MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.04 4月13日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦カタールGP
■開催日:2024年4月11日(金)プラクテイス、12日(土)予選・スプリント、13日(日)決勝
■開催地:ロサイル/カタール(5.380km)
CIRCUIT DATA

■開設:2004年
■コース長:5.380 km
■ベストレースラップ:1分51秒762(2023年:L・マリーニ)
■オールタイムラップレコード:1分50秒789(2024年:J・マルティン)
■2024年の優勝者:F・バニャイア(ドゥカティ)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP、カタールGPへ準備万端
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとA・リンスは今週末、第4戦カタールGPに臨む。カタールGPは毎年、シーズン唯一のナイトレースとして特別な雰囲気のなかで行われる。
クアルタラロは第3戦終了時点でランキング12位タイ。ロサイル・インターナショナル・サーキットは必ずしも相性の良いコースではないものの、2021年には優勝を果たしている。第3戦アメリカGPでパフォーマンス向上が確認されているため、今回も同様のセッティングを採用してデータ比較を行うことにしている。
一方のリンス選手は現在ランキング15位。ロサイル・サーキットでは2013年のMoto3で3位表彰台を獲得している。MotoGPのベスト・リザルトは2019年の4位で、今年もポイント獲得を目指すと同時にクアルタラロ選手と同様、セッティングの調整に力を入れる。
ドーハ郊外に位置するロサイル・インターナショナル・サーキットは2004年にMotoGPを初開催。その4年後にはMotoGPで初めてかつ唯一のナイトレースを実施した。コースのなかで最も象徴的なのが1キロを超えるメインストレートで、それに続く第1コーナーの急カーブで多くのオーバーテイクが展開される。また中間セクションは合計16の中~高速コーナーが混在する、流れるようなレイアウトとなっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP、カタールGPでより一層の向上目指す
2週間前の第3戦アメリカGPではJ・ミラーが今季最高の5位、A・フェルナンデスが13位と活躍したPrima Pramac Yamaha MotoGPが、その勢いにさらに弾みをつけようとしている。ミラーのチームメイトのM・オリベイラは肩の負傷により今回も欠場し、引き続きフェルナンデスが代役を務める。
ミラーは2戦連続でヤマハ勢のトップに立つなど堅実なパフォーマンスを見せ、YZR-M1の強さを証明した。ロサイル・サーキットのレイアウトはヘビー・ブレーキングのコーナーが少なく、YZRの技術的特性に合っているとされる。
ロサイル・サーキットで13回目のレース出場となるミラー選手は2014年にMoto3で優勝し、その年にランキング2位を獲得している。一方のフェルナンデス選手は今回が7回目の出場で、2022年のMoto2でベスト・リザルトの4位を獲得してチャンピオンに輝いた。
ミラーは第3戦終了時点で合計19ポイントのランキング10位、フェルナンデスは合計3ポイントのランキング20位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計24ポイントでチーム・ランキング10位、ヤマハは合計28ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、カタールGPで安定感を追求
第4戦カタールGPはドーハ郊外に位置するロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。第3戦アメリカGPで印象的な活躍を見せたT・アルボリーノとI・ゲバラは、今回も好調を維持し、上位争いに挑む。
アルボリーノは前回のアメリカGPで2位を獲得し、BLU CRU Pramac YamahaのMoto2で初、自己通算29回目となる表彰台に上った。またチームメイトのゲバラはオープニングラップで12台をパスし、26番グリッドから5位まで挽回する大活躍となった。
全長5.38キロのロサイル・サーキットは合計16のコーナーを持つが、おもなブレーキング・ゾーンは第6コーナーと第10コーナーの2カ所のみで、ヘビー・ブレーキングよりもスムースなコーナースピードが重視される。1キロを超える長いメインストレートが最大の特徴となっており、スリップストリームの使い方が勝敗を左右することもある。
アルボリーノのベストリザルトは2022年の5位で、昨年は好スタートを決めたもののタイヤの問題により後退した。一方のゲバラ選手は2021年に7位、2022年に8位を獲得し、その年にMoto3チャンピオンに輝いた。
第3戦終了時点でアルボリーノは合計28ポイントのランキング5位、ゲバラは合計12ポイントのランキング12位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計40ポイントでチーム・ランキング5位、ボスコスクーロは合計69ポイントでコンストラクターズ・ランキングのトップに立っている。
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手
「ロサイルは例年、シーズンの最初に訪れる場所でしたが、今年は順番が変わりました。開幕前のテストが行われなかったこともあって、かなり久しぶりのような感じがします。今年は4月に入っているので、昨年の同大会よりも気温が高くなることが予想されます。暑く長いレースになりそうですが、楽しみにしています。前回のオースティンでは期待通りの結果は得られませんでしたが、スプリントではポジティブな部分も見られたので今回も頑張ります」
A・リンス選手
「依然として理想のセッティングを追求している段階です。オースティンから引き続きその課題に取り組んでいきます。ロサイルは高低差が激しいコースなので、その点にも注目する必要があるでしょう。でもすでに準備は整っており、意欲にあふれています」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「前回のCOTAで良いパフォーマンスを引き出すことができたので、今回はそこからさらに先へ進むことが目標です。サイティング・ラップの転倒やその他のトラブルがなければ、もっと良い成績を獲得できていたはずですが、そのなかでもM1のパフォーマンス向上を確認できたことは評価に値します。今回はそこをベースに、さらに上を目指していきます。ロサイルのコースの特性はヤマハのマシンに合っているので、良い流れをキープできると思います」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手
「ロサイルをとても楽しみにしています。ここはロング・コーナーが多く長いストレートがひとつだけとヤマハのマシンに合っているのです。第3戦アメリカGPでは一歩前進を実感できましたが、今回もっと多くのドライ・コンディションを走ることで進歩を継続できると考えています。オースティンでの好調はチーム全体の士気をより一層高めることにつながりました。同様の方向性で進み続けることが重要です」
A・フェルナンデス選手
「改めてミゲール(オリベイラ)の順調な回復をお祈りします。彼にとっては厳しい時間が続いていますが、一日も早く、より強くなって復帰できることを願っています。私にとっては今回もレースに出場できるのは素晴らしい機会です。オースティンの成果には満足できたので、YZR-M1でさらに周回を重ねれば完璧です。ロサイルは好きなコースなので楽しみにしています。ヤマハとPrima Pramac Yamaha のためにベストを尽くします」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「アメリカGPでは、ふたりが良好なセッティング・バランスを獲得できたことがデータで証明されています。今回はそこからさらに前進することが目標になります。ロサイルのコースは理論上、ヤマハのマシンがポテンシャルを発揮できるレイアウトになっています。正しい方向性を定めてウイークをスタートすることが重要なので、金曜日の夜、Q2進出が決まるプラクティスのあとでどのポジションにいるかが楽しみです。オースティンではミラーがマシンのパフォーマンスの限界までプッシュし、フェルナンデスはセッションごとにマシンに慣れて自信を深めていきました。ミゲールが引き続き欠場することになったことは非常に残念で、チーム全員が早い復帰を待っています。それと同時にアウグスト(フェルナンデス)の成績をさらに引き上げるためハードワークに取り組みます」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手
「オースティンの後は素晴らしい1週間でした。今季初の表彰台獲得がみんなの意識を高め、チームに安定感をもたらしてくれたような気がします。先週はアレックス(デ・アンジェリス)、クルーチーフのルカ(カポッキアーノ)、データアナリストのデビッド(グベリーニ)と有意義なミーティングを行い、自分たちのポジションや競争力向上のために何が必要かを理解できました。今は誰もが自信を持てるようになったので、私たちはまさに、あの好成績を必要としていたのだと思います。あとはこの勢いをカタールに持ち込むだけです。ロサイルは大好きなコースですし、毎年ボスコスクーロが活躍しています。私自身は表彰台こそまだですが、常に高い競争力を発揮してきました。そして今年は大きな一歩を踏み出せる予感がしています。オースティン、ロサイル、そして次回ヘレスと3戦を戦うなかで、シーズンの様相が見えてくるでしょう。チームは私が最高のパフォーマンスを発揮するために必要なものを着実に学んでおり、マシンは進化し続けています」
I・ゲバラ選手
「オースティンのあと、ますます期待が高まっています。ヘレステストや開幕戦のタイで使用したセッティングに戻してみたところ、大きな改善が見られたからです。今はとても前向きで、モチベーションも上がっています。先週はサイクリングやジムワークなど、あまり激しくなく体調を維持するのに十分なトレーニングに取り組みました。カタールでのレースはいつも楽しめていますが、何度か好成績を残しながら表彰台にはまだ届いていないので、今年こそ流れを変えてフラストレーションを解消したいと思っています。第1セッションからしっかり意識を集中し、100%の力を出し切ります。高順位でフィニッシュすることが目標です」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「今週末の展開がとても楽しみであり、自信も持っています。トニー(アルボリーノ)はシーズン序盤、チャタリングとフィーリングの問題に悩まされていましたが、前回採用したセッティングによって本当に問題が解決されたのかどうか、ウエットだけでなくドライでも確認してもらう必要があります。イサン(ゲバラ)に関しては、少なくともデータ上は彼がかなり特別なセッティングの恩恵を受けていることがわかりました。サーキット特有の要求よりも彼のライディングそのものに合わせたセットアップになっているようなのです。オースティンの決勝ではそのセッティングで26位から5位まで驚異的な挽回が実現したので、私たちは今回も同様の方法でウイークをスタートする予定です」