ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月4日 中国
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2008年5月2日(金)フリー走行2(総合結果)
■開催地:中国/上海サーキット(5.451km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:38度
REPORT
ロッシ、初日総合1番手
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは、フリープラクティス初日に唯ひとり1分59秒台を記録してトップに立った。明日の予選もこのまま好天が続く見込みだが、決勝日は雨となる確率が高くなっており、ロッシが優勝を果たした上海GP初開催の2005年の再現になりそうだ。
ロッシは午前中に行われた第1セッションから好調で、そのほとんどでトップをキープ。午後になって路面温度が上がるとC・ストーナーに先行を許したが、午前中に記録した1分59秒906のベストタイムが破られることはなく総合トップとなった。
ロッシのチームメイト、J・ロレンソは、フリープラクティス第1セッション中盤、10ラップ目走行中のシケインで転倒、左足首骨折と右足首から足にかけての打撲を負った。サーキット内の診療所で診察を受けたあと、さらに詳細に調べるために上海市内の病院でMRI検査を行った。今後の走行については明朝の状態を見て判断する。
クリニカ・モービルのコスタ医師は次のように語っている。「検査の結果わかったことは、左足首の真ん中あたりの骨を再骨折しているということ。またMRIによって右足かかとにもかなり大きな衝撃がかかったことが判明した。いずれにしても両足への負担はかなり大きいので、明日の予選と日曜日の決勝の出場は難しい状況だと言わざるを得ない」
テック3ヤマハのC・エドワーズとJ・トースランドは、フリープラクティス初日をそれぞれ10位と13位で終えた。エドワーズはタイヤグリップの改良に手ごたえを得て25分01秒604を記録。上海のコースの特徴のひとつであるハードブレーキング・ゾーンに対応するため、リアについてはフィーリングのさらなる向上を追求している。
一方のトースランドは、午前中のセッションの自らのベストタイムを0.8秒更新して2分01秒798。トースランドにとって上海でのレースは初めてとなるが、素早くコースの特徴をつかんでおり、チームメイトのエドワーズとの差はわずか0.7秒だ。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'59.906 |
2 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'00.163 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.361 |
4 | 中野真矢 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'00.553 |
5 | J・ホプキンス | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'00.591 |
6 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.607 |
7 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'00.931 |
8 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'00.964 |
9 | A・ドビツィオーゾ | JiR Team Scot MotoGP | Honda | 2'00.974 |
10 | C・エドワーズ | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 2'01.064 |
11 | T・エリアス | Alice Team | Ducati | 2'01.326 |
12 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'01.504 |
13 | J・トーズランド | Tech3 Yamaha Team | Yamaha | 2'01.798 |
14 | M・メランドリ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'01.913 |
15 | A・ウエスト | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'01.984 |
16 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'02.026 |
17 | S・ギュントーリ | Alice Team | Ducati | 2'02.348 |
18 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 2'02.480 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行総合1番手/1分59秒906/47周):
「とても良いスタートを切ることができた。最初の走行からとても速くて、マシン・セッティングも順調だしブリヂストン・タイヤもよくかみ合って機能してくれた。午後になると路面温度が40度まで上がってしまい、厳しいコンディションのなかでタイヤも少しスライドするようになったためタイム更新は不可能だった。でもタイヤはいろいろな種類があって選択が豊富だから不安はないよ。僕自身のリズムもとてもいい。ほとんど思い通りに走れていて好調だ。僕とストーナーがいくらか抜きんでているようだから、去年のようなバトルになるのかもしれないね!僕のバイクも今年はトップスピードが上がっていて、ここのロングストレートで力を発揮してくれるはずだが、コーナースピードも同様に、かなりいいんだ。唯一の心配は、決勝日の天気が今日とはまったく変わってしまいそうなこと。もちろんドライ・コンディションで決勝を走りたいが、ウエットになってもうまく走れると思う。ロレンソの転倒は残念だ。日曜日の決勝までに良くなることを祈っている」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:
「ホルヘの転倒は本当に不運だった。明日は何とか走れるようになってくれるといいのだが...。バレンティーノのほうは最初からマシンが絶好調だったので、すぐにセッティング作業にとりかかることができた。このあとは明日午後の予選と日曜日の決勝に備えて、さらにじっくりとセッティングを煮詰め、タイヤ・チョイスを行うだけというところだ。今のところは高温、多湿のコンディションに合わせてセッティングしているが、日曜日は雨になりそうだということだ。降らないことを願おう!」
R・フォルカダ、フィアット・ヤマハ・チーム、クルーチーフ談 :
「本当に残念なことが起こった。ホルヘにとってのウイーク初日、我々はこの間手術をしたばかりの腕のことばかり心配していたのだ。かなり激しい転倒だったが、その衝撃でデータがすべて失われてしまったため、いったい何が起きたのかはっきりしない。映像から見る限りではリア・グリップがなかったようだ。明日走れるかどうかはまだわからないが、走る前提でマシンを準備しておくつもりだ。懸命に、できるかぎり一生懸命に、ホルヘと同じようにタフに戦っていく!」
C・エドワーズ選手談(フリー走行総合10番手/ 2分01秒064):
「グリップ感をつかめるようにするために、一日のほとんどを費やした。どうすれば良くなるのかはわかっているが、まだ少し問題もある。気温がとても高かったし、このコースはハードブレーキングの場所がたくさんあるので、フロントについてはいつもと違うものが投入された。それに僕が手間取ってしまったんだ。熱を発散させるために硬めの構造になっていて、それをうまく扱うほうに集中したため、ライン取りが思うようにいかなかった。フロントにたくさんの問題を感じていて、それが結局はリアにも影響してしまったようだ。リアのグリップは悪くなかったのだが、フロントのフィーリング不足のせいでコーナースピードをキープすることができないときには、コーナー立ち上がりでその分を取り戻そうと激しく加速するので、リアを早く消耗してしまったのだと思う。
ホイールベースを変更したらいくらか改善された。今晩、コンピュータのデータを分析し、ミシュランと話し合って状況を見極めたい。リアタイヤについては5種類のチョイスがあって、今日はそのうちの3つだけ使用した。まだ2つの可能性が残っているので、明日はきっとうまくいくだろう。テック3のみんなはいつものように全力で頑張っている。必ず解決策が見つかると信じている」
J・トーズランド選手談(フリー走行総合13番手/2分01秒798):
「このコースはそれほど難しいとは思わないが、そのなかでも2、3か所は、しっかりと特徴をわかっていないと走れない場所がある。でもわずか40ラップだけの経験で、コーリンに0.7秒差まで近づいているのだと思えば、とてもうれしいし、明日はもっと頑張れるだろうと自信を持つことができるんだ。今の一番の課題は、コースのうねりをいかにうまく越えるかということ。いくつかのトリッキーな場所にでこぼこがあって、そこではしっかりとマシンを立てておかなければならない。そしてライン取りがうまくいけばタイムが上がるんだ。
前回のポルトガルのセッティングは、ここにはあまり向かないようだ。ベースセッティングをそのまま使えればよかったんだけれど、それができないとなると楽ではない。でもチームスタッフが素晴らしい仕事をしてくれているから不安はないよ。また一周がとても長いのでラップ数が上がらず、当然ながら、走ることで学べることも思うように進まない。とくに難しいのが第1コーナー。フルバンク中はそんなに強くブレーキをかけられないため、コーナー途中のスピードがちょっと速すぎて無理がきてしまう。それでマシンをちょっと起こすと、またコーナースピードを落としてしまうことになるんだ」