ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 9月28日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦日本GP
■開催日:2008年9月26日(金)1日目フリー走行、27日(土)予選、28日(日)決勝
■開催地:栃木県/ツインリンクもてぎ
CIRCUIT DATA
■開設:1997年
■コース長:4.801km
■サーキットレコードラップ:1分47秒288(2006年:V・ロッシ)
■サーキットベストラップ:1分45秒724 (2006年:L・カピロッシ)
■2007年の優勝者:L・カピロッシ
REPORT
ロッシ、タイトル決定戦となる第15戦
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは今週末、2008シーズンのチャンピオン決定のチャンスを迎える。ロッシは第14戦終了時点で、C・ストーナーに87ポイントをリードしてランキングトップをキープ。シーズンは残り3戦のみとなっていることから、今回3位以上を獲得すれば、最終戦を待たずにチャンピオンが決定する。
実現すれば2005年以来、自己通算6度目(最高峰クラス)となるタイトル獲得となるが、2年の間隔をおいて再びチャンピオンに返り咲くというのは、過去には唯一、G・アゴスティーニが達成しただけ。ロッシは前回のインディアナポリスで、そのアゴスティーニが30年以上にわたって保持していた最高峰クラス最多優勝回数の記録を更新している。また、アゴスティーニはタイトル獲得数においても、唯一ロッシを上回っており、合計8つのタイトルを獲得している。第15戦の舞台もてぎは、ロッシにとっても、チームメイトのJ・ロレンソにとってもあまり相性の良い場所ではない。ロッシは、過去もてぎで合計6回の表彰台を獲得しているが優勝は1回だけで、それも2001年、4ストロークマシンの導入以前のことである。一方のロレンソは、2006年に250ccクラスでの3位がベストリザルトだ。しかし今回は、ふたりとも絶好調でこの大会に臨む。ロッシは4戦連続優勝、ロレンソは3戦連続表彰台を狙っている。
ツインリンクもてぎはインディアナポリスとは違い、当初からオーバルコースとロードレースコースを併設するサーキットとして設計されている。1997年にテスト用のコースとして設立され、近代的な施設を備え、ジオメトリックなコースレイアウトを持つ。路面は十分なグリップ性を提供するが、加速しながら繋いでいく2速コーナーが多いために、その際の減速と加速性能が重要な要素となる。現行のサーキット・レコードは2006年、ロッシが990ccのYZR-M1で記録した1分47秒228。
COMMENT
V・ロッシ-"プレッシャーはない!"
「このところずっと好調なレースが続いていて、今回はついにタイトル獲得の‘マッチポイント'というところまで来ることができた。しかもまたしても、もてぎだ!2005年も今回と同じ状況でもてぎを迎えていたが、あのときは転倒してしまって、タイトル獲得はマレーシアまで待たなければならなかった。また昨年は、このもてぎでタイトルを失うこととなった。ここはヤマハにとってとても大切な場所だから、今度こそ何としても優勝したい。それが今まで支え続けてくれたみんなへの恩返しになると思うんだ。
とは言え、自分自身にプレッシャーをかけ過ぎるのは良くないので、いつも通りの気持ちで臨めるようにしたい。ポイント上は十分なマージンがあると言えるが、まだ4戦も残っているし、シーズン終了はまだまだ先だ。チームのなかは皆とてもリラックスして、そして集中している。ブリヂストン・タイヤもYZR-M1も絶好調なので、今回もきっと素晴らしい週末になると信じている」
J・ロレンソ-"日本で成功を!"
「日本は、ヨーロッパとはまったく違う文化を持つ素晴らしい国。だからいつも、日本へ行くのがとても楽しみなんだ。ヤマハはレースウイークの前にいろいろなイベントを用意してくれていて、なかでも磐田の工場訪問を楽しみにしている。僕がヤマハと契約を結んでから1年が経つが、未だに行ったことがなかったからね。きっと僕を驚かせてくれるに違いない。
シリーズ戦のほうでは、もてぎは太平洋ツアーの初戦となるわけだが、ここでまた新たな成功を実現させたいと思っている。ミサノ、インディアナポリスと連続で表彰台を獲得できたので、ヤマハにとってとても重要なこのレースでまた好成績を狙いたい。もてぎは未だに優勝を経験していないサーキットのひとつではあるが、同時に2003年に初めてのファステストラップを記録した場所でもあるし、ミシュランも頑張ってくれているので可能性はあると思う。レースが待ち遠しい」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督-"目指すのは優勝。結果はついてくる"
「非常に良い状態で日本でのレースを迎えることができた。4連続優勝と波に乗る我々を、もてぎの人びとは大いに歓迎してくれるだろう。しかしこのような絶好調なときほど、それをキープして優勝し続けるのは難しい。永遠に勝ち続けることはできないのだ。だからこのもてぎも、今までのひとつひとつのレースと同じ気持ちで臨むだけ。いつものようにサーキットへ行って、優勝の可能性を探るだけだ。もちろん、このレースがいつも以上に重要なものであることはよくわかっている。
タイトル獲得のマッチポイントを迎えているのだから。誰か他のライダーの不運からではなく、我々自らの仕事の結果としてタイトル獲得が実現できればいいと思う。だからこそしっかりと準備を整え、いつものように優勝を狙って戦う。そして、その結果としてどんなことが起るのかを見守りたいと思っている」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督- "チーム全体の士気が上がっている"
「ヤマハはこれまで、このもてぎで苦労することが多かった。しかし今回は、マシンの状態が非常に良くなっていることもあって、違う展開を予想することができる。前回のインディアナポリスで好成績を挙げたあと、その夜にはふたりのライダーを含めて皆でディナーのテーブルを囲んだ。それ以降もチームの士気は高くキープされている。我々としては、バレンティーノのタイトル獲得はもちろんだが、その他にメーカー・チャンピオン、チーム・チャンピオンの獲得も目指している。
そして、そのことにホルヘが貢献できるようになることが我々の願いなのだ。彼はここまで非常によく頑張ってきたし、今も好調をキープしているので大いに期待できると思う。我々のピットからは何をすることもできないが、バレンティーノの3位以上獲得を応援し、見守っている。また我々自身の目標としては、やはり今回もまた良いレースをすることだ。シーズン終了までにあといくつか表彰台に上り、そして何とかもう一度、優勝を実現させたいんだ」