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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.03 3月30日 アメリカズ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第3戦アメリカズGP
■開催日:2025年3月29日(土)予選・スプリント
■開催地:オースティン/アメリカ(5.513km)

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:24度/路面温度:33度
■スプリント 気温:28度/路面温度:46度
■周回数:10周(55.13km)
■PP:M・マルケス(2分01秒088/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(2分02秒129)

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:24度
■PP:J・ディクソン(2分08秒216/ボスコスクーロ)

REPORT

MotoGP

クアルタラロがスプリントで6位獲得

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロがスプリントで6位を獲得。チームメイトのA・リンスも序盤は好調なペースを見せていたが、中団グループに飲み込まれて15位で終えた。

クアルタラロは先立って行われたQ1で2番手を獲得し、Q2に進んで11番グリッドを確保。スプリントでは4列目から絶好のスタートを切り、一気に4番手まで浮上してトップ争いに加わった。しかし4ラップ目の第15コーナーでマシンが大きく振られる間にF・モルビデリ(ドゥカティ)に先行されて5番手へ。さらに6ラップ目にはF・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)にも抜かれて6番手まで後退。それでも挽回を目指してペースを上げ、もう一度モルビデリの背後まで迫ったがわずかに届かなかった。一方で終盤では後方から近づいてきたP・アコスタ(KTM)を確実に抑えきり6位でチェッカーを受けた。トップとの差は10.676秒だった。

リンスは14番グリッドからスタート後、第1コーナーを巧みに抜けて11番手に浮上。しかしその後、中団グループに飲み込まれて少しずつ後退した。7ラップ目にM・ビニャーレス(KTM)のリタイアにより16番手に上がったあと、8ラップ目にはJ・ザルコ(ホンダ)をパスしてもうひとつ上げ、最終的にトップから18.181秒差の15位でゴールした。

この結果、クアルタラロ選手は合計10ポイントでランキング12位に浮上し、リンス選手は合計5ポイントでランキング16位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計15ポイントでチーム・ランキング8位、ヤマハは合計17ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

予選9番手のミラー、スプリントではポイントに届かず

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラーはQ2で9番手となりグリッド3列目を確保。しかしスプリントではスタートで出遅れ、後半で挽回したものの14位に留まった。一方、チームメイトのA・フェルナンデスは18位でゴールした。

前日のプラクティスではマシンとコースに好感触を得て6番手を獲得したミラー。Q2では2分02秒008に短縮して9番手と引き続きヤマハ勢トップのポジションをキープした。

ところが10ラップで競われるスプリントではスタートでリアタイヤをスピンさせて出遅れ、第1コーナー進入で大集団に飲み込まれて接触し、B・ビンダー(KTM)のアグレッシブなオーバーテイクをきっかけにさらに大きく遅れてしまった。それでもここから素早く挽回して5つポジションを上げたが、今後は他のライダーの直後を走行中に第11コーナーではらんで18番手に後退。後半で挽回したものの、他車との接触により右側のウイングを破損しており14位とポイント獲得には届かなかった。

一方のフェルナンデス選手にとっては10ラップのレースが重要な経験の機会になった。シーズン前のセパン・テストではドライ・コンディションに恵まれなかったこともあり、今回はミスを避け、レギュラー選手に比べて不足している周回数を重ねることで少しずつペースを上げていくことが目標。20番グリッドからスタート後、ふたつ上げて18位でチェッカーを受けた。

Moto2

アルボリーノが7番手グリッド3列目獲得

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノがQ2で7番手を獲得。チームメイトのI・ゲバラはマシンのフィーリングがつかめず、ベスト・セッティングが見つからないまま26番手に留まった。

アルボリーノはウイーク初日から決勝用・予選用の両方のセッティングでハイペースを披露。セッションごとにフィーリングも向上し、上位獲得を目指している。前日とは打って変わり好天のもとで行われた予選では全力でフロントロー獲得を目指したが、ベストラップ走行中の第13コーナーと第14コーナーでわずかにリアをスライドさせてコンマ数秒遅れてしまった。その結果、2分07秒903で7番手となりグリッド3列目スタートが決定した。

一方のゲバラは自身のライディング・スタイルに合ったセッティングがなかなか見つからない状況。前日のプラクティスでQ2進出を逃したあとQ1でも苦戦が続き、2分09秒280の26番手となっている。

MotoGP QUALIFYING RESULT

MotoGP SPRINT RESULT

Moto2 QUALIFYING RESULT

COMMENT

MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手(6位)

「今日はとても好調でした! 前回のアルゼンチンGPのときより安定性が増し、一歩前進していることを実感しました。それもあって自分の力をすべて出しきることができ、フィーリングもとても良く、非常に楽しいスプリントになりました。ストレートでのブレーキングが素晴らしく、これが私たちの強みのひとつなのですが、フロント周りの感触がとても良かったのでアドバンテージとして活用しました。しかしマシンを傾けたままブレーキングする第15コーナーではフロントを強くプッシュしてしまうことになります。そこで何度かミスをしましたが、今日はそのたびにうまく対処することができました。このあとはマシンのバランス向上を目標に作業に取り組み、明日に備えます」

A・リンス選手(15位)

「ブレーキングに苦戦しました。スタートはまずまずで11番手まで上がることができたのですが、その後の周回のなかでは第11コーナーと第12コーナーで大きくはらんでしまい、安定的なペースを保って走ることができませんでした。チームが何らかの解決策を持っているようなので成り行きを見守ります」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「昨日よりはずっと良かったと思います。午前中に行ったフリープラクティス第2セッションが非常に重要で、このコースで初めてフル・ドライになったので、そのなかで集中的にセッティングを煮詰めていきました。続いて予選セッションに臨むとファビオ(クアルタラロ)が素晴らしい仕事をしてくれました。Q1で2番手を獲得してQ2に進み、11番グリッドを確保したのです。スプリントでは4列目から絶好のスタートを切り、トップグループとともに後続を引き離し始めました。限界ぎりぎりの走りで、ときにはそれをオーバーしてしまうほどでしたが、そのたびに懸命に対応して転倒を免れました。彼のバトルやオーバーテイクがファンの皆さんを楽しませていると思いますし、私たちにとってもこの6位はここまでの努力が報われる大きなプレゼントになりました。アレックス(リンス)もまた好スタートを切って11番手まで上がりましたが、そのポジションをキープすることはできませんでした。大きな集団に阻まれてパスするまでに時間がかかってしまったのです。でも一旦前へ出るとラップタイムはどんどん縮まっていきました。今日のデータを分析し、明日の20ラップの決勝に備えて調整を試みます」

Prima Pramac Yamaha MotoGP

J・ミラー選手(6位)

「全体的にはそれほどひどい状態だったわけではありません。マシンのフィーリングは良かったですし、午後のセッションで行った変更が功を奏してより一層、向上していました。しかし残念ながらスプリントのスタートでリアタイヤをスピンさせてしまい、それが第1コーナーまで続いてカオスに巻き込まれてしまったのです。そのあとはチェッカーフラッグまで何度も接触があり、そのなかで右側のウイングを破損してしまいました。また他のライダーのスリップストリームに入ったときにはらんでしまったため、トラブルを避けるため長いラインを取ることにしました。ペースはとても良かったですし、セッティング変更もうまくいっていて、自信を持って走れていただけに残念です。一歩一歩、トップに近づいています。明日は好スタートを決め、上位グループでバトルしたいです」

A・フェルナンデス選手(18位)

「タフな一日でした。昨日が雨だったので、このコースで初めてのドライ・コンディションになったことで余計に苦戦することとなりました。今はセッションごと、ラップごとにM1への自信を深めていくことがおもな目標になっています。開発のためのテスト走行とグランプリでのレースとの間には大きな違いがあります。今は粘り強く作業に取り組み、着実にスピードを上げ、そしてミスをしないことに集中したいと思っています。まだ好成績は望めませんが、周回数を増やし、レースを完走し、できるだけ多くのデータを収集しています。今はそれが私の仕事です」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「悔しいですね。ジャック(ミラー)は予選で素晴らしいパフォーマンスを見せていたのでスプリントにも期待していまし、クアルタラロの活躍もYZR-M1の競争力の高さを証明するものでした。ジャックは昨日からクアルタラロとほぼ同等のペースで走っていたので、期待が高まっていたのです。しかしスタートで遅れ、オープニングラップで接触があり大きく後退してしまいました。そのあと懸命に挽回するなかでミスが出て、ポイント獲得のチャンスを失ってしまいました。後半のペースは素晴らしかっただけに残念です。今は明日の決勝に気持ちを切り替えており、重要な鍵を握ることになる好スタートを目指しています。アウグスト(フェルナンデス)については、現段階では多くを期待することはできません。まだ経験が不足していますし、テスト・セッションではパフォーマンスの高さそのものよりも開発に重点が置かれます。今は彼がマシンに自信を持てるよう、最大限の後押しをしたいと思っています。ここまで素晴らしい仕事をしてくれています。ミスをせず、できるだけ多くの経験を積み重ねることが今後、必ず役に立つことになるのです」

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2

T・アルボリーノ選手(7番手/2分07秒903)

「セカンドローまでに入れるだけの材料がすべて揃っていたのですが、小さなミスでチャンスを逃してしまいました。でもそのことにくよくよするより、今はここまでの継続的な進化を嬉しく思っています。これは軽率な判断をせず、熟慮した結果として獲得できた安定的な進歩です。シーズン開幕時点の立ち位置とトップライダーにかなり近づいた今のポジションを現実的かつ謙虚に認識する必要があります。私は依然として旋回中の敏捷性が不足していると思っていて、その点では未だに自分の理想に届いていませんが、チームのハードワークのおかげで良い結果が現れています。ゴンザレス選手の後ろについて走っていたときに小さなミスをしてリアグリップを失ってしまったことは残念です。でも決勝の走りではいいペースを持っています。今回絶好調のディクソン選手にチャレンジするのは難しいかもしれませんが、レースはいつでも予測不可能なものです。今回はアグレッシブにスタートし、その後の展開を見守るつもりです」

I・ゲバラ選手(26番手/2分09秒280)

「マシンのセッティングがなかなかつかめず、ここまで非常に厳しい状況が続いています。好調だったタイGP以降、さまざまな変更を試してきたので、ここで一度立ち止まり、選択肢についてしっかり分析する必要があるでしょう。タイではロングラップ・ペナルティを受けるまで5位を走っていました。あれが私の実力で、今回のはそうではないと思っています。グリッドポジションを考えれば失うものは何もないので、シーズン初めのセッティングに戻して様子を見るのが最善の解決策です」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「トニー(アルボリーノ)は私たちの期待通りに着実に進化しています。まだ目標には届きませんが、急速にトップとの差を縮めています。グリッドは3列目となりましたが、一時は1列目でないとしても2列目は確実だと考えていました。残念ながらベストラップ走行中の小さなミスでわずかに遅れてポジションも下げることとなってしまったのですが、依然として決勝には自信を持っています。一方、イサン(ゲバラ)のポジションには満足できていません。早く原因を突き止めなければなりません。以前うまくいっていたセッティングを今回は使っていないので、データ上はこのコースに合わないかもしれませんが、自信をつかむためにも以前のものに戻してみることを検討しています」

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