ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月1日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦イタリアGP
■開催日:2008年6月1日(日)決勝結果
■開催地:イタリア/ムジェロサーキット (5.245km)
■観客数:96,000人
■周回数:23周(120.635km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:42度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分48秒130)
FL:C・ストーナー(ドゥカティ/1分50秒003)
REPORT
ロッシが3連勝!
【速報】
4周目にトップに立ったフィアット・ヤマハ・チームのロッシが独走で優勝。中国GP・フランスGPに続き3連勝を飾った。チームメイトのロレンソは7周目スリップダウンで転倒しリタイヤ。テック3・ヤマハチームのエドワーズとトーズランドはそれぞれ5位、6位だった。
決勝はペドロサ(ホンダ)がスタートで飛び出しストーナー(ドゥカティ)が続く展開。ポール発進のロッシは4番手で第1コーナーに入り、その後カピロッシ(ドゥカティ)を抜いて1周目終了時には3番手に。3周目にペドロサを抜いて2番手に上がると、ロッシは次の周ストーナーを抜いてトップに。しばらくは3台の僅差のトップ争いとなるがロッシは少しずつリードを拡大。10周目には2番手に1秒の差、その後もリードを広げ16周目に3秒以上のリードを築くと、その後トップを独走し優勝した。
ロレンソはトップの3台から少し離された第2グループをカピロッシ、ヘイデン(ホンダ)と接近戦を展開しつつ走り上位を狙う。しかし7周目6位走行中の第10コーナーで転倒してリタイヤした。
トーズランドとエドワーズとのコンビは中盤7、8番手をランデブー走行。後半にかけてふたりはカピロッシとドビツィオーゾ(ホンダ)を順にパスして5、6番手に浮上。15周目にエドワーズが先行して5番手に上がると前を行くアンジェリス(ホンダ)を追うが届かず5位のままチェッカー、トーズランドが6位で続いた。
【レポート】
96,000人もの熱狂的ファンが詰めかけたムジェロ・サーキットで、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが7年連続となる優勝を果たした。このコースでの優勝はロッシにとってトータル9回目、ヤマハにとっては5回目、そしてブリヂストンにとっては初めての快挙で、シーズン中の3戦連続優勝は2005年ぶり。ロッシのチームメイト、J・ロレンソは、自己通算100回目のグランプリ出場を果たしたが、残念ながら7周目、6位走行中に転倒して完走はならなかった。金曜日のフリープラクティスは分厚い雲と激しい雨に見舞われ、コース脇の丘に陣取ったロッシ応援隊も泥まみれになるほどの悪天候だったが、決勝は明るい太陽に恵まれ気温は30度まで上昇していた。
金曜日午前中のセッションは、朝方に小雨が降ったことでコースはウエットからドライへと変化していく難しい状況。ロッシは序盤で好タイムを記録していたが、路面状況が比較的良くなった後半は走行しておらず、10位でそのセッションを終了した。一方のロレンソはリスクを避けて慎重に走行して14位。しかし午後になって完全なウエット・コンディションになると、ミシュランの新しいウエット・タイヤを試しながらマシンセッティングを進め、参加ライダー中最多の25ラップを完走して2分02秒562を記録して6番手まで上昇した。ロッシもまたブリヂストン製ウエット・タイヤのテストを行い、2分02秒327で4位に上がった。
翌土曜日になるとロッシは、今回のために用意した新しいヘルメットを披露。アルド・ドルジがデザインしたもので、ムジェロのストレートエンドで時速320kmに達した時のロッシの激しい表情の写真がつけられている。残念ながら、午前中の走行は雨が残っていたためあまりいいところがなかったが、午後からの公式予選ではようやく太陽が顔を出し、気温24度、路面温度33度と絶好のコンディションが用意された。ロッシはレース用タイヤでコンスタントに速く、予選タイヤでも用意されていた4本のうちの3本で現行のポールレコードを0.8秒も上回るタイムを記録した。この結果、ロッシは昨年のカタルニア以来となるポールポジションを獲得した。これはロッシにとって自己通算50回目、ブリヂストンにとっては初めての快挙で、ヤマハとしては今季6レース中5度目のポールポジション。ロレンソとそのチームクルーたちは、レースウイーク唯一のドライ・コンディションでのセッションを生かしきることができず、予選結果は、ロレンソのモトGPデビュー以来最も低い7位。しかしこれまでに表彰台を4回獲得しており、とくに前回、前々回で見せた後方からの追い上げの実力をもってすれば、今回も決勝での好バトルを期待することもできた。
ほぼ1年ぶりにポールポジションからスタートしたロッシは、やや出遅れて4位で1コーナーを立ち上がった。その後すぐにL・カピロッシ(スズキ)をパス、さらにC・ストーナー(ドゥカティ)とD・ペドロサ(ホンダ)を追いながら1周目のラインを通過した。そして3周目、例年通り大勢のロッシ応援隊が陣取るカサノバ・サベリ・コーナーでペドロサとストーナーを捉えることに成功した。トップに立ってからは圧倒的な強さで後続を引き離しにかかり、そのなかでM・ビアッジが持つ現行のラップレコードを3回にわたって更新。ストーナーも懸命に追いすがるが、10周目の1コーナー進入でミスをおかし、ブレーキングではらんでペドロサに先行を許した。ストーナーは4周後に再びペドロサを抜き返すが、すでにロッシは3秒ほどのアドバンテージを構築。その後はロッシがレースをコントロールし、終盤になってさらに気温が上がったところで徐々にペースを下げた。最終的には2位のストーナーに2.201秒差をつけてトップでゴールした。ロッシ応援隊はいつものように歌でヒーローを迎え、表彰台を見守った。
一方のロレンソは、約1ヶ月前の中国GPで負傷した足首の状態がまだ完全ではないなかで、金曜日、土曜日の悪天候も災いしてなかなかセッティングが煮詰まらなかった。それでも予選7位からスタートしたあとリズムをつかみ、上位グループとほぼ同等のタイムで好調に走行していたが、第10コーナーでフロントを滑らせ転倒。今シーズンはこれまでにポールポジション3回、優勝1回、表彰台3回を獲得してきたロレンソにとって、悔しい結果となった。
テック3ヤマハ・チームは、C・エドワーズとJ・トーズランドの活躍によって、チームランキング3位に浮上した。エドワーズは序盤で一時9位まで後退していたが、その後挽回してムジェロでの自己最高成績となる5位を獲得。トーズランドもエドワーズに勝るとも劣らないパフォーマンスを見せ、初めて走るムジェロで6位と健闘した。
そのトレードマークともなっているアグレッシブなライディングで見る見るうちに順位を上げていくロレンソ。中野真矢(ホンダ)、N・ヘイデン(ホンダ)、A・ドビツィオーゾ(ホンダ)、カピロッシ、そしてエドワーズといういずれもトップライダーを次々にパスして5位まで浮上した。7周目から15周目まではチームメイト同志のバトルが続き、おもにエドワーズがトーズランドを追いかける展開だったが、最終的にはエドワーズが前へ出て5位、トーズランドが6位となった。トーズランドはこれでランキング8位に復活した。
一方、ランキングトップに立っているロッシは2位のペドロサとの差を12ポイントに拡大、ロレンソはペドロサから16ポイント差で3位となっている。次回はロレンソのホームコース、バルセロナのカタルニアで行われる。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 42'31.153 |
2 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | +2.201 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | +4.867 |
4 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | +6.313 |
5 | C・エドワーズ | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | +12.530 |
6 | J・トーズランド | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | +13.806 |
7 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | +14.447 |
8 | A・ドビツィオーゾ | JiR Team Scot MotoGP | Honda | +15.319 |
9 | 中野真矢 | San Carlo Honda Gresini | Honda | +15.327 |
10 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | +30.785 |
11 | S・ギュントーリ | Alice Team | Ducati | +39.621 |
12 | T・エリアス | Alice Team | Ducati | +50.021 |
13 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | +50.440 |
14 | 岡田忠之 | Repsol Honda Team | Honda | +58.849 |
15 | A・ウエスト | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | +1'00.736 |
LAP CHART
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Yamaha | 122 |
2 | D・ペドロサ | Honda | 110 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha | 94 |
4 | C・スト―ナー | Ducati | 76 |
5 | C・エドワーズ | Yamaha | 58 |
6 | L・カピロッシ | Suzuki | 51 |
8 | J・トーズランド | Yamaha | 43 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 140 |
2 | Honda | 110 |
3 | Ducati | 81 |
4 | Suzuki | 54 |
5 | Kawasaki | 29 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(優勝)
「第1の目標はチャンピオン獲得だが、その次に大事なのがここムジェロでの優勝なんだ。今日はそれができて夢のような気持ち。大勢のファンの前で表彰台に立ったときの感覚は、言葉では表現のしようがない。とにかくここでまた優勝することができて本当にハッピーだ。
ホームコースでの7年連続優勝も最高にうれしい。でもやはりプレッシャーもあった。みんなをがっかりさせなくて済んだので、今はとてもほっとしているよ。レースウイークは天気が悪くてドライの走行があまりできず、チームのスタッフもかなり苦労した。それでも彼らは懸命に努力してマシンを作り上げてくれたんだ。トップに上がってからはどんどんリードを広げることができたが、終盤はすごく暑くなって走るのもきつい状態。もう少しペースを落としたかったけれど、ストーナーが追ってくるので、そのまま行くしかなかった。
チームのみんなに感謝、それからエンジニア、そしてもちろんブリヂストンにも!このコースでの初優勝を彼らにプレゼントすることができたこと、僕はとても喜んでいる。今日もタイヤは最初から最後まで、ほとんど同じ状態で働いてくれた。最高の1日。そしてランキングでも少し差を広げることができた。今は家に帰ってベッドに入り、そのまま5日間くらい眠りたい気分。でも実際はこのまますぐにバルセロナへ向かわなければならない」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督
「ついにやった!今回は誰もがバレンティーノの6連勝、そして7度目の実現を期待していたので、ずっとプレッシャーを感じていた。チームのみんなが同じ気持だっただろうと思う。全てを集中し、バレンティーノに最高のマシンを提供するために全力を尽くした。そして彼はそれを、最高の形で成績に結びつけてくれたのだ!ムジェロでの彼の走りは本当に素晴らしく、誰も止めることができない。これで今季3戦連続優勝となったが、リラックスしている暇はない。このあとすぐにバルセロナへ向かい、また激しい戦いに臨む」
J・ロレンソ選手談(リタイヤ)
「今週はいろいろな問題があったが、今日は僕自身のフィーリングも良く、モチベーションをもって臨むことができた。好スタートを切ることができたので表彰台を狙っていけると思っていたが、こんなことになってしまって、チームのみんなに、ファンのみなさんに申し訳ない。
これは僕のミスだ。あのコーナーでドビツィオーゾに仕掛けていくのは間違いだった。あそこはいい場所じゃないんだ。このことからまたひとつ勉強させてもらったよ。精神的には依然として前向きな気持ちを保つことができており、今はもう次のカタルニアに向かっている。また5日後にはマシンに乗れるというのはとてもいいことだ。中国ではマシンにいくつか変更を加えなければならなかったが、おそらくそれ以来、セッティングがベストの状態ではなくなっているのだと思う。でも今はどこに問題があるのか分かっているので次につなげたい。バレンティーノにとっては最高の1日。おめでとう!」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督
「残念ながら非常に厳しい戦いになってしまった。ウイークを通じて、マシンを十分に仕上げることができなかったのだ。今朝のウォームアップでまたいくつか変更を加え、それによって序盤はいいペースで走ることができた。転倒は残念だったが、レースでは起こりうること。これからデータを分析し、彼にとってのホームレースとなるバルセロナでいいマシンを提供できるように頑張りたい。厳しい状況のなかで全力を尽くしてくれたチームのみんなに感謝する。今回はこのような結果になったが、次回はリベンジを狙う」
C・エドワーズ選手談(5位)
「スタートはとても良かったというわけではないが、それほど悪くもなかった。でも気づいたらいくつか順位を下げていたんだ。最初の2ラップくらいは、あまりグリップしてくれなかったので、立ち上がりで他のライダーについていけなかった。タイヤが暖まってからはフィーリングがとても良くなった。でもまだ、今日の気温の高さにライディング・スタイルを合わせるために調整が必要だった。コーナー進入ではリアが少し回り込んでくる感じがあって、強くブレーキをかけて旋回スピードを抑え、マシンを立ててから加速するようにしてタイヤの消耗を抑えようとした。それがうまくいって、5位を獲得できたということだ。
正直なところ、ルマンでの3位よりもここでの5位のほうがうれしい。ルマンでは優勝を狙う位置だったが、このコースではこれまだ9位が最高だ。5位という成績自体に満足するはずはないが、最も苦手とするこのコースでは十分にいい成績。
タイヤについては、ドライでの走行が少なくてテストが十分にできなかったので、耐久性のあるものということで選ぶしかなかった。こういうときは安全策を採るのが一番だからだ。ミシュランのスタッフの努力に感謝しなければならない。20ラップ以降、タイヤがどのような状態になるのか我々には予想がつかなかった。しかし結果を見ればチョイスは正しかったことがわかる。タイヤチョイスはどのコースでも非常に重要なものだが、このコースではとくに厳密にならなければならない。ミシュランにはとても感謝している。
ジェームスとは、いいバトルができた。彼が6位に上がってきたことを非常に嬉しく思っている。アラビアータ・コーナーなど彼がリードを広げる部分がいくつかあったが、パスできればそのまま抑えられると思っていた。実際にそうなって少し離すことができたので、そのあと彼はスリップストリームにつけなくなり僕を抜き返すことができなかった。チームとしては素晴らしい成績だ」
J・トーズランド選手談(6位)
「非常にハードなレース。テック3のスタッフ全員に心からお礼を言いたい。今週は天気が悪くてセッティングが思うように進まない中、最終的に今朝のウォームアップでマシンをここまで作り上げてくれた。こうして6位に入るよう支えてくれた。タイヤについても状況は同じで、ドライでのテストが十分出来なかったが、最後までよく機能してくれた。だからミシュランのスタッフたちにも感謝している。
スタートの第1コーナーで中野真矢に接近してしまい、僕はいくつか順位を下げてしまった。でもまだレースは始まったばかりだから、冷静になるように心がけた。ルマンと同じミスはしたくないからね。とにかく落ち着いて、つまらないミスをしないようにするだけだった。ほとんど同じ状態のマシンに乗っているコーリンに続いてゴールできたのは良かった。序盤では彼をパスしていたが、その後、彼がペースをつかんだ。終盤になってさらにコンマ2~3秒タイムを上げると、僕を抜いていった。やはり彼は経験豊富なライダーだ。ほとんど同じマシンだが、彼のマシンはとても挙動が少ないんだ。僕のほうはまるでマシンと格闘しているようなもので大変なんだけれど、少しずつ勉強して行くしかない。
セッティングに関しては高速コーナーでの安定性が気になるところだったが、他のマシンと比較してもかなり良い状態だということは明らかで、このことはヤマハに感謝しなければならない。今日は本当に、一生懸命に走った。これだけ頑張って14位だとしたら気力を失ってしまうかもしれないが、僕もマシンも調子がよければ、またこうしてトップ6に入ることができるということがわかった。これからもこの位置を狙っていきたい」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督
「今日の結果には満足している。コーリン、ジェームスのふたりは本当によく頑張ってくれていて、これ以上を望むことなどできないほどだ。コーリンはこれまでムジェロであまり良い思い出がなく、今回は彼にとってベストリザルト。最初の2周は少し順位を下げたが、すぐに挽回し、クレバーで安定したレースを見せてくれた。今回は5位、6位というのが期待できる最高の成績だったと思う。
ジェームスのほうはこのところ不運が続いていたので、今回の6位はうれしい。彼はどんなときでもモチベーションを高く持ち続けているし、成績が悪ければ非常に悔しそうにしていた。それを見ていた我々としては、調子の悪いときも彼への信頼を失ったことはなかった。そして今回、スタートラインでのファイティングスピリット、最大の武器であるアグレッシブなパスがまた戻ってきたのだ。終盤になってロリスが追い上げてきたときには少し心配したが、ジェームスは集中力をキープしてミスをおかさなかった。
ふたりの活躍で大量ポイントを獲得し、我々は今、チームランキングで3位につけている。これは本当にうれしいことで、すべてのスタッフにとって意義のあることだ。今回は現行の多くのスポンサーだけでなく、将来の可能性のある企業がたくさん見にきていたのでプレッシャーは大きかった。そうしたなかで我々はポテンシャルを証明し、とても良い仕事ができたと思う。またヤマハの優勝を祝福する」
中島雅彦フィアット・ヤマハ・チーム総監督
「イタリアのムジェロサーキットはGPの中で最も長いコースの一つで、最高速が320km/h超の高速サーキットです。また起伏に富んだコースレイアウトでクイックなハンドリングが要求されるテクニカルなコースでもあります。イタリアはファクトリーチームにとってホームGPであり、バレンティーノの連続優勝記録も掛かっている中、我々スタッフも大きなプレッシャーを感じながらのレースでしたが、バレンティーノが気迫の走りで今季初のPP獲得とムジェロ7連勝の記録を達成してくれて、我々も肩の荷が降りた気分です。
今回も不安定な天候でプラクティスではドライでのセッティングに時間が割けず、マシンセットアップ、タイヤ選択に不安を残す状況でしたが、テック3チームのC・エドワーズ、J・トーズランドの両名も揃って5、6位と好調を維持し、YZR-M1のポテンシャルの高さをアピールしてくれました。怪我から順調な回復を見せるルーキーのJ・ロレンソ選手は激しいポジション争いの中、残念ながら転倒リタイヤとなりましたが、次戦カタルニヤは自身のホームGPですので、既に気持ちを切り替えています。
これから8週間で6レースをこなす最も厳しいシーズンの山場を迎える事になります。チャンピオンシップを占う上でも重要な時期と捉えており、更なる努力を続けていきたいと思います」