックス(リンス)もあとわずかというところまで迫ったのですが、0.03秒差でトップ10を逃してしまいました。今晩と明日の午前中は予選への準備に集中します。スプリントと決勝をできるだけ前の方からスタートすることが非常に重要です」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(17番手/1分52秒024)
「一日を通して厳しい状況でした。でもマシンは問題なく走っています。午前中の転倒は私のミスで、少し欲張り過ぎてしまった結果です。前回のオースティンではフロントをわずかに上げたりポジションを変えたりとセッティングを何か所か変更していて、それを今回も引き続き使用して様子を見ることにしました。夜間のセッションでは、よりノーマルなベース・セッティングに戻してみると非常に好調で、自信を持つことができました。最初のアタックでは、第10コーナー進入で深く突っ込み過ぎて方向転換のところでラインをわずかに外してしまいました。それでも自信を持ち続けたまま2度目のアタックに臨み、第1セクターを完璧にクリアしました。でも第6コーナー立ち上がりでスピードが上がり過ぎていて、ややウイリーしてしまい、地面に落ちたところでマシンが少し揺さぶられました。次のコーナー進入では勢いをキープするためブレーキングに集中しましたが、フロントに負荷をかけ過ぎて転倒してしまいました。その結果、明日はQ1に進み運を試すことになりました。正直なところ、今日は直接Q2へ進むチャンスがあると思っていました。でもすべての要件を揃えることができなかったのです。明日またトライします」
A・フェルナンデス選手(21番手/1分52秒415)
「私にとっては通常のテストデーとなりました。オースティンよりも安定した走行時間がとれたので、さまざまなオプションを試しながらラップを重ね、リズムを作り上げていきました。そのなかで多くの収穫があり、今後進むべき方向性についても理解を深めることができました。個人的には速さとペースの追求に取り組んでいます。ラップタイムは少しずつ向上しており、上位グループとの差を縮めています。少し時間はかかりますが、全体的に順調です。転倒は、フロントエンドの性能が優れているためブレーキングがハードになり過ぎて起こりました。限界ぎりぎりで走っているときは、それを超えてしまうのもあっという間というわけです」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「今日はジャック(ミラー)が2度も転倒してしまいました。最初は彼のミスではありませんでした。でも彼は、何かがうまくいっていないときでも全力でトライしてしまうのです。それが彼のレーシング・スタイルだからです。シーズン開幕以来、最も厳しい金曜日になりましたが、心配しなければならないような問題はありません。今日のような一日でも学べることはあります。とは言え、2回目の転倒は非常に残念でした。ジャックは確実に進歩していましたし、マシンにも満足して、パフォーマンスは我々のいつものレベルまで戻っていました。それだけに私としては明日を楽しみにしています。このコースは彼のライディング・スタイルにベストマッチというわけではないかもしれませんが、改善に取り組む時間は残っています。アウグスト(フェルナンデス)もまた、素晴らしい仕事をしてくれました。短い時間と少ない経験のなかで上位陣からわずか1.5秒差につけたことは誇れる結果です。そして着実に進化し続けていることがとても重要なのです。順位には現れていないかもしれませんが、ラップタイムと上位との差を見れば全体像を理解できるでしょう」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(19番手/1分57秒964)
「予想以上に厳しい展開になりました。最初のセッションでは気温の高さの影響でパフォーマンスが上がらなかったので、夜間のプラクティスに期待していました。ところが夜は路面コンディションが大きく変化してしまい、グリップが高過ぎて走りにくく、とくにコーナー進入で苦戦しました。FP2までにデータを分析し、本来のポテンシャルを発揮できるよう、さまざまなオプションを試していきます」
T・アルボリーノ選手(25番手/1分58秒451)
「前回オースティンの初日と比べ、今日は非常に難しい状況になりました。マシンが大きく変化したように感じ、私だけではなく、ボスコスクーロに乗る全員が明らかに苦戦していました。しかしそれが我々の仕事です。走り出してすぐに良いフィーリングがつかめるコースもあれば、ハードワークが必要になるところもあります。このコースはグリップが高く、それが問題になっているので、落ち着いて仕事に取り組み、できるだけ影響を少なくできるセッティングを探していきます。またQ1もひとつのセッションととらえて作業を続け、理解を深めていきたいと思っています」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「もちろん、満足はしていません。チャタリングがまた発生してしまったのです。この問題はグリップ・レベルの高いコースでいつも起きています。ボスコスクーロに乗る他のライダーも同じ問題にぶつかっているので、ボスコスクーロとも協力して解決策を探していきます。改善のチャンスは残っているので、依然として自信は持っています。直接Q2に進めなかったことで、より難しい状況になったことは間違いありませんが、まだ時間はあります」