ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 10月26日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2008年10月24日(金)1日目フリー走行、25日(土)予選、26日(日)決勝
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1999年
■コース長:4.005km
■サーキットレコードラップ:1分32秒748(2007年:D・ペドロサ)
■サーキットベストラップ:1分31秒002 (2006年:V・ロッシ)
■2007年の優勝者:D・ペドロサ
REPORT
記録更新を期待して
フィアット・ヤマハ・チームは今週末、バレンシアで、2008シーズンの最終戦を迎える。すでにタイトルを決定しているV・ロッシは、1シーズンの合計獲得ポイントで最高記録を更新する可能性があり、また、チームメイトのJ・ロレンソも、あとわずか4ポイントを獲得すれば、ルーキーとして4ストローク・モトGP史上最高ランキングを記録することができる。
ロッシは今シーズン、優勝回数の記録を更新し、また150回目の表彰台獲得を果たしてモトGPクラスで6度目のタイトルを獲得した。そしてあと11ポイントを獲得すれば、合計獲得ポイントの記録でトップに立つ。第17戦を終了した時点で357ポイントを獲得しており、今回5位以上に入れば、2005年にロッシ自身が出した記録を上回ることになるのだ。
一方のロレンソはランキング4位につけているが、計算上、3位浮上の可能性はもう残されていない。その一方で5位のA・ドビツィオーゾが優勝し、ロレンソが12位以下にとどまった場合には、ロレンソの5位後退があり得るという状況だ。ドビツィオーゾはまた、ロレンソのルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を阻む可能性のある唯一のライバルでもある。ふたりの因縁は2006シーズンの250ccクラス時代まで遡るが、そのときには、やはり最終戦のバレンシアで、ロレンソが4位、ドビツィオーゾが7位となったことでロレンソのチャンピオンが決定している。ロレンソはこのコースで未だに優勝経験がなく、今回こそは表彰台の最も高いところを狙いたいところだ。
競技場を取り囲むようなユニークな設計が特徴のこのコースは、タイトコーナーがいくつも連続し、その間を短いストレートがつなぐ。最後からふたつ目の長くゆったりとした左コーナーと、高速で進入する第1コーナーが、頻繁にマシンの向きを変えるシケインや低速コーナーが続くインフィールドと明らかなコントラストを作っている。
COMMENT
V・ロッシ-"準備万端"
「去年、おととしとバレンシアではいいところがなかった。今回は何としても好成績を挙げ、いやな思い出を消したいと思っている。そしてそのための準備は整っているんだ! 2006年は転倒してタイトルを逃し、昨年は手を骨折してランキング2位をキープすることができなかった。僕らに合ったコースではなさそうだが、ヤマハでの1年目は優勝しているのだから、今回はそれを再現したいんだ。前回のマレーシアでの優勝は最高だった。でもシーズンはまだ終わっていないし、チーム、ヤマハ、ブリヂストンにできる限りの恩返しをしたいと思っている。それが終わったら、その時こそはビッグ・パーティーを始めよう!」
J・ロレンソ-"上位を目指して"
「前回のマレーシアでは本当に悔しい思いをした。幸いけがはなく、今は最終戦のバレンシアを非常に楽しみにしている。今季3度目のホームGPになるが、前回のバルセロナは出場できなかったので、その埋め合わせの意味でも地元ファンの目の前で好成績を挙げたい。またバレンシア・サーキットの10周年でもあるので、きっと特別なレースになるだろう。ランキング3位の可能性がなくなってしまったのは残念だけれど、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙って頑張るよ。僕にとってもチームにとっても大切なものだと思うからね。バレンシアでは今まであまり良くなくて、2005年には2位になっているんだけれど、まだ優勝したことがない。でも2006年にはここで250ccクラスのチャンピオンを決定したので印象はいいんだ。ミシュランでのレースはこれで最後になるので、彼らのために、技術者のピエールとジャンフィリップ・ウェーバーのために、そしてチームのために戦う」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"優勝して、そしてパーティー!"
「最終戦なので、ふたつの目標を立てた。ひとつは優勝、そしてもうひとつはパーティーだ。何のプレッシャーもなくレースに臨めるというのは最高の気分で、スペインのファンたちは、バレンティーノの絶好調の走りを目の当たりにすることになるだろう。マレーシアからスペインまでの移動に始まり、チームにとっては大変な仕事であることに変わりはないのだが、それでも勝っているときには何のストレスも感じないものだ。ヨーロッパへ戻るのもうれしいことなので、最終戦を好成績で締めくくりたい。そして成績にかかわらず、日曜の夜は盛大にパーティーだ!」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"モチベーションは高く!"
「まだあと1戦残っている。しかもスペインでのレースだからホルヘにとってはとても重要なものになる。セパンは残念な結果に終わったが、我々のモチベーションは依然として高い。最高の形で今シーズンを終わらせたいと思っているんだ。目標は何と言っても表彰台への復帰。ホルヘとチームが一丸となって、持てる力を出し切りたい。このところの3戦は、最高とは言わないまでも好調をキープしており、予選では5回連続でフロントロウに並ぶことができたので、自分たちの力を信じている。またミシュランとは今回が最後になるので、このことも我々を奮い立たせる要因のひとつになっている。彼らのためにも好成績を挙げ、今までのサポートに恩返しをしたい」