ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月5日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2008年10月3日(金)1日目フリー走行、4日(土)予選、5日(日)決勝
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド
CIRCUIT DATA
■開設:1956年
■コース長:4.445km
■サーキットレコードラップ:1分30秒332 (2005年:M・メランドリ)
■サーキットベストラップ:1分29秒020(2006年:N・ヘイデン)
■2007年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
さらなる勝利を求めて
フィアット・ヤマハ・チームは、ライダー、チーム、メーカーの3冠をすでに獲得し、昨年とはまったく異なる状況で第16戦オーストラリアGPを迎える。V・ロッシは前回のもてぎで優勝、チームメイトのJ・ロレンソも4位獲得と健闘、またテック3ヤマハ・チームのC・エドワーズ、J・トーズランドも10位以内に入ったことは、ヤマハにとって最高の栄誉。ロレンソはまた、残り3戦の状況によってルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得の可能性も残っている。
すでに成功を手中におさめたロッシだが、オーストラリアのファンに最高の走りを見せようと、今回も優勝を狙っていく。ここフィリップアイランドでロッシは、全クラス通算の成績で表彰台を合計9回獲得。そのうち250ccクラスで2回、モトGPでは5年にわたり優勝を果たしている。そして2001年と2004年は優勝と同時にタイトル獲得も決定した思い出の残る地だ。しかし昨年と一昨年は優勝することができなかったため、今回は雪辱を果たし、またシーズン中の優勝回数で2005年の自らの記録である11勝に並ぶためにも必勝を心に期している。
チャンピオンがすでに決定した今、計算上、ロレンソに残されているのはランキング2位の可能性。ライバルとなるC・ストーナーとは51ポイントの差がある。非常に難しい状況ではあるが、このところのレースでウエット、ドライ両方で好調な走りを見せてきたロレンソは、残りの3戦でわずかなチャンスに賭ける。ロレンソは250ccクラスに出場していた過去2年にわたり、フィリップアイランドで優勝を果たしており、モトGPで初挑戦となる今回は何としても成功をつかみたい。
フィリップアイランド周辺の美しい景観は、マシンとライダーにとっては厳しい試練ともなる。長くゆったりとした高速コーナーはマシンのコントロール性とスロットルの精確さを要求。そして、それを操るライダーに勇敢さが求められることは言うまでもない。またバス・ストレートが岸壁に面したその特徴から、気象条件の変化にも十分な配慮が必要だ。今週末は金曜日が雨、土曜日が晴れ、そして日曜日はときどき晴れの予報が出されている。
COMMENT
V・ロッシ-"みんなのために、もう一度勝ちたい!"
「数日が過ぎて、またチャンピオンになった自分にようやく慣れてきたところ。本当にいい気分だよ! もてぎの決勝後はチームや、わざわざ遠くから見に来てくれた友人たちとパーティー。翌日の月曜日は2009年型マシンのテストを予定していたが、雨が降ってキャンセルになってしまった。僕としてはどんなマシンになっているのか早く知りたかったので、とても残念だった。バレンシアまで待つしかない。
さて、残りは3レース。いずれも大好きなコースばかりだ。今はただ、そのすべてで楽しんで走りたいと願っている。フィリップアイランドが僕の大のお気に入りだということは、もう誰もが知っていると思う。あそこでまたレースができると思うと本当にわくわくするんだ。これまでに何度も優勝していて、昨年と一昨年はそれを逃したことがとても悔しかった。だから、目標はただひとつ、優勝だ! 観客の応援はいつも素晴らしいし、チーム・スタッフのうちの4人がオーストラリアの出身ということもあって特別な思い入れがある。彼らの日頃のサポートに恩返しするためにも、どうしても勝ちたいんだ」
J・ロレンソ-"もう少し上を目指して"
「オーストラリアが大好き。フィリップアイランドへ入る前に、お気に入りのメルボルンの町で数日、過ごせるのが楽しみだ。もちろんフィリップアイランドのコースも大好きだから、そこでM1を走らせるのは待ちきれないくらい。走りながら海が見えるところなんて、他にないからね!昨年と一昨年は250ccクラスで優勝した。そして今回はモトGPマシンで走ることができるのだ。ここではレース後に大勢のファンがコースになだれ込んで来るのが恒例となっていて圧巻なので、何としても表彰台に上りたいと思っている。前回は惜しくも表彰台を逃したけれども、このところの3戦は総合的に見て好調が続いているので、この調子でシーズン終了まで頑張っていきたい。そしてできれば、もう少し上を狙いたい」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"純粋に楽しみだけを求めて"
「残りの3戦は、今までとは違う新たな気持ちで臨んでいくことができる。レースを楽しみ、勝利だけを目指して戦うということだ。フィリップアイランドのような素晴らしいコースで優勝することは、とても気分のいいものだ。バレンティーノにとってもお気に入りのコースで、過去にはいくつもの好成績を残している。ここ2、3年は苦しかったが、今年でそれも終わりに出来ると確信している。バレンティーノは楽しむために純粋に走っている。彼のレースに対するモチベーションはいつもそこにあるのだ。だから今回は何のプレッシャーも感じることなく勝利だけを目指して走ってもらいたい。きっと素晴らしいレースになるだろう」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"自信を持って臨む"
「我々チームは、ここ数戦の好調をキープし、自信を持ってこのレースに臨む。ホルヘは完全に本来の状態まで復帰しているので怖いものはない。前回のもてぎでも実力を存分に発揮し、とくに予選では予選タイヤに絶大の信頼を寄せて自信を持って走っていることがよくわかった。決勝ではフロントタイヤに問題が出て、表彰台を僅差で逃したことは残念に思っている。でも今回のフィリップアイランドはレイアウトがまったく異なり、ホルヘのライディングスタイルによく合っているし、昨年は250ccクラスで2位以下に20秒もの差をつけて優勝しているので、もはや不安材料はない。我々の今シーズンの目標はランキング3位獲得ではない。我々が目指しているのは、フロントロウであり、表彰台であり、前回のもてぎのように少しでもトップライダーに近づくことなのだ」