ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月1日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦イタリアGP
■開催日:2008年5月30日(金)1日目フリー走行、31日(土)予選、6月1日(日)決勝
■開催地:イタリア/ムジェロサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1974年
■コース長:5.245km
■サーキットレコードラップ: 1分50秒117(2005年:M・ビアッジ)
■サーキットベストラップ:1分48秒969(2006年:S・ジベルナウ)
■2007年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
連勝目指して
フィアット・ヤマハ・チームは今週末、連勝を目指してイタリアはムジェロへと移動する。同チームのふたりのライダーは今シーズン、トータル3回の優勝、4回のポールポジション、そして9つの表彰台獲得と大活躍。前回のフランスGPでは、テック3・ヤマハのC・エドワーズを加えた3人が表彰台独占の快挙を成し遂げている。シリーズポイントではV・ロッシがトップ、J・ロレンソが2位につけているほか、コンストラクター・ランキングでヤマハが、チーム・ランキングでフィアット・ヤマハ・チームがそれぞれトップに立っている。
チームの本拠地ミラノから300kmほどのところに位置するムジェロ。ロッシはここで、ヤマハ加入後の4シーズンで毎回優勝を果たしているほか、さらにそれ以前の2年間、そしてその前には125ccクラスと250ccクラスでも栄冠に輝いている。今シーズンは前回,前々回と2連勝を果たしてランキングトップに浮上し、好調のままこのホームGPに臨むこととなる。
一方のロレンソもロッシに続くランキング2位と好調。5レースのトータル94ポイントという数字は、ルーキーとしては最高の記録で、今後はグランプリ100回出場の最年少記録も狙っていくつもりだ。ここムジェロとの相性も良く、2005年の250ccデビューではポールポジションから2位獲得。翌2006年にはポールトゥフィニッシュを飾っている。昨年は雨の予選で20位からのスタートとなり、最終ラップでトップ走行中に転倒して再スタート後8位でゴールした。
長さ1,141mのメインストレートを持つムジェロは、GPコースのなかでも最速コースのひとつで、昨年は新型800ccマシンのトップスピードが320km/hに届いた。他の高速コースと異なるところは頻繁に変わる高低差とシケインでのスピード。低速コーナーと高速コーナーが組み合わされているが、最も低速のコーナーでもコース幅が広いため、パスの際にはいくつものライン取りが選択できる。このためシャシー・セットアップの正確さと同様にライダーのスキルも非常に重要視されるのである。
COMMENT
V・ロッシ選手談
「ルマンでの経験は素晴らしいものだった。そして今でもハッピーな気分が続いているほどだ。レースのあとのテストも順調で、通常のマシンセットアップに加えてブリヂストン・タイヤのマッチングにも取り組み効果をあげることができたと思う。ムジェロが僕の好きなコースだということは、もう誰でも知っているだろう。これまでに6連勝しているので、今回は7回目を狙うというわけだ。僕にとってのホームレースであると同時に、僕のチームの多くのスタッフにとっても重要なホームレース。だからいつも、とても特別なものなんだ。高速&テクニカルなこのコースは、僕らのマシンに合っているので、金曜日午前中の第1セッションから好タイムを目指していく。ファンのみなさんのためにも好天を願っている。そして最後にビッグ・パーティーができれば最高だ!」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「2連勝を果たしたあとで、非常に良いタイミングでムジェロを迎えることができる。我がチームにとっては毎シーズン、このムジェロが最も重要なレースなのだが、今年はとくに、何としても優勝したいと思っている。というのはブリヂストンにこのコースでの初優勝を実現させたいからなんだ。今シーズンのここまでのヤマハの成績は際立っており、ライダー、チーム、コンストラクターのすべてでランキングトップを維持しているという事実が、冬の間の努力を物語っている。ヤマハはエンジンの改良とマシン全体としての性能向上に力を尽くし、その成果が結果として現れている。またバレンティーノも今シーズンのためにしっかりとトレーニングを行って体調を整えてきた。今シーズンは何としてもタイトルを取り戻したいと考えているのだ。このプロジェクトに関わる全員が全力を尽くしたからこそ、この結果に満足できている。そして残りのシーズンもこの好調をキープし続けたい」
J・ロレンソ選手談
「怪我がこんなに早くよくなったことを感謝しなければならない。ムジェロを迎える今、100%治ったと言うことはできないが、走るごとに、よりしっかりとステップを踏ん張れるようになっているんだ。ムジェロは流れるような高速コースが多く、好きなコースのひとつなので好成績を期待している。このあとにも良いコースはいくつもあるが、そちらに頼って先延ばしにするようなことはできない。スポーツ、とくにモーターサイクルスポーツにおいては、いつ何がおきるかわからないからだ。僕にとっては100回目のグランプリになる特別なレース。考えてみればここまでは、あっという間だった。200回目も同じくらい早くくればいいと思う。ということは、今までと同じくらいレースを楽しめたということだからね。ファンのみんなにも同じように楽しんでもらえることを願っているよ」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「今回はホルヘにとっての100回目のグランプリ。年齢を考えれば驚くべきことだ。そして今の彼は、モトGPをよりよく知るために情報を収集し、マシンを学ぶことに努力を続けている。怪我の調子はまだ完全ではないので厳しい戦いではあるが、ルマンでの彼を見て、問題に対処する能力の高さを改めて知ることができた。またチームのほうの頑張りにもとても満足している。フランスではプラクティス中に2度も転倒があって大変だったが、うまく対処し、またウォームアップでの変更も成功した。あの時点でもまだ、ホルヘが決勝でここまでやってくれるとは思っていなかったが、結果は驚くべきものだった。我々は常に前進を目指している。ムジェロではクラッチを工夫して、スタートを助けたい。ヤマハ+ミシュランのコンビネーションの良さは昨年のロッシが証明しているので、今度は我々がチャンスをつかみたい」