ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 11月8日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第17戦バレンシアGP
■開催日:2009年11月6日(金)1日目フリー走行、7日(土)予選、8日(日)決勝
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1999年
■コース長:4.005 km
■サーキットレコードラップ:1分32秒582(2008年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分31秒002(2006年:V・ロッシ)
■2008年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
最終選で3冠獲得を狙う
モトGPシーズンは今週末、スペインはバレンシアで最終戦を迎える。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソはここまでに合計10勝を挙げ、近年でも最高と言えるような見応えあるレースをいくつも披露してきた。ロッシは前回のマレーシアですでに、自己通算9回目となる世界選手権タイトルを獲得。同時にフィアット・ヤマハ・チームのチーム・タイトルも決定しており、今回はマニュファクチャラー・タイトル獲得を目指して臨む。ヤマハの‘三冠’が決まれば、昨年に続き2度目、また2004年にロッシが加入して以来3度目の記録となる。
ロッシの今回のタイトル獲得は、9年を経てもなおその輝かしい才能が少しもかげりを見せていないことを証明するものだが、ロッシ本人は、今までで最も厳しいシーズンであったことを認めている。そしてそのおもな原因となったのが、若いチームメートの存在だった。ロッシは今季これまでに6勝しているが、これは他の8つのタイトル獲得時と比較して最も少ない記録。それだけにこの最終戦では、もう一度、表彰台の最も高いところを目指したい。タイトでツイスティーなバレンシアはあまり好きなコースではないことを本人も認めているが、これまでに2勝を挙げており、その他にも昨年の3位を含め3回、表彰台に上っている。
ロレンソのモトGP2年目は、大活躍だった1年目よりもさらに一段と輝きを増していた。4回の優勝を記録したばかりでなく、年上で非常に経験豊富なチームメイトと何度も熾烈なバトルを展開して注目を集めたのである。ここバレンシアではまだ優勝経験がないが、2005年には2位、そして2006年にはここで、250ccクラスの初タイトルを決定した。ロレンソは今回、わずか1ポイントを獲得することでランキング2位が確定する。モトGP参戦2年目としては十分過ぎる成績と言えるが、それとは別に、本人はやはり最終戦を良い形で締めくくりたいという気持ちは強く、少なくとも表彰台に上りたいと話している。
競技場のようなユニークなスタイルのこのコースに、例年通り13万もの大観衆が集まる予定。コースはおもに、いくつものタイトなコーナーを短いストレートがつなぐレイアウト。これに加えて長く旋回する左コーナーと高速の第1コーナー進入が配され、次々にマシンの向きを変えるシケインや低速コーナーが続くインフィールドとコントラストを成している。
COMMENT
V・ロッシ—“素晴らしいシーズンの終幕”
「タイトルを決定してから最終戦を迎えられるのはとてもハッピー! プレッシャーはもうないので、僕だけでなくてチームのみんなも楽しんでレースに臨むことができるよ。ここまで本当に素晴らしいシーズンで、いよいよあと一戦だけというところまできた。そしてそれが終わればもう、2010年に向けての仕事が始まるんだ。バレンシアではあまりいい成績がなくて、逆に何度か失敗もしているけれど、今年はすべてがとても順調で、マシンもどのコースでもよく走ってくれるので今年こそはと期待している。ここは雰囲気が最高だから、シーズンの締めくくりにはもってこいの場所! 僕らはとにかくベストを尽くし、ここでもう一度いいレースをお見せしてシーズンを終えたいと思っている。そして月曜日にはもう、新型M1のテストが始まる。今からとても楽しみだよ!」
D・ブリビオ—“ハードワークの結実”
「ついに最終戦がやってきた。チームとしての仕事を完成し、タイトルを決定してこのレースを迎えることができるのは素晴らしい気分だ。セパンでの出来事は誰にとっても忘れがたいもの。チームのみんなと、そしてもちろん、頂点を追求することを決してあきらめようとしないバレンティーノとの努力が実を結び、あのような素晴らしい瞬間を迎えることができたと思う。さらにこの最終戦を好成績で締めくくるために、今回も今まで通りにベストを尽くすつもりだ。そして次の月曜日からは、早くも2010シーズンに向けての2日間のテストを予定している」
J・ロレンソ選手—“最終戦に最高の舞台”
「バレンシアは最終戦として最高の舞台だと思うんだ! 地元だから大勢のファンが応援してくれるからね! ここではまだ優勝したことがないし、ヤマハとの相性も最高というわけではないことはわかっているけれど、今回はそれを覆してできる限り良い形でシーズンを締めくくりたいと思っているよ。この2戦は、ちょっと苦労しちゃったから余計にね! それにランキング2位を獲得するためにはあともう1ポイントが必要なんだ。それを何とか、表彰台あるいは優勝で決めたいんだ。それがこのバレンシアでの目標だね。このコースでのベストレースは2005年の2位。でも一番の思い出はやっぱり、2006年にここでチャンピオンを決定したことかな。2009年はここまで僕にとってもヤマハにとっても素晴らしいシーズン。このホームレースでファンのみんなと喜びを分かち合いたい」
D・ロマニョーリ—“最終戦に向けて準備万端”
「最終戦に向けての準備は整った。チャンピオンシップのウイナーはすでに決まったが、我々の仕事はまだ終わっていない。少なくともあと1ポイントがどうしても必要なのだ。それが実現して初めてホルヘのランキング2位が決定する。理論上、それは難しいことではないが、レースではどんなことも起り得る。だからいつも通りにベストを尽くし、最高の形、つまり表彰台に上ってシーズンを締めくくりたい。スペインでのレースはホルヘに更なるモチベーションを与えることになるだろう。ホルヘはここでもう一度、モトGPファンのために見事なショーを披露してくれると確信している。今までと同じようにね!」