ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 11月8日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第17戦バレンシアGP
■開催日:2009年11月6日(金)フリー走行1
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:17度
REPORT
ロレンソ、フリー走行で2番手
MotoGP最終戦がスペインはバレンシアで開催される。フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソとV・ロッシはその初日、フリープラクティスをそれぞれ2位と4位で終えた。いずれもいくらかの課題を残したが、最終戦を最高の形で締めくくろうと決意を固めている。とくにロレンソは、ランキング2位を確実に手中にしたいところ。
ロレンソにとってここバレンシアは、未だ優勝経験のない3つのサーキットのうちのひとつだが、今日はセッション序盤から好調ぶりを見せてほとんどの時間帯でトップをキープ。最後の5分になってC・ストーナーに逆転され2位に後退したが、その後もタイムを更新して0.382秒差まで詰めた。一方のロッシも序盤から順調な走りを見せた。いくつかのセッティングを試しながらさらにペースを上げ、D・ペドロサの後ろの4位でセッションを終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ7位と13位。ランキング5位獲得を目指すエドワーズはふたつのセッティングを試し、2台目のマシンがより好調であると判断。ジオメトリーを変更したことでフロントまわりの動きが良くなり、1分34秒123のベストタイムで7位につけた。一方のトーズランドは、モンスター・ヤマハ・テック3チームの一員としての最後のレースを順調にスタート。強風と、フロントタイヤの振動に苦労しながらも1分34秒865を記録して13位となった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'32.813 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'33.195 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.241 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'33.499 |
5 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'33.910 |
6 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.106 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.123 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.382 |
9 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'34.427 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'34.462 |
11 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'34.696 |
12 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'34.859 |
13 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.865 |
14 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.873 |
15 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'35.052 |
16 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.131 |
17 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'35.258 |
18 | A・エスパルガロ | Pramac Racing | Ducati | 1'35.458 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行2番手/1分33秒195/32周)
「ここは僕がまだ1度も勝ったことのないサーキットのうちのひとつ。だから今回はどうしても挑戦したいんだ!今日の出来はとても良かった。リズムがとても良く、安定してハイペースをキープできた。今は大きな手応えを感じているので、明日以降もこの調子を維持していきたいと思っているよ。あとは今日のデータをよく分析して、さらにタイムを詰めるには、どうしたらいいか考えなければならない。明日の公式予選で、またフロントロウにならぶためにね!」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「いつものように、とてもいいスタートを切ることができた。セッションを通じて同じタイヤを使用し、とてもいいペースをキープすることができた。でも決勝はもっと速いペースになるはずなので、明日以降、さらに改善していく必要がある。データは豊富にあるし、ホルヘからのリクエストもはっきりしているので、明日はそれに沿って作業を進める予定」
V・ロッシ選手談(フリー走行4番手/1分33秒499/30周)
「世界チャンピオンになって、もうポイントのことを考えずに走れるというのは、とてもいい気分!今回はとにかく、いいレースをしてシーズンを締めくくりたいということだけ。今日は、走りは悪くはなかったけれど4位という結果にはやはり満足できない。でもトップに遠く及ばないという訳ではないし、作業はいい感じで進んでいたから何も心配していないんだ。このコースでのパフォーマンスを少しでも改善していくために、いくつかのセッティングを試して、最終的にはまずまずのタイムに結びつけることができたと思うよ。明日はまたたくさんの課題があって、ブリヂストンのハードタイヤを試し、セッティングをさらに煮詰めていきたい。でも今のところ作業は順調に進んでいるよ」
D・ブリビオ、チーム監督談
「フリープラクティスに臨むにあたって、いくつかの異なるセッティング・プランを用意していた。そして1時間のセッションのなかで、それを慎重にチェックしていった。これからデータを比較しながら、明日の作業につなげていきたい。バレンティーノのペースはすでに上がっていて、気持ちよく乗れているようなので、今回もまたいいレースができると確信している」
C・エドワーズ選手談(フリー走行7番手/1分34秒123/27周)
「ここは体力的に厳しいコースで、今日はかなりハードワークだった。どうやら僕も、だいぶ歳をとったようだね...。序盤はタイムがなかなか上がらず苦労したけれど、最後にはフィーリングがかなり良くなってきたよ。マシンは2台用意していて、1台目はかなりいい感じだった。2台目は僕がマレーシアで要求したことをベースにセッティングしたもので、ジオメトリーのセッティングが異なっているんだけれど、こちらのマシンはコーナーでの切り返しがとてもいい感じだ。
今シーズンずっと悩まされてきたのがこの部分なんだ。マシンを寝かせてコーナーに入って行こうとすると、しばらくは真っ直ぐに行ってしまう感じがあったけれど、今回はコーナーに進入したあと出口の方ではらむことがなく、旋回を続けてくれる。ランキング5位獲得の可能性がまだ残っているけれど、決して簡単ではない。けれど僕はモンスター・ヤマハ・テック3のために全てを賭けるよ。僕の前の4人はもう別のリーグだと思っているから、あとはドビツィオーゾとの一騎討ちだ」
J・トーズランド選手談(フリー走行13番手/1分34秒865/27周)
「先週、スーパーバイク仕様のYZF-R1で200ラップも走った。だから、今日はMotoGPマシンに身体を慣れさせるのに少し時間がかかってしまったよ。セッション序盤はまずまずだったんだけれど、そろそろペースを上げてラップタイムを上げていこうというとき、フロントに問題が出てしまった。振動が少しあって、それを抑えるために変更を行ったことでまた時間を費やした。風の影響もあって、とくに高速のセクションでは強風であおられてラインを外れてしまう。それでも多くのデータを収集することができたし、明日以降もっと向上するためのアイデアもあるので、もう少し順位を上げていけると信じている。今回はモンスター・ヤマハ・テック3チームで最後のレースになるので、何としても好成績で締めくくりたい」
B・スピース選手談(フリー走行15番手/1分35秒052)
「1回目のセッションは実際、とても良かったんだ。ポジションではいつものようにはいかなかったけれど、僕はもう1年もGPマシンに乗っていなかったし、ヤマハに跨がるのはこれが初めてだということを考えれば十分にうまくできたと思う。そして少しずつYZR-M1のキャラクターを理解できるようになっているから、1日目の走行としては、この20ラップにとても満足している。赤ちゃんのような歩みをしばらく続けて、少しずつ着実に前進していきたい」
M・メレガリ、ステリルガルダ・ヤマハ・チーム監督談
「マシンもタイヤもまったく初めての経験となったフリープラクティス1日目に、ベンはいつも通りの素晴らしい仕事をしてくれた。我々チームとしてこれ以上のことは何も望んでいなかった。たった1度のセッションでコメントするのは早いかもしれないが、満足していないとは決して言えない。ベンはひとつのタイヤを使い続けることを希望しており、今回はただマシンに少しでも長く乗ってスーパーバイクとの違いに身体を慣れさせようとしていた。明日はきっとまた一歩前進するだろう。私は今まで通り彼を信頼し、楽観している」