ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月13日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦ポルトガルGP
■開催日:2008年4月11日(金)1日目フリー走行、12日(土)予選、13日(日)決勝
■開催地:ポルトガル/エストリルサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1972年
■コース長:4.182km
■サーキットレコードラップ:1分37秒493(2007年:N・ヘイデン)
■サーキットベストラップ:1分36秒200(2006年:V・ロッシ)
■2007年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
ロッシ、相性のいいポルトガルGPに臨む
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンゾは今週末、ポルトガルはエストリルでモトGP第3戦を迎える。このコースでのふたりのこれまでの成績は対照的なものだ。
ロッシはエストリルでGP史上最高の成績をおさめたライダー。出場8回中すべてで表彰台を獲得、そのうちの5回は優勝を果たしている。昨シーズンは激しい競り合いの末、6レースぶりに優勝を成し遂げたが、これは2000年のデビュー以来、最も長く優勝から遠ざかった時期でもあった。今年はもちろん6度目の優勝を狙っていく。
一方のロレンゾにとっては、今シーズンの日程のなかで走ったことのある4コースのうちのひとつ。同時にポールポジションを獲得したことがない2コースのうちのひとつでもある。しかし開幕以来の2戦で、ともにフロントロウから表彰台獲得と活躍してきたロレンゾは何も恐れるものはない。
10月に開催された昨年のレースは、気温28度。しかし春の平均気温は20度台前半で、大西洋からわずか7kmというこの場所は激しい天候変化で知られ、たびたび冷たい雨や風に邪魔されて太陽が姿を消してしまう。コースレイアウトは特長的で、GPコース中、最も長いメインストレートと最も遅いコーナーをもつ。ツイスティーなセクションが多くあるため、平均速度が最も低くなっているが、時速200kmに達する第5コーナーや最終のパラボリカ・コーナーは、ライダーたちの腕と勇敢さを試す過酷な場所となっている。
COMMENT
V・ロッシ選手談 -"準備はOK!"
「昨年のエストリルはとてもいいレースだった。ペドロサと激しいバトルを展開した、シーズンのハイライトとも言えるほどのものだ。しかもあれ以来、優勝がまだないので、何とかここでまたあの走りを再現したい! ヘレスは僕らにとって非常に重要なレースだった。ブリヂストン・タイヤを履いて2戦目での2位だし、カタールで苦しんだ後の好成績だっただけに意味が大きい。あれで僕らは、マシンが着実に仕上がってきていることを確信できたんだ。マシンは強力で、タイヤも最後までよく機能してくれた。決勝翌日の月曜日にテストを行ったが、そこでさらにまた何歩か前へ進むことができた。今はまだ一歩一歩と前進している状態だが、チームのみんながしっかりと集中し、やる気と自信を持って頑張っている。
今の時点で優勝を狙っていけるだけの準備が整っていることが理想。このコースはいつも相性が良くて、これまでにもたくさんの好成績を残してきた。ただ昨年とは季節が違うのでコンディションも変わってくるだろうが、準備はできていると思っているよ!」
J・ロレンゾ選手談 -"前進あるのみ"
「シーズンの始まりには、とっても満足している。人生最初と2番目のモトGPで、ふたつの表彰台とふたつのポールポジションを手にすることができたんだからね! もちろんヘレスは勝ちたかったけれど、優勝のことを気にするには、まだ早すぎると思う。それよりも、とにかく一生懸命に頑張って、進化し続けることが重要だ。テストもとても順調で、M1に施した変更点のすべてが、良い結果につながった。テストがいつもこのようにうまくいけばいいと思うよ! 昨年のエストリルは3位で、もう少しで2度目のタイトルを獲得できるというところだったからかなりエキサイトした。ポルトガルはスペインの隣国で、スペインのファンが大勢見にきてくれるので、スペイン人ライダーにとっては重要なレースと言われている。でもコース自体は、僕にとっては最高のものではなくて、実際、3位以上になったことがないんだ! 天候は変わりやすいし、コースはハードブレーキング・ゾーンを含むとてもトリッキーなものだ。でもヤマハはここで何度も成功しているので、今回は僕もうまく走れると期待している。
テストをしていなくて、以前にレースをしたことのあるコースということになるので、今までの2戦とは、また違うチャレンジになるだろう。金曜日からしっかりチームと気持ちを合わせ、そこから少しずつ前進できるように頑張っていく。決勝での目標は依然として変わらない。学び、楽しみ、向上し、ベストを尽くすことだ」
D・ブリビオ、ロッシのチーム・マネジャー談 -"かなり厳しい戦いになるだろう"
「エストリルはバレンティーノが最後に勝った場所だからいい思い出だ。しかし、今回はかなり厳しい戦いになるだろうと考えている。それでもバレンティーノはこのコースが好きだし、ヘレスでいいレースをしたあとだから、そのままの気持ちで臨んでいきたい。ヘレスの翌日に行ったテストで、いくつかのタイヤを試して、それが役立ってくれるはずだが、それとは別に、やはり引き続きマシンとブリヂストン・タイヤのマッチングを追求し、少しずつ前進していきたいと思っている。昨年のレースのときよりも気温が低くなるだろう。それにいつもとても風が強いので、むしろ前回のヘレスのコンディションに近いと思う。そうなれば我々には好都合で、ファンのみんなにも楽しんでもらえるだろう」
D・ロマニョーリ、ロレンゾのチームマネージャー談 -"ホルヘはみんなを驚かしてくれる"
「ホルヘにとってはYZR-M1で初めて走るコースということになるが、コース自体は良く知っているし、マシンにはすっかり適応しているので心配はしていない。マシンセットアップの面では、ヘレスとはまったく異なる特長があって、たとえば第9、第10といった超低速コーナーと第5、第13のような高速セクションとの間の妥協点を見つけることが重要になる。ヘレスで行ったテストで、エンジン・マッピングなどを中心に、このための準備をしており、これによってタイヤの耐久性アップを引き出している。またミシュランの新しいリアタイヤもエストリルで役に立ってくれそうだ。
ここまでのホルヘの活躍には、誰もが驚いていることだろう。とくに2戦連続のポールポジションにはびっくりだ。しかし我々として最も大切に考えていることは、彼がヤマハのマシンに素早く適応し、素晴らしいポテンシャルを持っていることを証明してくれたことだ。エストリルは好きなコースではないようなので、少しでも早く気持ち良く乗れるマシンを作り上げたいと思っている。そうすればこれまでの2戦の好調をそのままキープしてくれるだろう」