ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月6日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2009年9月5日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:37度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分34秒338)
REPORT
ロッシが今季6度目のポールポジション
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが今季6度目のポールポジションを獲得。3回のセッション全てでトップタイムを記録したことになる。一方、チームメイトのJ・ロレンソも3位と健闘し、開幕以来毎回続けてきたフロントロウ獲得の記録をまた更新した。
海風によっていくらか涼しくなったミサノ・サーキット。しかし熱い戦いは依然として続いており、午前中のセッションではロッシがロレンソをコンマ2秒差で抑えてトップ。午後からの予選ではロレンソがまずトップに立ったが、残り20分の時点でロッシが上回りトップに浮上した。ふたりともセッティングは順調で、決勝用マシンでハイペースをキープしている。
ロッシのこのタイムはもはや更新不可能かに思われたが、終盤になって各車がソフトタイヤに交換し最後のアタックを始めると、ロレンソとペドロサがタイムを更新してトップが何度か入れ替わった。しかしロッシは最終ラップで再び逆転し、自己通算58回目となるポールポジションを獲得した。ロレンソも最終ラップでファステストタイムを出したが届かず、3位で終えた。明日も熾烈な戦いが予想される。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ5位と14位。エドワーズは残り18分で10位から一時4位まで浮上。最後から2周目で1分35秒184のファステストラップを記録したが、順位はひとつ下げて5位となった。フロントロウとの差はコンマ3秒。前回のインディアナポリスでの好調をそのままに、今回は5位獲得を目指して決勝に臨む。一方のトーズランドは、フロントのセッティングを変更したがパーフェクトなバランスが見つからず苦しい展開。エンジニアたちと対策を話し合い、明日のウォームアップ・セッションで最後の変更を行う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'34.338 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.560 |
3 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'34.808 |
4 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.907 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.184 |
6 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.223 |
7 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.343 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.492 |
9 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.554 |
10 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.561 |
11 | M・カリオ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.601 |
12 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'35.785 |
13 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.790 |
14 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'36.070 |
15 | A・エスパルガロ | Pramac Racing | Ducati | 1'36.228 |
16 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'36.264 |
17 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'37.091 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選1位/1分34秒338/29周)
「今日はもう少し涼しくなるかと思っていたんだけれど、最後には結局、昨日とあまり変わらないくらいになってしまったね。だから今日もやっぱり、大変なハードワークだったよ。午後のセッションではグリップがあまり良くなくて、決勝用セッティングでとくにきつかったんだけれど、もう一度モディファイを行ったら一気に解決してフィーリングがとても良くなったんだ。ミサノでポールポジションを獲得できたのはすごくうれしい。タイムアタックの最後のタイヤに履き替えた1周目が最高で、それがポールタイムになった。チームがF1のピットストップみたいに素早くタイヤを替えてくれたおかげだよ。
誰か僕のヘルメットのことを気にしている人がいるかな?ロバの絵が描かれているんだけど、イタリアではのろまのことで、何か失敗したりしたときにはロバのようだって言われるんだ。僕はアメリカで失敗してしまったから、今回はこれをつけることにしたんだよ」
D・ブリビオ、チーム監督談
「バレンティーノはどうやら、ここミサノで何としてもポールポジションを獲得したかったようだ。今回、我々はとても順調でマシンのベースもできていたし、バレンティーノも絶好調だから明日は素晴らしいバトルを見せてくれるだろう。ロレンソとペドロサがいるから戦いは楽ではないだろう。でも我々もコンディションは最高だ。さぁ、いよいよ決勝だ!」
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分34秒808/32周)
「この暑さのなかで決勝を戦うのは相当きついだろうね。そう思うと体力面のコンディションがすごく重要だ。長いレースになるだろうけど、僕はとても好調だしチャレンジを楽しみにしているんだ。今日はタイムアタックの終盤の戦いで速さが少し足りなかったのは残念だったけれど、今回もまたフロントロウにつけることができた。このことが最も重要なんだ。マシンのセッティングはまだパーフェクトとは言えなくて、まだ改善の余地があるが、今もペースはとてもいいし安定している。明日はどんなに厳しい戦いになろうとも最後まで全力でプッシュしていくよ」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「最終的には満足することができた。フロントロウがいつも我々の目標で、このコースではそれがとくに重要になるからだ。もちろんホルヘはポールポジションを狙って懸命に頑張った。最終ラップにベストラップが出たが、それも絶好調のバレンティーノを打ち負かすには足りなかったのだ。決勝用マシンはとても良い状態だが、まだ少し課題が残っている。アンダーステアが出やすいので、フロントエンドをもう少し改善したいと思っているところだ。これからデータを分析して、明日の決勝で最高の走りをするために何ができるか考えたい」
C・エドワーズ選手談(予選5位/1分35秒184/28周)
「優勝できると言いたいけど、かなり厳しいレースになるだろう。この暑さのなかでの35秒台中盤というタイムはとてもいいと思う。あとはスタートを成功させて、序盤からトップのみんなについて行くことだね。今回はペースを乗せていくのが大変で、何だか通常よりもすべてが早めに展開していくような感じがして、その状態に慣れるまでに少し時間がかかってしまったんだ。午前中のセッションでは荷重バランスを替えてみたがうまくいかなくて、フロントに十分な荷重がかからない。
フロントのジオメトリーをいろいろ試してみた結果、最終的にはロレンソと同様のセッティングになってきていて、これはなかなか良さそうだ。それまではコーナーでマシンが十分に曲がってくれなくて、はらんでしまう状態だったんだ。セッション終盤で予選タイヤを履き、ここからは転倒するかタイムを更新するかどちらかだと思って頑張った。バックストレート前のコーナー進入では、スロットルを戻したかどうかさえ覚えていないほどだよ。気温は確かに高いけれど問題ない。アドレナリンが出てくれば、暑さも寒さも忘れてしまうよ」
J・トーズランド選手談(予選14位/1分36秒070/28周)
「今日はとても厳しかった。前回のインディアナポリスから新しいセッティングを使っているけれど、このジオメトリーがまだつかみきれなくて方向性を見失ってしまっているような状態だったんだ。でも最後には、かなりフィーリングが良くなってきたよ。インディー後の変更は確かに効果をあげていると思っているし、チームのみんなと話し合った結果、少し方向性が見えてきたからね。
今日はリアグリップを向上させるためにいくつか変更を加えたが、これがフロントのフィーリングに影響した。14位という結果には不満が残る。最後の2ラップはマシンのフィーリングも良くて、ドビツィオーゾのペースについて行っていたのに、そのあとタルマクシが誰かを待っていてドビツィオーゾの後ろに入ってきたんだ。ところが彼はペースを上げられず、僕も遅れてしまった。もうちょっとというところまで来ているし、コーリンの位置までもきっと追いつけると信じている。決勝ではもう少しペースを上げられるはずなので、最高の走りができるよう頑張りたい」