ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月17日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2008年8月15日(金)1日目フリー走行、16日(土)予選、17日(日)決勝
■開催地:チェコ共和国/ブルノ
CIRCUIT DATA
■開設:1987年
■コース長:5.403km
■サーキットレコードラップ:1分58秒157(2006年:L・カピロッシ)
■サーキットベストラップ:1分56秒191(2006年:V・ロッシ)
■2007年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
第11戦プレビュー
フィアット・ヤマハ・チームは4週間の夏季休暇を終了して今週末、第12戦チェコGPに臨む。チャンピオンシップをリードしているV・ロッシは、タイトル獲得をかけて残る7戦を戦っていく。第12戦の舞台となるブルノは、1965年に公道コースとして初めて使用されて以来、39回目となるグランプリを開催することとなる。
ロッシは前回のUSGPで、ラグナセカでの初優勝を達成。夏休みを経て充電も完了した今回は、得意なコースのひとつであるブルノに万全の態勢で臨む。ロッシにとっては125ccクラスでグランプリ初優勝を成し遂げたのがこの地であり、その後250ccで1度、最高峰クラスでは3度の優勝と3度の2位という好成績を誇る。相性の良いこのサーキットに、ロッシはC・ストーナーに対して25ポイントのリードを築いて乗り込むこととなった。
チームメイトのJ・ロレンソにとっては、夏期休暇が非常に重要な意味を持つこととなった。前回のラグナセカでは1周目に転倒、左足に3ヵ所の骨折を負っていたからだ。この期間に集中的な治療を行ってほぼ完璧な状態まで回復しており、ロッシ同様に相性の良いこのコースで復活を期す。ロレンソは2004年に125ccクラスで優勝、2006年と2007年は250ccクラスで、いずれもポール・トゥ・フィニッシュを達成している。
ライダーたちが休養をとった一方で、ヤマハ本社のエンジニアたちは夏休み返上で作業を続けてきた。森に囲まれたブルノのコースは、公道コースの特徴を多く残している。曲がりくねったシケインや激しい高低差に恵まれた理想的なテストの地でもあり、チームはこのあと、2日間のマシンテストも予定している。
COMMENT
V・ロッシ:"もっとレースがしたい!"
「昨年は7位に終わり、非常に悔しい思いをした。でも今回は、あのときとはまったく違った気持ちでこのレースを迎えることができる。マシン、タイヤともに絶好調をキープし、アメリカでの初優勝という充実感も得てチャンピンシップをリードしているのだ。夏休みは友達や家族とリラックスした時間を過ごしていたが、今はまたレースに戻ることが待ち遠しい気持ち。戦いは厳しいものになるとわかっているし、ケイシーがまた調子を上げてきているので、僕らは最初のプラクティスから全力を注いで、マシンセットアップのために少しも時間を無駄にしないようにしなければならない。残りはあと7戦。そのすべてが、あのラグナセカみたいに楽しい展開になることを夢見ているんだ!」
J・ロレンソ:"望みは高く"
「希望を持ってこの大会に臨む。ラグナセカでの事故のことは考えないようにしている。僕の中ではもう過去のことなんだ。前回のアメリカではスピードをアピールすることができたので、今回もそうなるようにと願っているし、それができると信じている。ブルノは大好きなコースのひとつ。125ccと250ccで合計3回優勝している。僕のライディング・スタイルに合っているようだし、天候もたいていパーフェクト。
怪我は十分に良くなっているので、期待できると思っている。タイミング良く夏休みがあったおかげで、これまでの怪我をしっかりと治す時間ができたことが良かったと思う。今はまだ松葉杖を使っているが、トレーニングは少しずつ続けている。木曜日にブルノに入る頃にはまったく問題なくなっているはずだ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督:"重要な鍵となる7レース"
「シーズン終盤の7レースは非常に重要なものとなる。ブルノはそのスタートなのだ。ストーナーに25ポイント、ペドロサに41ポイントをリードして順調だが、これをシーズン終了まで維持しなければならない。これからはペドロサが戦いに復帰し、ロレンソも表彰台の常連に復活してくるはずなので、非常にエキサイティングな展開になるだろう。
昨年のこの時期は上位でレースをすることができなかったが、今年はチーム全員の懸命の努力の結果として、戦闘力の高いマシンをバレンティーノに提供することができている。このあとのレースはどれもが非常に重要となるが、なかでもブルノは最も厳しい戦いになることが予想される。プラクティスでは持てるポテンシャルをすべて駆使して、100%の仕事をしていきたい。とくにラグナセカでの素晴らしいショーのあとはヤマハの全員がモチベーションを高く保っており、これから戦いに戻ることを心待ちにしているというところだ」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督:"その時がやって来た!"
「ホルヘはとても良い状態にあるようだ。すでにトレーニングを始めており、厳しい状況のなかでも最大限の回復を願っている。あの転倒は大きな衝撃だったが、怪我の回復のためには最適な時間を過ごすことができた。今回の第1の目標は、シーズン開幕当初の感覚と自信を取り戻すこと。それができれば残りの7レースを楽しんで走ることができるからだ。我々チームとしては、マシンに対する信頼を取り戻してもらうために全力を注がなければならない。
ラグナセカのプラクティスでは非常に好調だったし、スピードも十分にあって予選4位を獲得していた。決勝ではリアグリップに問題が出て、あの不運な転倒につながってしまったのだ。リアグリップについては今も最大の課題。ミシュランと協力しながら事態を改善していかなければならない。また、新舗装の路面も不安定要素となってくるため、タイヤチョイスをとくに注意しなければならない。チームは士気が高く、レース再開を楽しみにしている。好レースを期待している。ホルヘはきっとやってくれる!」