ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月4日 中国
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2008年5月4日(日)決勝結果
■開催地:中国/上海サーキット(5.451km)
■観客数:20,379人
■周回数:22周(116.182km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:21度 ■路面温度:21度
■PP:C・エドワーズ(ヤマハ/1分58秒139)
■FL:V・ロッシ(ヤマハ/1分59秒273)
REPORT
YZR-M1のV・ロッシ、今季初優勝
【速報】
今季最高位の2番手グリッドからスタートしたフィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは、5周目にトップに立つとコンスタントに好タイムを刻み、最終的に2位に3.8秒以上、3位には約16秒の差を付けて、今シーズン初優勝を飾った。ロッシにとってこのコースでの優勝は、グランプリが初開催された2005年以来2度目。自己通算89回目の優勝は、昨年のエストリル以来8レースぶり、またブリヂストン・タイヤで初めての快挙となった。
J・ロレンソは4位、ポールスタートのテック3・ヤマハ・チームのC・エドワーズは7位、J・トーズランドは12位でレースを終えた。
午前の雨が上がり、徐々に路面が乾きつつあったが、ウエット宣言の下、始まった22周の決勝レース。C・スト-ナー(ドゥカティ)がホールショットを奪うも、すぐにエドワーズがトップに立ち、1周目をエドワーズ、スト-ナー、D・ペドロサ(ホンダ)、そして4番手にロッシ、続いてロレンソの順で終える。2周目にエドワーズをかわしたペドロサがトップに立ち、ロッシもスト-ナーをパスして3番手に。3周目にはロッシが2番手に浮上し、その勢いのまま5周目にはトップに躍り出ると、その後は2番手のペドロサとレースをリード。3番手以降を大きく引き離しにかかる。6周目、3番手走行中のエドワーズが終盤バックストレートでオーバーランして7番手に後退、3番手にはスト-ナーがつける。その時すでにトップ2人との差は4秒以上。
その後も、トップ2台はコンスタントに2分00秒台から1分59秒台へとラップタイムを上げて周回を重ね、ロッシが好タイムを出せば、次の周にペドロサがさらにタイムアップ、そして再びはロッシが更新するなど、完全に二人だけの戦いを展開。0.1秒から0.3秒の僅差で周回を重ねて行く。しかし、18周目にファスティストラップを出したロッシが、同様のタイムで19周目を終えたのに対し、徐々にペドロサが遅れ出し、最終的には3.890秒差を付けてロッシがトップでチェッカーを受けた。
初日に両足首を痛めていたロレンソは、一時9番手まで順位を落とすも徐々に順位を挽回。15周目には4番手まで浮上するが、3番手との差はすでに6秒以上あり、前を行くスト-ナーを上回るラップタイムで追い上げるもかなわず、そのまま4位でゴール
6周目に7番手に後退したエドワーズは、10周目に6番手に上がるが、14周目に再び7番手に。さらに17周目にひとつ順位を落とすが、20周目に前を行くライダーの後退により、7位でフィニッシュ。
7番手グリッドのトーズランドは、序盤10番手。5周目には9番手に上がるも、徐々に順位を落とし結局12位でゴールした。
ここまでの4戦で4人のウイナーが誕生する混戦模様。シリーズポイントでは、ロレンソがトップのペドロサから7ポイント差の2位、ロッシがロレンソから2ポイント差で3位につけている。
【レポート】
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが第4戦中国GPで優勝。ここ上海での優勝はロッシにとって2回目。自己通算では89回目のこの快挙は、昨年のエストリル以来8レースぶり、またブリヂストン・タイヤとのコンビネーションでは初めてのものだ。チームメイトのJ・ロレンソは、金曜日のフリープラクティスで転倒して負傷していたが、これを見事克服して4位をゲット。左足首骨折と左足に強度の打撲を負ったロレンソは、2週間前には右腕の手術を受けたばかり。完璧に機能していたのは左腕一本という状況のなかでの大健闘だった。
ロレンソは金曜日午前中のフリープラクティスで転倒。セッション中盤に差し掛かったころ、第1コーナーのあとのシケインでハイサイドを起こしていた。サーキット内の診療所で診察を受けたあと、上海市内の病院へ移送されてMRI検査を受け、その後サーキットへ戻ったが走行はせず、クリニカ・モービルのなかで休養した。
翌日になると果敢にもコースに戻り、午前中のセッションでマシンセッティングに取り組みながら14番手のタイムを記録。ここで決勝用セッティングには自信をつかんだロレンソは、午後の公式予選では大方の予想を覆すパフォーマンスで予選4位を獲得した。タイムはポールポジションからわずかコンマ5秒差。
一方のロッシもフリープラクティス初日から好調で、土曜日午前中のプリープラクティス、午後からの公式予選でも素晴らしい走りを見せて決勝に向けて万全の態勢。タイムアタックでは1本目の予選タイヤで一時トップに立ち、2本目でさらに更新するとポールポジションを確信していたが、その後、同じくヤマハのC・エドワーズがロッシのタイムを0.355秒上回って逆転した。エドワーズにとってはモトGPで自己通算3回目、またヤマハにとっては今季開幕以来4戦連続となるポールポジション獲得となった。
初日、2日目は好天に恵まれ高温の下で行われたが、決勝日の午前中は激しい雨に見舞われたため、ここまでの順位に変動が起きる可能性。実際、125ccクラスと250ccクラスはレイン・コンディションで行われ、意外なウイナーが誕生した。しかし午前中遅くになって雨は止み、気温21度の暖かさと穏やかな風も手伝ってコースは急速に乾いていった。何人かのライダーはタイヤ・チョイスに命運を賭けたが、路面温度21度は、昨日までと比較してもそれほど低くないものだった。
エドワーズは、スタートで飛び出したストーナーがオーバーランしたあと一時レースをリード。ここにD・ペドロサも加わり抜いていった。一方、予選2位のロッシは慎重にスタートしており1周目を4番手で終えたが、3周目終了までにストーナーとエドワーズをパスして2位に浮上。そして5ラップ目、バックストレート・エンドでついにペドロサをとらえてトップに立った。
その後はロッシ本来の実力を発揮し、しっかりとコントロールされた見事な走りを披露。ペドロサの追撃を受けながらも12周目にはさらにペースを上げ、1分59秒650のファステストラップを記録した。ペドロサもすぐにこれに反応して1分59秒628へと更新、ふたりの激しい一騎打ちがしばらく続くこととなったが、17周目、ロッシが再びタイムを上げて1分59秒331とし、ついにペドロサを突き放した。ロッシの好調は続き、その次のラップで1分59秒273を記録、それまでのラップレコードを更新することに成功した。これで勝敗は決し、ペドロサは2位。同時にランキングトップに上がった。
ロッシのチームメイト、ロレンソは、怪我の痛みに耐えながら期待以上の4位を獲得。予選4位からスタートしたあと一時9位まで後退し、追い上げを強いられることとなってしまった。まもなくひとつ上げて、7ラップにわたって8位をキープしていたが、12周目には突然のようにリズムをつかんでさらに4台をパス。やがて前方にストーナーが見えてきたが追い上げもここまで。これまでのキャリアのなかでも最も厳しい状況のレースを見事に走り終えた。
テック3ヤマハ・チームのエドワーズは6周目、バックストレート・エンドでコースアウトを喫して後退。それまでは順調に3位を走行し、後続のストーナーを引き離そうとしていたエドワーズだが、このアクシデントで4つ順位を落とし、後半で懸命の追い上げを図るもとどかなかった。チームメイトのJ・トースランドは初めてのコースでの天候の変化に対応しきれず12位でレースを終えている。
ロレンソはペドロサにランキングトップを譲ることとなったが、その差はわずか7ポイント。そのロレンソに2ポイント差でロッシが3位につけている。開幕からここまでの4戦すべてで異なるウイナーが誕生するという実力伯仲の戦いは、5月18日、フランスへ移動していよいよヨーロッパラウンドが始まる。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 44.08.061 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 3.89 |
3 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 15.928 |
4 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 22.494 |
5 | M・メランドリ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 26.957 |
6 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 28.369 |
7 | C・エドワーズ | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 29.78 |
8 | T・エリアス | Alice Team | Ducati | 30.225 |
9 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 31.44 |
10 | 中野真矢 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 35.969 |
11 | A・ドビツィオーゾ | JiR Team Scot MotoGP | Honda | 36.246 |
12 | J・トーズランド | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 43.191 |
13 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 43.442 |
14 | J・ホプキンス | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 45.855 |
15 | S・ギュントーリ | Alice Team | Ducati | 46.330 |
LAP CHART
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Honda | 81 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha | 74 |
3 | V・ロッシ | Yamaha | 72 |
4 | C・スト―ナー | Ducati | 56 |
5 | L・カピロッシ | Suzuki | 33 |
6 | J・トーズランド | Yamaha | 33 |
7 | C・エドワーズ | Yamaha | 31 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 90 |
2 | Honda | 81 |
3 | Ducati | 56 |
4 | Suzuki | 34 |
5 | Kawasaki | 26 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(優勝):
「8戦ぶりの優勝は本当にいい気分!今日はスタートからフィニッシュまで自分の思い通りに走ることができて、その結果の優勝なので大きな意義があったと思う。ペドロサとのバトルは激しくて、最後まで59秒台で戦ったのだから本当にすごかったよ。決勝日が晴れてくれることをずっと望んできたので、今朝起きて雨が降っていたときにはかなりショックだった。でもその後路面が乾いていって、結局はドライ・コンディションで走れたのでラッキーだった。
ブリヂストンとの共同作業がとてもうまくいっていて、今日も最終段階でタイヤの変更を決定したのだけれど、それが功を奏して最後までしっかり好調をキープしてくれた。このことは僕のタイムが証明しているだろう。ブリヂストンでの初優勝を実現できたということも喜びのひとつ。彼らには心から感謝している。金曜日の午前中の走行からずっと調子が良く、さらにセッティングを煮詰めてパーフェクトに近づいていった。そして最終的にみんなの努力が報われる形となったんだ。
ここまでの4戦で4人のウイナーが誕生している。今年の戦いはそれだけ実力伯仲しているということなので気を抜くわけにはいかない。ロレンソもひどい怪我をしているのに本当によく頑張った。チームとしては最高の結果。チームとヤマハのサポートに感謝している」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:
「このときを待っていたんだ! 優勝はやはり素晴らしい。しかも今日のバレンティーノは完璧だった。今回の勝利のなかには、いくつもの喜びがある。まずブリヂストンで初めての優勝であること、久しぶりの優勝であること、そして開幕以来の不調を埋め合わせてチャンピオン争いに復活できたこと。みんなのモチベーションと自信が上がっているので、この調子で走り続けていきたい。まだ4戦目だが、チームの状況はすでに最高潮という感じだ」
J・ロレンソ選手談(4位):
「今日の結果は、僕にとっては優勝と同じようなものだよ! 金曜日の時点では走ることもできないと思っていて、昨日は少しだけ良くなって、そして今日はついに、走ることができただけじゃなくて十分に戦って、しかも楽しむことができたんだ! 両足はかなり痛かったんだけれど、クリニカ・モービルの先生たちが何とか僕を走らせてくれた。彼らには本当に感謝している。序盤はずいぶんポジションを落としてしまったが、後半はリズムができて少しずつ順位も上がっていった。実際、今までの他のレースよりもたくさん抜いたような気がするよ。ウォームアップラップのスタートでエンジンをストールさせてしまい怖い思いをしたが、幸い再スタートできて何とかなった。
腕のほうはほとんど痛みを感じなかったので、手術がうまくいったのだと思う。このあとはバルセロナへ戻って足首の治療に専念。ルマンまでに体調を完璧な状態に戻すため、できることは何でもするつもりだ。タイヤがとても良かったので、ミシュランには感謝している。そしてヤマハに、チームのみんな感謝。バレンティーノの優勝も素晴らしかった。今日はいい誕生日になったよ!」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:
「ホルヘは今日、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。金曜日の怪我に腕の手術。このところの状況を考えれば、このような結果を想像できた人はひとりもいなかっただろう。初日にほとんど走行できなかったにもかかわらず、意外に早くマシンのセッティングが進んだことは幸運だった。今はそうしたすべてのことに満足している。ミシュランタイヤもいいものが見つかって、そのおかげでホルヘがリズムをつかむことができたと思う。またホルヘのために力を尽くしてくれたクリニカ・モービルの先生たちにも心から感謝している。バレンティーノの優勝を祝福する。みんながこの強さを維持していけるよう願っている」
C・エドワーズ選手談(7位):
「もちろん、正直に言うとすればハッピーじゃないよ。自分がどのくらいのペースで走れるかは分かっていたから、序盤はできる限りハードにプッシュして後続を引き離したいと思っていたんだ。ケイシーがいるのは分かっていたが、バレンティーノとダニについてはよくわからなかった。でも彼らは僕を抜いていくと、そのまますぐに遠ざかっていってしまった。それで僕は3位になって、バックストレートのあとのヘアピンに、いつものようにブレーキをかけて進入。ところがリアエンドが回り込んできて、人生最長のノーズ・ウイリー(前輪走行)をしてしまったんだ。戻ってくれるのをしばらく待ったが、結局はブレーキを離してリアを接地させた。それでコースアウトしてしまったんだ。この間わずか3秒だけれど、問題は順位のほうだ。その後も全力で走ったけれども、この言葉も聞き飽きたかもしれないけれど、どうすることもできなかったんだ。
今日は何かが欠けていたんだと思う。少しでも良くしようと何カ所かを調整してやってきたが、最後には自分がミスをしてしまった。でも今日は、もしもこのミスがなかったとしても表彰台を狙うことはできなかっただろう。そういうめぐり合わせではなかったということなんだ。昨日までは確かに暑すぎたが、ここまで涼しくなってくれなくても良かったのに...。何人かのライダーは、気温が高いほうが良く走るマシンを持っていたが、それほど暑くならなかったので、これは行けるかもしれないと思っていたが、どうやら違っていたようだ。
僕を支えてくれたみんなに感謝の気持ちを伝えたい。ポールポジションは嬉しかったが、決勝はもっと上を期待していた。ルマンではすべての条件を揃えて、テック3とミシュランのホームレースのために頑張りたい」
J・トーズランド選手談(12位):
「12位という結果は望んでいなかったが、初めてのシーズンにこのようなことは当然起こりうることだ。セッティングについてはウイークを通していくつかの問題が解決できなかったので、その分、コースを勉強する時間がなくなってしまった。スタートはとても良かったのに、やはりセッティングがうまくいっていないせいで、厳しい戦いになりそうだということがわかった。午前中にいくつか試そうと思っていたこともあったのだが、雨が降ってしまったのでできず、決勝でいきなり使うというギャンブルになってしまった。理論上はとても良さそうだったのだが、実際にはあまりうまく機能してくれなかった。モトGPで12位になるのに、それほど大きな問題は必要ないようだ。僕は小さな問題に翻弄されて貴重な時間を無駄に費やしてしまった。ここが8位と12位との差なんだ。
ブレーキングでの荷重移動がとても速く、ブレーキング中にリアをターンさせようとするとまるでスケートみたいにコーナー進入が安定しない。再び力が伝わるまで長い時間待って、それからようやく加速することができるんだ。800ccマシンの難点はトルクが足りないこと。だからその分コーナースピードを高くキープしなければならない。コーナー進入がうまくいかなくてスピードをキープできないとすれば、もうあとはどうすることもできないというわけだ。そういうわけで僕は、コーナー途中も立ち上がりも遅い。そしてそれが次のラップにも影響してしまい、ライバルたちとの差になっていく。ここがコースを知らない弱みなのだろう。チームのみんなは、何とか僕にコースを理解させようと根気づよく支えてくれた。次のフランスでは彼らの努力に応えられるようにしたい。フランスのチームだから、僕は彼らのためにも死にものぐるいで頑張るつもりだ」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談:
「コーリンとミシュランのおかげで、昨日は、2002年ぶりのポールポジションを獲得することができて本当に嬉しかった。コーリンは今日もよく頑張ってくれたが、厳しい戦いになることははじめからわかっていたことだ。好スタートを切って1周目をリード。その後バレンティーノとダニに抜かれたあとも、我々としては表彰台を狙っていける自信があった。ケイシーはコーリンに仕掛ける様子が見えなかったし、コーリンは一時引き離したりもしていたからだ。ところがコーリンはヘアピンでコースアウトしてしまって順位を下げた。優勝は無理だとしても表彰台は不可能じゃないと思っていたので、この結果は非常に残念だ。今回はこういうことになったが、次の機会が必ずあると信じている。依然としてふたりともしっかりとポイントを獲ってくれているので不安はない。
ジェームスにとっては大変な戦いだったが、彼はいつものように100%をかけて、この厳しい世界に挑み続けている。今回もきっと、とても多くのことを学んだことだろう。
総合的には十分に評価できるウイークだったと思う。ポールポジションを獲得したし、ジェームスとコーリンが依然としてランキング6位、7位につけている。これからも全力で戦い続け、自信をつけていきたい。ファクトリー以外ではコーリンが最高位だという事実も我々にとっては大きな励みだ」
中島雅彦フィアット・ヤマハ・チーム総監督談:
「第4戦の舞台となった中国の上海インターナショナルサーキットは上海の"上"の字を象ったレイアウトで、2本の長いストレートがあり、320km/h超のGPの中でも最高速が最も速いサーキットの一つです。一方で、回りこんだ低速コーナーを各所に配し、ブレーキング、旋回性や切返しの全てが求められます。レース当日は朝から雨に見舞われ、スタート直前までマシンセットアップ、タイヤ選択を迫られるあわただしい状況でしたが、タイヤとのコンビネーションもまとまりを見せ、予選で2番手を獲得したV・ロッシ選手が、追随するペドロサ選手を振り切り、昨年のポルトガルGP以来8戦振りの優勝を果たしました。初日に激しく転倒し両足首を痛めたJ・ロレンソ選手は、痛み止めを打っての苦しい戦いとなりましたが、持ち前の集中力を発揮し4位と上位に食い込む健闘、テック3・ヤマハ・チームのC・エドワーズ選手、J・トーズランド選手もそれぞれ7位、12位と4台完走できました。エースの復活にスタッフ一同ほっとしたと言うのが正直な所ですが、今後も厳しい戦いが続くと思いますので、皆様のご声援を引き続きよろしくお願いします」