ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 8月31日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2008年8月29日(金)フリー走行2(総合結果)
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度 ■路面温度:45度
REPORT
ロッシはフリー走行2番手
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは今季2度目のホームGP、サンマリノ・グランプリに臨んだ。ミサノ・サーキットはアドリア海沿岸に位置し、ロッシの故郷、タブリアからはわずか15km。シーズン序盤のムジェロ大会に続いて、大勢の熱狂的イタリア人ファンを喜ばせようと意気込んでいる。
ヨーロッパラウンドは悪天候に見舞われることが多かったが、今回は晴天に恵まれて気温は30度を超え、路面温度は45度に達した。午前中のセッションでは5位となったが、午後からはタイヤを含めてセッティングを変更して臨み、2位のタイムを記録した。トップはC・ストーナーでロッシとの差は0.418秒。
チームメイトのJ・ロレンソは、ブルノで行われたテストでタイヤの問題解決に取り組み大きな成果を得たばかり。今日の走行にも積極的に臨み、好調ぶりをアピールして総合7位につけた。昨年は250ccクラスで優勝したロレンソ。モトGPマシンで初めてのフリープラクティスは第1セッションで4位につける絶好調。午後のセッションではさらにコンマ4秒短縮した。明日の午前中でさらにセッティングを煮詰め、午後からの公式予選ではフロントロウへの復帰を目指す。
テック3ヤマハ・チームのC・エドワーズとJ・トーズランドはそれぞれ4位と10位。シーズンの最後の3分の1を迎え、ランキング4位を確実にしたいエドワーズは、午前中の第1セッションで2位と好調。午後からの第2セッションではマシン・セッティングにおもに取り組んだため、タイムを更新することができずに総合4位となった。一方のトーズランドはミシュラン・タイヤとのマッチングが良く、1分36秒105を記録。午後からのセッションでは1本のタイヤで23ラップを走行して、耐久性についてのデータも収集。明日以降の戦いに自信を深めている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'34.806 |
2 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'35.224 |
3 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.377 |
4 | C・エドワーズ | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 1'35.424 |
5 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.620 |
6 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.743 |
7 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'35.766 |
8 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda | Honda | 1'35.861 |
9 | 中野真矢 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'36.100 |
10 | J・トーズランド | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 1'36.105 |
11 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'36.189 |
12 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'36.219 |
13 | A・ドビツィオーゾ | JiR Team Scot MotoGP | Honda | 1'36.356 |
14 | T・エリアス | Alice Team | Ducati | 1'36.425 |
15 | S・ギュントーリ | Alice Team | Ducati | 1'36.619 |
16 | M・メランドリ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'37.096 |
17 | A・ウエスト | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'37.929 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行2番手/1分35秒224/54周)
「いいスタートを切ることができた。でも僕らが望んでいたほどではなくて、これからまだケイシーとの差を詰めるためにいくつかの作業が必要だ。とくに第4セクターがうまく走れず遅れてしまうので、データをしっかり分析して原因を探らなければならない。
僅差で2位につけてはいるが、ライバルたちは皆とても速いので明日はもっと頑張って、さらに差を縮めていきたい。アイディアはいくつかあるので、試しながら様子を見ていく。故郷に近いところで、太陽に恵まれてレースができるのはとても楽しい。ここは僕が初めてバイクに乗った場所だから、大勢のファンに素晴らしい週末をプレゼントしたいんだ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督
「1日目としては悪くない。非常に良い状態だと言えるだろう。ただ、いくつかの場所では明らかに問題があり、改良が必要だ。今日、収集したデータを分析してセッティングをさらに煮詰めていきたい。マシン・セッティングとタイヤについて、今日もいくつかのものを試し、この段階でかなりポテンシャルは上がっている。明日も今日のような好天が続いてくれれば、今日の成果をチェックするチャンスになるだろう」
J・ロレンソ選手談(フリー走行7番手/1分35秒766/56周
「今日はとてもうまくいった。前回のブルノのあとテストを行い、今日はタイヤの状態が格段に良くなっている。だから今は自信を持って走ることができている。決勝がどうなるかはまだわからないが、今の段階ではまず、明日もこの調子をキープできるように頑張るだけ。
2週間前と比較すればフィーリングがとても良くなっているので、きっとうまくいくだろう。このコースは、ブルノのように路面が新しいわけではないので、ミシュランがよく機能してくれるはず。でももう少しレベルを上げるために、もう一歩前進したいんだ」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督
「2週間前のブルノとはまったく違う状況になっている!昨年のデータから判断すれば、ここはミシュラン・タイヤが強さを発揮するコースなので、上位に復帰する絶好のチャンスを与えてくれるに違いない。ブルノでのテストは、タイヤの問題を解決するための非常に重要なものとなったが、グリップ・レベルをさらに上げるために今回もミシュランと協力して作業を進める必要がある。つまり、まだ我々が期待しているような速さは出せていないということだ。ハードブレーキング時にフロントが不安定になるので、サスペンションについてももう少し改善していかなければならない」
C・エドワーズ選手談(フリー走行4番手/1分35秒424/48周)
「午前中は僕自身やる気満々。マシンのフィーリングもとても良かった。タイヤは10ラップほどは好調に機能するが、午後のセッションで耐久性をチェックするためにもう一度同じものを履くと、最初の頃の感覚はなくなってしまっていた。気温の上昇が原因かもしれないと思ったが、実際にコースに出てみると、あまり変わっていないような感じもした。自分では好調に走っている気がしているのに、実際のペースが上がっていない。午後はスペアマシンを使用。いつもほとんど同じだが、小さなところでやはり変わっていて、午前中よりもシャシーが硬く感じた。それがタイムに影響したのかどうかはわからないが、期待していたような速さは発揮できなかった。
明日もいろいろ試しながら、決勝で使用するものを探していかなければならない。リアタイヤの耐久性に関して少し問題が出てきていてブルノの状況とも似ているので注意が必要だ。タイヤのパターンをじっくり見てみたことは今まであまりなかったので、今晩はミシュランのスタッフたちとよく相談しながら解決策を探っていきたい。課題はまだ残っているが、残りの数戦は自信を持って臨み、ランキング4位争いを展開したい」
J・トーズランド選手談(フリー走行10番手/1分36秒105/45周)
「またトップ10に入ることができてうれしい。しかも今日は決勝用セッティングに集中していて、セッションを通してタイヤを替えなかった。ひとつのタイヤで23ラップ走行し、36秒台前半をコンスタントにキープ。これまでタイヤで悩むことがいくつかあったので、何とかして耐久性を確実にしたいと思っているんだ。終盤で新しいタイヤに履き替えていたら35秒台も可能だっただろう。まだまだ余裕があったと思っているので、順位は心配していないし、気持ちよくこのペースをキープできているということが重要。
このところの3戦は12~13のコーナーで気分よく乗れなかったが、このコースではそういうところが2カ所しかない。初日としてマシンのベースがしっかりできたので、ミシュランには感謝している。彼らのタイヤのポテンシャルは確かで、スタッフたちも懸命に仕事をしている。課題はまだたくさんあるが、頑張ってくれていることは間違いないんだ。こうしたハードワークがあってこそ、僕は表彰台を狙っていけるし、今こうしてここにいられるんだと改めてわかった。少なくともこの3戦はチャンスがなかったので、今回こそ大切にしたい。ミシュランにしっかりとフィードバックし、彼らに方向性を与えられるようにしたいと思っている」