ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 7月20日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦USGP
■開催日:2008年7月18日(金)1日目フリー走行、19日(土)予選、20日(日)決勝
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカスピードウエイ
CIRCUIT DATA
■開設:1957年
■コース長:3.610km
■サーキットレコードラップ:1分22秒542(2007年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分21秒975(2007年:C・ストーナー)
■2007年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
ロッシ、ランキング首位でラグナセカへ
フィアット・ヤマハ・チームは約2ヵ月間にわたったヨーロッパラウンドを終え、アメリカ大陸へと移動。V・ロッシは夏休み前の最後のレースとなる今回の第11戦を、ランキングトップで迎える。8週間のうちに6レースが開催された忙しいスケジュールのなかでは、何度も雨に見舞われ、前回のザクセンリンク決勝もウエットだった。
"サンシャイン・ステート"と呼ばれるカリフォルニア州で行われる今回は、そのチャンピオンシップのリードを広げる絶好のチャンスである。ドイツGPで2位を獲得したロッシは、タイトル争いのライバル、D・ペドロサの転倒リタイヤもあって16ポイントのリードを構築。しかしこの大会でのウイナー、C・ストーナーがわずか4ポイント差で3位につけている。ロッシは、ラグナセカがモトGPコースとして復活した2005年に3位を獲得しているが、それ以降は表彰台から遠ざかっている。GP開催が中断される前の1988年から1994年、ヤマハはここで6大会中5回の優勝を飾っており、ロッシは今回その頃の活躍の再現をめざしていく。
チームメイトのJ・ロレンソは、順調に回復してきていたが、前回のザクセンリンクでは3周目に転倒してリタイヤ。今回のラグナセカは、モトGPライダーとして初めての出場となるが、昨年はスペインのテレビ局とともに訪問。またこの冬には、モデストにあるキング・ケニーの牧場を訪れてダートトラックの練習を行っており、そのときから既にカリフォルニアが大のお気に入りとなっていた。
乾燥した暑さ、予想のつかない路面コンディション、反時計回りのレイアウトなど非常に特徴的なこのコースにおいて、このオフの経験が役に立ってくれるはずである。激しいアップダウンと、世界的にも有名な‘コークスクリュー'などの高速コーナーで、リアはスライドし、フロントはしばしばスピンする。マシンセッティングは単純明快で、最高速よりもスロットル操作系が重視され、またアップダウンや様々なコーナーに対応できるシャシー・バランスが鍵を握ることとなる。
COMMENT
V・ロッシ選手談-- "良い思い出を作るために!"
「ラグナセカはこれまでに3回走ったが、あまり好きになれないコースで、今のところ一度も優勝経験がない。だから今回こそは、何としても勝ちたいんだ!マシンにとっては非常に厳しいコースだが、ブリヂストン・タイヤには合っているようなので、きっとうまくいくはず。過去の2年は最悪で、獲得ポイントもシーズン中最低という感じだったが、バッドラックはもう終わったと信じて、今年は楽しんで走れるようにしたい。
マシンはドイツと同じものを使用する予定なので、ストーナーとの差をいかに縮めていけるかが課題となる。予選では何としてもフロントロウを獲得しなければならない。ストーナーがこれだけ好調なので、彼についていくためにはフロントロウ以外に考えられないんだ。カリフォルニアはとてもいいところ。今年こそ、レースでも良い思い出を作っておきたい」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談--"ファンタスティックなレース"
「チャンピオンシップのトップに立って、このラグナセカを迎えられることを非常にうれしく思っている。このコースでは今まであまり良い思い出がなかったので、過去最高の2005年の3位という結果を、今年こそ更新したい。カリフォルニアは雰囲気が特別で、いつも素晴らしいレースができる。今回もカリフォルニアの太陽に恵まれるよう期待している。攻めの気持ちで臨み、目標は表彰台獲得とランキングトップのキープだ」
J・ロレンソ選手談--"有名なサーキットが楽しみ"
「ラグナセカではレースをしたことはないが、昨年スペインのテレビ番組のコメンテイターとして行って、素晴らしい時間を過ごした経験がある。カリフォルニアはとってもいいところだね!かなり特殊なこのコースのことは誰もが話題にしているが、今年はついにレースに出場できるので、ワクワクしているんだ。あの有名な ‘コークスクリュー'を走るのを楽しみにしている。
難しいコースだということは間違いないが、僕自身のフィーリングはとても良くなっていて、マシンを仕上げるために全力を尽くす準備ができている。初日から懸命に、ミシュランとともにグリップ性向上を目指していくことが重要だ。ザクセンリンクのことは今でも悔しいが、怪我をしなかったのは良かったし、すぐ翌週に次のチャンスが与えられたことはラッキーだと思っている。夏休みをエンジョイするためにも、ここでいいレースをしたい」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談--"グリップが鍵"
「ホルヘは前回のドイツのことをいまだに忘れられないようだ。でも怪我をしなかったことが幸いだ。これから我々は、ザクセンリンクでの問題を解決するべく懸命に頑張っていかなければならない。
問題というのはリアのグリップ不足。ドイツでは決勝がウエットで、さらに悪化してしまったわけだが、ラグナセカでもやはり、この部分が重要なテーマとなるだろう。なぜなら、過去2年のレースを見ても分かるように、タイヤへの負担が大きいからだ。電子制御システムについては新しい試みは行わない。ホルヘがより乗りやすいと感じられるベース・セッティングを追求するために、マシンとサスペンションのジオメトリー設定に取り組んでいく。ホルヘにとっては初めて走るコースだから、失うものは何もない。きっと面白いレースになるだろう!」