ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 8月10日 インディアナポリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第10戦インディアナポリスGP
■開催日:2014年8月9日(土)予選結果
■開催地:アメリカ/インディアナポリス(4.216km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:35度
■PP:M・マルケス(1分31秒619/ホンダ)
REPORT
ロレンソが3位でフロントロウ、ロッシは5位で2列目を獲得
モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソが予選3位を獲得。チームメイトのV・ロッシも5位につけた。
ロレンソは序盤からクリアラップをとるため、15分間のタイムアタックを最後尾からスタート。すぐにペースをつかんで、5分後には1分32秒177を記録してトップに立った。残り7分でピットに戻り、タイヤを交換して再度コースイン。その1分後には1分31秒869の自己ベストを達成し、このタイムで3位を獲得。あと1ラップの走行が可能だったが、B・スミスが転倒したことでペースダウンを強いられ、そのまま終了した。トップのM・マルケスとの差は4分の1秒。
一方のロッシは早々にコースイン。残り8分で1分32秒692を記録して8位へ浮上したあと、全体のペースが上がったためひとつポジションを下げた。まもなくしてピットに戻りタイヤを交換。残り5分のタイムアタックに臨み、その最終ラップ、残り10秒で1分32秒160まで更新して一気に4位に浮上した。しかし、その後A・エスパルガロに先行されて5位に後退。トップとの差、0.541秒でセカンドロウからのスタートが決定した。
モンスター・ヤマハ・テック3のP・エスパルガロは予選6位を獲得。午前中のセッションでは、トップから0.275秒差の1分32秒797で5位となり直接Q2に進出。またその前に行われたフリープラクティス第4セッションでは2位につけていた。Q2ではさらにペースを上げて6ラップ目で1分32秒243まで更新。このタイムはフロントロウ最後の位置、ヤマハ勢トップのロレンソに0.374秒差まで近づくものだった。エスパルガロはこの結果に自信を深めており、明日の決勝では、ランキング7位獲得を目指してさらにポイントを伸ばそうという意気込み。
チームメイトのB・スミスは、Q2の最終ラップで転倒があったものの9位を獲得。フリープラクティス初日の第1セッションでは2位と健闘していたスミス。2日目のフリープラクティス第3セッションでも好調を維持し、1分33秒202で8位につけてQ2に進出した。午後からの予選セッションでは1分32秒343まで更新して4位までコンマ2秒と迫ったものの、その後、最終ラップで転倒した。この転倒で以前に負傷した指を傷めたが、明日は出場を決断している。決勝ではトレードマークになっている好スタートを決め、好成績獲得を目指す。
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロは予選4位でセカンドロウを獲得。チームメイトのC・エドワーズは15位に留まり5列目からのスタート。
エスパルガロは最初のタイムアタックから好調をキープし、セッション終盤には1分32秒113まで更新。今回もオープン・カテゴリーのトップを獲得した。一方のエドワーズは、午前中のフリープラクティスでは思うような走りができず苦しんだが、予選セッションではセッティングが改善されて1分33秒625を記録。決勝に向けて自信を深めている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.619 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'31.844 |
3 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.869 |
4 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'32.113 |
5 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'32.160 |
6 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'32.243 |
7 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'32.254 |
8 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'32.331 |
9 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'32.343 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'32.514 |
11 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'32.714 |
12 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'32.794 |
13 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'33.166 |
14 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'33.294 |
15 | C・エドワーズ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'33.625 |
16 | L・キャミア | Drive M7 Aspar | Honda | 1'33.747 |
17 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'33.837 |
18 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'33.948 |
19 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'34.244 |
20 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'34.332 |
21 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'34.369 |
22 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.764 |
23 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.814 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分31秒869)
「4回目のフリープラクティス・セッションでは、ハード・コンパウンドのタイヤに合わせた新しいセッティングをテスト。でもそれがうまくいかなかったので、原因がタイヤにあるのかセッティングのほうにあるのか追求しなければならない。ソフト・タイヤを履いているときはマシンがとてもよく走ってくれるのに、昨日、ハード・タイヤを試したときも調子が上がらなかったんだ…。明日のウォームアップ・セッションで、もう一度ハード・タイヤでのフィーリングを確かめたい。予選セッションではタイム短縮を目指し、最初のトライから満足できた。2度目のアタックで、もう少し縮めたかったけれど、前にたくさんのライダーがいたため思うように走ることができなかった。結局コンマ2秒しか短縮できなかったけれど、そのタイムでフロントロウを獲得することができた。決勝スタートには良いポジションだ」
V・ロッシ選手談(予選5位/1分32秒160)
「とても満足しているよ。とくに午後は調子が良かったから、もう少し上げることも可能だったと思う。フリープラクティスの第4セッションでも安定して速く走ることができたので、予選5位からのスタートでOK。もちろんフロントロウを獲得できればもっと良かったけれど、5位でも問題ないよ。それよりも、いいペースで走れていること、セッティングが順調に仕上がってきていることが重要だと思っている。ただ、決勝ではリアタイヤのチョイスが課題になるだろう。ソフトでもハードでも状態がとても似ているので、難しい判断になりそうだ。新しい路面は、走るたびに感触が変わる。今の時点では、昨日はうまくいかなかった柔らかめのタイヤのほうが、どうやら良さそうなんだけれど…」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談
「ホルヘが1列目、バレンティーノが2列目と良い位置につけることができた。ホルヘはセッション・スタートから速く、非常に良い状態で走っていた。バレンティーノも2回目のアタックではクリア・スペースを見つけて大幅にタイムを更新し、セカンドロウまで浮上することができた。ふたりとも、もう少し改善できる点がいくつか残っており、タイヤ・チョイスの判断もこれから。今夜も作業を続け、明日のウォームアップに備えたい。ホルヘもバレンティーノもここまで着実にペースを上げてきているので、スタートさえうまくいけばトップ争いに加わることができるだろう」
モンスター・ヤマハ・テック 3
P・エスパルガロ選手談(予選6位/1分32秒243)
「セカンドロウ獲得に満足。明日に向けて自信がついた。僕の前にはオープン・カテゴリーのマシンが2台いるが、決勝でのペースは僕のほうが上だと思っているので、スタートさえうまくできれば彼らを抑えてトップ5に入ることができるはずだ。タイヤについては、ソフト・コンパウンドがかなりしっかりグリップしてくれるが、ここは路面が強いので最後までもたないかもしれない。明日の朝のウォームアップで状況を判断してからタイヤを決めることになるだろう。僕自身はどちらのコンパウンドも気に入っているので、今回も好成績を続けられるよう明日に期待している」
B・スミス選手談(予選9位/1分32秒343)
「転倒で終わるのが最善の方法でないことは言うまでもない。でも幸いにも大きな怪我がなくて、明日の決勝は問題なく出場することができるのでほっとしている。リアタイヤは最大でもあと2ラップしかもたないというところだったのに、あの時は3ラップ目にトライしてしまった。それが転倒の原因だ。ラップタイムには十分に納得していて、3列目スタートという結果に満足しているよ。フリープラクティス第4セッションでは、チームと協力してとてもいい仕事ができた。決勝に備えてハード・タイヤを使用し、好感触を得ることができたんだ。コンパウンドの最終決定は、明日のウォームアップで路面のグリップ・レベルを見てから判断する予定。マシンのフィーリングが良ければ、どちらのチョイスでもOK。3列目から好スタートを決めて、力強い走りで積極的なレースを展開したい」
NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(予選4位/1分32秒113)
「フリープラクティスでは、シャシーを比較しながらテストしたりとセッティング向上のためにいろいろ苦労してきたけれど、今日はそれを良い結果に結び付けることができた。2列目までに並ぶことはとても重要だと思っているので今は満足しているよ。フリープラクティス第4セッションでは多くのライダーがかなり接近していたので、明日は難しいレースになりそうだ」
C・エドワーズ選手談(予選15位/1分33秒625)
「予選セッションはとても良かったと思う。午前中のセッションではリアの荷重が大き過ぎたので、フリープラクティス第4セッションで調整を行いフィーリングが少し改善されたんだ。コース脇ではテキサスの旗がたくさん振られていて、アメリカのレースファンが僕をしっかりサポートしてくれている。決勝では彼らに応えるためにもベストを尽くしたい。明日がとても楽しみだ」