ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第12戦チェコGP
■開催日：2008年8月16日（土）予選結果
■開催地：チェコ共和国／ブルノ（5.403km）
■コースコンディション：ウエット
■気温：12度　■路面温度：14度
■PP：C・スト―ナー（ドゥカティ／2分11秒657）

REPORT

雨中の予選、ロッシは2番手

予選は雨の中で行われ、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは2位。ロッシは今季7度目のフロントロウから明日の決勝をスタートする。ポールポジションはC・ストーナー。

前日の晩から激しい雨が降り続き、水たまりのような状態のコースで行われた午前中のフリープラクティスでロッシは5位。その後天気はさらに悪化し、午後からの公式予選ではセッション前半でタイムを伸ばすことを要求された。後半はコース上の水の量が増加してタイムアタックを望めるような状況ではなかったからだ。そうしたなかでもブリヂストンのレイン・タイヤは非常に好調で、序盤でコンスタントに好タイムをキープしてフロントロウを獲得することができた。明日の決勝が雨でも晴れでも、ロッシは自信を持って上位争いに臨んでいく。

チームメイトのJ・ロレンソは難しいコンディションに苦労し、最後尾のポジションとなってしまった。シーズン序盤は連続でポールポジションを獲得していたロレンソにとっては、明日の決勝は非常に厳しい状況でのスタートとなる。

ロレンソは予選セッション前半、グリップ不足の問題を解決しようとピットで作業を行っていたため、最も雨の少なかった時間帯にタイムアタックをすることができなかった。20分経過後以降は路面のコンディションが悪化したため、タイムを更新するチャンスを逸してしまっただけでなく、グリップ性やタイヤに対する信頼感も得られないままだった。２分23秒701のタイムはトップから107％以内という規定に外れているが、競技役員の判断で出走できることとなった。

テック3ヤマハ・チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、ウエットで行われた予選で非常に難しい展開を強いられた。エドワーズは10ラップ走行したが、実力を出し切れずに予想外の15位。トーズランドはエドワーズと同様にグリップ性向上を目指してマシンに取り組んでいたが、残り25分、第１コーナーで転倒。予選は16位となった。トーズランドのタイムは2分23秒303で予選通過の基準に満たなかったが、出走できることとなった。天気予報では日曜日は曇り。ドライ・コンディションが期待されている。

COMMENT

V・ロッシ選手談（予選2位/2分12秒846/15周)

「ウエットでもドライでも良い状態で臨めると思う。もちろん、他のみんなと同じように、ドライになってくれることを望んでいる。だって今日のコンディションは本当にひどかったからね！予選中は20分経過後くらいから水がかなり多くなってきて、マシンセッティングもタイムアタックもほとんど不可能な状態だった。だから最初のうちにいいタイムを出すことができていて良かったよ。まだいくつかの改良点が残っていて、ドライのほうが、よりいい走りができると思っている。最高のチャンスを与えてもらうためにも、明日は何とか晴れてほしいんだ。願いをこめて、天気の行方を見守ろう」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督

「このような難しいコンディションのなかでも、フロントロウ獲得を達成できてうれしい。バレンティーノはセッション序盤で、コンディションが悪化する前にしっかりと仕事をしてタイムを上げておいてくれた。明日は少しでも路面が乾いてくれることを期待している。フロントロウを最大限に利用して好スタートを切り、優勝を目指して戦っていきたい」

J・ロレンソ選手談（予選17位/2分23秒701/12周）

「最悪の一日だった！予選が始まったばかりの頃はまだ状況が良かったが、このときに僕はピットでマシンの改良に取り組んでいたんだ。僕はチャンスを失ってしまい、他のライダーたちはこの間にベストタイムを記録していた。以前にもこのようなことはあったがが、これはすべてが僕のせいというわけじゃないと言わざるを得ない。これは、現時点でタイヤが良い動きをしてくれていないということだとも思うんだ。

でもプロのライダーとしては、ここで我慢しなければならないし、ミシュランがきっと良い方法を見つけ出してくれると信じている。明日は好スタートが重要。そしてトップ10入りを目指してベストを尽くす。路面はとてもいいのだが、どうしても十分なグリップが得られない。だから天候次第ではどんなことも起り得るだろう。いずれにしても明日は非常に厳しい戦いになることだけは間違いない。明日は最後尾からのスタートなので非常に厳しいレースになる。ドライ／コンディションになってペースを上げることができたとしても、依然として難しいだろう」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督

「本当に、ひどい一日。今シーズン最悪の予選だ。昨日はドライでフロントのグリップの問題が出ていたので、雨になればもう少し改善できるかもしれないと考えていた。しかし残念ながら状況はさらに悪化して、フロント、リアともにまったくグリップしなくなってしまったのだ。あるだけのタイヤをすべて試したが、最もソフトなものでさえホルヘは自信を持ってハイペースをキープすることができなかった。午前中にはセッティング変更も試していたし、午後からは大幅なモディファイも行ったが、グリップレベルが低すぎて期待していたような反応は得られなかった」

C・エドワーズ選手談（予選15位/2分20秒074/10周）

「非常に難しい状況だった。今の僕にはそれしか言えない。グリッドポジションを考えれば、決勝は本当に厳しいと言わざるを得ないが、いつも通りテック3とヤマハのためにもベストを尽くして頑張るだけだ。コンディションは本当にひどくて、正直なところセッション終盤であんなにたくさんの雨が降るとは予想していなかったんだ。最初に選んだリアタイヤが硬すぎたようだが、ミシュランにデータを提供するためにも試す必要があった。その後、柔らかめを履いたころには雨もひどくて最悪の状態になっていた。雨がもう少し弱ければ良い走りができたかと言えば、それはわからないし、逆にリスクをおかして転倒ということになったかもしれない。

ウエットでいろいろな問題が出てしまった数週間前のドイツGPにちょっと似ているような気がする。もっと自信を持ってプッシュしていくために安定したグリップ性を追求したいところだが、今はそこが欠けてしまっているんだ。天気予報通りに明日、晴れてくれれば、ウォームアップで有効なデータを収集し、決勝で良い戦いができるのだが...」」

J・トーズランド選手談（予選16位/2分23秒303/11周）

「僕にとってもテック3チームにとっても非常に難しい1日になってしまった。でも明日の朝になれば、雨が降っていようと晴れていようと僕はいつものように自分のベストを尽くすだけなんだ。どんなに厳しい状況におかれたとしても、全力で頑張るよ。ラップタイムを見れば、僕らの現時点での問題がよくわかるが、誰かに不満を言うつもりなどまったくない。僕の仕事はコースへ出て行って、与えられたマシンでベストを尽くして戦うこと。明日もその通りにするだけだ。

マシンに関しては、すべての要素がぴったりとかみ合ったときには違う展開も期待できるだろう。第1コーナーでの転倒は自分でもどうすることもできなかった。あのような状況ではもともと不可能なので、タイム更新のために無理をし過ぎたというわけじゃない。だから僕としては、理由もないのに転倒してしまったことが悔しいんだ。明日は天候の行方を見守るしかないが、雨でまた路面が汚くなるので、もしもドライになったとしてもスリックタイヤには厳しい状況を強いられるだろう。こんなに後方からスタートするのは好きじゃないが、もしもうまくいったとしたら、前の集団についていって、好レースを展開したい」