ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 6月28日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦オランダGP(TTアッセン)
■開催日:2008年6月26日(木)1日目フリー走行、27日(金)予選、28日(土)決勝
■開催地:オランダ/アッセン
CIRCUIT DATA
■開設:1955年
■コース長:4.555km
■サーキットレコードラップ:1分37秒106(2006年:N・ヘイデン)
■サーキットベストラップ:1分36秒411(2006年:J・ホプキンス)
■2007年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
ロッシ、ランキング首位で迎えるシーズン折り返し点
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソは、前回のドニントンパークから6日後の6月28日(土)第9戦ダッチTTを迎える。ダッチTTは78年間にわたって6月最終週の土曜日に開催されており、今年もその例に倣う。
ロッシはここアッセンで通算6回優勝しており、そのなかの4回は最高峰クラスでのもの。大のお気に入り、かつ最高成績をおさめてきたドニントンから、このアッセンへの移動は、疲れを忘れさせるほどの楽しい旅となりそうだ。第9戦を迎えるロッシは非常に好調。カタールでの開幕以来、表彰台を1度も逃すことなく、また第3戦ポルトガル以降は2位以上をキープ。シリーズポイントではD・ペドロサに11ポイント差をつけランキングトップに立っている。
ロッシのチームメイト、J・ロレンソは、このところの不運によってランキング4位に後退、トップからは58ポイント離されている。しかし前回のドニントンでは予選17位から見事な挽回を見せて6位獲得の大健闘。失いかけていた自信を取り戻しており、依然としてチャンピオン候補のひとりとして注目されている。転倒と怪我に苦しめられた数週間のことは思い出に変わり、すでにベストの状態にまで復活。チャンピオンシップはまだ10戦残っている。
モトGPコースのなかでも技術的、体力的に最も厳しいコースのひとつであるアッセンは、ストレートの部分はほとんど見当たらない。高速シケインや、刻々と変わる路面の傾斜角(創立当時の公道コースと同じような部分が何ヵ所かある)に備えるために、ハンドリングが非常に重要な要素となる。これはYZR-M1が優位性を発揮するところだ。ロッシは昨年、C・ストーナーに1.909秒差をつけて優勝。予選11位からの追い上げという劇的なレースだった。また一方のロレンソも、2004年には125ccクラスで、2006年と2007年は250ccクラスでそれぞれ優勝を果たしている。
COMMENT
V・ロッシ選手談-- "表彰台の中央を目指して"
「好きなコースのひとつ、アッセンへ直行できるのはとてもうれしい。ドニントンはうまくいって貴重なポイントを獲得、チャンピオンシップのポイントリードを拡大することができた。でもストーナーと優勝争いをすることができなかったのはちょっと残念。その意味でも次のレースがすぐにめぐってくることは大歓迎だ。
昨年のアッセンはまるでマジックみたいだった。シーズン最高とも言えるあのレースを、今年も再現したいと思っている。昨年の"ごぼう抜き"もものすごく気分が良かったが、もちろん今回は、4列目でなくフロントロウからスタートしたい。昔のアッセンが未だに恋しいけれど、今のコースも素晴らしいし雰囲気は特別。それにYZR-M1はいつもよく走ってくれるので、今回もとても楽しみだ。ドニントンではライバルたちの強さが証明されたと思うので、僕らは一刻も休むわけにはいかない。表彰台の中央へ復活するためには、金曜日の午前中からベストの状態にもっていかなければならない」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談--"ついにシーズンの折り返し"
「このアッセンが、ちょうどシーズンの折り返しとなる。我々としては、ここまでの戦いぶりを評価できると思っている。チャンピオンシップをリードし、モチベーションも常に高い。しかし休んでいる暇はないのだ。一番の目標は毎回、表彰台に上ることで、前回のドニントンでもこれを達成し、貴重なポイントを獲得してリードを広げることができた。
しかし当然のことながら、やはり優勝争いをしたかったというのが正直なところで、これを今回、目指していきたい。我々のマシンは、ここアッセンで、旧コースのときも新コースになってからも常に好成績をおさめてきた。ウイーク初日からベストの状態で臨めるよう期待している」
J・ロレンソ選手談--"楽しんで走りたいんだ!"
「先週の日曜日のレースのことを思い出すと、僕はいまだに楽しくて仕方がない。そして1週間前に想像していたよりはずっと、走りに対して大きな自信を持てるようになっているんだ!イギリスで好成績を残すことができたので、これでこのところの不運が思い出に変わってほしいと思う。そして実際に、今はあの時のことをあまり考えなくなっていて、ただこれから先のことばかり思いを巡らせている。
前回は期待していた以上に楽しむことができたので、おかげでしっかりと前へ進み、次のレースを待ち望むことができているんだ。アッセンは好きなコースのひとつで昨年は優勝している。依然としてリスクをおかすことはできないし慎重に臨まなければならないことはわかっているが、今年も昨年同様、好成績を目指したい。アッセンでモトGPマシンに乗るのは、きっととても楽しいと思う」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談--"アッセンは神殿"
「ドニントンでの目標はホルヘにマシンの感覚を取り戻してもらうことで、それについてはレース終盤で好タイムも記録するなど確実に達成できた。ここアッセンでも依然として、成績についてのプレッシャーはないものの、チャンスは十分にあると考えている。ドニントンではプラクティスでかなり慎重に走っていて、とくにセッション序盤のセッティングがまだ完璧ではないときにはリスクをおかさず、じっくりとロングランを行った。
1年のことを考えれば、彼の課題はモトGPを学ぶこと。ただそれにしても、このところの不運はかなり手痛いものとなってしまった。アッセンのコースはモーターサイクル・レースにとっての神殿のようなもの。誰もがここでのレースを楽しみにしているのだ。過去にも見てきたようにホルヘのライディング・スタイルに合っているし、ヤマハのマシンにとっても同様。きっといいレースを展開できると思う」