ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月25日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦マレーシアGP
■開催日:2009年10月23日(金)1日目フリー走行、24日(土)予選、25日(日)決勝
■開催地:マレーシア/セパン
CIRCUIT DATA
■開設:1956年
■コース長:5.548km
■サーキットレコードラップ:2分02秒108(2007年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:2分00秒605(2006年:V・ロッシ)
■2008年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
タイトル獲得へのマッチポイント
MotoGP第16戦が今週末、マレーシアはセパン・サーキットで開催される。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソは、ここまでの15戦で合計10勝、またどちらか一方が表彰台を逃したのは1戦のみという絶好調ぶりで、チーム史上最高のシーズンを送っている。今回はロッシにとっての最初の‘マッチポイント'で、自己通算9回目となる世界選手権タイトルが決定する可能性がある。
前回のオーストラリアGPでは2位となったロッシ。シリーズポイントではチームメイトのロレンソに38ポイント差をつけてランキングトップに立っており、この第16戦終了時点で25ポイント以上の差があればタイトル獲得が決定する。オフシーズンのテスト・コースとしても利用されるこのコースはほとんどのライダーがよく知り尽くしているが、そのなかでもロッシは5勝を記録しており相性は抜群。昨年は日本GPでタイトルを決定した直後のこのレースで優勝を果たしている。また2005年にはここで、2位獲得と同時にヤマハで2度目のタイトル獲得を決めており、今年も再現を目指したいところだ。
一方のロレンソは、前回のフィリップアイランドでは第1コーナーで転倒。切り傷と打撲があったが、幸い大きな怪我がなかったため、1週間後のこのレースで早くも雪辱を期す。チャンピオン獲得の可能性がかなり低くなった今、残りの2戦はひとつひとつのレースに集中し、ランキング2位を確実に手中にすることが目標となる。昨年のこの大会では12周目に転倒しているが、それ以前にはいくつかの好成績を記録しており、2006年は優勝、2007年はここで2度目の250ccクラスタイトルを決定している。
セパン・サーキットは1999年、最高水準のモーターレース開催地として設立。16メートルもの最大コース幅はMotoGPコースのなかでも最も広い。前回のフィリップアイランドでは雨や低温、強風に悩まされたが、熱帯地方のセパンではむしろ、その高温高湿のコンディションによってマシンの耐久性やライダーの持久性が試されることとなる。全長5.542kmのコースのなかにはおもなヘアピンが4つと、頻繁に方向の変わるいくつかの高速コーナーがある。マシンのセッティングについては全体のバランスと安定性が厳しく要求されるため、冬季には絶好のテストコースともなる。
COMMENT
V・ロッシ-"マッチ・ポイント"
「フィリップアイランドは、ポイントの面で思いがけないプレゼントのようなもの。そして今、フィリップアイランドと同様に大好きなコースのセパンで最初の‘マッチポイント'を迎えようとしている。レースではもちろん、どんなことでも起り得る。でもこのコースは僕との相性がとても良くて、ヤマハのマシンもいつも順調に走ってくれるから、チャンスは十分にあると思っているんだ。チームはいつも素晴らしい仕事をしてくれているから、それと同じことを今回もやっていけば、きっといい結果が出るだろう。とは言っても戦いは依然として厳しくて、みんなが集中力とモチベーションを持って志気を高めているから、一瞬も気を抜くことなどできない。今はそういう時期なんだ。今回の僕らの一番の目標は、タイトルに少しでも近づくこと。そのためにできることをすべてやって、あとは日曜日の結果を待つだけ」
J・ロレンソ-"目標達成を目指す"
「前回のオーストラリアは残念な結果になったので、すぐにまた次のレースのチャンスが巡ってくることは大歓迎。怪我はなかったから、万全の状態でレースに臨むことができるよ。今はもう、チャンピオンのことは考えていない。目標はランキング2位を獲得することなんだ。MotoGPデビューからたった2年でランキング2位になれれば、すでに十分に素晴らしいことだし、実際にそれを達成したなら心から喜べると思うよ。セパンは大好きなコースで、テストでもたくさん走っているからよくわかっている。レースでの成績もいくつかいい思い出が残っていて、とくに2007年には、ここで250ccクラスのタイトルを決めることができたんだ。今回はチームも僕も、とにかく順調にウイークを進めていくことを目指していて、最終目標達成のためにできるだけ多くのポイントを獲りたいと思っている」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"誰もが興奮するウイークエンド"
「チャンピオンシップもいよいよ最終段階に入った。そしてこのセパンが、我々にとってはおそらく最も重要なレースになるだろう。前回のフィリップアイランドからわずか数日しか経っていないが、水曜日にはもう集中力を取り戻して全力で攻めていかなければならない。目標はもちろん、タイトル獲得のためにベストを尽くすことだ。現時点で38ポイントのリードがあるが、作戦は前回のオーストラリアと同じ。つまり片方の目でタイトルを、もう片方の目で優勝を狙っていくということだ。誰にとっても最高にエキサイティングな週末になると思う」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督
「今回、最も重要なことは、前回のオーストラリアでの残念な結果を克服して、良い状態で戦いに復帰するということだ。ここセパンでは昨年の冬のテストでいい走りができているので、今回もきっと順調に進めることができるはず。そしてそれを目指して、チーム一丸となって挑むだけだ。あと残り2戦となった今、ホルヘのランキング2位獲得を確実にすることがチームの最大の目標。みんなが全力を尽くすことで、今シーズンを最も良い形でしめくくることができるだろう」