本文へ進みます

Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.18 10月26日 バレンシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2008年10月26日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005km)
■観客数:――人
■周回数:30周(120.15km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:34度
■PP:C・スト―ナー(ドゥカティ/1分31秒502)
■FL:C・スト―ナー(1分32秒582)

REPORT

ロッシ3位表彰台を獲得!

【速報】フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが3位表彰台を獲得。チームメイトのJ・ロレンソは8位、テック3・ヤマハ・チームのC・エドワーズは6位、J・トーズランドは11位だった。優勝はC・ストーナー(ドゥカティ)だった。

D・ペドロサ(ホンダ)のホールショットで始まった決勝は、すぐストーナーがトップにたち1周目を終える。予選10位/グリッド4列目スタートのロッシは1周目を7番手で戻ってくる。その後、前を行く2人を抜いてエドワーズに追いつく。しばらくエドワーズの後ろで様子を見たロッシは、6周目にエドワーズとN・ヘイデン(ホンダ)をパスして単独の3番手に。しかしこの時点で既にトップ、ストーナーとの差は約4.5秒となっていた。

ロッシは前を行く2番手のペドロサ(ホンダ)、先頭のストーナーを追うがその差は徐々に開く一方。結局ストーナー、ペドロサのペースに付いていくことは出来ず最終的にトップに約12秒差で3位となった。これでロッシは全18レース中、16度目となる表彰台獲得となった。また今季は9勝を挙げた他、2位5回、3位2回と活躍し、最高峰クラスでの優勝回数でトップに立ち、また1シーズンの合計獲得ポイントでも記録を更新した。

チームメイトのロレンソは8位でレースを終了。4ストロークのモトGPではルーキーとして最高のランキング4位を獲得。この活躍によってルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。ロレンソは今シーズン、優勝1回、表彰台5回、ポールポジション4回という活躍を見せ、チームおよびメーカーのチャンピオン獲得に大いに貢献した。予選ではグリップ不足に悩まされたロレンソ。グリッド7位からスタート後、周回が進むごとに状況は悪くなっていった。リズムをつかむことができずに、レース中盤では一時11位まで後退。しかしそこから挽回を図り、最終ラップには8位を獲得した。

テック3ヤマハ・チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは合計15ポイントを獲得し、チーム・ランキングではサポートチームとして最高の4位につけた。エドワーズはグリッド2列目から絶好のスタート。1周目でN・ヘイデンをパスし、ストーナー、ペドロサに続くし3位に浮上した。ところがまもなく、リアのグリップ不足の問題が発生して6ラップ目には6位に後退。その後は低下したグリップに素早く適応して、L・カピロッシを徐々に引き離すなど安定して走りきり6位を獲得した。

一方のトーズランドは11位。前半の15ラップは、ロレンソについて行き、2度に渡ってその前に出る健闘も見せたが、終盤ではエドワーズと同様のグリップの問題に悩まされてペースが上がらなかった。そのなかでもS・ギュントーリ、J・ホプキンス、C・バーミューレンを抑えきって11位でチェッカーを受けた。

【レース展開】ロレンソは母国で行われる今回の最終戦に‘Lorenzo's Lands'と描かれた特注のカラーリングのマシンで参戦。これはチームの冠スポンサーであるフィアット・オートモービル・スパとイタリアの雑誌‘スポーツウイーク'の協力で実現したもの。シーズン開幕戦においてデザインを公募した中から選ばれたものだ。

‘Lorenzo's Lands'と名付けられたこのカラーリングは、ロレンソが125ccクラス、250ccクラス、そしてモトGPでこれまでに優勝したことのある全14ヵ国の国旗と、それに加えて彼自身の‘Lorenzo's Lands'の旗が描かれている。そんなロレンソは、金曜のフリー走行、午前中のウエット・コンディションでは3位につけ、路面が乾き始めた午後のセッションでもそのポジションをキープしていた。

予選では、ヤマハ勢はテック3ヤマハ・チームのエドワーズとトーズランドが、健闘してグリッド2列目に並んだ。エドワーズは4位を獲得してザクセンリンク以来のベストポジション。地元のペドロサがセッション終盤で3位を確実にし、エドワーズはわずかの差でフロントロウを逃すこととなった。

一方のトーズランドは、3本目の予選タイヤ装着中に最終コーナーで他車に妨害される格好となり、一時は10位以下に後退。この遅れを取り戻そうとプレッシャーもかかったが、その後、冷静に対処して5位まで挽回した。そして最後の予選タイヤを履いた終盤のタイムアタックもしっかりと走り切り、一度4位に上がった後、エドワーズに先行されて5位となった。

金曜、土曜と天候に恵まれなかったが、決勝日の日曜日は明るい太陽が顔を出し気温も26度と絶好のコンディション。リカルド・トルモ・サーキットに集まった大勢のファンは地中海沿岸の典型的な秋の気候を存分に享受したが、その一方で、それまで完全なドライ・セッションを走ることができなかったチームとライダーにとっては、マシンセッティングの面で不安要素を抱えることとなった。

朝のウォームアップ・セッションでは問題を解決しきれず、5位で終えたロッシ。ジェレミー・バージェスをはじめとするチームスタッフにとってはギャンブルの要素もあったが、バージェスはその豊富な経験を生かして最後の数分間で変更を決断。それが功を奏して序盤から好調な走りを実現することができた。

ロッシは絶好のスタートを切り、ロレンソ、トーズランド、ド・ピュニエを次々にパスして7位で1周目を終了。3周目にカピロッシをパスしたあと、4周目には第1コーナー進入でドビツィオーゾに仕掛け、フットペダルから足を外して激しくインに飛び込むと5位に浮上した。

次のターゲットでエドワーズをパスして4位に上がったあと、すぐさまヘイデンを捉え、レースの4分の1が終了した時点で3位まで浮上することに成功。しかしこの時すでに、2位のペドロサとの差は約4.5秒にまで拡大しており、ロッシは最後までその差を詰めることができずそのまま3位でチェッカーを受けた。好調のペドロサは、その後9秒までリードを広げてゴール。トップのストーナーはさらにその3秒前でチェッカーを受け、今季6度目の優勝を成し遂げている。

2009シーズンは4月12日、カタールで開幕する。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・ストーナー Ducati Marlboro Team Ducati 46'46.114
2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 3.39
3 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 12.194
4 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda 24.159
5 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 26.232
6 C・エドワーズ Tech3 Yamaha Team Yamaha 32.209
7 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda 34.571
8 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 35.661
9 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 38.228
10 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda 47.583
11 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha 52.107
12 S・ギュントーリ Alice Team Ducati 52.35
13 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 52.833
14 J・ホプキンス Kawasaki Racing Team Kawasaki 53.227
15 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda 53.411

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 V・ロッシ Yamaha 373
2 C・ストーナー Ducati 280
3 D・ペドロサ Honda 249
4 J・ロレンソ Yamaha 190
5 A・ドビツィオーゾ Honda 174
6 N・ヘイデン Honda 155
7 C・エドワーズ Yamaha 144
11 J・トーズランド Yamaha 105

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 402
2 Ducati 321
3 Honda 315
4 Suzuki 181
5 Kawasaki 88

COMMENT

V・ロッシ選手談(3位)

「今日はそんなに悪くなかったと思うよ!昨日はいくつか問題があって4列目スタートになってしまい、そのおかげで決勝は厳しいものになった。でもいつものようにチームが頑張ってくれて、今日はとても走り易いマシンができ上がっていた。それで好スタートができたし、その後も何台もパスしていくことができたんだ。3位まで上がった後は、ペドロサに追いつくには遠すぎたので、見ていてつまらないレースになってしまったけれど...。

振り返ってみれば、今シーズンは本当に上出来。そしてこの最終戦でまた表彰台をひとつ追加して16回目を獲得できたのだから、これ以上何も言うことはない。前にも言ったように、今までで最高のシーズンだったと思っている。ヤマハ、チーム、エンジニアたち、ブリヂストンのみんな、僕を助けてくれたすべての人にお礼を言いたい。明日は新型マシンをテストすることになっているので、今晩、あまり盛大なパーティーをするわけにはいかなくなってしまった。でもマシンのベースをつかんでおくことは重要なので、やはりテストは楽しみなんだ」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「今日は最高の走りだった。4列目からのスタートだし、セッティングはまだ完璧というわけではなかったのだから、これ以上を要求するのは不可能だ。シーズン最終戦として素晴らしいレースができたと思っている。今日の3位獲得によって今シーズンの表彰台は16回となり、そのうちの9回は優勝だ。また3冠も達成できたのだから、まったく文句のつけようのないシーズンだったと言えるだろう。まずはじめに、バレンティーノにお礼を言う。

それから素晴らしい仕事をしてくれた日本のエンジニアたちと、ここまで一生懸命に頑張ってきたチームのみんなに感謝したい。明日にはニューマシンのテストをすることになっていて、早くも2009シーズンのことを考え始めることになる。この段階でエンジニアに情報を提供しておくことがとても重要だと思っているので、明日はできる限り有効に使いたい。とは言っても今夜は少しだけお祝いをするつもりだ。最後にもう一度、ありがとう、みんな。素晴らしいシーズンだった」

J・ロレンソ選手談(8位)

「シーズン最終戦は何としても表彰台に上りたかったから、今日の結果は残念。でも今回は初日から問題が出ていたし、今日もマシンの調子が完璧というわけにはいかなかったので、そのなかでまずまずの順位で走りきり、何台かパスし、最終ラップでベストラップを記録することができたことに満足しなければならないだろう。何しろ、昨日の予選では、決勝用タイヤ装着時に僕は最後尾だったのだからね!

良かったことは、ルーキーのなかでの最高ランキングを獲得できたこと。ヤマハでのモトGP最初のシーズンは、自分でも十分に納得できるものとなった。僕を支えてくれたチームのみんな、エンジニアたち、すべての人たちに感謝している。またとくに、今日が最後となるミシュランのスタッフたちに、心からの感謝を伝えたい。彼らのおかげでモトGP最初のレースで優勝することができたのだから...。明日は2009年型マシンのテストが始まる。とても楽しみだ!」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督

「この最終戦は、もっと上の成績を狙っていたが、予選までのマシンの問題があり、期待通りの結果を導くことができなかった。ホルヘはレース後半、良いペースをキープした。そして最終ラップにベストラップを記録するまでの力強さを見せてくれた。今シーズンはポールポジション4回、優勝1回、さらに5回の表彰台を獲得し、ヤマハの3冠達成に貢献することができたし、ホルヘはルーキーとして最高の成績をおさめた。このような結果を可能にする素晴らしいマシンを提供してくれたヤマハに、また、それをサポートしてくれたミシュランに心から感謝。そしてミシュランの今後の活躍を祈っている。最後になったが、1年間頑張り続けたチームのみんなにお礼を言って、来シーズン、さらに強くなることを楽しみに待ちたい」

C・エドワーズ選手談(6位)

「6位以内を獲得したのは久々だ。しかもこの成績でチームのランキング4位獲得に貢献できたことは本当にうれしい。懸命に頑張ってきたエルベ・ポンシャラルをはじめチームのみんなのためにも、とても喜ばしいことだ。ポイントをなかなか獲れず苦しいこともあったが、サポートチームとして素晴らしい仕事ができて、忘れられないシーズンになった。

スタートはうまくいって、第1コーナーではヘイデンのアウトから回り込んでストーナー、ペドロサの後ろにつくことができた。あの時までは確かに好調だったんだ。でもそのあとメインストレートでヘイデンに抜かれ、さらにはリアタイヤがスピンし始めて、他のライダーたちが調子を上げる頃に僕のほうは遅れるようになってしまった。そして気づくと前のライダーたちは姿が見えなくなっていて、そのあとはどうすることもできなかった。

ドライでの走行時間が短かったため、今日のセッティングはギャンブルの面もあった。僕は柔らかめのタイヤを履き、その結果として問題が出てきて苦しい戦いになってしまった。マシン自体はとても好調だったが、セッティングがコースに合っていなかったらしく、グリップが得られなかった。このコースはタイトでツイスティー。低速から加速するコーナーが多いが、初期加速の力が不十分だった。

シーズンを通してハードワークを続けてくれたチームのスタッフに、それから強力なサポートをしてくれたヤマハに感謝している。そして最後に、ミシュランにも心からお礼を言いたい。ミシュランを履いて多くの素晴らしいレースを戦って、彼らとの仕事を大いに楽しんできたのだ。来月にはヘレスでテストが始まるが、その前に少しだけ休みがとれるので楽しみだ」

J・トーズランド選手談(11位)

「厳しいシーズンを締めくくる厳しいレースになった。個人的には期待していたような成績を残すことができなかったが、そのなかでもチームのランキング4位獲得に貢献できたことは良かった。正直プレッシャーは大きかったが、何とか最後まで走りきって重要な役割を果たしたことは本当にうれしい。

レース前半はロレンソよりも少し速かったのだが、どうしてもパスすることができなかった。何度か前には出たのだが、そのたびにミスをしてまた逆転されてしまった。1コーナーの進入で近づき過ぎてしまったときには手を挙げて謝ったのだが、次の2コーナーに備えて手を戻そうとしたときにブレーキングポイントを見逃してしまった。これについては自分自身に腹が立っている。

終盤はいい戦いができたが、グリップに問題が出始めていた。セッティングに大幅な変更を加えてレース前半はうまくいっていたのだが、終盤になると無理ができなくなり、大きくポジションを落とさないように慎重にならざるを得なかった。

ヤマハとテック3チームは、モトGP初参戦の僕を驚くほどしっかりとサポートしてくれた。僕としては、その恩返しのためにも最終戦の最終ラップまで全力で戦うことができて本当にうれしい。今年は多くのことを学んだので、オフシーズンの間に懸命に努力をして、来シーズンにはもっともっと成長して好成績を目指していきたい」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談

「シリーズ最終戦として、とてもいい出来だったと思う。コーリンとジェームスの努力にお礼を言いたい。今回は天候不順のために厳しい戦いを強いられたが、そのなかでも納得のいくレースができたし、予選ではふたり揃って2列目に並べたことも励みになっていた。

コーリンは絶好のスタートから良いリズムをつかんだ。ジェームスのほうは、前半はホルヘよりも速かったがパスすることができなかった。完璧な自信を持って臨めていたわけではなかったが、あきらめることなく最大限までプッシュしてくれた。大きなプレッシャーのなかで最後まで力強く走りきり、チームのランキング4位獲得に貢献。結果的にふたつのファクトリーチームを上回ることもできたのだ。そして今回の目標をしっかりと達成した。

ヤマハの大活躍を、ここでもう一度祝福したい。彼らが我々に素晴らしいマシンを提供してくれたこと、そしてミシュランが確かなサポートを行ってくれたおかげで、ポールポジション1回と表彰台2回を獲得することができた。ミシュランと離れるのは残念だが、これからは新たな時代を見据えて前進していかなければならない。テック3チームのスタッフ全員が短い休養の後、11月下旬のヘレス・テストを楽しみにしている」

中島雅彦フィアット・ヤマハ・チーム総監督談

「最終戦となったバレンシアサーキットは比較的新しくコース全体が見渡せるスタジアムスタイルのサーキットです。モトGPの中では低速サーキットのひとつであり、抜き所が少ないテクニカルなコースと言えます。今回天候不順が続き、ドライセッションは土曜日の1回のみとなり、思うようにセットアップが進まず、フィアット・ヤマハ・チームの2ライダーとも予選で低迷、厳しいスタートとなりました。

とくにロッシ選手は10番手からのスタートでパッシングポイントが少ないこのサーキットではトップグループに追いつくのは至難を極めましたが、何とか表彰台を確保、全18戦ヤマハの連続表彰台を維持出来たことは良かったと思います。

最終戦を勝利で飾る事が出来なかったのは非常に残念ですが、今シーズンを振り返ると、ライダー、メーカー、チームの3タイトルを独占、またロレンソ選手はルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。我々にとっては素晴らしい一年だったと言えます。ライダー、スタッフ、関係各位の努力の賜であり、応援くださった皆様に深く感謝したいと思います。長かったタフなシーズンが終わりましたが、息つく暇もなく明日から2009年へ向けたオフシーズンテストがスタートします。新たな気持ちで連覇を目指して頑張りたいと思います。ありがとうございました」

ページ
先頭へ